ISBN:4562043237 文庫 平林 祥 原書房 2007/06 ¥1,000

ジェニファー・クルージーの新刊、読了〜♪
ああ、楽しくってかわいくって、読み終えるのがいやになって、途中でちんたら読みだしたり(笑)。

クルージーというのは、とにかくキャラクター萌えさせてくれるお話を読者に提供してくれるのだが、今回の作品はその極めつけかもしれない。
あれだけ、カバー折り返しに登場人物が羅列されている単発作品なのに、それがうまい具合に配置されているんですよね。
ああ、そのキャラはそうくるのか、みたいな。
敵役ですら、あらまぁ、何とも間抜けというか憎みきれないというかゞ
普通だったら、ヒーローであるキャルの両親なんて極悪エリア(笑)のキャラなのに、ヒロインであるミンに見事なぐらい言い負かされてしまったりして、そこらへんが間抜けチックでねぇ(^^ゞ

主役二人、ミンとキャルがまた・・・かわいいの。
仕事はデキるし、友人にも恵まれているのに、どうも恋愛となると躓き体質なのがどこかシンクロしているというか。
また、お互いがお互いを危険だから避けよう、駄目だ、と思いつつも心の奥底で分かっているあたりが、何ともひねった中のロマンス王道。
「ああ、運命の人だ」
もうねー、ここらへんが絶妙。きゅんきゅんしちゃう!
あのキャルのミンに対する甘甘っぷりはちょっとスゴイわよー、マジ。
スピードワゴン並に叫んじゃうよ。「あっまーいっ!!」みたいな(爆)。
丁々発止な会話、ブラックユーモアを交えてのやりとり、その中にちょっとした仕草がベタ甘・・・キミら、これでも抵抗するのか?!ってカンジで、どうオチをつけるのか本当に気になり、ページをめくる手が止まりませんったら!!

主人公二人がまた、家族に恵まれているかはさておき(笑)、友達には本当に恵まれているのが○。
それぞれいつも3人でつるんでいて、おバカな話をしたり、美味しいものを食べたり、スポーツをしたり、って楽しいのよね。読んでて。
その裏には、キャルが学生時代に失読症で苦労した事とかシリアスなところもあるのに、それでも「ああ、やっぱりいいな」と思わせてくれる運び方なのだ。
親友のトニーとロジャー、それぞれ個性的で、キャルとあわせると本当に最高のトライアングルだったりする(あのソンドハイムのミュージカル作品マニアの設定だとか、3人揃って料理達者だったりとか、もうびっくり箱のように開ければ開ける程にこの3人がいいのよ〜)。
それはミンの方も同じだったり。
毒舌家のリザと、ロマンチストなボニー、そして堅実派のミン。
彼女達も最高のトライアングルなんですよね(ロマンチストで夢見る夢子ちゃんなボニーが実は一番しっかり者の大人だったりして、二人を諌めたり。いいっす!)。
そんなトライアングル二つが、偶然出会ってしまい、そこからはあれやこれやと頓珍漢な恋愛Bet(原題がこれなんですよね。『Bet Me』)絡みのドタバタが進んでいく。
これがまた傑作。
ミンとキスしていると、背後からリザにドツかれるキャルとか(笑)。
キャルの元カノ、ミンの元カレという敵役も絡んでくるのだが、この二人もまた頓珍漢で本人達は真面目なんだろうけど、もう出てくるたびに笑うったら(^^ゞ

そう。脇役も傑作揃いなのだ。
キャラがあそこまで多いとなると収拾付かないんじゃないかと思いきや、これが違うんだな。
結婚間近のナチュラル・ハイ状態なミンの妹ダイアナ、エルビス・コステロの「シー」を失恋するたびに大音量でかけるキャルの隣人女性シャナ(実はレズビアン)、キャルの親友でレストラン経営者のエミリオ、そんなエミリオには天敵であろうダイエット奉行なミンの母とか(^^ゞ
偶然、キャルがミンの家に連れてくる事になってしまった(?)と思われるオレンジ色の猫エルヴィスもナイスだわ〜♪
勝手にお留守番中にラジカセのスイッチ入れてエルヴィス聞いてるし(爆)。
そんな中、ことのさんピカイチのお気に入りがキャルの甥っ子ハリー(^^)
もうね、彼に関する箇所は微笑ましい事この上ありませんって!
叔父さん(キャル)のガールフレンド(ミン)に対する、この不器用な少年の初恋っぷりったら!(笑)
あの、大きなお花のついたサンダルを持って微笑んでくれたお姉さんにどっきゅ〜ん♪♪となっちゃったのよね(^^ゞ
アレルギーなのか、1個しか食べられないドーナツなのに、ミンが食べていい♪っていうからついつい余分に食べちゃったり、クラシックをお家で聞いて育った身に、ミンの大好きなエルビス・プレスリーの洗礼を受けちゃったり(しかも、それを鋼鉄の女である厳格な祖母の前で歌ってしまったり。笑)。
「三つ子の魂、百まで」とはよく言ったもんです。
グラマーで靴マニアの年上の優しいお姉さん(ミン)にメロメロになった少年は、後にイケメン魚類学者になった際に・・・グラマーで靴マニアの女性に恋をして、結婚しちゃうんですから(爆)。

そう。靴だわよ。
その前出のサンダルを人質に、ミンをランチに誘うキャルも傑作でしたわね。
「おれは今、きみのサンダルに銃を突きつけている」ときたわ(爆)。
こんなカンジで、クルージーお得意の小道具使いのうまさも炸裂しています!
ロマンチックなカップルをテーマにしたスノーグローブ(その中に悪役キャラシリーズを紛れ込ませるあたりはリザ。笑)、ボニーとロジャーのエピソードに出てきてリプライズされるソファー、おいしそうな料理の数々。
ダイエット中のミンをとっ捕まえて、美味しいものを食べさせてはその恍惚とした姿をうっとり悶々と眺めているキャルがまた最高なんですよね(笑)。
特に、あのクリスピー・クリームのドーナツ!!
この本で、何が一番危険かって、作品中でダイエット頓挫しているミン以上に、読者の頭の中からも「ダイエット」の五文字が消えるって事だわ!(爆)

普通は、あのエピソードは蛇足になりかねない形のものなんですが、そこがまたクルージーらしく軽妙でうまいっ。
前出の成長したハリーだけでなく、その後の各キャラクターのエピソードが簡潔ながら、面白おかしく書いてあるんだなー。
トニーとダイアナのオチとかイカす(笑)。
あと、シャナのオチも傑作(笑)。何度でも読みたくなりますね。
とにかく、最初から最後までクスクス笑って、きゅんきゅんし、うっとりして、萌え萌えした、最高の1冊。

そして・・・この本を読んで、真剣にあのドーナツ捕獲の為に上京を考えておりますよ、ことのさん・・・。
ISBN:4812431832 文庫 ジュリア・クイン 竹書房 2007/06/09 ¥910

日本初上陸、ジュリア・クインの新刊読了〜。
今回は彼女の看板シリーズでもあるブリジャートン家シリーズの3冊目が翻訳されました。
実際読んでみて、まぁ、別に先の2冊が翻訳すっ飛ばされていても、何らたいしたネタバレはなく、せいぜい長男長女が結婚して出来た子供の数ぐらいかしら、分かったの(^^ゞ
そう。何ら最初2冊すっ飛ばしても害はない・・・害はないのだが・・・編集さん、聞いていいですか?

何故、この巻から翻訳しようと思ったんデスカ?!

そう。最初から最後まで、それがことのさんには分からなかった。
確かにお話には起承転結ついてるし、ひっかかりもせず読了出来ましたが・・・早く続きが知りたいから、さっさとページめくらなきゃ!!という程の超クライマックスもドラマティックさもなく、かといってドキドキする程のキャラ萌えもなく、淡々と優等生作品を読み終えました、マル、みたいな(^^ゞ

そうねー。まず、ヒーローのベネディクトに萌えポイントがない(笑)。
確かにイケメンの一目ぼれクンで、お金持ち。
でも無粋な言い方するなら、どうもキャラクターに厚みがなく、彼が実は繊細で複雑な人間なんだよー、という部分を作者は一体どこで書こうとしていたのか読んでてなかなか分からなかった。
まさか、あのひっそり趣味としてた絵画に自分の繊細な内面を吐露していました、そこから読み取って下さい?!って事だったんでしょーか?!
・・・すんません。わかりつらいっス(笑)。
つうか、とって付けたような印象すらあるんですが、あれ(^^ゞ

そしてヒロインのソフィー。
伯爵の庶子として生まれ、実の父親である伯爵に引き取られたはいいが「庶子」としてすら正式には認めてもらえず、単なる被後見人として中途半端な扱いをされる。
その伯爵の結婚により、継母と継娘二人という義理の姉妹が出来るが、まぁ、なさぬ仲、という事で、伯爵の死後はシンデ○ラよろしく女中扱いされる苦労の日々・・・と、古典的展開。
まぁ、そういう古典的展開、決して嫌いじゃないし、継母と継姉のヒールっぷりには拍手を送りたいぐらいである。
そうだ、ヒールたるもの、それぐらいやらんでどーする!!ってぐらい堂に入っていた。フルバの木下さん(byプリユキ)ではないが「イジめろ!イジめ抜け!!」である。天晴れ、ヒール母娘!(爆)
(「ヒール」とは、決してかかとではありません。プロレス用語でいう「悪役」のことです。あしからず。爆)
そんなソフィーが、こっそり潜り込んだ仮面舞踏会で、ベネディクトと会い、お互い運命を感じるのですがつかの間の逢瀬も終わり、再会する事もなく。
挙句、ソフィーは継母から家を追い出されて・・・。

再会したのは二年後です、というコンビニ展開に(笑)。
やはり二年後という細かい時間のは、ベネディクトの婚期を考慮してなんでしょうか?(笑)

あれやこれやで、ソフィーが二年前に自分が恋した謎の女性とも全く気付かず、かといって全くどころかかなり気になる存在として、自分の母親の屋敷に彼女を雇い入れるようにしたり。
ここからの展開は、いかにベネディクトの家族があったかいか、そしてそんな素朴な愛情に飢えていたソフィーの描写が多くなるのですが、ここは良かったかも。
もっとも、ここでそのベネディクトの母親でもある子爵未亡人、そんな飢えたヒナ鳥のようなソフィーをすっかり気に入って、本当のママのようにいろいろ心尽くしてくれるんですよね。
このママが一番のお気に入りのキャラだったかも(笑)。
母親の家の侍女となってしまった彼女をホイホイ誘惑するワケにもイカンしな・・・っていうか、どうもその困った感とか、どうにかしなきゃっ!!とかいう悶々感も読んでて余り感じられないんですよ、このベネディクトって。
イケメンヒーローが、ヒロインを落とすまでの手管や悶々、あれやこれやを楽しみたい読者には、何だか淡白で拍子抜けというか・・・だから、必然的にキャラ萌えしなかったんでしょうかね(^^ゞ
ソフィーの庶子としての葛藤は、庶子としてというより、自分とは真逆の愛情の欠落した育ちが根本にあるというのがあんなり浮き彫りに書かれているのに・・・鈍感というか(^^ゞ

ラストの展開が、あっという間でしたね(^^ゞ
もっとも、あの「謎の女性」イコール「ソフィー」だと気付いた時に、すぐにハッピーエンドに飛びつかなかったベネディクト、というのは読んでて興味深かったかも。
でも・・・ママに尽きた?(笑)
あのラスト見ていて、『水戸○門』なんかの時代劇のよーだ・・・と思いました(爆)。
ママ、最高です(笑)。お陰でヒーローである息子、影薄いけど(爆)。

あと、各章の冒頭にくる「レディ・ホイッスルダウンの社交界新聞」なんですが・・・あの・・・ことのさん、このシリーズ初めてなんですが、他もこんなに出張っていらっしゃるんデスカ、このレディの独り言?!
思わず、今の流行風に「書くの?!主役でもないアナタがそこまで書くの?!・・・どんだけ〜」(爆)とかツッコミしちゃった・・・(^^ゞ
あれが作品のセールスポイントの一つなのかもしれませんが、どうもことのさんには・・・ちょっと合わないタイプのポイントかも(^^ゞ

何だか歯切れ悪い感想ですいません(^^ゞ
そう、もうここまで読んでもらっている、毎度お馴染みの日記を見ていらっしゃる方にはお分かりかと・・・。
「超プッシュな萌えポイントのない、かといってザックリ滅多斬りも出来ない、特徴なき優等生作品」のアレです、ハイ(^^A

今後も翻訳されるのでしょうかね、このシリーズ・・・。
もし、そうなら、真打ち2巻(長男)とか読ませてもらったら「ええっ、すごくツボ!!」とかなる・・・かも?(笑)
今回の巻を読んでいたら、お話としては三男コリンとペネロペのお話も気になるんですが、実はコリンも余り特徴というか、突出したものも、萌えも感じなかったキャラだったりするんですが(小声)。
続いたら、というのを前提に、この作家さんの評価は次回持ち越しにさせて頂きとうございます・・・(^^ゞ
ISBN:4270100982 文庫 林啓恵 ランダムハウス講談社 2007/06/02 ¥788

スーザン・ブロックマンの幻の迷作名作、読了〜。
その余りの行き当たりばったりな当時のBantam社の企画力の結果、あれよあれよでeBayで恐ろしい金額にまで価格が跳ね上がった非売品本。
つうか、200冊ってアナタ、素人のオフセット印刷同人誌よりも少なそうな部数でプロ作家の書き下ろし本を作るか、普通?!というツッコミの方が先に出るんだが・・・(^^;;

まぁ、そんなコアな事情はさておき、読んでみて「ああ、確かにブロックマンだわ」と思う部分が多々ある中篇だったなぁ、というのが読後の感想。
順番が逆で、先にこっちを読んでいて、TDDシリーズやTSSシリーズを読んでいたらまた別の感想もあるんでしょうが、やはり前出の二つのシリーズの印象が余りに強すぎるせいか、あらゆる部分でその断片・・・この場合、逆だな。
「ルーツと思われるべき箇所」を探して読んでしまった感じがする。
主人公のサムが年下ヒーローという事で、マルドゥーンや三バカの一人(笑)を思い出したりとか(しかし10歳年下くんとはまた思い切ったな。笑)。
ヒロインのエレンの子供達の会話に絶えず出てくるテレビドラマや映画のネタも、彼女らしい定番小道具としてとか。
サムとT・Sのやりとりや思い出なんかも、まさにヒーローと悪友のバカ話の典型。
ブロックマン自身が楽しんで書いた、というのが分かる遊び心にあふれた1冊で、セールスに関係なく気楽に書いた良さが出ているとも言えるかな。

この短さで、キチンと起承転結あるし、サムは死にかけたりしてドラマティックだし(笑)、まさに本のコンセプトであるサービス企画でござい!!とばかりなホットなラブシーンといい、よくまとめました、と褒めるべきなんでしょうね(笑)。
年下くんに惹かれるも、二児の母親であるエレンが尻ごみするのもうまく書いてくれているし、男より女の方が年齢差にシビアだというのが切々と。
しかし、そこはブロックマンなので、粘質系ではなくカラッとした感じの女性像で読んでいてもそんなに居心地は悪くない。
いえ、HQで年下ヒーローとの恋愛に葛藤するヒロインをよくお書きになるア○・メイ○ーのヒロインなんて、もうそりゃアナタ、イタイぐらいにネチネチ系で・・・(^^;;
そうなったからには腹くくれ!!とか捨て気味に思ったりして、読んでて軽いストレスを覚えるものなんかもあったりするんだよね、たまに(笑)。
エレンもサムも、形は違えどジタバタしている様はあるが、腹をくくった時はくくりましたからね(^^;

脇役としては、前出のT・S、エレンの子供二人、エレンの伯父ボブ、大叔母のアルマ等、なかなか。
やはりその脇役達とのそれぞれの軽妙なやりとりはいい出来でしたね。
個人的にはボブの警護チーフのヒュンは気になったキャラだな。
あれは絶対ブロックマンも楽しんで書いたキャラだと思うわ(笑)。

肩も凝らず、たいしたギミックもなく、でもしっかりストーカー犯人も捕まって、と超お気に入り!!とまではいかずとも、居心地悪くなく読めた1冊かな。
しかし、まぁ、有名司会者に美男刑事に、美女教授、子役モデル姉弟にベストセラー作家・・・あのボリュームによくこれだけ押し込んだ!!と褒めるべきなんでしょうか?(笑)
ビジュアル化したら、さぞかし画面がキラキラするんでしょうな〜・・・さすがサービス企画!って事なんでしょうかね(爆)
来月の新刊の予定が出ていたので、とりあえず買う分だけは覚え書き。

ランダムハウス講談社 ランダムハウス講談社ロマンス文庫
魔の月に誘われて レベッカ・ヨーク

お馴染み、ムーン・シリーズ3冊目♪
お気に入りのロスの弟でもあるアダムの話なので即買いっす!!

ハーレクイン社 MIRA文庫
甘い銃弾は最後に マリーン・ラブレース

こちらは今月と連続刊行になるクレオ・ノース・シリーズ完結編。
勿論、即買い〜っ(^^)

二見書房 二見ミステリ文庫
ビョンド・エデン キャサリン・コールター

今回のCCはFBIシリーズではなく単発のお話。
うう、サヴィッチの方も読みたいんだけどなぁ・・・(^^ゞ

ヴィレッジブックス villegebooks
ハイランダーズ・タッチ(仮) カレン・マリー・モニング

これもお馴染み。今回はRITA受賞作品なのですが、ことのさんお気に入りの1冊でもあります。アホで(爆)。
アダム・ブラック再登場〜っっ♪

The Bride Bride(1)(仮) ジュリー・ガーウッド
これは翻訳化は聞いていたので、嬉しいですね。
ガーウッドのヒストリカルの中でも一番評価がいい作品で、お友達もお勧めしているので(^^)

Bad Attitude(仮) シェリリン・ケニョン
とうとうシェリリン・ケニョン日本上陸!
しかし、まずは手始めにここらへんからですか(笑)。昨年、再版されたから驚きもなし。
これを足がかりにダーク・ハンター・シリーズ日本上陸をかなえるべく、販促活動開始だわ!

竹書房 ラズベリーブックス
不名誉なキスは恋の罠 エリザベス・ソーントン

こちらはトラップ・トリロジーの2冊目。
1冊目は可もなく不可もない1冊だったが、その中でも気になっていたブランド・ハミルトンの話なので買い、だな。

原書房 ライムブックス
とまどい リサ・クレイパス

そばにいるだけで エリン・マッカーシー

いや〜、クレイパス連打(笑)。
鉄板看板作家となりましたね〜、このレーベルの。この調子で全作品日本上陸を目指して頂きたいわ♪
そして、密かにプチ・ブーム中なエリン・マッカーシー長編がライムさんから出るとは!
どれかな、どれかな〜・・・最近話題になったエロエロ路線かしらっ?(爆)
まぁ、週末には原書分かるだろうから、そっちの情報は後ほど改定。

そして、今回はなんつーてもこれっ!!

扶桑社 扶桑社ミステリ
イヴァノヴィッチ・フルティルト ジャネット・イヴァノヴィッチ

もう、正直9割翻訳化は諦めてました・・・。
イヴァノヴッチだけならともかく、あれはシャーロット・ヒューズとの共著だからね。
何か気分は、9回裏2死まできての一発!!って感じなのです・・・まさに待てば海路の日和ありでございますー。
うーうーうー、会える〜っ、会える〜〜っっ!!
日本語で、大人になったマキシミリアン・ホルトに会える!!(号泣)
もうね、ごめんね。
そんなに期待される程に名作じゃないのよ > お前、いきなりかい!(殴)
でも、そんな評価とか、売上げとか、賞レースとか関係なく、このチープなこのシリーズが愛おしいのよ。
喋るハイテク・カー(しかも女の子。笑)、オタクな億万長者のヒーロー、そして災難体質のヒロインに、クセ者ばかりの脇役の皆さん(笑)。
肩の凝らない、軽〜いアメリカン・ドラマのようなFullシリーズの世界へようこそ♪
うん、全部は無理でもFull Blastまではよろしくお願いします(シビアだな、アンタ。爆) > 扶桑社さん(笑)

+余談+
そんなこんなで、毎度お馴染みの穴埋めゲーム(笑)。

http://cool-book-new.seesaa.net/article/43764818.html
http://cool-book-new.seesaa.net/article/43962589.html

今回二つに分けられているのは、何てことない。
早く分かった分をさっさと埋めていた前編、そしていつも通りの後編、というワケだったり(笑)。
二回に分けると便利なので、次回もそうしよっかな(笑)

+追記+
6/9、改定済み(笑)
ISBN:4594053777 文庫 佐藤 知津子 扶桑社 2007/05 ¥720

ケイ・フーパーの発掘化石新刊、読了〜。
まぁ、発売前から「どう見ても裏焼きのパクリ表紙」発覚(笑)という事でいきなり躓いた感じのする1冊(爆)

http://cool-book-new.seesaa.net/article/42803735.html

お気に入りの本からやられると、ファンとしては凹みます・・・(^^;;

で、読んでみましたが・・・何だか勢いなく、クラゲのようにプカプカ浮かんで読了しました(笑)。
何と言えばいいのでしょうか・・・お膳立ては全て完了しているのに、イワク付きの美男美女が出会って、恋に落ちて、絶体絶命の事件に遭遇し、ハッピーエンド。
脇役(脇「猫」か。笑)も個性的で笑いをそそります。
そう、よく出来ているんですが・・・あのページ数でやれる許容範囲をオーバーしているのは明らか。
何だかねぇ・・・説明文ばっかり読まされてる気分だったのだ。
ヒロインで証人保護プログラムによって、自分の過去や経歴を封印されたララも、ヒーローで覆面捜査官のデボンも、何だか自分の気持ちとかよりも、これまでのあらすじを語ってくれているような印象が強い(^^ゞ

仕方ないといえば、そうなのかもしれない。
かつてお友達が「どんなしっとり系や人物描写のうまい作家でも、ハーレ○イン・イントリーグに書いたら凡作になる」と的を得た事を言った事がある。
そう、「二兎を追うものは一兎も得ず」なのである。
サスペンスに重きをおくか、ロマンスに重きをおくかを選択するには、イントリーグよりも、今回の原書元でもあるLovesweptの方がページ数として厳しい。
ましてやカテゴリー・ロマンスとしては絶対にロマンスに重点をおくのは暗黙の了解なのに、ケイ・フーパー自身がどっちを書きたいのかは明白。サスペンス部分の方である。
となると、詰め込みたい部分を、必然的に台詞にも放り込む羽目となった結果がこうなったり・・・(^^ゞ
もっとも、絶体絶命っていう程に書き込みはしていないけど、フーパーさん(笑)。
あと、猫のチンでお茶をにごした感がチラリとも(笑)。

サスペンスのテーマがロマンス読者にとって一般的に馴染みなく説明が必要なのはわかるが、余りにやりすぎて主役二人の気持ちの機微とか、人物描写、挙句ロマンス部分がとって付けたように浮いてしまった感じを受けました。
っていうか、今のタイミングであそこまで真っ向勝負でイニシアチブを取れるララを見て「何故に今までやらんかったねん、アンタ・・・」とかいうツッコミがチラッと頭を過ぎりました(笑)。

単なる「10年以上前の作品の再版」でなく、今のケイ・フーパーによるページ数をかけた加筆改定版ならさぞかし面白い作品になったろうな・・・と、残念に思った1冊でもありました。
このタイミングであえてこの作品を発掘してきたのが当たりだったのかどうかなんて、まぁ、その人次第。
単純にことのさんの好みのモンダイなんですけどね(笑)。
ISBN:4562043229 文庫 数佐 尚美 原書房 2007/05 ¥980

あ。今月の新刊が出るうちなら、まだ「新刊」扱いしていいから、今のうちに書いておこう(笑)。
スーザン・イーノックの初翻訳作品、読了〜(^^)

しょーもない雑学だらけ、しかしそれが恐ろしく楽しい1冊で、ことのさんニーズでした事は確か。
何故かことのさん、「泥棒もの」ってツボの一つだと今頃になって気付きましたです、ハイ(^^ゞ

美術品泥棒のサマンサが、ある時盗みに入った屋敷で何故か不在の筈の屋敷の主人でイギリス人実業家のリチャードと遭遇。
その直後に謎の爆発騒ぎがあり、サマンサはリチャードを助けて屋敷を脱出。
しかし、そのせいで殺人容疑がかかってしまい、身の潔白(笑)を証明する為にリチャードに取引を持ちかける、というお話。

とにかくサマンサの軽妙な言動が面白いのなんの。
かなりのゴジラ映画マニアで、ところどころに歴代のゴジラ映画が登場し楽しませてくれます(笑)。
いかにもアメリカ人〜っ♪なサマンサ、コーラを何よりも愛しているところもポイント高くて○。
頭の回転が速く、それでいて自分なりのポリシーを持ち、仁義厚いところが何とも職人肌というか(泥棒だけど。笑)。
キュートで明るく、気がつけばサマンサのファンになってしまった人々の羅列(笑)。
特にリチャードのお屋敷のシェフ・ハンスさんとのやりとりは大ウケでした(笑)。
リチャードの台詞ではありませんが、この屋敷の主人は誰?!みたいな(^^ゞ

対するヒーローのイギリス人セレブのリチャード。
とにかくサマンサとのうまい対比具合がなかなか面白い。
アメリカ俗語とイギリス俗語とか、車とか、嗜好品とか、とにかくアメリカ人がイギリス人つかまえてかます定番ジョークものからブラックジョークまで、もう笑えるの何のって。
想像を絶する金持ちである彼なんだが、どうも初対面の時からサマンサに激甘状態で、まぁ、こんなに仕事をあっけらかん!とうっちゃってる人も珍しいかと(^^ゞ
普通だったら「おい、仕事しろよ!」とか読んでて思うんですが、いいです。あそこまで居直られてしまうと(爆)。
数百万損失しようが、つまんない内容の取引よりも彼女といる方がワクワクするんだもんっ、と言われちゃうとねぇ(笑)。
そう、そういう駄々っ子なところが非常に上手に書かれているんですよ、これ。
かといって、駄々ばっかりではなく、独占欲とか保護欲とか、もう読んでいる方にもきゅんきゅんくるような感情の持て余し方もかなり良いのだ。
ラブラブもまぁ、あそこまでいくと使用人や弁護士でなくっても「もう好きにして、アンタ達」となるかと(爆)。

きっかけとなる盗難、及び爆破事件がまぁ、うまい具合に二人の背後関係やらに絡めてあって、このイーノックのストーリーテラーっぷりを物語る。
不必要な事は何もなく、会話の中にうまいヒントがあって、脇役もまぁ、クセ者揃いで非常にことのニーズ♪

どうもこの翻訳者さんとは相性悪いんだが(テンポが悪いのかしら・・・面白い部分を平淡にされてしまうような印象を見受けます。特にこういう丁々発止な会話をベースにするものだと顕著に出る)、それを除けば、お気に入り決定♪
今後も翻訳続いてほしい作家さんだわ(^^)
ISBN:4594053807 文庫 中川 梨江 扶桑社 2007/05 ¥880

コニー・メイスンの新刊、読了〜。
前回の『誘惑のシーク』、一部の皆様にはご存知の通り・・・昨年のことのさんのスカ・ランキング本でして(笑)。
期待をして読んでみて・・・って、何の期待?!というハナシはさておき、前回みたいにぶった斬りは出来ないが、読んでてツッコミ疲れました(笑)。
ついでに笑い疲れた(笑)。

死にかけてヒーローが三途の川のほとりで、ヒロイン妊娠を知って戻ってくる、っていうのはこの作者のお約束なんでしょうか?(笑)

まぁ、今回のヒーローは妻がかつての婚約者と二人でいるところを朦朧として見て凹んでしまい、自ら三途の川を渡りかけていたりして、ちょっとアホかわいいという見方もあり?(爆)

でも、相変わらずキャラクターのビジュアルは懇々と書いてあるのだが(特にヒロインのプラチナブロンドの描写にはフェチっぷりを感じる。笑)、性格描写とかいう機微には及んではいない。
だから、ヒロインであるアリアナが、ヒーローで政略結婚相手であるライアンという人間のどこに、どういう経過で惹かれたとかいうものが、すっぽーんと抜けて、いきなりエッチな場面にワープしていて・・・あは。あはは(^^ゞ
同じように、ライアンの副官ベルテンと惹かれあうアリアナの召使テルサの場合もそうだ。
あれよあれよとトコロテンのように進んで、気付けば結婚まできていた・・・いや、脇役だからそんなに詳しく書かなくていいんですが余りな扱いでした(^^ゞ
キャラクターの人物の内面描写をおざなりにしている分、物語が上滑りとなるのは防げないんではないのかしらね。
私生児としてのライアンの過去、その生まれゆえにウィリアムに傾倒する謂れなど、もう少し書いていかないと彼とアリアナを選択する瀬戸際の葛藤、その後の絶望が活きてこないのでは?(^^;

というか、これ・・・以前、『ハウルの動く城』という映画を見た時に思ったのだが、君ら、誰と戦っているんだ?というカンジなのである。
いや、この場合は誰と対しているのだ、みたいな。
アリアナが、ライアンの飲み物に毒を入れるところも、何の為に入れているのかイマイチよく分からなかったり・・・案の定、自ら止めるし(笑)。
だから、何に対して、何を証明しようとして一服盛るのだアナタ、なんですよ。
そんな不可解な言動があれやこれや・・・(^^ゞ

さて、あとちょっと「あれれ」と思ったのが、アリアナが元婚約者に無理やりスコットランドに連れて行かれてます〜、なところなんですが・・・。

元婚約者のエドリックさん、どこに向かっているんデスカ?(爆)

彼はサクソン貴族で、表ではウィリアムに服従を誓いながら、裏でウィリアムの敵であるスコットランド王マルカムと通じているという設定なんですが。
彼が向かっているマルカム王のいる場所がこの作品、えらくえー加減に書いてあるんですわ(爆)。

というか、この時代、まだ「スコットランド」ではなく「アルバ王国」なのでは?という基本的なところもあるのだが。
まぁ、これはスコッツからの視点か(「アルバ」というのはスコッツのゲール語版というのかな)。イングランドからなら、「スコットランド」なんかいな。まぁ、いいや、それは。

ここでいう「マルカム王」というのは、スコットランドの初代王ケニス・マルカピンの家系系譜であるダンカン一世の息子であるマルカム三世のこと。
そう、征服王ウィリアム同様、こちらも実在の人物です。
あのシェイクスピア作品でも有名な『マクベス』のモデルとなったマクベスが、ダンカン一世を倒して王位につき、そのマクベスを倒して王位についたのが彼なのである。
現在のエディンバラ城の元となった「エディンバラの砦」がスコットランド王家の居城として完成するのが、このマルカム三世の時代。
だから、最初の方でエドリックがエディンバラに行ってきた、というのを読んで「あ〜。エディンバラ・ロックにマルカムに会いに行ったのね〜」と思っていたんだが・・・。

そう。なんちゃって駆け落ち(笑)の場面、縄でくくったアリアナを馬に乗せてエドリックさん、テイ川の霧がたちこめる場所に・・・って?!
エディンバラ、思いっきり通過していますよアナタ!!(爆)
いや、ことのさん、鉄道でしっかりそこ渡ったんだから間違いないわよ。

こうなってくると、エドリックが向かったのは前出のマルカピンがひらいたスクーン宮殿、もしくはパース、そしてそこより更に北部という事になってくるんだが・・・マルカム王がスクーン宮殿を拠点にしているなんて何も書いてないし、勿論(^^ゞ
ここでいう「アバネシー」というのがどこを指しているのかイマイチよく分からないんですが(アバディーンシャーのことですかね)、マルカム王って一体どこにいるんでしょうかね(笑)。
別にそのままエディンバラにいてもよかったのに。わざわざ更に遠いところで合流せんでも(笑)。

いや、他にもツッコミポイントはあるんですが、読み終えて間もないせいか、頭がウニ状態なのでこのへんで失礼致します←自主規制か?!(爆)
ISBN:4576070827 文庫 中西 和美 二見書房 2007/05 ¥870

クレンツの新刊、読了〜♪
もう、超お気に入りの1冊となりましたわ♪♪

以前に書きましたが、作者のクレンツ自身がご主人の仕事の関係で東南アジアの方に住んでいた時期もあったせいか、彼女の作品はごく自然に東洋やアジアの小物が登場する。
違和感なく、しかも時にはかなりお茶目に(笑)。
今回の作品にも、それらが登場しましたが・・・やられた。
マジ、やられた。

鍼治療を受けるヒーローってのに(爆)。

いや、ヒロインであるイザベルの夢カウンセリングの分析結果と、その推薦治療方法とはいえ・・・鍼治療・・・。
もう、その上にワンコよろしく彼女のアドバイスに従い、肉食から野菜食に変え、緑茶を飲み、ロマンスコメディ映画を見て、挙句ロマンス小説を買おうと考えるヒーローのエリス・・・ツボをメガヒットでございます!!(萌っっ)

この作品の重要キーが「夢」なんですが、いつもアヤシイ新興宗教やら団体やらを活き活きと書いているクレンツ(爆)にしては、明晰夢という実際に研究も進められているものを用いての話となっていて、興味深い出来となっていました。
もっとも、そこはクレンツ。
そんな真面目な学術的要素を絡めながらも、そんな明晰夢を・・・しっかり愛しい恋人(夢の中の。笑)にいろんなコスチュームを着せて、夢の中で萌え萌えデート(爆)をしている等の、読者を喰ったような使い方をしちゃうんだが(笑)。
でも、学者系キャラクターって生真面目すぎると肩が凝るし、このぐらいの洒脱さを用いてくれる方が愛嬌があってよいのよね。うん。

そして、犯人は毎度のごとくバレバレなんですが(笑)、実にここ最近の作品の中では一番のサスペンス具合となっています。
クレンツらしいクセ者揃いの脇役を上手に使い、ミエミエと見えてのミスリードといい、ラスト近くを読み進めるにつれて一つ一つの部分が納まるところに納まる具合といい。
これはお見事としかいい様が無い。
黒幕も、黒幕らしいという褒め方をしたいぐらい(笑)。

さて、そんな黒幕にふりまわされたキャラクター達だが、ヒーローのエリスに関しては、もう・・・読んでもらった方が早い(笑)。
こんな萌え萌えくん、久し振りでございますな。
実際には遭った事のないカウンセラーであるイザベルに心挽かれて、すっぱりさっぱり引越しまでしちゃうって、まぁぁぁ〜なんだな(笑)。
ヒロインのイザベルが、これまたクレンツのよく書くクセある学者系ヒロイン・・・かと思ったら、キュートなんだわ♪
捨てられかけたおデブなネコのスフィンクスを拾う際のエピソードとか、ことのさん的に言うときゅんきゅんちゃん(^^)
笑ったのが、スフィンクスに話しかける場面だな〜。ペットとキャラクターとのやりとりを書かせると抜群なクレンツらしいところでした。
また、エリスとのカップルっぷりがいいんだな。
お互い、恋愛の手探り状態期間をワープで通り越しているというのが、げに夢の恐ろしさよ。
まさに割れ鍋に綴じ蓋(笑)。

脇役さん達も相変わらず秀逸。
ちょっとしたところで、くくっと笑える個性を描くクレンツらしいメンツでした。
お気に入りは、デイヴくんだったのですが、この話がもう少し続けば確実にエリスとの「師弟シーン」連発だったでありましょうな(^m^)

しかし、ラストでも分かったようで分からないままの今回の作品の舞台の一つとなった特殊団体「フレイ・ソルター」(笑)。
とりあえず、夢見能力を使って政府関係のいろんな事件を扱う特殊チーム、という事なんだろうが・・・謎だらけ。でも、それでも読んでて居心地悪くないのは何故?(笑)
まぁ、そんなところも、またクレンツ・ワールドの掟ってことね(爆)。
さて。昨日の日記(笑)で書いたクレンツだが、ホンマにここにきて翻訳バブル状態となってきた(笑)。

まさか、まさかのハヤカワ文庫にてのジェイン・キャッスル名義作品の翻訳決定とは!
いや、嬉しいっす!!
で、あれ3冊あるんですが・・・1冊目で放置、ってしないですよね?(小声)
そんな作品は『Amaryllis』って事で(^^ゞ

http://cool-book-new.seesaa.net/article/42911569.html

それと、時期は未定ですが、次の二見文庫から出る分のクレンツ作品も決定。
All Night Long』だそうで、近作の続く二見さんでありました(^^)

しかし、今後の各社の予定・・・笑った?かなり笑った?! > ことのさん
いや、ランダムハウス講談社さんってば・・・今更のシークもの強化宣言とは・・・マジ?(^^ゞ
北米の好みと日本の好み、微妙に違ってましてよ(^^ゞ
それより早くタラ・ジャンセンの続き出して下さい、とか思ったりするのはことのさんだけ?(爆)
あとはまさかの、集英社文庫さんの「9月から毎月ロマンティック・サスペンス本出します」宣言(笑)。
いや、長年の読者として言わせてもらえば、こちらに関しては話半分に聞かせてもらいますってのが本音?(爆)
だって、ここサンドラ・ブラウン以外は続かないもん、刊行
過去、あのデボラ・スミスを1冊だけ出して放置(彼女の最高傑作、と言われた本にたどり着くどころか、1冊目で、よ)、シャーレイン・ハリスもシリーズ1冊だけ出して放置、シリーズものを4冊目か5冊目ぐらいから突然出して、それも途中で放置、ああ、ことのさんの好きなサリー・チャップマンのシリコンバレー事件ファイル・シリーズも2冊で放置されたなぁ・・・あ。すんません。愚痴大会になってしまいました(爆)。
そんな集英社さんから三ヶ月連続で出るらしいのが、アリスン・ブレナン。

http://cool-book-new.seesaa.net/article/42892722.html

売れたらもう1個のブレナンの三部作、というより、この路線が確立したらさっさとデボラ・スミスに専念してくれ、というのがことのさんの毒舌トークってことで(笑)。

二見さんは、秋にマッケナとSEP、冬にリンダと鉄板ラインナップだが、むしろそれ以外の新しい作家のが最近ここは面白い。
あ、SEPは別格だから、って意味でよ(笑)。

でも、まさか文春さんが1冊だけ出してそのまんまだったカレン・ローズがハヤカワ文庫から出る予定になるとは・・・これは予想しなかった(笑)。
レスキューがうまいのは原書房とvillegeさんだとばかり思っていたので(笑)。
しかし、ハヤカワさんはどうも、御自分のところで過去出した作家の中にお宝が眠っているという自覚がないというか・・・勿体ない・・・。
というか、ロマサスじゃなくてもいいのよ、ロマンス読者は・・・早く、メグ・ラングスロー・シリーズ(鳥シリーズ)の続き出してくれ。ヘタなロマサスよりも、よっぽどマイクルとメグの頓珍漢なイチャつきっぷりのが萌え、なのよ!(握りコブシ)

そんなこんなで、そんなバブル状況を、悲しいかなファン心理よりも先に、ある意味オタよろしく客観的に見ていることのさんでありました(^^ゞ
ISBN:4596912238 文庫 村井 愛 ハーレクイン 2007/05 ¥890

クレンツの新刊、読了〜(^^)
MIRAから、他の出版版元の原書のクレンツ作品が翻訳されたのは初めてかな?
今年に入ってのクレンツ翻訳ラッシュにファンとしては嬉しい悲鳴をあげております♪

今回の作品は8年前のものですが、日本で昨今流行のスピリチュアルものをテーマにもってきていて、ある意味タイムリーなタイミングでの登場ともいえました。
これはMIRA編集部のお手柄とも言えようかと(笑)。
あ、ことのさんがMIRA文庫の編集部を褒める事なんて早々ないんだから、ここんとこは皆さん、念頭においてくださいませ(爆)。

今回のヒロインはアート・コンサルタントのアレクサ。
いや〜、クレンツの書くヒロインのよい意味でのデフォルトな彼女の描写の数々ににんまり。
アール・デコの美術品の贋作騒動から、彼女のバックボーンを絡めた過去の出来事に上手にリンクしていく様はうまいのよね、クレンツ。
くくっ、となるのがスタイリッシュなビジネスウーマンなアレクサに、それとの落差を書いている部分。
たとえば、美術コンサルタントとしては高名である筈の彼女が、贋作疑惑に巻き込まれて失業し、腰掛け状態でやっている店が、何と怪しいレプリカばかりを扱うみやげ物屋だったり(笑)。
自分の美術コンサルタントとしての能力に確固たる自信を持っているアレクサが、チープなガーゴイルの像や、ちゃちいストーンヘンジ柄のTシャツ売っちゃったりして、もうそれが可笑しいったら(^^;
その類の描写のとどめは、ドレスアップした彼女が、ニセモノの大きな彫刻像を「どっかに隠さねば!!」と、隠れてうんとこさどっこいさ!!と火事場の馬鹿力で移動させている箇所・・・確かにヒーローでなくても、その光景を思い出しただけでププッとなりますな(笑)。

対するヒーローのトラスク。
これまたクレンツお得意の、感情表現が不得手なビジネスの天才CEO。
そんでもって、幼い頃から駄目な家族の尻拭いを訥々とやっていたり、弟を養ってたり、とお約束な設定にワクワクしちゃったりするのは末期クレンツ読者か?(笑)
今回は、12年前にヒロインであるアレクサと一度遭っていて、お互いがお互いを意識し、インパクトを与えられた状態での再会、というもので、そういうパターンでもやはりクレンツらしさが出ていて楽しかったわ。
ラブラブなのは明白なのに、どうもそういう事に関して頓珍漢な反応しちゃうあたりも、これまたツボなんだよね〜(笑)。

12年前のトラスクの父親の死に関し、陰謀説を唱えている彼に対し、またこのアヴァロンという街そのものが胡散臭いものオンパレードで、読者を煙に巻くようなものになっていて、これまた面白い。
それでいて、関係者全てがそれ以上に胡散臭い(笑)。
その中でも、アレクサの元雇い主ハリエットは群を抜いていて、あの困ったちゃんなキャラはもう、出番は多くないのに一気にストーリーのお茶目度を上げまくり!(笑)
そして出てくる小道具が、またそこに輪をかけて胡散臭く怪しいもんだから、ここらへんはクレンツ・ワールド全開(爆)。

でもって、ラスト近くの怒涛の展開のオチを付けたトラスクの「ある攻撃」には拍手喝采(爆)。
ここ近年で翻訳されたクレンツ作品の中では、クレンツの、あの人をくったような飄々さも含めてことのさんニーズ度がかなり高くってお気に入りの1冊となりました。
怪しい小道具てんこ盛りそのものに流されず、それを楽しむぐらいのスタンスで読む事をオススメする1冊(笑)。
ISBN:4789730883 文庫 みすみ あき ヴィレッジブックス 2007/05 ¥861

キス・キス・キスのシリーズ2冊目、読了(^^)
目的はシャノン・マッケナの別名義シャノン・アンダーソンの短編だった筈なのだが・・・思わぬ拾いものをした気分です(笑)。

そう、三本目のマッケナ(やっぱり出てきた長男ヒーロー←マッケナお得意の)と二本目のモーガン・リーの作品は想定内の作品で、淡々と読み終わったカンジだったのですが・・・一本目、エリン・マッカーシーの短編が拾いものでした!
何で、こんなことのさんニーズの作品が棚ボタでやってきちゃったのかな、ってぐらい萌え!(爆)

オタク系学者ヒーロー、しかも年下くん!!
並べてもらってよろしくってよ、よろしくってよ!!な設定でございます!(萌)
このテのエロ可愛な短編のいいトコがよく出ていました。
きわどい小道具が連発されるし、すんごいホットなのに、茶目っ気なところと軽妙な会話、そしてヒーローの真面目で頓珍漢なところの落差が非常にキュートでふんわり軽く楽しめる。
短編なんだから、妙に重い設定でがんじがらめにされるより、ふわっとした感じの方がいいんだよね。
で、話自体はそんなに期待される程にはたいした事はないんだが(笑)、最初から最後までクスクス笑って、楽しめたナイスな一本でした。

・・・つーか、ヒロインであるアシュリーのモノローグで「青田買いをするところだった」という一文で、もうこの一本の勝利は半分決まりました(爆)。
まぁ、最初のヒーローであるルーカスが、間違えて開封してしまった大人のオモチャの入った箱を見て、理論的に12本分一気大人買い(爆)の理由を分析しようとしていた時点でやられましたが(爆)。
キャラ萌え度としては、このルーカス、かなり高ポイントです♪

頭はべらぼうにいいかもしれないが、どっかヌケててヘタレで、それでいてキュートなヒーローという反則技がこの1冊の全てでしたな(爆)。
長編も短編も最初から最後まで楽しくケラケラ笑って読む、という作品が少ない昨今、これは本当に拾い物でした(^m^)
読書していて痛々しい思いばかりってのもねぇ。たまには息抜きは必要です(笑)。
ISBN:459691222X 文庫 平江 まゆみ ハーレクイン 2007/05 ¥840

キャンディス・キャンプのモアランド公爵家の秘密3冊目、読了〜。
これの前に読んだ本のせいか、非常に毎度お馴染みのキャンプ節ですらココロ洗われるかのように、穏やかな気分で読めました(笑)。
お約束ものって、こんなにいいものなんだ・・・とか(笑)。

さて、今回の主役はモアランド公爵家の良心にて、唯一の常識人である次男のリード。
いや〜、もうこれが・・・笑えるぐらいの普通の人なんだわ(^^ゞ
それでなくても、キャンプ作品の主役ってちょっと配線違いぐらいで丁度いい(笑)、とかいう感じなのに、これだけ優等生となると・・・読んでるこっちがどうしていいのかちと分からない(爆)。
そこは達者なキャンプなので、今度はリードのお相手となるアンナの家系の方にかなりのクセモノ設定をもってきてバランスをとっている。
何か・・・このシリーズは変人自慢大会なのか?という気持ちが無きにしも(違います。笑)。
というか、普通でいいじゃん・・・何をキャンプ作品に求めているんだ?! > ことのさん(爆)

それにしても、現実実利主義のリード兄ちゃん、実は一目ぼれフォーリンラブくんだったというあたりは、やっぱりあの一家の人間よねぇ(笑)。
それでも、やっぱり優等生なので、彼に関しては物語は淡々とお話は進んでしまって、ちょっと盛り上がりに欠けたかな(^^ゞ
ヒロインのアンナも、利発で美しい女性なんですが、こちらは前出のクセモノ設定に振り回されてキャラ色が余り出せなかったかも。
そういう意味では、設定とか他のキャラとか関係なくマイペースに自分達をアピールしたモアランド家の双子ちゃん達の勝ち逃げ?(爆)

オタクくんヒーロー好きのことのさん(自爆)にとって、最初っからその設定だけで萌え系だった長男テオが次回の主役のこのシリーズ・・・。
変人くんのアホ設定カモ〜ン!!な内容かどうか、今から楽しみです(爆)
ISBN:4812431328 文庫 エリザベス・スチュワート 竹書房 2007/05/10 ¥860

・・・エリザベス・スチュワートの初翻訳本読了・・・読了した・・・読了したよ・・・よく最後まで読んだよ、ことのさん!!自分で自分を褒めるよマジ!!

注意
ここから先は、辛口を通り越してぶった斬りとなっております。
かなりの美しくない言葉が飛び交っていますので、ロマンス本レビューにまだ淡い夢を抱いていらっしゃるピュアな読者の方は決して読まないで下さい(笑)。
ことのさんの滅多斬りレビューをご期待なさっている少数派な方(爆)は、Let’sカモ〜ン(^^ゞ
あ、でも、また滅多斬りに逆に興味わいて買われても(よくあるらしい。笑)、こればっかりは責任持たないわよ(爆)

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こんなに自分にとっての地雷源のようなヒロインが主役の本にめぐり合ったのは久々です。
1ページ1ページが苦行のように感じまして・・・正直、ストーカー犯人が彼女を殺る前に、一思いにことのさんがさっくり殺ってしまいたかったです←真剣。

ストーカーに狙われる人気作家エルギンと、彼女の身辺警護を依頼されたセキュリティ会社の社長キャンベル・ハームの話なのだが・・・このエルギンという女、とんでもありません。

自分自身が危険な立場にいるくせに、頭が悪いのかノコノコと能天気行動ばかり取り、人に迷惑ばかりかける最悪の女でした

たとえば浮浪者に暴行されそうになっても警察に通報せず、その理由を自分が人気作家で金持ちだとバレたらきっと相手に法廷に持ち込まれ、挙句保険の掛け金が上がるのが嫌だ、と延々力説します。
この女・・・他にも同じような被害にあう人が出ないように、とか再発防止なんて全く考えていません、ええ。
この時点でなんか嫌な女だなぁ、と思っていましたが・・・こんなのはまだまだ序の口だというのが分かりました・・・。

続いてハームと部下が彼女の自宅に訪れて、彼女のコンピュータを調べると申し出た際に、私は完璧なセキュリティソフトを導入している。絶対侵入出来ないわ!と、本職(この場合はコンピュータの専門家であるビリー)に向かって釈迦に説法が如く、エラそうに一席ぶります・・・お前はシ○ンテックかマイ○ロトレンドか?!
案の定、ビリーによって巧妙なトロイの木馬が彼女のパソコンから発見され、そこから個人情報がだだ漏れ垂れ流しになっていた事が判明します。
この時にケッ、ざまぁみろ!!と思ったのはことのさんだけでしょうかね?(爆)

そして、イケ好かない女として決定的だったのは、ストーカーにこれだけスケジュールや個人情報がバレていると証明され、犯人の裏をかくべく、相手に狙う隙を与えないようランダムな生活をしろと言われたにも関わらず、犯人に狙ってくれと言わんばかりに私は決して私のスケジュールを変えないわ!とばかりに、いつものお決まりの予定で、いつものお馴染みのコースでいつものお馴染みの美容院に行こうとするのですよ、コイツ。
しかも警備シフトがまだ有効である期間の最終日に「今まで我慢したんだから、一日ぐらい前倒ししたっていいじゃない!」とかいう、デパートで玩具をねだる子供でもせんような言い草で、です。
警備シフト期間外なら、そりゃあお前の自己責任だから、ストーカー犯人とランバタを踊ろうが、大人のオモチャでジャグリングしようがお前の勝手だが、ビジネスとして成立している期間内にお前に何かあったら、それは責任問題となってくるのだぞ。
あれだけ法廷だ弁護士だと能書き垂れているんだから、よく知ってる筈なのに何だ、お前!!
一日、たった一日よ!
その一日、髪をカットするのが我慢出来ない程のお前の髪は異様な速度で伸びるのか?!○ドゥーサか定○か・・・いや、『ジャッ○と豆の木』のソラマメのツルか?!(呆)
そして、案の定、犯人に美容院前でひき逃げされそうになり、自分の身を挺してこんなクソ女ヒロインを守り、瀕死の重態となり、もはや元の状態で歩けないようになるかもしれなくなってしまった捜査員のピーターが憐れ過ぎる・・・。

こんな女、放っておいてもらってよかったよピーター・・・と、本当にそう思ったのが、この後。
これ以上、もう地雷はないだろう、と思っていましたがことのさんが甘かったです、ええ。
重傷のピーターの為に、密かに世界最高の形成外科医を雇い、費用も全部自分が負担する、と言ったヒロインのこの台詞。

「〜中略〜私がドクターを雇った事を知られると、私が間違っていたのを認めた事になる。そんなの耐えられないわ」

・・・勝ち負けとか、認めた認めないの問題か?!
確かに悪いのはストーカー犯人だが、お前の軽率すぎる行動のせいでそれを誘発し、そして一人の優秀な捜査員が死に掛けたのが明白なのに、まだそんな戯言言ってんのか、コイツ!!(怒)

この女の作品の出版社社長で友人の女性が、「エルギンは意固地だから」と言いますが、意固地を通り越して、ただの死んでも頭悪いだけです(きっぱり)。
その意固地な性格にしても、やたらとアイルランド人気質のせいにしますが、私がアイルランド人なら断固講義しますぜ、そんな根拠なき言いがかりは!
馬鹿にされているように思いますよ、あんな言われ方・・・(--;

あ、まだあるんですがね。
自分が書いているエロティカ小説を、ハームにエロ本呼ばわりされて激怒し、報復に自分からハームを誘惑して、ハームの実名を暴露した実録エロティカ本書いてやる!!と、ホンマに信じられないアホ手段を考え、友人に諌められてもこの言い草。

「(本が出版されたら)彼はただで宣伝してもらう事になるじゃない」
「評判が傷つくどころか、多分新しい形での評判を得るわ」

・・・名誉毀損という単語すら知らんようなら、作家なんか辞めろよお前。
第一、エロティカ本に名前が出て、どうやったらセキュリティ会社の宣伝になるんだ?!
どういう脳内配線しているんだ?!(驚愕)

・・・もう、タイトルとなっている湖に行く前に早くこの女を抹殺して下さい・・・と、思わずストーカー犯人にお祈りしましたよ、ことのさん・・・(--;;
もう、ロマンスなんかどうでもいい。
実際、ホットな場面もあの女がヤってるってだけで、しらけるばっかりで、こんなスカ作品(伏せない。伏せる必要はない)読んだ後なら何を読んでも名作に思える事請け合いでした。

愛なきロマンス本はサムい。
しかし、キャラクターに愛のない本はサムくてイタイ。
どなたか、この本のオススメな箇所がある!!と仰る方、教えて下さい・・・ヒーローがたとえそれなりのレベルだろうが、ヒロイン親友の天才ゲイくんが傑作だろうが、ヒロインが全てを木っ端微塵にぶっ壊した、何も残らない1冊でした。
勿論、抹殺しましたよ・・・ことのさんの目の前から(爆)。
ISBN:4562043210 文庫 古川 奈々子 原書房 2007/05 ¥920

リサ・クレイパスの壁の花シリーズ4冊目、読了〜。
今回のヒロインは、残る一人である壁の花最年少で、リリアンの妹デイジー。
そして、お相手は彼女の父親の右腕である敏腕実業家マシュー。

やはりシリーズ4冊目でラスト作品ともなると、登場人物も増えて、締めモードになってくる。
そのせいか、駆け足ムードの上、あのキャラの美味しいところを書かなくっちゃ、こっちのキャラにも見せ場を作らなきゃ、と非常に忙しい(笑)。
前作は出張で名前のみ登場だったハントなんて、前回の分を取り戻すべく出るわ出るわ(笑)。
今回のヒーローであるマシューの人と成りを示すのに、ハントが彼をヘッドハントし、ウエストクリフ伯爵マーカスが愛しい奥さんの意見(叫び。笑)をさておき、しっかり認めちゃうのがこれまた。

そうなのだ。
シリーズもののラストって、こういう今までのキャラの引き出しを上手に使えば、何かとショートカット出来ちゃうんだよね。
もっとも、それのせいで主役が薄くなってしまう危険性が伴うのも事実。

今回のマシューもなかなかのナイスガイ、しかもずーっとデイジーに片思いしていたという一途くん、おまけに隠された過去持ちという「まぁ、ロマンスヒーローだわ♪」な設定だ。
しかし、これで前出の危険性の話に戻る・・・いやー。駄目じゃん。
ハントとマーカスにしてやられ過ぎ(^^ゞ
若造くんが、先輩達に転がされているカンジとも取れるんだが・・・ちょっと弱かった。
しかも、あの過去の暴露場面の中、いきなり数行で父親との確執やら、それでも父親への思いがあるのとかを書かれてしまっていて・・・あれは残念。
もう少し、モノローグとか回想とかであの部分は上手に使うべきでした。
ささーっ、と流されるには余りに物悲しいエピなのに。
特にこの巻で、突然、今まで布石もなく出てきたマシューゆえに彼に関する行数をクレイパスはもっと割くべきだった、と思います。
ええ、ページ数を増やしてでも。
でないと、読者は「なんでこの人が相手なワケ?キャムの方が良かったじゃん」という思いがぬぐえない(特に最初の方でデイジーが彼とキャムの名を並列されているから余計に)。
後半頑張ったとはいえ、ヒーローとしては彼に関しては及第点程度の印象。
特に今までの3人が良かった分、気の毒ともいえるのだが(^^ゞ

ヒロインのデイジーに関しては、今までの作品内でかなり書き込まれていたので、彼女に対しては心配なく読めました。
リリアンに子供が出来る事によっての姉離れとか、自分の壁の花の中の立場とか、恋愛以外の心の揺れとかも書かれていて良かった。
ボーリング対決場面はもう、傑作!
あそこ、大好きだわ♪

しかし、ヒロインじゃなく小姑になった瞬間にリリアンが・・・今回は、すんません。言ってしまいます。
ややウザかった、とか思ったことのさんは読者失格でしょうかね(爆)。
旦那のマーカスはいいのよ。
所詮、作者クレイパスの作ったヒーローでも屈指のご寵愛キャラ、何をやっても許されるぐらいの遊び具合な書き方だから(笑)。
そんな彼が、リリアンの出産の場面で、もう魅力爆発・・・今回主役達よりもマーカスに尽きました(笑)。
単にことのさんがマーカス大好きだから、ってワケでもないと思うんですがね・・・こればっかりは。
釣竿をマシューから強奪したり、阿呆警官相手にブチ切れたり、リリアンに膝枕されてふにふにしてたり、と何をやってもおステキでした〜♪
リリアンと違って、エヴィーとアナベルはよかったんだけどなぁ・・・やはりデイジーとの距離が適度だったからか?
セバスチャンの出番は少なかったんだけど、原書でお気に入りだったラスト場面のちょっとした仕草に、きゅーんとなっちゃったわ(^^ゞ
ハントは・・・ホントよく笑った1冊だったわよね。
彼の茶目っ気やチャーミングなところがよく出てました(笑)。
娘にメロメロ、奥さんにメロメロ〜、といやはやかわゆす(^^ゞ
思うにクレイパスってこういうハントみたいな庶民(もしくは下級貴族等の下っ端くん)の下克上ヒーローの方が俄然筆力アップすると思うんだよね。
マーカスは多分、異色なんだわ(ホンマか。笑)。

そんなこんなで完結編。
気付けば脇役が、美味しいところを持っていった1冊という印象。
リリアン+デイジーのパパにすら持ってかれた気がしますな。うむ(爆)。

しかし、そんな壁の花シリーズ読者を見捨てないのがクレイパス・・・ふ。あのキャムが待機しております、原書にて。

http://cool-book-new.seesaa.net/article/36295948.html

彼女自身もとっても書きたいヒーロー、と明言しておりますので、出来が今から楽しみですわね♪
日本上陸実現を願いつつ・・・。
まだ今月分もろくろく買っていないのに来月の予定が(^^ゞ
そして本ゲル係数は減らない・・・(^^ゞ

集英社 集英社文庫
もう一度夜明けに(仮) サンドラ・ブラウン

これはあらすじ待ちかな。集英社のは全部買ってるんだけど。

ハーレクイン社 MIRA文庫
ふたたびの切なさに マリーン・ラブレース

この前別ブログに書いた、クレオ・ノース・シリーズの2冊目。
完結3冊目が続いて7月に出るから、勢いついて新刊買い決定♪

扶桑社 扶桑社ロマンス
キー(3) ノーラ・ロバーツ

こちら、早くも3冊目。
清水さんもだが、岡さんも仕事、速いっす・・・。
こちらはゾーイとブラッドのお話で一番楽しみのカップル♪

ヴィレッジブックス villegebooks
イヴ&ローク(15)汚れなき守護者の夏 J・D・ロブ

お馴染みシリーズの15冊目。これも即買いのマストアイテム(^^)

ランダムハウス講談社 ランダムハウス講談社ロマンス文庫
シャンパンとまわり道 スーザン・ブロックマン

こちらも以前、別ブログに書いたブロックマンのLoveswept時代の再版作品。
まぁ、押さえ程度に読むか > 所詮、TSS待ちの体勢満々のことのさん(^^ゞ

竹書房 ラズベリーブックス
もう一度だけ円舞曲(ワルツ)を ジュリア・クイン

まぁ。今度はジュリア・クインが登場なのか、こちら。
ヒストリカル・ロマンス作家で、AARやRTでもお馴染みの人気作家さんでございます。
最初の翻訳分は、やはり彼女の看板シリーズではなくまずはこのあたりから、という事で。
今後も彼女の作品の翻訳が続いてほしいから、即買い。

二見書房 二見ミステリ文庫
ウィリング ルーシー・モンロー

わ〜、続き、出る!
トリロジーの2冊目、ニトロの作品。これ即買い!

原書房 ライムブックス
恋におちる確率 ジェニファー・クルージー

うわ〜、今年はクレンツと共にクルージーの翻訳バブル?!
超嬉しい♪♪
邦題からは作品分からないけど、まぁ、週末には判明するわね。
RITA作品からくるか、それともAAR総なめ作品でくるか・・・どっちにしろ幸せ♪♪
・・・どっちにしろ何にしろ、ウチにある本、だろうなぁ、多分(自爆)

・・・来月の本代の為に残業か?(^^ゞ

+追加+
毎度お馴染みの原書でポン(爆)。

http://cool-book-new.seesaa.net/article/41178086.html

クルージー作品は週末にでも埋めときます(笑)
ISBN:427010094X 文庫 池田真紀子 ランダムハウス講談社 2007/04/28 ¥893

タラ・ジャンセンのクレイジー・シリーズ1冊目、読了〜♪
ああ、楽しかった♪
本当〜に、最初から最後まで楽しかったの何のって!!
昨日書いた本が凡作評し難い本だったのなんて、この1冊で吹き飛びました。
二度読み返したけど、また読み返しちゃうよ絶対(^^ゞ

数ある秘密組織や傭兵集団、エージェント組織あれど・・・このクレイジー・シリーズ、スティール・ストリートのメンバー達が所属するSDFの設定にはかないません。
はっきりいって一発芸に近い設定なんだが、もうそれが最高なのよね。
誰がペンタゴン直属の精鋭チームが、自動車改造・整備業者を兼ねた泥棒一味なんて考えつくんだよー。全く。
拍手だわ、ハグだわ・・・サイコーっ!!(爆)
だって、こんなツッコミ待ち設定あり?!
タカ・アンド・トシ風にツッコミするなら、まさに「泥棒かよ!」でございますわ(^^ゞ
そうなのよね。大量のロマサス本にあふれる軍人組織やエージェント組織に食傷気味になっている読者を手玉にとった、この茶目っ気がツボメガヒットでございます・・・。
某SG-5(爆)みたいに腰砕けお間抜けじゃないのよ。
デキる男達の茶目っ気と、いつまでたってもバッドボーイなところが全面にあふれていて、その遊び心が萌え心直撃な感じ。
怪しいマシンとか飛び道具好きのことのさんには、あの、公道なんてとても走れそうにないモンスター・カスタムマシンに全部女の子の名前をつけて愛でたりして、そんなところもまたコノヤローでよろしす(お前はしょこたんか。爆)。
そのマシンを描写するスティール・ストリートのバッド・ボーイズ達の何とキュートな事か。
まさに我侭でじゃじゃ馬な女の子(車だが。笑)に手を焼きつつも可愛くって仕方ないっっ、って感じが垂れ流しであのくだりだけでも「ヤラれた〜っ」って気分だわ(^^ゞ
ヒロイン達に関しても、彼らがそうなのが垣間見えるという意味では、ジャンセンの確信犯とも言える技だな。

で、何よりも重要なのがサスペンス設定を軽妙洒脱に書きながら、ロマンス部分が実に王道なワケ。
この1冊目では二つの恋愛が同時進行するワケだが、これまた照れるぐらいの王道っぷり。
特に今回のヒロインとなっているリーガンと、スティール・ストリートの悪ガキあがりのクインのロマンスは、お互い初恋の相手というものだが、本当にうっとり。
初めて会った時からお嬢様のリーガンにメロメロなクインのその様の一つ一つが実にかわいいんだ・・・これが。
リーガンが若くして結婚したショックに、その相手の高級車を盗んで勝手に改造して、その車でレースにて荒稼ぎしたという駄々っ子ぶりにはもうメロリンドキューンっっ!!でした(爆)。
こんなロマンチストで心は乙女系なタフガイ・バッドボーイヒーロー・・・かつていました?(笑)
彼の頭の中の妄想っぷりと悶え具合だけでもツボなのに、あの乙女系思考はまいった・・・誰ともなく「ありがとう」って感謝したくなったよ(笑)。
また、相手のリーガンがこれまたダイナマイトバディ持ちの堅物なのに、クインだけでなく彼の仲間であるホーキンスまでムラムラさせてしまうんだから天晴れ(笑)。

よくお友達と言っているが、文庫の厚みで物語の破綻、設定の破綻、そしてキャラクターに「力」がない場合は、非常に読み進めるのが苦痛となってくるんですよね。
そういう意味では、この本は三つの条件全てクリア。
そもそも他のロマサスにありがちな中途半端な上滑りのアクションでなく、本当に活き活きと書かれたモンスター・マシンの絡んだものでここらへんも既存翻訳ロマサス作品との差である。
設定も、ああいう洒落のようなものに破綻もへったくれもない(笑)←そう。設定破綻して自滅する作家や作品に多いのが「生真面目」だったり「正統派」だったりを重視しているんだな、これが(笑)。

そして、キャラクターは・・・そう。
主役だけでなく、脇役も何とも軽妙で茶目っ気あるので読んでいてテンポよくってとっても痛快。
会話も丁々発止で、洒落っ気にあふれているし。
全てのキャラクターが活き活きと書かれていて、ページをめくる速度を削ぐどころか加速させてくれる。これはいい事だ。
今回、スティール・ストリートのメンバー全員は出てこなかったけど、これからどんどん出てくるので楽しみ♪
この本の「もう一つのロマンス」として描かれたSDFのキッドと、リーガンの妹ニッキーのロマンスもとってもよかったし。
一目ぼれから始まるロマンスが、あっという間に展開し、そして頓挫してしまうあの展開、「うぉぉ!!続き読ませてくれや〜いっっ!!」となるんですな。
ましてやキッド、チョーことのさん好みだし(萌)。
・・・コケそうな惰性の続き物はどうでもいいが、こういう面白い、勢いある続き物は大歓迎であるのだ(笑)。

あとがきに書いてありましたが、このクレイジー・シリーズ、続き発売も決まっているようですね♪
版権の方を調べたら、2冊目の「スーパーマン」ことクリスチャン・ホーキンスの話は今回の本と共にかなり前に版権取得されている模様なので・・・今年中に拝める?読める?!
期待していいですか、ランダムさん?!
お願いします!!(ことのさんにしては珍しいアグレッシヴな嘆願です。爆)

+余談+
そんな、続きが楽しみのクレイジー・シリーズの一覧を作ってみた。
ただし、1冊目を読んだ時点でまだ明かされていないであろうネタにモロ引っかかっているので、決してネタバレが嫌な方は見ないで下さい

http://cool-book-new.seesaa.net/article/40751306.html

そうなんです・・・キッドとニッキーの結末を読むには、4冊目までたどり着かないと駄目なんですわ・・・。
早く読みたいね・・・。
ISBN:4576070584 文庫 嵯峨 静江 二見書房 2007/04 ¥1,000

バーバラ・フリーシーの新刊、読了〜。
・・・何とも評し難い、可もなく不可もない1冊というべきなのか・・・(^^ゞ

アンティーク・ショップを経営する一家の後継者ペイジと、警備会社を経営するライリーのロマンスに、謎の青銅のドラゴン像が絡み、事件が起こるのだが・・・。

とにかく、設定全てが上滑りというかなんちゅーか・・・。
ヒロインであるペイジと、ヒーローであるライリーの育ちや階級の違いをもってこようとしているんでしょうが、そんなに階級差を感じない時点でまず躓いた(^^ゞ
そんなに露骨に書いてありましたっけ?(^^ゞ
で、また・・・この二人が・・・キャラとして薄いんですわ(^^;;
薄い二人のやりとりが・・・これまたインパクトあるエピソードも余りなく、淡々と話を進めていくものだから、どうやっても盛り上がらない(^^ゞ

ドラゴン像に絡んで、ペイジの父親とその愛人である画家のジャスミン、その娘であるアリッサの話も浮上してくるのだが、ここに関しては掘り下げたいのか、単なる流れなのか分からないままに展開(^^;
アリッサには最初っからベンという元カレとのくだりが用意されているものだから、主人公二人と絡むネタが制限されてしまったというか・・・せめて一時的三角関係ぐらいドラマティックにしてもよかったかも?(^^;
最終的には祖父母世代にまで話が広がるのだが、ここらへんも想定内。
長女の呪いの話に至っては「・・・(^^ゞ」とかなったのはことのさんだけでしょうか?(^^ゞ

大ツッコミするべきところはないのですが、とにかくセールスポイントも思い付かないのもどうかと・・・(^^ゞ
主役二人+アリッサが仕事している描写も少なく、その親に至っては引きこもり画家に、あとプロバイヤーのくせして顧客からの与かり物を勝手に持ち出してボカン・・・(^^;;
意地悪な祖父に叱責されるまで、自分から何もしようとしなかったペイジも何だかなぁ・・・という印象を受けるし(^^ゞ
キャラとして分かりやすくて○なのは、アリッサの元カレであるベン、ライリーの祖母、あとパワフルウーマンであるペイジの母親か。
う〜ん・・・やっぱり、可もなく不可もない1冊だったわ(^^ゞ
ISBN:4789730816 文庫 前野 律 ヴィレッジブックス 2007/04 ¥924

リサ・ガードナーの新作、読了〜(^^)
もう、面白かったの何のって!
細部にまでこだわったキャラクター設定、あらゆる視点からとらえた隙のないプロット・・・これぞノンストップ・サスペンス。
ロマンス度合いが全くといってない分、その実力をまざまざと思い知らされた1冊です。

州警察の狙撃手ボビー・ダッジが受けた緊急召集は、高級住宅地での立てこもり事件だった。
妻と幼い子供に銃を突きつけている男が、撃つつもりだと判断し、ダッジは男を射殺する。
しかし、彼が射殺した男は権力を持つ判事の息子で、判事夫妻はボビーが男の妻キャサリンにあやつられ、意図的に殺害したとして告訴したのだ。
ボビーは狙撃手から一転、殺人者扱いとなる。
暗い過去を持つキャサリンは病弱な実の息子を虐待しているのか、本当にボビーはキャサリンによってあやつられたのか。
そして、ボビーは「殺人者」として裁かれる事になるのか・・・。

リサの作品というのは「時間」が重要なウエイトを占める。
この作品ではボビーが、判事の権力に屈して偽りの証言をするのか、それとも自分を曲げないかというところのタイムリミットがある。
かつて幼児性愛者の犯罪の餌食となったキャサリンにとっても、夫ジミーが離婚を成立させる期限というものがある。
それが、物語を引き締めているのは言うまでもない。
孫の親権を手に入れる為に手段を選ばない大物判事、息子を亡くし悲嘆にくれる判事夫人、その判事に依頼されて色々調査している私立探偵、病弱な息子の病気の原因究明をする医師、チェリストのボビーのガールフレンド、市警殺人科の女刑事、かかりつけの精神科医が絡み合い・・・そこに、かつてキャサリンを餌食にした犯罪者が、謎の人物によって仮釈放され、刑務所の外へと放たれる・・・どう転ぶのか分からない、そのドキドキ感がすごい。
1ページ先には、さっきまで読んでいた事に疑問が投げかけられ、鮮やかに読者の覆し、そしてまた新たな事件へと展開していく。
その書き具合は、読者に一息すらつかせてくれないのだ。

実際、ボビーは追い詰められ、自分の中に封印していたトラウマに正面から向き合う事になる。
このボビーがまた、女性作家ならではの細かさ、繊細な部分も備えつつ、恐ろしく不器用にストイック。
小さな頃に母親に去られた際のトラウマを心の奥底に隠し、自身の幸せを求めながらも、無意識にそれを壊さずにはいられない哀しく、孤独な男性でした。
そして、そのボビーを渦中に巻き込んだ美しき人妻キャサリン・・・この恐ろしい女性を描けるからこそ、ストーリーテラーなリサ・ガードナーなのである。
稀代の悪女かと思いきや、これがまるで万華鏡の如き多面性を持つ女。
犯罪者に誘拐され、その犯罪の餌食となり、助けられたが・・・彼女の中で「何か」が死んでしまった。
そんな彼女が成長し、妻となり、母となった様を物語の中で細かく描きつつ「彼女がやはり犯人なのか」「やはり息子を虐待しているのか」という疑問を上手にもってくる。
自分の肉体を使い、男を操り、それでいてあの時の子供のままの彼女が見え隠れするのが読者にも分かりやすく描かれていてグイグイ引き込まれる。
ヒロインとして読むとNG?
いや、そういう枠に囚われないで、このキャサリンのくだりは読んでもらいたい。
松本清張作品にもあるが、哀しい運命を背負った女の機微を堪能してもらいたいのだ。

一つ一つが別のところで動いていたかの出来事が、ラスト近くでどんどん一箇所に向かって集約する様は、まさに圧巻。
広げた風呂敷を、あんなに見事に、そしてもの哀しく納めてしまうのが、もう脱帽なのである。
医学、警察関連法律の専門用語が多く出てくるが、それすら気にならないスピーディな展開。
何より、いつもながらの徹底したリサーチとその筆力によって、全く素人の読者にそれらを負担に思わせない書きっぷりなのである。天晴れ!
ラストのあのやりとりが、白か黒か、ではないのもアリ、という余韻を残すものになっていて、更によいのだ。
そして、リサ作品読者には嬉しいおまけがある。
あの『素顔を見せないで』のヒーローであるJ・T・ディロンが登場するのだ!
そう、あの作品からこの作品までに実際の時間も約10年たっているのだが、まさにリアルタイム後日談である。
あの部分なんて、本当に出血大サービスもんですってば!
こうやって一連のクインシー・シリーズを読んでいらっしゃる方にも楽しんでもらえる要素もあるんで、本当、読んで下さいっ!

ことのさんが原書読んだ時点ではこれ、単発作品だったのですが、今年頭にこのボビー・ダッジ・シリーズの続編『HIDE』が登場した。
さすがに、この素晴らしいボビー・ダッジというキャラクターを1冊で捨てるには忍びなかったのね、リサ・・・市警殺人科の女刑事D・Dも登場する1冊なのでこちらも翻訳を期待したい。

あ、その前にクインシー・シリーズの『GONE』もお願いしまっす(ぺこり)
ISBN:4789730808 文庫 鈴木 美朋 ヴィレッジブックス 2007/04 ¥924

ジュリー・ガーウッドの一連のブキャナン家シリーズ新刊、読了〜。

前作『魔性の女がほほえむとき』は、見事(?)その年のスカ本ランキングに入った1冊でしたが・・・今回は・・・いや。今回もその資格ある1冊で、途中で萎えました(^^;;

シカゴきっての財閥の令嬢リーガンが、ある心理セミナーで書かされた「消えてほしい人リスト」通りに殺人事件が起こり、彼女のボディガードとしてアレック・ブキャナン刑事が送り込まれるのだが・・・という話。

このあらすじだけなら、ロマンティック・サスペンス王道?!と思いきや、何か違います・・・。
ええ、この作品、ロマンスとサスペンスが同時に進行しない動作不良マシンもいいとこです・・・途中で犯人のモノローグどころか、ヒロインであるリーガンの身辺への不審な出来事はすっぱりさっぱり消えて、萌え萌えしているアレックの描写ばかりが・・・(^^ゞ
犯人はいずこ・・・というか、事件はいずこ?!(作者がラスト近くのあそこまで書き忘れたのか、と真剣に思ったもん・・・失笑)

というか、身の危険の度合いが読んでても全く分からない彼女に、ボディガードだ!!と言われてもねぇ・・・ロマサスって、もっとヒーローとヒロインが接近するエピーソードとして危機一髪!!というエピソードが不可欠だと思うんですが・・・これなら別にサスペンス部分抜いて、ただのボーイ・ミーツ・ガールもんにすりゃあ良かったんでない?(^^;
もっとも、ロマンスの方も少々とってつけた感があるんですが(小声)。
犯人逮捕の際、リーガンは「あの人はだれ?」って言うんだが、読者の方がそれ言いたいわ・・・こじつけにも程がある・・・そりゃあ、精神に異常をきたしている犯人の思考に辻褄とかいうものはないかもしれないが、余りに・・・ねぇ。
作品の中にあれだけ出てきて個性を発揮していたエイデン兄ちゃんに絡んだ事から事件が起こった、とかいうならともかく、何で作品に名前と回想場面の登場のみのウォーカー関連でした!!と言われても、どうしていいのか分かりません・・・。
意味がありそうでなかった、かませ犬扱いのようなモリスやエイミーというイケてない女とか、何故登場させたんだか・・・まぁ、かませ犬なんてそんなもんか(笑)。
でも・・・事件そのものがピンボケ、心理セミナーに行かなくてもリーガンが犯人に狙われるのが決まってたならまさに、関係ない事にえらいページ数を費やして無駄使いもいいとこか?(^^ゞ

あ、もうそれ以上にこのヒロインのリーガンが苦手キャラすぎました・・・。
美人で金持ちでそれでいて皆に愛されるいい人、というデキたキャラにしたつもりでしょうが、ここらへん辺りはツッコミポイントだと思うんだよな・・・。

怪我した膝・・・そんなに簡単な手術だとトクトクと周囲に言い訳するなら、何故長い間放置しておいたのか謎。
三行程度で終わる手術とリハビリ、ここまで引っ張った方がむしろ不自然です・・・。
脱臼慣れを公言するより先にする事があるでしょうが・・・。
落とした携帯、最新の機種なのをトクトクと述べるより先に基本のセキュリティ・ロックしろよ。プライベートとビジネスで使っているアドレス帳を搭載していて、また携帯落としたわ、あら見つからない・・・って、それで済ませるのか?!
金持ちだから、誰かに使い放題されても懐は傷まないかもしれないが、アドレスが流出し相手に迷惑がかかるとかまず考えないあたり社会人失格。
というか、見つからなかった時点(アシスタントくんに丸投げな辺りもアウトだ・・・)でさっさと回線止めろ。
怪しい心理セミナーに潜入しているのに、目立たないように携帯をオフにするどころかマナーモードにする知恵もないんですね、この方・・・。
そして、馬鹿正直にやたらとリアルな実在の人物名ばかりで殺人リストまで作っててとどめか?(^^;;
義理の父親が若い女と浮気、再婚したのに嫌悪感を隠せず、年の差カップルを敵視する・・・って、そこまで義理の父親との心の絆もないのに、何故この人がこんなにキャンキャン吠えているのか分からないんですが(マジで分からないんです。心から信頼していた相手に裏切られた!!とかいうもんでもねーだろ)。母親に心酔してたワケてもない分、謎は深まる一方・・・。

そんなこんなで、まだ他にもあるんですが・・・これ以上書いてもホニャララなのでやめときます(爆)。
ホンマ、これ、ヒーローのアレック側の描写のみで読みきった、というカンジ(^^ゞ
アレックは良かったんだよな〜。
大家族育ちの稚気ある男に滅法弱いことのさんの好みなヒーローでね(^^ゞ
あと、久々にニックの兄弟やりとりとか、ちょい出のノアとか・・・な、何だか頑張ってセールスポイント発掘してます!!ってカンジになってきたのでこのへんでやめときます・・・ああ、正統派サスペンス読んでリカバリしよっと(遠い目)。

お友達とも言ってるんだが、やはり『標的のミシェル』が良すぎた、いや、2冊目で頂点だった模様・・・。
あれ以上のコンテンポラリーは多分もう出ないな > ガーウッド
ISBN:4789730832 文庫 山田 久美子 ヴィレッジブックス 2007/04 ¥1,040

スーザン・ブロックマンのTSSシリーズ5巻、読了〜。
今回の主役は、荒くれSEAL第16チーム髄一のイケメンで、物腰柔らかな紳士であり、どこにいっても「いい人」止まりのマイケル・マルドゥーンくん(笑)。

さて。読了してみてまず思ったのは、さすがAARで酷評された1冊だな・・・という事である(笑)。
今まで4冊で登場したキャラクター達の今までのいきさつや現状を垣間見えるし、SEAL本拠地であるサンディエゴの海軍基地に大統領がやってくるという、一種のお祭り騒ぎを使ってのSEAL隊員の仕事のおさらい、地元ロケーションをフルに使っての日常、家族や恋人たちとのやりとり等・・・そう。
「今までの4冊を読んでいない初心者」には、得てして不親切な部分の多い1冊でもあります。

今回、特に主人公カップルが・・・言っていいのか。
カリスマと魅力に欠けている分(ああ、言ってしまったよ、ことのさんってば。爆)、ピントがボケまくった・・・散漫な印象がまず一つ。
前作の主役二人と比べたら気の毒なのは分かるんだが・・・とにかくヒーローのマルドゥーンくんのフタを開けたらものっそいキュートくん!(萌)な、嬉しい裏切りですらもフォローしきれなかった・・・ヒロインであるジョーンの・・・何と言ったらいいのか・・・ヒロインの器でないキャラクターっぷりの居心地の悪さ?(^^ゞ
ことのさん、以前からよく言っていますが、どう評したらいいのか分からない、評するポイントも見当たらない凡庸なキャラクターというのが苦手なんです。
ましてや、このTSシリーズは同時に3つのロマンスが進行するがゆえに、中心に締まりないキャラクターがいるぐらい物語の足を引っ張るマイナス要因は・・・(^^;
聞いていいか、マルドゥーンよ・・・彼女のどこがよかったんだ?とか、サムのように飲み屋に連行したくなりました(笑)。
やっぱり、ブロックマン作品のヒロインには一本芯の通ったところを見せて欲しい!と思うのはファンとしての我侭なんでしょうかね(^^ゞ

そういう意味で、今回の二つ目のロマンスの主役とも言うべき人物は・・・天晴れな書き具合である。
誰かって?
勿論、サム・スタレットの妻であるメアリー・ルーですよ。
上っ面滑りとすら少し思ったヒロインのジョーンと比べ、このメアリー・ルーに関しては残酷な程に正面から向かい合ったとも思えた。
本当に不器用で、過去に、罪悪感に囚われ、コンプレックスに雁字搦めにされていて、地獄のような家庭生活を送っている彼女の描写を読む程に・・・サムの主張が裏打ちされてゆく。
そう、彼はスーパーマンでも何でもない。どこにでもいる駄目な男の一人なんだ、という事実をリプライズに読者に発信している。
言い訳しても既に遅い、というぐらい、これまた残酷にメアリー・ルーの若さと脆さも描かれていたり、とにかく次回に備えて膿みを全て出すかの如くの荒療治とも思える。
メアリー・ルーが、現状から一歩踏み出す為の。
そうなのだ。
いくらサムが全読者に愛されているとはいえ(笑)、やっぱり未成年に近いような、しかも過去にイワク持ちのメアリー・ルーにその場限りとはいえ、エゴな理由で手を出してしまった事も事実、しかも目を逸らしてはいけない事実なのである。
サム自身が、それに向かい合う為のこの1冊だったとも言えるかな。
ことのさんは、メアリー・ルーが嫌いではない。
むしろ、こういうどうしようもないどん底なところから不器用に這い上がってくれるその様を見ていて、今回の主役のロマンスよりもよっぽどエンターテイメント小説を読んでいる醍醐味を味合せてもらった。
彼女とイブラハムとの、トツトツとしたやりとりも○でした。
何か、静かなイブラハムとのキャラクターを用いて、メアリー・ルーがあんなに何度も言っていたサムとアリッサの間に横たわる人種の違いというものを、今度はメアリー・ルーへとシンクロニティさせたりして、やっぱりうまいわブロックマン。
ブロックマンの本領発揮ともいえる軽快で丁々発止なSEALの奥さん+恋人たちサークルについて、後日の短編を既に読んでいるせいか、今回あの中に紛れ込んでしまった黒い羊扱いされていたメアリー・ルーの場面は・・・もう・・・いたたまれなくって、胸が痛かったなぁ・・・そんなところもシンクロニティ。
うますぎ。

そう。
今回の1冊は、今まで続けてシリーズを読んできた読者には「おさらい」、そして次回、TSSシリーズ第一期ラスト作品『Gone Too Far』への前哨戦となった。
もはや、読み終わった時点で今回の主役二人は愛読者の脳内で吹っ飛んでいるであろう(爆)。
全てのキーは出揃った。
そして、とうとう満を持してのサム・スタレットとアリッサ・ロック登場となる。
今回の持ち越しとなったメアリー・ルーの決着、そして1冊目から延々と続いてきたトムとケリーにも一つの答えが出る。
あと、ちょこっと・・・進展があるマックスとジーナ。
もっともこっちは先が長い。
まだ六冊目のGTFが出ても、あと3冊待ってもらわないと・・・あうあう。
あの「てへっ(^^ゞマックスってばっ(^^ゞ」というラストまでは長いのか・・・あ、その前にご贔屓ジュールズくん大活躍の1冊もあるしねっ・・・その巻の主役であるコズモを楽しむ為にも、やはり今回の5巻は必要。
という事にしておく(爆)。

とにかく読んで下さい、この巻(笑)。
売れたらサムリス祭りのGTF、はよ出るかもしれんしね(爆)

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