ISBN:4596217882 新書 吉本 ミキ ハーレクイン 2005/11 ¥672

前作に続く、「行け行け!美人三つ子姉妹ちゃん」シリーズ その2(笑)
今回の主役は三つ子の末っ子オリヴィアと、前回のヒーローの従弟でロボット・エンジニアのリュック。

お互い一目ぼれ、しかし、何だか読んでてもよく分からない理由でリュックに拒絶されたオリヴィア。
衝動的に彼の弟で、人気F1レーサーのセザールにくっついてF1レース会場にまで同行しちゃう事に(^^ゞ
またそれが誤解を招くのだが・・・。

とにかくこのオリヴィア、何があってもへこたれない力強いポジティブ思考ヒロインで・・・読んでて何度ぷぷっと噴出した事か(笑)。
とにかく彼に、自分の気持ちを認めさせるのよ〜!!と、家に転がり込み、怪我による手術直後の彼を「療養」の船旅へと連れて行く。
もっとも、ここで彼女を誤解していた彼は、彼女の化けの皮をはがすべく、おんぼろ船を手配しているんだけど、そこでも負けず出航しちゃえばこっちのものとばかりに、彼が鎮痛剤で寝ているうちにさっさと船出しちゃうし(笑)
その船が、無人島に向かっている事を教えられても「本で読んだ場所に行けるなんて♪」とへこたれません(^^;
島に着き、食料が二日分しかないのに・・・となると、そこで魚を釣って三枚におろして料理する素晴らしさ(爆)
島で何もする事がないぞ、となるとキレイな石をいっぱい拾ってきて「無事帰ったら、これを研磨してペーパーウエイトとしてネット販売するわ!」と、どこまでもポジティブ(^^;
(その石は研磨しても売り物にならない石だったけど、それでも何か微笑ましかったわ。笑)

なんか、そのヒロインに押されたワケじゃないけど・・・このヒーロー・・・何もしなかったような気がしますが(^^;
術後まもなくの療養中とはいえ、ヒロインが何もかもしちゃってて、彼は最後近くまでは、寝てるか悩んでるだけって感じだったわ・・・。
むしろ、一見プレイボーイ風の弟くんの方が、HQヒーローのように思えました。
何でも出来る秀才のお兄さんに複雑な思いを抱きながらも、敬愛していて、お兄さんを守る為に隠れてヒロインの事を試したり。
お兄さんとの間に誤解から溝が出来た時ですら、お兄さんへの愛情を決して無くしたりしなくって、とても努力家。
無実なのに、自分の事を兄に悪く思われてるってのに、話も聞いてもらえないってのに・・・ああ、いい人だ。
こんな風に、弟くんは見かけよりも、中身がある非常にいい男性として描かれていたのよね。
それに比べて兄ちゃんは・・・(^^;

実際、この兄弟の仲直りをさせるきっかけを作ったのもヒロイン。
そこまでの布石を作っていたのは弟くん。
その二人に乗っかったという風に読めましたが、ヒーローよ・・・。
うーむ・・・面白かったけど、こんな影の薄い、存在感のない「デキる男前ヒーロー」の本ははじめてかも(^^;;