ステファニー・ローレンスのバー・シンスター・シリーズ1冊目、読了〜♪
1冊目からローレンス節炸裂の1冊でとっても満足しました(^^)

まぁ、そもそも巷にあふれるアッチッチな作家の作品と比べると、ローレンスの作品って何ちゅーのか・・・淡々と細かいエピソードを重ねて進んでゆくその淡白さと、何ページ続くか毎回別の意味でドキドキする長丁場ラブシーン(爆)の濃ゆさの落差と、それに関わるキャラクター按配を楽しむというか、ちょっと勝手が違うというか(笑)。
昨今の主流の怒涛のようなドラマティックな展開と、ディープなキャラの山、そして食傷気味寸前になりそうな濃厚なエッチ場面連打のラブシーンてんこ盛り作品と比べると、かなり地味で、それでいてもどかしい。
元来のリージェンシー原点にその部分だけ戻っているという、そこがいいんだけど(爆)。
中途半端なサスペンス部分は、徹底したロマンス味付け程度の存在なんでこのローレンス作品のサスペンス部分に過大な期待なんぞはしてはイカンのだ(爆)。
この作品も、バレバレの殺人犯を、その挙動不審具合に気付いてまだ自由に泳がせているあたり、懐深いというか頓珍漢というか(笑)。
確かに・・・デヴィルはデキるヒーローだが、どうも若年性アルツのフシも感じるぐらいうっかりしていて、そんなこんなで話が長くなったのか?(笑)

で、今年10周年記念という今シリーズの記念すべき1冊目。
多分、現在のローレンスらしさ確立という意味では金字塔的傑作の部類に入る。
それゆえに今だ人気高い1冊なのだが、いかんせん、ここ数年の翻訳ロマンス小説バブルで近年のウッフンアッハンな過激なリージェンシーやヴィクトリアンものに慣れてしまった日本読者には、むしろ肩透かしというか前評判が高すぎた分、がっくり度もあるのでは?とかいらん心配が(笑)。
いやいや、そんな事はないですがね。
確かに10年の時差は大きくても、細かい社交界のお約束にがんじがらめになりつつも、その隙間をひょいひょい軽妙に動いている、活き活きしたキャラ達のあれやこれやを楽しむという徹底したローレンス節は、読めば読む程、噛めば噛む程に味が出ます・・・マンネリ慣れというハナシもあるが(^^ゞ
そういう意味では、物語そのものはよくある運命の相手同士のすったもんだ話なんですが、そこから、ステファニー・ローレンスの情緒過多な昨今のロマンス小説と逆行している独特の筆力っぷりが読む上での好みの分かれ目といえるかな?
ことのさんは嫌いじゃないの。淡々としていて、それでいて押えるところは押えているのが。
キャラ萌えに関しての押さえ具合は、かなり手堅い。
デヴィルが、今だロマンス読者に愛されるのが読めば分かります。
10年前に、彼の趣味趣向(萌え属性)をズバリ的確に表すこの言葉が流行していなかったのが残念でなりません(笑)

ツンデレ(爆)

悪魔公爵というより、もう最初から最後までヒロインのホノーリアのツン具合、自分だけに見せるデレ具合どっちもに腰砕けになっている彼を見て「なんだ。ツンデレ公爵じゃん」と思ったのはことのさんだけなんだろーか(笑)。

また奥さんとなったホノーリアの、デヴィルに対する丁々発止っぷりはまさに割れ鍋に綴じ蓋(笑)。
笑わずにはいられなかったのが、一服もられそうになった公爵夫婦、お互いにお互いを心配するがあまり腹心の召使い達に、こっそり相棒の護衛を依頼。
しかも、嫁さんは旦那の行動を予想して一歩先に行こうとする・・・その夫婦の力関係の間に挟まれた召使い達の、気付けば奥様至上主義に傾倒しつつある様が絶妙(笑)。
いや、デヴィルだけでなくバー・シンスターの他の伊達男たちもあっさりホノーリアの下僕に(笑)。
シンスター家のラスボス(笑)は、デヴィルのママンだと思っていたが、しっかりラスボスにもっとタチ悪そうな分身後継者が出来てました、みたいな(爆)。

そういう意味では、このシリーズはシンスター一族災難記というハナシも(笑)。
次回の餌食主役はデヴィルの一番年の近い従弟、今回もおいしいところを奪いまくったヴェーン。
翻訳も決定しているので、まったり待つとしますわ(^^)
サマンサ・ジェイムズのこの名義での初翻訳、スターリング・トリロジー1冊目、読了〜♪
って、だいぶ前に読了してお気に入り過ぎてリピートしちゃったんですがね(笑)。

そうなの。
多分に体調の悪い時って、こんなふわふわした優しい、もうヒネくれまくっていることのさんのような読者でも癒される作品が読みたいワケさ(笑)。
それで、鉄板キャラに、テンプレ展開だとなお嬉しい・・・あら。何だか「体調悪い時にはベ○ィ・ニールズ」と言って譲らないお友達のようじゃありませんか(爆)。
そういう意味でも、まさにおとぎ話のようなお約束っぷり、というか。
いやー。かわいかったの何のって。この苦労人カップル(笑)。

ヒーローのサーストン侯爵セバスチャンは、幼い頃に浮気相手と駆け落ちした母親に捨てられ、厳格な父親に育てられ、というお約束のお貴族設定ながら、これがまぁ、地味でねぇ(笑)。
最後に会った母親の言いつけを素直に守り弟妹を守り、彼女が貶めたスターリング家の家名を復権させ、イケてない父親が死んだ時にあった多額の負債のせいで傾きかけた家計をせっせとやりくりして黒字経営にまでたたき上げる、という偉業を達成。
しかし、何故かどうもセバスチャン、いい人すぎて地味なせいか、そんなこんなの偉業の数々もひっそりという印象(爆)。
どうしてっ、どうしてこんなにオトコマエなのに、弟のジャスティンがそれ以上のイケメンなせいでやっぱりひっそり(笑)。
やはり優等生より、誰もがチョイ悪の方がいいのか?!(爆)

そんな真面目な地味イケメン(笑)セバスチャンに瀕死状態で拾われたのが、ヒロインのデヴォン。
家庭教師だった母親が私生児として自分を生んだせいで極貧生活街道まっしぐら!!の街娘。
しかし、貴族の血をひく彼女、そこはやはり気位も高くて誇りだけは捨てちゃいない。
酒場で働いてはいるが、微妙にKYで職場で浮きまくりなあたりもその表れ(笑)。
そんな毎日死にもの狂いで生きている彼女が、何の因果か災難に巻き込まれて悪党に刺されてしまうのだが、そこにまたまた偶然通りかかったのがセバスチャン、というワケで。

怪我人のデヴォンを介抱して、同じ屋根の下で暮らす事になったセバスチャンだが・・・反目し合いつつも、ツンながら清らかちゃんのデヴォンに気持ちが傾いてゆくわけなんだが。
キタ!キタコレ!!
テラモエ!ギザカワユスーっっ!!なくらいの、ヤバイまでの悶え三昧の寸止め連打!!(爆)
ああ、こんなストレート直球勝負なまでのことのニーズなヒーロー、どうするべさ > 動揺して訛ってしまうわ。思わず(^^ゞ
毎日毎日、デヴォンとベタベタべったべたに一緒に過ごすセバスチャンの様に、またスターリング家の家計が傾くのではないかと心配になるぐらいの、のほほんっぷり(笑)。
捨て犬を拾うデヴォンに、そのワンコとあれやこれやとスキンシップ(?)をする羽目になるセバスチャンとか、とにかくあらゆるところで振り回されっぱなし。
でも、それがまぁ、読んでるこっちにも微笑ましいまでの幸せオーラ爆裂っちゅーか、メロメロドッキューンっちゅーか。
ていうか、最初に言ったように地味で真面目なこのセバスチャン、彼女に泣かれると本当に毎回オタオタしちゃって侯爵の貫禄も何もあったもんじゃないってぐらい・・・ヤダ。テラカワユス!(萌)

でも、よくある話なわりに・・・ご都合主義にデヴォンの血筋というか、出生が明らかになる前に、あんなに家族を守る為に、家名を守る為に今まで生きてきたセバスチャンが「平民」であるデヴォンの為に全てを捨てようとしっかり決心していたところだな。
こんなピュア馬鹿くん、ちょっと見たことない(^^ゞ
彼女の前では、決して後には引けないというか、腹のくくり具合がスゴイというか・・・萌えは全てを超越するっちゅーか(爆)。

そうなのだよ。
この話、ひらたく言えばヒーロー・セバスチャンが、真面目な生活を送ってきた故に今まで経験した事のない怒涛の勢いの萌えに翻弄される物語なのだ(爆)。
ひとり芝居というか、モノローグというか、全てがもう、きゅんきゅん腐っているというか妄想大暴走というか(爆)。
そんなこんなで、読んでる方もきゅんきゅんして萌え〜、っとなり、クスクス笑ったりしんみりきたり、とセバスチャンの揺れる乙女心あれやこれやを楽しんでみる1冊である(笑)。
どう見ても長男の威厳なくって、むしろ次男のジャスティンのが貫禄あったとしてもそこはもうノープロブレムで笑って許して!(爆)

そんなこんなで放蕩者という割に、かなり真面目で常識人で、頭の回転が速くって意外に心配性なジャスティンが次回主人公。
もう7月に読める、ってのがすごいわね。
今回のラブラブバカップルな二人のその後が拝めるのも楽しみですな♪
シンディ・ジェラードのボディガード・シリーズ3冊目、読了。
はい、サヨナラっ!!

・・・いきなり、それは駄目?(^^ゞ
でもアツク語れない本だという事は確かなのだ。

いや、よく出来てますよ。
元妻を今だ愛するギャレット家の長男(チェリー・フレーバーのライフセイバーズ・ジャンキーの。笑)イーサン兄ちゃんが、フィリピンでテロリストに誘拐された元妻ダーシーを救いに決死の覚悟でジャングルを駆け巡る!
・・・ほらね。よく出来てるでしょ。話としては。
で、何で語れないのかというと、何でこんなにキャラ全てが魅力イマイチで人間的にも薄いんだろ、このシリーズという、シリーズものを読み続ける上での致命的欠点としての真理をまざまざと目の当たりにしたからだ(笑)。
話の展開が、どっかで読んだ事あるようなよくある傭兵ものロマサスのテンプレだとした場合、それ以上の吸引力が必要なのに・・・薄くてペラいキャラだとねぇ、たるいのだ。読んでて。
別れた理由も、再びくっつくにしても、淡々と読んで「あ、そう」と思ったワケ。
そんな主人公カップルのキャラの薄さに反比例して、ラブシーンだけはやたらファーストブレイクよろしく最初の出会いから攻めて攻めて、なカンジで浮いてるの何のって(笑)。
とにかく、現在と過去の交錯が無秩序のように感じるぐらい、説明補足のつもりでの切り替えが足を引っ張っているように感じたりした。
そう、めまぐるしすぎて感情の機微とかを描ききれないというか。
そうだな。こう言えばいいのか。
ダーシーとイーサンのロマンスのかなりの部分がこじんまりしたスケールなのに、無意味に勢いよく上滑りしまくりなんで、気付いたら目の前通過してて終わってた、みたいな(笑)。
大きなストーリーの隠し玉も変化球もないなら、むしろ丹念にしっとり書くのに専念した方が絶対よかったと思うんだけどなぁ・・・ましてや、元夫婦のやりなおしものなのに、感情の機微表現に欠けるってどうなんだか。

その上、元々、一番気になっていたキャラである次男ダラスが、今回は微妙に美味しいところをもっていった感も。
ダーシーと共にテロリストの人質になっていた女性エイミーとのあれやこれやである。
途中、忽然と消えたエイミーと、魂の片割れを無自覚のまま失ったようなダラスとの話がシリーズ最終話を飾るというあたり、もう他のキャラや話やエピソードはふっ飛ぶのは必然。
そうだな。
TSSでいうサムリスだな、この二人のポジションは。
「他はどうでもいいから、そこだけさっさと読ませてくれ」みたいな主役食いのサイドロマンス(笑)。
特に危ない目に合いそうな時に、ご都合主義の見本のように助けられたりしたダーシーの設定の白々しさ(あのテロリストの中に味方がいて守ってもらえましたー、ってとこ)と比べるとエイミーの悲惨な体験やバックボーンの不気味さは骨太だから読者の興味心を掴むしね。

そんなこんなで、つまりは・・・あんまり趣味じゃなかった1冊という事ね。
キャラ萌え度も低い・・・っていうか、イーサンは脇役の時の方が妄想の余地があってよかったという気が(笑)。
・・・ダラスも主役になったらそうだったりして(笑)。
主役になったらつまんなくなる、ってそれってまるでダイ○ナ・パー○ーのヒーローみたいじゃん(爆)。
このシリーズの新刊買いはこれでなくなったかな・・・あ。ダラスとエイミーの巻だけは、新刊で買うかも、ってぐらい。
スーザン・アンダーセンのショーガールもの2冊目、読了〜♪
こっちも楽しくって、勿体無いのに一気読み。
やっぱアンダーセン好きだわ♪

前作にて、どう考えても伏線は引かれていた、前作ヒロインの親友カーリーと、同じホテルに勤める保安管理担当ウルフガングのあれやこれやの1冊。
前作主人公カップル、そして前作にてサイドストーリーとして書かれたアダルトカップル、ついでに前作にてそのかわいくも駄目ワンコっぷりを披露していたワンも登場してとっても盛り沢山。
その上、今回の物語のキーポイントキャラとして、ウルフガングの甥っ子ニクラウス(ニック)が登場。
出血大サービスなキャラクター萌え増発な充実っぷりである。

・・・そう。
青田買い上等!!なことのさんには、このニックがもう全てツボ!
どうしようっ、どうしよーっっ!!
ちょっと冷めてヒネてる老成したカンジなのに、そのセンシティヴなところとかヤバシ!コレキタ!!カワユス!! > びったんびったん
そうなのよね。この子、サッカーやるんだけど、ドイツ(バイエルン)のクォーターなんで、もう当たり前のようにポジションはキーパーなんだよね。うん。
ストライカーでなく、キーパーがクールなのね。
アメリカはネバダ州ラスベガスに住む伯父さんのところで暮らすようになって転校した先でサッカー部に入部するんだけど、今のキーパーは前任が大部してしまい、間に合わせ兼任というのであっさりポジション捕獲。
話を聞くと、とっても強いチームなのに、試合にはチアリーダーも来てくれない。
皆、サッカー部よりも弱いが「華のある」アメフトやバスケの応援に行ってしまう・・・って、やはりサッカーに興味薄いアメリカを顕著に具現しているなぁ、うんうん。グッジョブ、アンダーセン!!
そんなニックが、カーリーや前作主人公トリーナ、その恋人ジャック、彼女たちの友人でもあるエレンやマックと過ごすうちに心を開き、ぎこちないままに伯父さんとの絆を深めてゆく過程がとっても良いのだ。
そして、それはウルフガングも同じ。
過去のやりとりから、穿った上昇志向を持つ彼が、一つ、また一つと今までした事がないこととか、持ったものがないこととか、考えた事のないこととか「はじめて」をニックと暮らす事により、そしてカーリーと過ごす事により体験し、不器用ながら変わってゆく様は秀逸。
あのワンコとの一目惚れ場面なんてきゅんきゅんよ!(萌)

して、前作にて強烈な印象を残したヒロインのカーリーだが、何ともキュートで愛さずにはいられないお姉さんでビバ!
ワンコやニャンコをこよなく愛し、子供を可愛がり、ウイットに富んでいて涙もろくってセクシーときては、そりゃあ、たまらんスマッシュ!(爆)
そんな彼女が、ウルフガングのイカすヒップ以外に注目することになる、駄目ワンコのルーファスくんと彼とのやりとり場面は最高ですな。
ウルフガングがドイツ語で命令すると言うこと聞くなんて!(笑)
そのルーファスのあれやこれやは・・・ちょっと泣きかけたわ。
2冊かけて、あのワンコを見てきた分、読者もやっぱり引き込まれるわけよね。
特にウルフガングに懐いてからは余計。

ラストまで、不器用なウルフガングがヤキモキさせてくれつつ、姉貴なカーリーとのハッピーエンドまでを飽きさせずに一気に読ませてくれたお気に入りの1冊。
メインキャラや脇役、動物など全てのキャラに愛着が湧くというのも、これはすごい事よホント。
レイチェル・ギブソンの初翻訳、読了〜♪
楽しかった♪
読み終わるのが勿体ないぐらい、ことのさんニーズだったわ・・・アホネタ満載で(笑) > 褒めている(爆)

そうである。
ライターという職業のヒロイン、多々あれど・・・タブロイド紙のライターときたら「え?トップ屋?」という印象があるのよね。
というか、本当はもっと社会的なことを書きたいのに、私は渋々ここでこんなくだらない記事を書いてるのよ(ふんっ)、いずれはスクープを取って、自分の野望を叶えるわ!!みたいな、とんがった、言ってはイカンが読んでてその上からの物言いとすまし具合が鼻について「あ、そう。そりゃよかったね」とシラけ気味に受け止めてしまうがっついた頭でっかちの人のハナシ聞かない女を想像してしまうのだ。ロマンス小説に関しては。
何かタブロイド紙に恨みか偏見のテンプレでもあんのか?と疑いたくなるぐらい(^^;
ヒーローのディランじゃないが、本当に偏見ありあり。

それに比べると、いいのよ〜。このヒロインのホープが。
確かに彼女はタブロイド紙のライターだが、そんなトップ屋まがいの記事に馴染めず、現在自分が楽しんで書いてるのがエイリアン来襲やビッグフット目撃や巨大アリの逆襲やらというヨタ話というんだから(爆)。
そう、ご存知東○スポーツとか、夕刊○ジのあの類の、その扇情的ながらもウケずにはいられないキャプション(見出し)!(うっとり)
作品中でホープも言ってるが、真実味なんてこれっぽっちも無さそうだ、ホラ話だと最初から分かっているのに、ついつい手にして読まずにはいられないタブロイド紙の魔力というか、ひとクセ具合をよーく分かっているのだ、この作者が!(笑)

・・・そう。もう、ここまで熱心に書いた時点でバレバレね。
ことのさん、そのテの新聞(タブロイド紙)、大好きなのよ(爆)。
かなり細部を詰めてすっぱ抜いてくる女性週刊誌とは違うの。限りなく胡散臭いヨタ具合がいいのよ、ヨタ具合が!(爆)
もう、この作品にあるそのタブロイド紙にまつわる記事作成裏話とか、読者の反応とか読んでて楽しいの何のって!
そんな売れっ子タブロイド紙のライターであるヒロインが、何の因果かアイダホ州のとある田舎町にやってくる。
しかし、この町が・・・とんでもなく妙な町でして。いやー、ネタの宝庫!(笑)
変な住人しかいない!(爆)
タブロイド紙の本職ライターが唖然とするんだからたいしたもんだ・・・というワケで、読んでる方もウケずにはいられない(笑)。
そうですね・・・ジェニファー・クルージーの書く物語に出てくる癖のある頓珍漢住民に慣れていればそれほどでも、かも(笑)。

あ、ロマンスもバッチリですわよ。
その頓珍漢な町の保安官を勤めるディランとの間にあれやこれやが(^^)
シングルファーザーながら、立派に息子のアダムを育てる彼とのエッチなやりとりが非常にキュートで、それ以上に会話の丁々発止っぷりがよろしいの♪
ホープに対しメロメロくんながら、過去に傷つき、そして息子の秘密を守るべく今まで暮らしてきたディランの、ちょっと不器用なところも○。
また、子供を持つ事の出来なかったホープがおずおずとアダムとの絆を深めて、父親ディランと同じぐらい息子アダムに心を開いてゆく様もとってもうまく書けているのだ。

個性的な脇役、頓珍漢なエピソードの羅列、各章の題がどー見てもタブロイド紙のキャプションだろ!な茶目っ気あふれるところとか、本当に全てがよく出来ている。
読み終わった後も思い出して、ニヤニヤしてしまったり(笑)。
そんなこの作品を象徴しているような格言があるわねぇ、そういえば。

事実は小説よりも奇なり

真理だわ、とヒロインも頷かずにはいられない(笑)。
奇妙奇天烈ワールドへようこそ?(笑)
とにかく、よく笑ってハッピーになれる1冊。お気に入り♪
ジェイン・A・クレンツの新刊、読了〜♪
今回もクレンツ節健在でとっても満足の1冊でした(^^)

前作『黄昏に眠る記憶』の続編となる今回、前作でドタバタと結婚した主人公カップル、ゾーイとイーサン。
いやー、ホットなイチャつきっぷりに磨きがかかりつつも、そこはやっぱりクレンツキャラなわけで頓珍漢具合にも磨きが(笑)。
ウケたのは、もはや妄執に近いまでのゾーイの「身体にいいものグッズお買い物病」(笑)。
特に日焼け止めのSPFの数値が毎回アップするという細かいネタふりにクスクス笑いますな。
それでいて、すっかり感化されたイーサンが、自分の身体の事を考えてくれたんだよな〜♪とか、呑気な脳内配線であっさりそれらを受け入れる様がまたおかしくってクスッとなるんだな。
どんどんエスカレートするっていうのに(^^ゞ
もっとも「豆乳は前立腺にいいから」と、朝一番から怪しい豆乳シリアルを山盛り食べさせられるのはどうかと思うんだが(爆)。

今回の話は、前作でゾーイと共にザナドゥを脱出した親友アルカディアの周囲に暗雲がたちこめるという展開だが、これまた前作で彼女といいムードになったセキュリティ・コンサルタントのハリーも活躍。
そして、もう一組のカップル、イーサンの義妹ボニーと、古本屋シングルトンとの亀の歩みの如きほんわかっぷり(笑)。
もう、ボニーの作るものは全て好物♪♪と、いつもワシワシ食べているその様子が萌えるのよね〜(^^)
しかし、デキる男だわ・・・シングルトン。
いつも謎解きの美味しいところをしっかり持ってゆくんですもの!
クレンツ愛読者には「キタキタキタキタ!テラモエ!キターッ!!」と思うのが、このシングルトンと、ボニーの二人の息子のやりとり。
特に今回は、長男のジェフとのやりとりは、クレンツお得意の「師匠と弟子」系列でヒジョーによろしいの!
思わずホロリときちゃったわ・・・。

サスペンス部分は、これまた二重三重のミスリードと、不可思議な能力を交えての展開が前作同様に。
まさか、宝探しまで加わるとは思わなくって、この部分は本当に楽しく読んだな〜。
そういえば、確かにあの○○○キャラは胡散臭いなぁ、と思ってたが、ラスト数章は本当にクレンツにやられた。
悪意なきストーカーたぁ、やってくれるよ本当に(^^;
前作で気になっていた同じマンション在住の彼の今後も、何だかほんわかムードを感じられるかわいいラストでしたわね。
イーサンの商売上のライバルであるラドナさんの、あれやこれやもふふっ、というオチで。
そして、あのイーサンの見た「光景」も。
別に付けなくてもいいあのラストシーンを、あえて書いてくれる。読者へと。
だからクレンツ作品というのはやめられない。
スーザン・マレリーのHQ社以外からの初翻訳、読了〜。

いやー。途中、真ん中ぐらいで思わずお友達にメールしてしまったわ。
マレリーは文庫になってもマレリー(笑)

そう。良くも悪くも「ああ、スーザン・マレリー作品ね」みたいな(^^ゞ
まぁ、妙なシークが出てこないだけマシか?(注意・ことのさんは「シークもの完全否定派」ではありません。単に「イケてないシークもの撲滅派」なだけです。爆)
でもねぇ、せっかく他社から出たものだから「ええっ」「まさかっ」みたいな事を期待して購入したのが本音かもしれません。
最後には「別にこれ、ハーレクイン社で書いても良かったじゃん。別にHQコードやぶりな話でもないし」とかすら思った次第(^^;

既刊でも思うんだが、やはりマレリー作品はヒーロー上等!!であって、この作品でも若くして父親になり、結婚に関して辛酸をなめ尽くしたシングル・ファーザーのザックが非常によろしくってそこはサクサク読めたワケだ。
曲がった事をせずに、妙に正々堂々としたまでの居直りっぷりに、女心をくすぐるマメ具合、そしてイケてるDekiフェロモンをガン流し状態でうは!ガチだ!!これこれこれーっ!!!となるワケで。
しかも「花婿の父」ときたもんだから、そのフクザツな乙女心男心とか、屈折しきったように見せかけて実は真っ直ぐ(だって、己を着飾らないし、隠さないし、ええカッコもせん。笑)なところとかをマレリーってば、あまつことなく書いたってカンジ。

・・・さて。
ここまで読んで「ああ、この本、ことのさんニーズではなかったのね」と勘付いたそこのアナタ、ご名答!
では、何がことのさんには駄目だったのか。
毎度お馴染み、ヒロインが地雷だった?! ちっちっちっ。
確かに、ヒロインのケイティに関係しているが、ちと違うのだ。
今回はこれ。

ヒロインの家族、鬼ウザすぎ!

真剣に、こんなラテン系のウザ重いい一家、ご勘弁(@@;
何かまだ、よくある分かりやすいラテン系当主の独裁政治状態ならスルーも出来るが、ここの一家、他のメンバーも親切とか明るいとかの皮を被っておんぶに抱っこで自分の意見も何もあったもんじゃない、多勢に無勢、赤信号、皆で渡れば怖くない状態でひたすらウザかった(^^;;
ラストに、ケイティで過去について吐露するシーンでも、妹や両親が「そんな事ないわ。アナタの幸せが一番大事よ」みたいなキレイ事を口にするが、ほんの50ページぐらい前の場面を読んでる限りじゃ「嘘くさーっ」と思わず呟く事請け合い(笑)。
10年前の若い頃だと、尚更若さとかのせいにされ有耶無耶にされて押し切られていたというケイティの強迫観念もあながち外れてないと思うわ、この1冊を読んだ限りじゃ。
家族全員でセラピー通いした方がいいんじゃない、とか思うもん(爆)。

ことのさんの好きな、家族ものを得意とする作家にノーラ・ロバーツがいるが(同じようにワイナリーを舞台にした作品もある)、彼女の描く家族なら、読んでいて共感したり「ああ、この輪の中に入りたいわ(ほんわか)」とか、その架空の家族をとっても愛しく思うのだが、この家族には金もらっても入りたくない、とか笑えない事がふと頭をよぎった(爆)。
ザック、いいのか?!考え直すなら今だぞ!とか(爆)。

とりあえず、姉妹残り3人の話もあるようだが・・・新刊買いはないな(笑)。隣ワイナリーの叩き上げ息子とシリーズのオチは気になるが。
やっぱりマレリーは、どこに行っても何を書いてもマレリーだった、というコメントを残して、ことのさんは去ります。アデュー!(意味不明。爆)
ローリ・ワイルドの新刊、読了〜♪
今回もとってもツボで最後まで楽しかった♪♪

前作同様、今回も微妙にヘタレなヒーローをもってこられてキタ!コレキタ!!と、もうそりゃ大変(笑)。
FBI捜査官デイヴィッド。
イカス男前、デキる本職!!な筈が、読めば読む程に「・・・ヘタレ?(^^;;」というのがヒシヒシと(笑)。
ホンマに敏腕捜査官なのか・・・かなりヘタレ、ヘタレ、ヘタレーッなカンジで・・・あは。ここまでヘタレだと天晴れ!となっちゃいますって。本当(爆)。
どちらかというと、こちらのデイヴィッドがヒロイン、マディーがヒーローって気がしましたぐらい(爆)。
でもって、このローリ・ワイルドってばヒーローの葛藤を、今回も「天使と悪魔の対決」という、なんちゅーか乙女なカンジでガッツンガッツンやらかしてくれまして(笑)。
左肩の悪魔に、右肩の天使・・・いやー。うひゃひゃひゃ、となりましたな毎回(笑)。
また、デイヴィッド自身も、かなり脳内配線は乙女系(笑)。
自分が本当の愛を見つけたんだ〜、と思わず詩人になりそうになったり(笑)、彼女の夢のプロポーズを実現すべくコスプレ状態になったり(笑)と大忙し(笑)。
ここらへんがもう、モエ!テラモエ!!きゅんきゅん〜っっ!!
何でこんなに、図体ばかりがデカイ、かわいい少年のようなピュアなヒーローをガンガン書けるのかしら、この作家・・・。
魔性(爆)のような中毒性あるわ、このテのヒーロー(^^ゞ

対するヒロインのマディーが、これまたカワイイっ♪
いや、暑苦しいまでの双子の妹キャシーに対するシスコンっぷりも、その原因となる過去の出来事から書かれていて、全然そこはうまいワケだ。
そんな包容力とか、生真面目さとか、真摯な態度とかにちょっとしたウィット、回転のいい頭、そしてキュートなビジュアルときては・・・ああ、こりゃ愛に不器用なデイヴィッドはイチコロだ(^^ゞ
双子の妹キャシーには、何ら感情を抱かなかったのに、最初っからマディーにはモヤモヤ〜な萌えスイッチが入っているとしか(笑)。
そんなデイヴィッドに対し、マディーも何やかんやと感じるというか・・・ヘタレにしてやられている?(爆)
保護欲全開、とか(爆)。
鍛えたアスリートながら、中味は絶対キャシーよりもきゅんきゅんな乙女系なんだよね、マディーの方が。
・・・はっ。似た者カップル?!(爆)

そんな二人が、盗まれた美術品と窃盗犯、それに巻き込まれたキャシーを追って、世界各国を回るロードムーヴィー・・・っていうより、コメディ?(^^ゞ
もう、あのココナツ林の匍匐前進は、かーなーりキタ!(爆)
ああいうのは悪人に下るオチで、まさかヒロインが・・・しかもヒーローをかばって(やっぱりヘタレ。笑)。
脇役も頓珍漢でおかしい配線のキャラばかり。でも、突出したのはやっぱり主役の二人なのだ。

何だか、おとぎ話のようで、ちょっとふわふわしたイメージの、とってもかわいくってハッピーになれる1冊でした。
前作同様、お気に入りっ(^◇^)/
・・・でも、こんなに(褒めているとはいえ←おーいっ)ヘタレ連呼されて、デイヴィッドはFBI捜査官としてはどうなんだ・・・いや。ロマンスヒーローとしてどうなんだ?!(爆)
キャサリン・アンダーソンの翻訳2冊目、読了〜。
前回同様、うるうる泣いてたら終わっていた・・・んですが、やはり最初に前作読んだ時のような状態ではなかったかな。
やはり、ファースト・インプレッションというのは大事なのかしらね。

今回は前作にて既に子供もいる状態で登場したアイザイアの弟ハンクとカーリーのなれそめ編。
ふむ。というか「ハンクの改心編」?(笑)
いや、昔のSでよくある、北米では根強いアイタタ系ハートウォーミングもののテンプレという気もしたりするが、そこはやはりアンダーソンっぽくなっていた。
いやはや、最初のカーリーとのろくでなしな状態での出会いから、カーリーを心から愛して成長し、努力して彼女を守ろうとするそのラストに至るまでの壮大なストーリー?(^^ゞ

そうなの。
ろくでなしなところから、そうなるに至るバックボーン、そしてカーリーの為に全てを投げ出そうとする様にたどりつくまで、まさにハンク中心に物語を読んだのだわ。
これって、そんなにない事なんですがね。
余程にヒロインに感情移入・・・はしないけど、共感出来ないにしても、ここまで露骨にヒーロー贔屓にして読むのって。
あ、あら。そうなのね。
つまりは、ヒロインのカーリーが苦手だったという事なのかしらね・・・いや、頑なになった理由も明確だし、ハンクが惚れ込んだあの自立心とか尊敬に値するんでしょうが・・・ちと苦手でした(^^; > 結局はそこか!

とにかく、二人して歩んでいこうともがくハンクに対し、一歩どころか五歩ぐらい引いているカーリーの姿にイラつくとまではいかなくても、ハンク同様にもどかしい思いはするワケで。
どんだけハンク、詩人になるんだっ?!ってぐらい、思いを切々と訴えているので余計?(^^ゞ
駄目なのよー。
ああいう、零落れた男が愛の為に復活し、成長する様は本当にツボなのよ。
思い出してもらい泣きもんだわ > おいおい。

いかん。
本当にハンクと、コールター家の皆さん中心にしか読んでいないのをこれ書きながら再認識(笑)。
少し落ち着いたら再読しておこう。。。

ところで、このシリーズ・・・他にも出るんでしょうかね。
年1冊ペースだとエライ事になるんですが、まぁ、二見さんもいっぱいシリーズもの作家抱えてらっしゃるので、気長に待つしかないな(^^ゞ
とりあえず、新刊で買いそうなものはこのあたりか。
覚え書き程度に。
(まぁ、忘れはせんけど。笑)

ヴィレッジブックス villegebooks
HEARTSICK(仮) チェルシー・ケイン
アウトランダー15、16 燃ゆる十字架のもとに(3)(4) ダイアナ・ガバルドン
ほほえみを戦士の指輪に ジュリー・ガーウッド

ランダムハウス講談社 ランダムハウス講談社ロマンス文庫
T−FLAC エッジ家の呪い1 幸運の指輪は時を越えて チェリー・アデア

ソフトバンククリエイティブ ソフトバンク文庫 NV
美女とスパイ ジュリー・アン・ロング

竹書房 ラズベリーブックス
不機嫌な子爵のみる夢は ジュリア・クイン

ハーレクイン社 MIRA文庫
気高き心は海を越えて キャット・マーティン
青の鼓動 アン・スチュアート
あの空に架ける橋(上下) スーザン・エリザベス・フィリップス

原書房 ライムブックス
美しく燃える情熱を コニー・ブロックウェイ
めぐりあう恋 クリスティーナ・ドット

扶桑社 扶桑社ロマンス
ハー・マスター・&コマンダー(仮) カレン・ホーキンス

二見書房 二見ミステリ文庫
フィアース・スプレンダー(原題) アイリス・ジョハンセン

ぶんか社 フローラブックス
奪い去られた花嫁 ローリ・ワイルド


ローリ・ワイルド、今度はぶんか社か。
2冊とも好みだったので、そこはやはり外さないかな、と。
しかし、えらい勢いでコニー・ブロックウェイ翻訳続いてるなぁ・・・まさかスコッツ三部作、こんなに早く翻訳されるとは(^^ゞ
この勢いで他のものも版権とってもらえると嬉しいんだけど、ブロックウェイ。
SEPの二見延期とか、多分某所では予定に入ってたが延期であろうクイックとか、そこらへんはこっちで勝手にリスト微調整(爆)。

でも、何が出ても、結局の本命は赤毛ジジイ、奮闘しちゃうぞの2冊(爆)。
あからさますぎてすんません・・・口を石けんで洗って出直します?(笑)

+余談+
既に連休前に殆ど仕上がっていたのに、あえて日付偽装なこちら?(笑)
http://cool-book-new.seesaa.net/article/95590572.html
SEPのMIRAは適当。確率5割なんだけど、まぁ、そのうち間違ってたなら訂正しときます(笑)。
そしてクイックは、まぁ、あえてそのままおいときます・・・気が向いたら消すかも(笑)
パトリシア・ブリッグズのマーセデス・トンプソンシリーズ1冊目、読了〜♪
もう、好き好きオーラ出まくった1冊で超満足♪♪

・・・てか、この原書をローレル・K・ハミルトンのメレディス・ジェントリィ・シリーズと一緒に抱き合わせで買ってた事を、あらすじ見るまですっこーんと忘れていたんデスガ(汗)。
あの時は確か、設定とジャケ買いという、とんでもない事だったよーな・・・2年も前の話だし、忘れたわ。その時の精神状態(爆)。

でもって、この本を書店で見たお友達がメールしてきた。
「ロマサスみたいだけど、何でハヤカワ文庫FTから出てるの?」
それはね。
ハヤカワさんがロマンス読者が何でもかんでもロマサス好きだと勘違いしてるのよ(爆)
これ、アーバン・ファンタジー、もしくはダーク・ファンタジーだもんね。
だから、文庫カテゴライズとしては正解。
ただ、帯文句がどうだかな、というハナシなだけ(笑)。
あからさますぎて、むしろ萎えたりして(爆)。
やはり、想像(妄想)の余地は残してほしいもんです、ええ。

とにかく、昨今はやりのパラノーマル・ロマンスと一緒に考えるとちょっとこれは違うな。
人狼とか、吸血鬼とか、妖精とか、魔法使いのアイデンティティに悩む段階を既にこのシリーズは通過しているの。
それは、釈然たる現実であって、それ以下のものでもない。
そこから一歩先に進んだ物語というか。
そういう意味では、この本をファンタジーに至らしめているのが、主人公であるマーセデス(マーシィ)の存在。
彼女はコヨーテに変身する事の出来る「ウォーカー」という、コロンブスがアメリカ大陸を発見する前から存在していた民族だという事だ。
痛みを伴って変身する人狼との対極のように、彼女の「ウォーカー」としてのあれやこれやは、非常に浮世離れしている・・・まぁ、人狼も十分浮世離れしているんだけど(^^ゞ
とってもふわふわ不思議な成りで、それでいて地に足のついた生活をしている彼女の周りを、あれやこれやが囲んで起こる事件の数々。
これがまた、とってもクール!
ひどく科学的に人狼を解釈したが故だったり、独自の社会を築いたが故だったり、と今までにない切り口で、人狼もののサスペンスを読ませてくれる。
ファンタジーだけど、それは現代ものなので携帯電話で連絡を取るし(笑)、21世紀なんだけどファンタジーなので魔法使いが呪いの呪文をかけるし(笑)、と、一見どっちつかずになりかねないそれらを飄々と絶妙な按配で書き連ねてゆく様には舌をまいた!

勿論、帯に垂れ流しのように書かれていたロマンス部分もあります(笑)。
でも、ここで完結しちゃうワケじゃないので、続きを翻訳してくれないなら、あの帯は噴飯ものかと(^^ゞ
そうなのだー。
マーシィをめぐる二人・・・いや、二匹(笑)。
片方は、丁々発止のやりとりを日々繰り返すお隣の人狼さんアダム(バツイチ)。
片方は、かつてのマーシィの恋人で、共に育った(?)お兄さん(???)人狼サミュエル(バツ○○)。
いやはや、こうくればああくる、そうくればそっちいくのか、ってぐらいサム(サミュエル)との過去のしがらみの事情が何とも胸を掻き毟られる。
こうなると、どっちにもくっついてもらいたい!!ってぐらい、選べない、いや選ばせてもらえない二人(二匹)なんだよねー。
ホンマ、この辺りのやりとりも上手いんだわ、ブリッグズ女史。
で、またどっちもが・・・駄々っ子なところを見せるタイミングもいいんだな、これが。
もっとも、これだけ狼状態のところでふかふかワンコのような印象を持たされる作品も珍しいかと(^^ゞ
マーシィのおなかにしがみついてる狼サムといい、ハンバーガーのパテをわしわし食う狼アダムといい(^^ゞ
おなか見せてハグハグ撫で撫で〜、とか、なまじ人間の姿よりもコヨーテ姿のマーシィとのスキンシップに萌えるかも(笑)

脇役も傑作揃い。
個人的には、イケメンでゲイの人狼ウォレンがご贔屓(萌)。
かといって、あのジーの貫禄にはひれ伏す勢いだわ!
あとは趣味がカッ飛んでいる吸血鬼のステファンもよろしおすー。
でもって、それでもやっぱり一番スゴイのは北米の人狼のトップでありながら、どう見てもピザ屋の配達兄ちゃん(おっさん、でなく!!)な、サムのパパ・ブランかしら・・・美味しい。美味しすぎるキャラだわ!!

で、ハヤカワさんお得意の1冊で斬り捨て御免、なワケかしら?
こんなイカした作品ですら(^^ゞ
続き、真剣に出てほしいね〜。お願いします〜(-人-)

で、とりあえず一覧はこちら

http://cool-book-new.seesaa.net/article/95743635.html

あとがき読んで、久々に原書を買いに河に飛び込みましたがな、ことのさん(^^;

で、今、その部分を読んだ。
そっか。そうなのか・・・そうなのね。そういう決着なのね。
予想はしてたんだけど。
でも、まだブリッグズは続き書くみたいだし、四巻待つわ!!
カレン・フェネックの初翻訳本、読了。
はー、せいせいした(爆)

・・・これで終わったら、怒ります?(笑)

だって、こんなつまんない本に裂いた時間が惜しいって思っているぐらいだから(笑)。
豪快だったり痛快なネタを持ったスカなら、それはそれでざっくり斬って元手を取る気にもなるが、この作品・・・斬るどころか、ネタにもハナシのタネにもなりゃしない(笑)。
だから困るのよ。箸にも引っかからない凡作の上に、イケてないキャラばかりの本って(言いたい放題。笑)。

だって、ようするに身勝手なヒロインによる全てぶち壊し本だから。
五年前に愛していた人を振ってまで、別のイケてない男と結婚してからの紆余曲折・・・って、読んでて「は?」ってなったわ。
だって、結婚出来なくなった理由があるのかと思ったら、要するに脅されただけでしょ?
何か陵辱されたとかいうどえらい理由を期待していた分、逆に唖然としたわ。脅してきた人物が、大した人物じゃない姑息な小物だった分、余計唖然(笑)。
そんなヤツにぬけぬけと殺されると思われたヒーローも、そんなヤツにやられると見くびられたヒロイン父も怒っていいわよー!(笑)
自分の頭で勝手に壮大に妄想を広げて悲劇に酔ってたとしか思えないというのが判明したのは、5年後になって夫に死なれて未亡人女領主になってからのこの女の言動のあれやこれや。
自分の体裁ばかりを気にして、領民の事なんか考えてりゃしねー。
150人以上いた領民が30人程度しか生き残らなかったわ・・・って、アンタのせいだよ(きっぱり)。
そして極めつけが、自分の密かに生んだ息子を守る為にヒーローを利用した事。
愛しているじゃ何だと口では言ってても、せっせこやってる事は全てヒーローは使い捨てに近いものを感じるのよね。
「息子が成人したら」「息子が受け継いだら」「息子が・・・」そこには、そうした時の、そしてヒロインに諮られたと知った時のヒーローの心情なんて入る余地はない。
それでなくても五年前に一方的に婚約破棄されて屈辱を味あわされているというのに。
しかし、この女は息子大事に、せっせと従者に一服盛って、せっせと息子の存在がバレないように嘘に嘘を重ねる不審言動・・・そんなくせして「私は5年前から変わらずアナタを愛しているのよ」って、そりゃヒーロー弟でなくてもアンタを疑うわよ。
いや、私が部下でも絶対疑ったわ(爆)。
つうか「バレたら(ヒーローに)息子が殺される」っていうその決め付けっぷりに呆然とするね・・・じゃあ、そんな、赤子に手をかけるような残忍な相手と結婚し、五年前からずっとそいつを愛し続けてるわ〜、とかいうアンタは何者?ドMか?!(爆)
そんな、領民を、結婚相手を、部下を慮れないヒロインのどこに魅力を感じろと?(^^ゞ
まぁ、それだけ神経太い女だからこそ、5年の月日がないかの如くよろめきながら麗しく振舞えるんだろうけど(笑)。

いや、ヒーローよ。
あのままこの女を塔に閉じ込めておいた方がアナタの為だったかもしれんわよマジ(爆)

ヒーロー母の、脈絡なさげなどうでもいい過去エピといい、こんな破綻しまくった1冊は久しぶり。
キャラもどうでもいいのが揃って、たかだか480ページ程度が京極並にみっしり感じました・・・悪い意味で、あの帯文句は当たってるわ。
気鋭の新人、衝撃の初紹介作・・・笑劇ではないわね。確かに。だって、笑えなかったもん、かなり(爆)。
では・・・さよ〜なら〜(爆)
クレンツの新刊、読了〜。
まぁ、新刊といってもこれは厳密に言うと22年前に書かれたステファニー・ジェイムズ名義の未訳本。
いうなれば・・・化石発掘?(笑)

で、読んでみて思ったのがクレンツという作家の作品、古い作品でさえそんなに古さを感じないというところかしら。
もっとも、あのヒーローのフリンの行動は今なら即刻セクハラで訴えられるけどさ(爆)。

離婚直後の上司フリンを、その会社に勤め始めて間もないヘザーは慰め、親身になり恋人同士になったが、彼はさっさと彼女を捨てて海外勤務へと旅立っていった。
その後、勤め先を変え、住んでいたアパートを引越し、心機一転一軒家を購入し再起を図った彼女の前に、再びフリンが現れて・・・というお話。
どうもジェイムズ名義の作品には、このテの「上司と女部下」系列が多くて苦手がのも実際のハナシ(ことのさんがつけている評価の高いジェイムズ作品は一発芸本が多いが。笑)。
カテゴリーロマンスとしてはお約束、しかもこれがシルエットだから、あのシリーズの創刊コンセプトをご丁寧にまとめきっているんだが(^^ゞ

そういう意味では、このフリンというのは口では八ヶ月前の自分はろくでなしだった等、潔く己のイケてなさっぷりを認めているが、男のズルさを体言してもいたりする。
そう、どうこう言っても結局は彼女は僕の事が好きだから許してくれちゃうし、というオーラが全面的に漂っている(笑)。
だからこそ、離婚後に引き取った子供の事を「切り札」として残しておいたりしちゃうのだ・・・よくこのテのズルさは敵役女が使うんだが、ここではヒーローが使うんだ(笑)。
確かにキミは苦しんでいたかもしれんが、そんなのヘザーの立場から言わせれば自業自得というハナシもあるんだが(^^;

それとなくクレンツヒーローらしい茶目っ気も垣間見える。
ポルシェの場面とかね。
でも、垣間見える程度ではこのご都合主義的展開は納得いかんのよね〜。
不可でもないが、可でもない1冊というところだな。

さて、この1冊が翻訳された事によりジェイムズ名義のディザイア未訳はなくなった(あとジェイムズ名義は一作、プロモーション用に作られた短編があるがそれは考慮に入れないでおきます)。
残るハーレクイン社のカテゴリーロマンス権利範囲内はクレンツ名義のテンプテーション未訳。
まだRITA賞作品も残っている事だし、ぼちぼちとでいいから未訳をなくしてほしいもんですな。
ちなみに7月にアフロディーテからクレンツ作品が出るんですが、それは未訳分なのか改題新訳なのかが気になるところです・・・てか、新訳はもういい。
しても『ロマンシング・ドリーム』だけでいいです(笑)
リサ・クレイパスの新刊、読了〜。
って、かなり前に読了していたけど、ここに書く機会を逸していただけなんですが(笑)。

まぁ、この本に関しては余り多く語る事はないかと思います。
クレイパスにとって、エポックメイキングとなったヒーローであるデレク・クレーヴンに尽きるかと(爆)。
実際、ことのさんも原書を買った時に彼の台詞のみを読み、びったんびったん萌えていたという極めたバカ具合でした(爆)。
こんなに作者に愛されたキャラは、ウエストクリフ以外にはこの人ぐらいかと(笑)。
もっともそのウエストクリフも、キャムにどんどん追いつかれていたりする気も(笑)。

素朴で知的で好奇心の強い、それでいて愛らしいオールドミスという、サラはクレイパス作品の典型的ヒロインなんですが、デレクというアンチ極めたコレキタ!!テラモエヒーロー(爆)と並べるとその凡庸さが嫌でも目につく。
いや、悪くはない。ただし、よくことのさんがいう「優等生」すぎて個性という点では色がないだけなのだ。
だからね、思うの。

デレクは一体、彼女のどこにこんなにメロメロに惚れたんだろうか?と(^^ゞ

そういう意味で、クレイパスって、ブロックマンと並ぶぐらいヒーローと比べると余り魅力的でないヒロインの出てくる作品を頻繁に世に送り出しているベストセラー作家だな、と(笑)。

恐ろしい暴言かもしれんが、これが本音なの。
作品が良いと、キャラの綻びに目が行くからね、やはり。
贅沢なツッコミだと言えばそれまでか。

脇役は、一番ご贔屓は勿論かわいいワーシーさん(^^)
でもって、出まくりキャラである、デレク初登場となった未訳作品の主人公リリーなのだが・・・斜め飛ばし読みしても「?」なヒロインだったが、このスピンオフでも、どうも駄目だった。
エキセントリックなヒロインが駄目、と以前仰っていたマダムがこのリリー見たら「勘弁してくれ」と言うかもしれん(笑)。
いや、絶対女友達にはなりたくないキャラなところに、一つの台詞が地雷直撃・・・ラスト近く、サラを火事で失ったと思い我を失ったデレクにこのリリーが言った一言が。
壁の花のリリアンといい、スピンオフになるとウザさが目立つタイプとかいうのを越えた地雷直撃だった(笑)。

まぁ、とにかくひたすらデレクの駄目っぷりと鬼カリスマっぷり、それに寸止め具合と駄々っ子ぶりを愛でた1冊(爆)。
きっと年末ランキングに入るとしたら、デレクの魅力のみで力技ランクであろう(核爆)。
キャラ萌えで一気に読みきれる1冊だが、キャラの描写や話の筋道とか構成力では、同時発売だったブロックウェイのがかなり上と言えるかな。
6月に出る予定だった二見書房のSEP新刊、7月に延期だと・・・(涙)

正直、同時発売のジョハンセンなんてどうでもいいのに、とか思いつつ、新装した『スワンの怒り』がどれほど売れるのか野次馬根性もあったりする・・・だって、今ならどの古本屋でもこれは100円棚にあるから今更新刊で買う人がいるのか、というハナシで(笑)。

ことのさんにとってジョハンセン・ブームは終わったな(笑)。
最後の盛り上がりは多分、あのことのさん笑劇(?)のカミングアウト本『その夜、彼女は獲物になった』と推察される(爆)。
いやー、だって本当にワタクシ、あのイヴ・ダンカンが苦手なのよねー(しみじみ)。
キャシー・ラヴの初邦訳にてヴァンパイア・シリーズ1冊目、読了〜。
いや〜、笑った笑った!

昔からパラマーノル小説が大好きで、特にヴァンパイアものはかたっぱしから読んでいるのですごくコアなファンのように思われそうですが、ことのさんの場合は、生真面目な作家が生真面目を極めるが余り、書けば書く程にご自分の首を絞めているような設定破綻が駄目なだけでして(笑)。
こういうのって、格式美というか、ある程度のラインが決まっていて、生真面目にそれを追求していけば追及する程に、その作家によっては破綻の一途を辿る羽目になってしまったり(^^ゞ
どこまで書くか、どこに焦点を絞るか、という妥協とかに対する線の引き具合が大事だと思うの。
そうなの。そんなに難しく破綻させるなら、いっそ明るく潔く最初から笑い飛ばしてぶっ壊れた風呂敷を広げればいいのに・・・と、一発芸奨励者として思ってしまうのよ(^^ゞ

で、この本です。
そうです。やってくれました。
こんなにあっけらかんと最初っから居直ったお茶目なアホ設定で攻めてこられては・・・ことのさん、全面降伏です(笑)。
どこの誰が、己がヴァンパイアだと記憶喪失ゆえに忘れてしまった主人公のヴァンパイアなんてもんをもってくるのだ!(爆)
先がどうなるのか気になって、すごい勢いで腹抱えて読んでしまったわよ・・・まんまと踊らされた(笑)。
ヴァンパイアもののお約束設定の数々を、こんなに逆手にとってコミカルに茶目っ気満々で書いた作家がいたか? いや、いないよ(笑)。

事の始まりは、地方からニューヨークにやってきた天然純朴なお嬢さんジェインがある男性に出会ったところから。
危ないところを助けられ、その場は別れた筈のその男性・リースだが・・・ここからが騒動に(^^;
再度出くわしたところが、彼が謎の男に襲撃されているところ。
そのまま一緒に襲撃されて・・・彼女はその時の記憶がないまま目覚めた。
しかし、リースはそれ以上に記憶が飛んでいた・・・何と185年前のイギリスの子爵様だとか言うではないか。
しかも、自分の事を婚約者だと勘違いまでしている(^^;
リースの弟セバスチャンに請われて、リースの傍にいる事になったジェインだが、何やら記憶喪失以上におかしい事がリースにはあった・・・というお話。

一目ぼれしたかわいいジェインを恋しく思っても所詮自分はヴァンパイア・・・と、事故と怪我をきっかけにその事実と記憶を哀しくも封印してしまうという、何とも乙女系(爆)なリースがキタ!コレキタ!! > びったんびったん!
阿呆といえば阿呆設定なんだが、このリースとジェインのカップルの頓珍漢でキュートな事ったら!
リースのラブラブ垂れ流しっぷりは・・・ちょっとスゴいよ。
どんだけ、ってぐらい彼女の事が好きすぎて萌えて萌えて萌えて一人でクールクルクル踊っているとしか思えない(爆)。
記憶喪失も、よくあるシリアスなものではなく・・・こんなアホで笑える記憶喪失劇は初めてかと(爆)。
ご都合主義、と読者に言われる前に自分たちで言ってるその居直り具合がまたイカす!(笑)
ジェインがまぁ、善人でユーモアにあふれたかわいこちゃんなので何とも微笑ましさが倍増なんだよね、この二人(^^ゞ

そんな二人を一生懸命くっつけようと、丁々発止の台詞で兄とその恋人を煙に巻く、ヤング兄弟の三男セバスチャンがまたキタ!(笑)
ジェインの台詞じゃないが、ああ言えばこう言う、こう言えばああ答える、ってぐらいに傑作のアホ台詞の数々が炸裂しているのがナイス(笑)。
まさにツッコミ待ちかっ?!ってぐらい(爆)。
自分の兄ちゃんの生真面目さを100年以上笑い飛ばしてきたのに、そのセバスチャンすら絶句させるリースの萌え萌え幸せオーラ垂れ流し具合の書き方が、ええ。ロマンス読者にはツボですな(笑)。
そりゃー、垂れ流しすぎてラブラブな余り、ヴァンパイアってのを忘れているのも手伝ってうっかりハニーちゃん咬んでしまうぐらいアホなんだけど(笑)。
その咬み方がまたエッチであっけらかんとしていてグッ!なのじゃー♪
でも、天使か妖精かってぐらいふにふにカワイイ彼女の方が冷静で根性座っているんだよね。ここらもナイス(爆)。

リースとの確執の余り、兄リースを、そしてリースの恋人であるジェインを狙う次男クリスチャンのアンチっぷりもいい按配。
ラストの、彼がジェインを咬んでしまう場面のところはちょっと気恥ずかしいぐらいの大昔の王道少女マンガのような神の天啓を受けたよーなご都合展開だったけど、もう、最初っから設定全てが突き抜けているからそれすらもアリ!なのだ(笑)。
いやー、あのラスト読んだら思うじゃない、皆して。
「あーあー、もう二人してあの世までラブラブ萌え萌えしといてくれ〜い(呆)」ってぐらい(笑)。
何か、些細な設定の矛盾とかそんなものを全て、あの主役カップルのエッチで笑える鬼ラヴっぷりでねじ伏せた反則な1冊って気がしてきました(爆)。

細かいところでウケてしまう話でもあるが(リースの記憶喪失の頓珍漢な時代錯誤っぷりとか、セバスチャンのとぼけ具合とか)、このシリーズはどうやら全体的なそのモードが強そうだ(^^ゞ
今回、敵役として登場し、そしてラストに良心が芽生えた故に失踪した次男クリスチャンが次回主役となるのだが・・・あの鬱々としているクリスが・・・カラオケバー勤めという設定だけで笑えるのは、もはやこのおバカさんシリーズにハマったという事なんだろうか。。。

最後に言っておきます。
生真面目なロマンス読者とか、ガチパラ読者とかにはお勧めしません(爆)。
決して万民向けではないです。
ことのさんがこんだけ奨励しているというだけで「一芸本」「一発本」だというのを察してもらえる方に、どうぞ!(爆)
笑いとばし上等!!(核爆)

+余談+
あとがきにシリーズ4冊ってあるけど、とりあえず並べてみた。
ただし豪快なネタバレがあります、4冊目に関して。タイトルそのものがネタバレ(^^;;
嫌な人は見ないでね〜。
http://cool-book-new.seesaa.net/article/95386275.html
最初は邦題のアホ具合に「おいおい」と思ったが、本編がそれ以上に壊れていたと思わずにはいられない、オリジナル表紙たちだよオイ(笑)
前作のあとがきを見る限り、出版社は100%すっ飛ばす気満々であったろう三部作が出る!!

6月のランダムハウス講談社文庫ロマンス!!!

T-FLACシリーズのパラノーマル・セクション、エッジ三兄弟の1冊目が出る!!

『幸運の指輪は時を越えて』

心読み兄ちゃんゲイヴ(ガブリエル)だ〜い♪(爆) >心読みくんみたいにドSじゃないけど(笑)

旅路

2008年4月29日 新刊レビュー
待ってました!の、コールターのFBIシリーズ、記念すべき1冊目の翻訳版、日本上陸!
いやー、長かった。
正直、ここ最近は名前ばかりが一人歩きし、イケてないコンテンポラリ単発(暴言。笑)やら、どこがいいのか理解に苦しむ昔のヒストリカル(暴言。笑)が翻訳され続け、サブプライムローン真っ青なぐらいに株が急落していたコールター(大暴言。爆)。
ここでハッキリ言って旬を過ぎきったこの本を今更出しても・・・と思ったのも事実。
でも読んでみて思った。

この本は別格だ、と。

こんなに睡眠を忘れ、息継ぎを忘れ、時間を忘れて一心不乱に読んだ本は久し振り。
そう、何ともいえないモダンホラーばりの空気の重さ、後味の悪さ、大きな動きが少ない分精神的に圧迫されるような展開、そして二転三転するギミックに富んだ複数の事件の絡み具合。
最高である。
物語全体を覆うが如し気味悪さがもうたまらなくキタ!(これでも褒めている。笑)

何よりコールターが書きたい事を前面に押し出し、容赦なくそこに切り込んでくるのが読者にも手にとるように分かるのがいい。
最近翻訳されたものは、本人が己の作った設定に振り回され、広げた風呂敷もたためず、キャラクターの魅力も半減してしまうような体たらくだったのが、この1冊を読めばよく分かった。
キャラが魅力的でも、話が破綻していると目も当てられないもんだ。

決して万民受けする本ではないと思う。
DV場面が余りに多く、ヒロインをめぐる人物全てがイタさ爆裂で読んでいてヒリヒリするぐらいだ。
しかも、出てくる事件のスケールといったらスティーブン・キングか小野不由美かってぐらい突き抜けてどえらくホラーじみてるから、たとえロマンス部分が秀逸でも怖がり読者は退くかもしれん(笑)。
だが、それが全て作者によって巧妙に仕掛けられたものだと分かった瞬間に、何とも言えない、憑き物が堕ちたような気分になる。
それはヒロインのサリーと同じ、いや、むしろ読者の方がその感は強いかもしれない。
最初は一つの殺人事件からはじまった筈が、時間が止まったかのような田舎町コーブという絶好のロケーションによって、事件が歪んで膨張し、そして他の事件をも巻き込んで一大スペクタルのようになる様はもはや凄腕エンターテイメントもいいところ。
キタ!コレキタ!!と、ミステリ狂であることのさんが夜中に読みながらびったんびったん興奮して喜んだのは言うまでもない(笑)。

とにかく、シャーロックが出てこなくても大満足出来る1冊なので、躊躇っているそこのアナタ、読め! > エラソー(爆)
いや、読んで下さい(ぺこぺこ)。
クインランは相変わらずのナイスガイのイケメンだし、タフな女を描かせると筆の冴えるコールターらしく、殴られても蹴られてもヤクを打たれても雄々しく立ち上がってくるサリーのアニキ具合に腰砕けなぐらいよろめいてみたり!(笑)
懐かしいキャラの登場やら、そして名前は出なくともお馴染みのキャラ達のあれやこれやが散りばめられていてナイス。
そして、何より最初のこの巻から、脇役なのに配線が微妙に違っていて主役以上に読者のハートをわし掴みにしてしまう悪魔のよーなディロン・サヴィッチ(もちろんマックス持参。爆)に拍手喝采しつつ!

そして、つくづく思った。
素晴らしい出来の作品は「旬」とか「時」すらも超越してしまうんだな、と。
全然古さを感じなかった。そして堪能した。
現時点にて、今年のことのさんのミステリー本ランキング入り、確定。
他のどの作品が出てこようとも、この作品独特の「毒」は、それらをきっと超越する。

FBIシリーズ、今年中に新作がまた読めるとの事で二倍嬉しいですな。
コールターはやはり、このシリーズに限ります。ええ。
J・D・ロブのイヴ&ローク新刊、読了〜♪
今回ものっけからグイグイ引き込まれる1冊でしたね。

過去に実在した有名な殺人鬼を模倣した殺人事件が起き、イヴがそれの担当に当たるという、まぁ、テンプレな話なのだが(笑)。
そこはロブ(ノーラ)のストーリーテラーっぷりが普通では終わらせてくれないワケよ。
容疑者全員が怪しげで、全員がまあ、不完全なバックボーンを持っていて。
それに並行して呼び起こされた、イヴの「新たな悪夢」がシンクロニティして、何とも絶妙な展開。

人殺し本(おいおい)を昔っからやたらと読んでいたことのさん、イヴほどではないが実在の殺人鬼の模倣事件に関しては読んでいて「あ、これ○○○の模倣だ」とか気付いてしまっちゃったりするのよね・・・ヲタだ(笑)。

イヴの「家族」は今回も相変わらず絶好調。
ピーボディの昇進試験があったり、彼女とマクナヴの同居確定とか(しかもイヴの元住居。つまりはメイヴィスのお隣さん。笑)。
ピーボディとイヴの丁々発止も絶好調なんだけど、今回は試験のこともあったりしてナーバスなところが全面的に出ているんですが・・・そこにイヴのぶっきらぼうながらもピーボディへの愛情をガンガン感じるの〜。好き好きな箇所です。
あとナディーンの「ドーナツ土産」のところと、イヴとのガチ会話もいいぞ。そうなの、この二人は対当に丁々発止なところがいいの。どちらもツンデレだし、デキる女だからこそ、あの出し惜しみのようなやりとりが○。
バクスターとトゥルーハートのコンビも今回も登場・・・ぷ。バクスターの容疑者妻の美人愛人(笑)の尾行エピはウケたね・・・て、適材適所か!(爆)
マイラ先生は今回・・・大ウケ!
イヴが絶対嫌がりそうなバーベキュー・パーティーにあえて彼女を誘い、しかも逃げ道を断つ周到っぷりが倍イカす!(爆)
ここの困惑しているイヴが何ともかわいくって笑えるの何のって。
もっとも、ご自分が招待したこのバーベキューのせいで、おもちゃ好きロークの妙なスイッチが入った事は後の祭りなのだが(^^ゞ
妊婦メイヴィスも登場・・・そして、ベイビーの名前の候補が出始めたが、何だかエライ事になっとります(爆)。
そして、フィーニーさんはビミニの「坊や」ロークの別荘へのバカンスに行けたのかが気になるところです(笑)。

さて、あえてラストまで書かなかったダーリン・・・そう、ローク。
今回、ローク、キタ!キタキタ!ギガントモエス!!
あのバーベキュー・グリルの場面だけで、今回の御代の元は全て取った!(爆)
あの完璧と思われているロークの、ジャガイモと肉の状態への子供のような反応・・・ひーっひっひっ! > びったんびったん(爆)
その上、ラスト近くのピーボディ昇格に関しバッチ授与の式典に制服姿で登場したイヴ(何と17冊目にして初。笑)を見た際のロークの萌え壊れ具合!キタ!マタキタ!テラモエ!! > びったんびったん(爆)
いや〜、甘くデキるかっこよく、そして阿呆な男だなんて・・・本当にロークってば!(萌)

ラスト、ピーボディが捜査官になってイヴの「相棒」になったところで、これまでのあれやこれやを思い出してじんわりきましたりした1冊。
事件に関してもミスリードを幾つも用意する周到ぶりは本当にロブの手腕ならでは。
さて、次回はとうとう翻訳の日の目を見ました、ノーラ・ロバーツとJ・D・ロブ両名義による『Remember When』2冊。
問い合わせた際に担当さんから「2冊同時に」と聞いた時には「え、あのボリュームを2冊同時?!(汗)」と思ったが、あとがきにあれだけ克明に書かれたとなれば確定ですね。
お疲れ様でした(笑)。
一部のノーラ名義はRITA賞受賞作品でもありますね。そこから、どうイヴとロークの世界にリンクするのか、それを読むのが楽しみです。
相変わらず今後も読者を驚かせてくれるのかな、ノーラは。
スーザン・ブロックマンの中篇新刊、読了〜。
新刊といっても、11年も前の作品なんですけどね。

で、読んでいて「ああ、ここがあの話の元に、あれがこの本のモチーフに・・・」とか、ブロックマンの翻訳既刊を全部読んでいる人なら「あーあー、そうか」という頷きの1冊かと。

まぁ、ブロックマンはTDD以外の中篇(カテゴリーロマンス)は、もう、はっきり言って全然面白くないので(ちゅどーんっ)、この話もその覚悟で最初から読んでたワケだ(^^ゞ
カテゴリーロマンスらしく、ご都合主義ながら、まぁ、随所にブロックマン節は垣間見えるとはいえ「超オススメ!!」という程でなく、インパクトに若干欠ける優等生作品というところか。
ボリュームの都合なのか、悲惨な設定が、絵空事のように上滑りしているので感情移入しろと言われてもちょっと無理で、読んでる方も上滑り気味となるんだよね(^^ゞ

ま、ヒロインのケイラが全然魅力的じゃないのも原因か(笑)。

そういう意味では、ヒーローのキャルは・・・ちょっとツボ。
無口で不器用な弟思いの献身的な牧場主兄ちゃん・・・いいぞ〜、この素朴さが(^◇^)
派手派手しいイケメンを書かせても上手いんだが、不器用で母性本能を刺激されるお兄ちゃん書かせてもまた上手いんだわブロックマンって。

さて、この話の核となるのが南米で死んだと言われていたキャルの弟でケイラの元ボーイフレンドであるリアムなのだが。
彼の話『Freedom’s Price』もランダムさんから翻訳のようで、余り時間をおかずに読める・・・のかいな。
リプリント版に絡んでの翻訳権獲得もあるだろうし。

以前から、この翻訳者の上中さんがブロックマンのファンというのは存じていたが、かなりの気合いですな。
もっとも、単純なところというか、今更なところに落とし穴が?(笑)
いや、ブロックマン作品がアメリカの俗文化に感化されまくっているのは今更なんですが、さすがに「ルートビア」(ドクターペッパーと並ぶアメリカで人気の炭酸飲料)を「ルート・ビール」と翻訳するのはいかがなものかと・・・(^^;;

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