ISBN:4270101490 文庫 北沢あかね ランダムハウス講談社 2008/01/07 ¥966

エイミー・J・フェッツァーの新刊読了。
今回は前作のシリーズものと違っての単発なので、さくさくさくーっと・・・流した(爆)。
つうか、流さずにはいられない穴あきまくりっぷりさなんだもんよ(笑)

科学者であるシドニーは、国家機密の研究所で働く身だが、ある日、その研究所が謎のテロリストに襲撃される。
現場での生存者は、偶然が重なり彼女一人。
機密漏洩を恐れる政府、生存者を抹殺しようとするテロリストからも追われるシドニーが、これまた偶然その場に居合わせてしまい、仲間を皆殺しにされた海兵隊大尉ジャックにも追われる羽目に・・・。

ヒロインのシドニーは仕事の出来る、そして機知に富んだ設定となっていてこれは及第点。
ヒーローのジャックも、まぁ、これまた仕事が出来る、同じく機知に富んだタフなイケメンで及第点。
イケ好かないまでの描写で、二人を追っかけてくる国家安全保障局捜査官のシスコはなかなか秀逸。
あの執念じみた追跡劇は、『逃亡者』を彷彿させますな、ええ。
そのシスコと、彼の部下ウィッカムのやりとりも○。
で、ジャックを助けるオタク青年二人組は、モロことのニーズ♪

・・・じゃあ、なにが、この本を流しの1冊にまで評価を貶めたのか。
それは作者の設定手腕の無さからくる読者への丸投げっぷりが顕著に現れた、悪役のアンポンタンさである。
ジャックに延々と研究所襲撃の黒幕の一人と対峙した際の、殺された仲間の事をつらつら語らせる行数の半分でもあったら書けたかもしれん、いや、書かねばならんかった絶対必要な事を書いてないからだ!

それが顕著に現れた場面がこれ。
ラスト、全ての元凶となった企業に潜入した二人の前に立ちふさがるテロリストの男と、皆殺しにされた筈の研究所員の中で、シドニー以外に生き残った・・・裏切り者。
その裏切り者がこう言います。

「(私のことを)何も知らないくせに」

ああ、知らねぇな。だって、作者が何でアンタが研究所を、仲間を裏切ったのか、その明確な動機の欠片を一行すらも書いてねぇからな!!(失笑)

いや、本当に一行も書いてない(笑)。
ジャックやシドニーは、そいつが裏切り者だった事に驚いているが、読者のこっちは余りの伏線と動機の無さの割にやらかした事のスケールがデカすぎる方に驚きを隠せない(爆)
で、何でソイツが皆殺しの場所から生き残ったのか、そのトリックも・・・しょぼーっ!
じゃあ、あの死体の指切断は、本当に単なる狂ったテロリストの記念の切断だったワケ?!
何も、アイツの正体隠す為の伏線じゃなかったワケ?!
・・・極上に頭脳プレイな事を伏線にしたんじゃないか、もしかして島田御大の『占星術殺人事件』じみた、それでいて横溝の『本陣殺人事件』トリックかもしれんぞー!!とか、ひゃっほー!トリッキー!!とか脳内推理して、わざわざ切断した指の内訳や内容とかメモってワクワク読んでたことのさん、まるきりバカをみた(爆)。
ことのさんの脳内妄想の方が、ボケた犯人一味より冴えてイケてたんではないか、って気さえしたわ(爆)。

そして、そんなボケた犯人に加担した、やっぱりこっちもよく分からないもう一人の裏切り者も動機の分からないまま、かつてのアメリカ人気ドラマ『ツイン・ピークス』のローラ・パーマーばりの死体でコンバンハ!(笑)
死体は何も語らないが、その腐りかけた死体を揺すってでもウィッカムさんには聞いてほしかった。
「動機は何だ?!エリートのオレでも分からねーっ!!」と(爆)。
あのねぇ、動機を書かず、明確な伏線も書かずにその場の雰囲気と何となく流れだけで「はい。この人が裏切り者だったのよ」って言われてハイハイ頷く読者がいるか。いや、いないよ(反語)。
それとも何?
読者にそこは行間読み取れよ、というここは丸投げゾーンなの?
いや。幾ら器用な読者でも最初から全くないものは読み取れませんから(爆)

でもって、主人公とその裏切り者が○○だった、とかなってるけど・・・その設定に関しても、全然その欠片も感じられなかったんデスガ?!(失笑)
主人公が○○だと、一方的に思い込んでいた(爆)としか思えないわ・・・だって作品中、ぽつりぽつり出てくる少ない描写にしても、○○っていうより、その、単なる知人って気がします(直球勝負。笑)。
そりゃー、そんなハムよりも薄い関係(古っ。爆)なら、裏切っても仕方ない。うん、仕方ないね、とか途中からキレ笑いしてたわ(笑)。
でもって、黒幕も・・・頭はいいかもしれんが、回転にぶいバカばっか(笑)。
大それた事をした割には、行き当たりバッタリ三昧で・・・それでいて、蛇足に近い犯人サイドの描写の羅列がその彼らのちゃらんぽらん度に拍車を掛ける・・・かなりトホホ度高し(~_~;

いくら主人公や、メインの脇役がよかろうが、二人のロマンスもホットでクスッと笑える箇所も多かろうが、話の発端となった部分がこんなアンポンタン揃いで設定破綻していたら、そりゃー物語はアイスバーンの道をノーマルタイヤで走るが如く、つるっつるに滑って滑って最終評価はクラッシュだね・・・は、はは。
再読は多分ないだろう1冊だな(笑)
ISBN:4562043334 文庫 数佐尚美 原書房 2008/01/10 ¥930

コニー・ブロックウェイのブライダル・シリーズ第二弾、読了〜♪
はい、ここで予告!
2008年のランキングのベスト編、確実にこの1冊は入ります!(萌)
こんなに新年早々、ツボメガヒットのしゃーわせ気分を満喫出来る作品を読めた幸せを噛み締めつつ(萌萌)。

お話は、前作でレディ・アガサに放置プレイ(笑)にされたウエディング・プランナー会社を引き継いだ彼女の姪エヴリンのとってもキュートな奮闘記(^^)
もう、最初の10年前のヒーローであるジャスティンとの出会いから、きゅんきゅんしまくっちゃってうっとり〜♪♪
ジャスティン青年とエヴリン少女の頓珍漢かつ軽妙な会話から、今後の展開が想像出来て、早く早く続き読まなきゃ〜♪という気になるんだが・・・。

続きは、想像をはるかに越えた、抱腹絶倒きゅんきゅんものでした!(爆)

10年たち、ボケた野鳥研究家(笑)の仮面を被って諜報活動に勤しむジャスティンの元に、文字通り飛び込んできた新米ウエディング・プランナーのエヴリンちゃん。
いやー、この登場の仕方が痛快でうけけっ、となるんですが、彼女が今まで手がけた仕事の失敗例はそれ以上に痛快・・・酔ったハトの暴走って!(爆)
そこから、ジャスティン所有のボロ屋敷での仕事を挟んでのあれやこれやが起こるのだが・・・。
エヴリンの仕事と同時に、ジャスティンの仕事も並行して進んでいるのだが、これに二人の不器用で笑える恋愛が絡み、更にクセ者揃いの脇役たちの珍行動(笑)がこんがらがって、すごい最高のハーモニーを奏でていて、もうページめくる手が止まらない!

いやはや、自分がエヴリンを好きだという自覚にイマイチ欠けるジャスティンの珍言動の数々はもやは芸術の域!(笑)
エヴリンが、自転車マニアのプロイセン人とキスしている場面に木から降ってきて体当たりで妨害行動する二枚目ヒーローって、もう、これがことのニーズでなくて何っ?!ってぐらい笑い死に寸前!(爆)
怪しいでらため珍新種の鳥(これがまたきゅんきゅんなのー。笑)をでっちあげては、ボケた仙人学者紳士のフリに忙しい(笑)。
ああ、どうしよう・・・あんなにページ数あって、殆どをボケた芝居と悶えた寸止め、そして詩人も驚きのポエマーっぷり(笑)に彼の描写を費やされては・・・しかも、随時鋭角でシニカルなDeki男の描写も忘れないっていうあの絶妙な緩急具合・・・ことのさん、完全陥落!(爆)

そして、お相手のエヴリンちゃんなんだが・・・これまたことのニーズ!
外見にコンプレックスのある「みにくいアヒルの子」なのだが、皆に愛されずにはいられないウィットに富んだお嬢さんなのだ。
常に前向き、常に理知的、常にDeki女、それでいてキュートなピュアピュアちゃんだからキターッ!
テラモエッス!テラモエ!キタキタコレキターッ!(びったんびったん←またかい。笑)
彼女が、ジャスティンにとっての忌まわしいボロ屋敷を持ち前のガッツと機転で美しく直し、そして同時にジャスティン側の仕事まであれやこれやと手伝う羽目になる様は読んでて傑作。
なのに、恋愛では不器用で不器用で・・・いや。ジャスティンもいい勝負なもんだから、頓珍漢でコミカルなやりとりも炸裂しちゃって、これがまた微笑ましいの。
そのDekiとDameの落差がね(笑)。
落差というと、特にラストの、大物工作員との追っかけあいは爆笑しまくり!
かわいい小柄でキュートなエヴリンが、鬼の形相で刃物持ってドレス姿で追っかけてくるって想像しただけで、もう、ダメ(爆)。
笑いすぎて、手から本が落ちた(爆)。

脇役も皆さん傑作。
特に、物語の重要人物となる恋愛上等!のお色気フランス裁縫人メリーさん、辛口偏屈女嫌いの元気印のお年寄り執事ビヴァリーさんはウケまくり(笑)。
この二人のやりとりも、主役二人とは別の意味で頓珍漢でイカす!
そしてジャスティンの上司バーナード、エヴリンのママ・フランチェスカ、エヴリンにほのかに思いを寄せる自転車大好きブラムフィールドと、まぁ、いい味つけだわ〜。
ラストの、脇役の出歯亀さん状態のやりとりの、何と最高の締め方か!
いやー。やられた。粋でステキ♪
ブロックウェイ、当たり連打で本当に次作も楽しみ〜っ(^◇^)/
ISBN:459621915X 新書 星 真由美 ハーレクイン 2007/12 ¥680

メリッサ・マクローン久々の新刊、読了〜。

・・・何か、すごく読み辛い1冊だったかも(~_~;
マクローンの本で、こんなにページをめくる手が止まる本は初めてでした(汗)。

親友夫婦の死により、彼らの遺児を引き取り育てる事になった離婚寸前の夫婦の物語なのだが・・・ふむ。
何と言ったらいいの?
この夫婦、嫁も嫁なら夫も夫。
趣味や好みや日常のあれやこれやが全く真逆な二人、という設定だが・・・自己中心的頑なさという要素は、悪い意味でそっくり。
孤児ゆえに、昔、大勢の里親をたらいまわしにされたトラウマを持つヒロインの完璧さを求める箇所は・・・もう、空回りを通り越したイタさ・・・。
ああ、ダメ(~_~;
自分が完璧なら皆は自分を捨てなかった筈だ!!とかいう、その周囲の見えて無さ具合は読んでいてこっちがストレスで酸欠になるかと思った(^^A

で、これで夫がまだマシならいいんだが、懐深いように見えて、その実こっちもタチ悪い。
自分が折れなかったばかりに離婚寸前になったから妻を取り戻しにきたという設定だが、よく読んでりゃ、妻にばかり妥協を求めて彼は何も変わってない。
その上、彼は素晴らしい大家族に囲まれて育ったので〜、という設定だが、得てしてこういう大家族は物語の上でのセーフティ・ゾーンというかオアシスになるのだが、ウチの息子(弟、兄、甥、従兄・・・とにかくヒーローの立場全て)が一番!
妥協して折れるのはアンタ(ヒロイン)!!と言わんばかりの多勢に無勢攻撃の一家だよ・・・これはウザい。
さすがのヒーローも、その己の家族のひどさに気付いたぐらいだ。

確かに、細部までよく出来た物語だった。
が、好みの問題からいうと「No」な1冊。
夫婦やり直しドラマ、っていうより、お互いの自分のイケてなさ再認識よろめき芝居だな。
そんな風に自分が一番かわいくって仕方ない二人が、勢いと行き当たりばったりで結婚すりゃあ、そりゃ離婚寸前になってもおかしくないわな、と思った(さっくり)。
購入確定分だけ、ちまちまっと。

ランダムハウス講談社 ランダムハウス講談社ロマンス文庫
獅子の女神 シャノン・ドレイク

集英社 集英社文庫
ステファニー・プラムシリーズ カスに向かって撃て! ジャネット・イヴァノヴィッチ

ヴィレッジブックス villegebooks
Simply Love(仮) メアリ・パログ
デッドリー・スリッパー(仮) ミシェル・ウォン

ソフトバンククリエイティブ ソフトバンク文庫 NV
めぐりあいの果てに シンディ・ジェラード

竹書房 ラズベリーブックス
シュガーキャンディはご機嫌ななめ スーザン・アンダーセン
赤い薔薇を天使に ジャッキー・ダレサンドロ

ハーレクイン社 MIRA文庫
蝶の棲む家 マーシャ・プレストン

早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫
暗闇から守られて(仮) カレン・ローズ
オオカミの優しさ(仮)(上下) ステフ・ペニー
死者と女(仮) ローラ・リップマン

原書房 ライムブックス
夢を見ること リサ・クレイパス
瞳をとじれば エロイザ・ジェームズ

二見書房 二見ミステリ文庫
パッション(原題) リサ・ヴァルディス
ケプト・ウーマン (原題) スーザン・ドノヴァン

扶桑社 扶桑社ロマンス
ウーマンオンザラン(仮) リサ・マリー・ライス

ぶんか社 フローラブックス
抑えきれない情熱を騎士に キャサリン・キングストン


ぶんか社・・・そうくるのか。
ECのエロ作家、またも日本上陸(^_^;
多分この作品なんだろーな、という翻訳予定候補が2冊あったんだが絶対に画像載せたくないってカンジで(爆)。
竹のダレサンドロ、村のバログ、集英社のイヴァノヴィッチは昨年のうちに聞いていたものがここでやってきた。
プラムは翻訳者ごとお引越し・・・といっても、最近かなり愛は冷めているのよね・・・やっぱり7巻が鬼門だった(爆)。
全体的に見て、どこもかしこもホット傾向で候、か(笑)。

一番の楽しみは一発芸ふたたびリサ・マリー・ライスね(笑)。
次点はスーザン・アンダーセンのマリン・シリーズ2冊目だよ〜ん♪
クレイパスは作品次第かな。
というか、もう翻訳諦めていたリップマンが出るのが嬉しい!
ついでにテス・モナハン続編もよろしく〜っ(切実)。
つうか、二月って29日しかないのにこんなに出るのか・・・HQも欲しい本がある月だし、真面目に読書しよっと(^^ゞ

+余談+
毎度お馴染みの穴埋めはこちら。
http://cool-book-new.seesaa.net/article/75351527.html

あそこの2冊は週末にでも埋めますが、キングストンに関しては作品分かっても埋める度胸がない可能性もあり(爆)。
2007年はジェイン・A・クレンツの各名義の未訳がハイペースで翻訳されましたが、その最後を飾ったのがこちら。
クレンツにとってかつての本家といえば本家、ハーレクイン社から出ている文庫レーベル、MIRA文庫から出ました。
版元は違うのですが、そういう垣根を気にせずという意味で、ここ最近のMIRAは頑張っているかと(笑)。

まぁ、そんなハナシはさておき。
今回は、頓珍漢なクレンツ節が炸裂!というより、より最近のロマサスとパラノーマルとの融合を試みているクレンツの良いところが出た秀作。
でも、やっぱりクレンツはクレンツなワケで(爆)。
キャラクターの配線の妙さは相変わらず、なのよね(笑)。

ヒロインでインテリア・コーディネイターであるゾーイが、クライアントの屋敷で遭遇した不自然な部屋。
彼女の「ある体質」による直感ははずれる事はなく、そこに事件の影を感じたが故に調査を頼む。
その相手である私立探偵が、アリゾナに越してきたばかりのイーサン。
いや、つらい過去を持った二人。
一から人生やりなおす、と言っても元来持った気質までは変えられず・・・という、あたりここがクセとなっていて(笑)。
特にイーサンの、その、クレンツ・ヒーローの根底に必ずある正義の味方的肛門気質っぷり(爆)はもう、あっぱれ。
私立探偵ヒーローをかなり書いてきているクレンツだけど、このイーサンは群を抜いてスゴ系。
それでなくてもキテレツな設定が多いクレンツ作品ヒーローの中でもバツ3男というのはなぁ・・・ああ、やられた(笑)。
甥っ子達との軽妙なやりとりとか、ピンクづくしの屋敷(笑)に平然と住んでる辺りとか、いやー。ツボよ♪

しかし、今回は毎度ミステリアスなヒーローが多い中、逆にヒロインの「過去」が幅をきかせる展開となって・・・これまたなかなか。
ここがあったおかげで、サスペンス度合いが一気に上がってスピーディに読めましたな。
余り書くとネタバレになるからここでは書かないけど、アクションというところもうまく取り込んでいて、そこらへんも○。
武器が「ドアノブ」というのは傑作だわ(笑)。
二人のロマンスも、不器用者同士のおずおずとしたところから、根性座ったところとか・・・しかし、偽装結婚にしても最初から別れる気がなかったとしか思えないよなー、このラブラブな二人(^^ゞ
出会うべくして出会った、凹凸カップルというか。
嬉しいな〜。こんな地味なのに、それでいてクレンツらしさが出ているカップルって(笑)。

脇役も相変わらずクレンツ節炸裂でよいわよいわ〜♪
ゾーンの親友にして金融の天才アルカディア、イーサンのかつての敵が今や同胞セキュリティ・コンサルタントであるハリーが大人のいい味だわ。
ことのさんのツボ直撃の古本屋店主シングルトンさんは、もう偏愛爆発!(笑)
外見のゴツさと、あのヲタ系才能、そして子供達と戯れるきゅんきゅんさがきゅーんっ♪
イーサンの義妹のボニーは、今回はちょっと抑え気味登場だったかな?
もっとも結婚前の職業が司書さんだったというあたりキタコレ!(笑)
そしてボニーの子供達、ジェフとテオのかわいい事ったら〜♪
イーサン伯父さんとのやりとり、シングルトンおじさんとのやりとり、もう全部がかわいいの♪

あとがきを読んでいたら、この作品の続編『Truth or Dare』もMIRA文庫から翻訳とのこと。
早めにお願いしたいもんです。特にシングルトンとボニーのその後が気になります(笑)。
ISBN:4596800499 新書 山田 沙羅 ハーレクイン 2007/12 ¥1,160

今年最後の新刊読了は、時節ネタという事でこの本にしてみました(^^)
そう。この本、クライマックスが全て「大晦日」になっているので(笑)。

三本の短編、全てLSの看板作家で占められた豪華な書き下ろしなんですが・・・総体的にかなりよかったわ。
三本目のビバリー・バートンはまぁ、よくある秘書と上司ものなんですが、思えばことのさん、今のようにロマサスの新女王(誰がそう言ったのか、今だ謎。爆)だの、リンダ・ハワード大絶賛(しかしリンダ先生は、あのダイアナ・パーマーのスカ長編ですら絶賛していたので話半分に聞くべし。爆)だの言われる前の、幼馴染のすったもんだとか、不器用なヒロインの心機一転恋愛ものとかの彼女のディザィア作品を愛読していたので、あの頃を思い出しました。
この程度の肩の凝らなさと、お馬鹿さん程度がかわいいのよ。うん。
で、マリー・フェラレーラは、ヒーローに尽きた。
ナイスです、マジ、このヒーロー、いいですっ!
そして、お約束にそんなイカす男の相手のヒロインは頑なでちょっと疲れるタイプでした(^^ゞ
つまり、で、一番よかったのはやっぱりシャロン・サラ!
もう、最初の10行だけで笑い死にするかと思ったよ・・・貧乳ヒロインについて、あんなに赤裸々で傑作な表現があったか?いや、ない(爆)って。
いやー、最高!
一目ぼれものとしても、メロリンキューなDekiDekiヒーローものとしても、このボリュームながら堪能させてもらいました(^◇^)
これは是非、大晦日に読んでほしい1冊だわ〜♪
ISBN:4596800502 新書 仁嶋 いずる ハーレクイン 2007/12 ¥1,160

ダイアナ・パーマーの新刊、中篇短編の二本立て、読了〜。
というか、これ、かなり前に読んでたの。
だって、SEPの『麗しのファンシー・レディ』上巻の口直しとして、下巻より先に思わずそこにあったこの本をひっ掴んだから(爆)

で、総括だが前半の『嫌いになれなくて』は、いつもの年の差M属性ものとしてサラッと斜めに流して読んだ(笑)。
というか、どうもあのヒロインのある事ない事を噂にして流した会計士、よく分からないんですが(^^;
あんな自己チューな事をやっといて、まるで何事もなかったかのようにキミ(ヒロインのテディ)はカレ(ヒーローのキング)の事が好きなんだね・・・しみじみ、ボクもキミの事が好きだったのに、とかほざき始めた時は、その配線の脈絡の無さに呆然(爆)。
どうみてもアンタ、ヒール(悪役)ですからっ!
突然、降って湧いたような三文善人ごっこされても、読者は目が点です!(爆)
どうもダイアナのヒロインでモデルをやっているキャラは、もれなく事件か事故に巻き込まれるテンプレートがあるようです(^^ゞ

で、二本目の短編『孤独が終わるとき』・・・いやー。驚いた。
だって、普通の、地味でしみじみくるロマンスなんだもん!←どうよ、その驚き!(笑)
いや、スカに身構えて読んでて「あれ」「あれれ」と・・・やもめヒーローと、年若い子持ち未亡人ヒロインとの、不器用なロマンスに、ヒロインの子供である少年がとってもいい味を出していて、余計な脇役とかもいなくって、本当にしみじみ普通なのだ←だから、そこが食いつくポイントなのか?!
本当に、これはダイアナが書いたのか?!とか、友達と失礼な事まで言ってたり←それってどうなのよ?!
どれだけ己がスカ慣れしていたか、反省しました(笑)。
無茶苦茶サイコーっっ、というワケではなく、本当に地に足のついたほのぼの地味〜、なロマンスでしたが、口直しどころか、ちょっと癒された(^^ゞ

余談ですが、この短編を読んで、某お姉さまにタレコミせずにはいられなかった箇所(爆)。
(ヒロインの)手が半分埋もれている
・・・どんだけ毛深いんだ、このヒーローのホリスターっっ!(核爆)
ISBN:4789732312 文庫 林 啓恵 ヴィレッジブックス 2007/12 ¥872

ローリ・フォスターのヴィジテーション・シリーズ新刊、読了〜♪
とっても楽しかったわ〜♪♪

今回の主人公は、前作『さざ波に寄せた願い』の主役ジョー・ウィンストンの友人(笑)でバウンティハンター仲間(爆)でもあるブライアン・ケリーと、お懐かし『愛のオークション』のヒロインであるブランディの姉(義姉)のシェイ・ソマーズの二人。
いやはや、こっちとあっちをサクサクッと上手につなげて違和感ないのはさすがロリさんっ!
懐かしい凸凹カップル、ラストで久々に拝めましたな。

お話は、困っている人を救う事を生甲斐にし、日々猪突猛進に戦う(笑)麗しき富豪未亡人シェイが、何故か娼婦と勘違いされてヤバ系イケメン牧師の運営するセーフハウスに連行(?)されるところから始まる。
この牧師というのが、ホンモノの牧師ブルースが、どっかの誰かにどつかれ負傷し、その謎を追う為にこっそり彼と入れ替わった双子の弟ブライアンだった事から、更にややこしい事情となる。
お互い、もう初めて会った時から萌え萌えきゅーんっ、なのにシェイは正体はバラせないわでウズウズ、ブライアンは牧師に化けてる手前、手は出せないわで常に元気にコンニチワ状態で悶々悶々・・・うっとり←ことのさん視点(ちゅどーんっ)。

でもって、寂しい過去が災いし、自分の事は二の次にしちゃう他己モード全開のシェイが、たどたどしく牧師さん運営のセーフハウスに住む元娼婦のお嬢さん達と絆を結んでゆく様がかわいくってねぇ。
あの猪突猛進さ、普通はてんぱりすぎて、かわいくないヒロインの典型なんだけど、このシェイに関してはDeki女が、ちょこっと不器用なところを見せる度合いがロリさん、絶妙の書き具合なのよ。
でもって、自分の気持ちに素直。
どうよ、そのストレートさっ、というものでなく、逆に微笑ましいんだ。
いや〜、ストーカーよろしくシェイを盗み見ているブライアン(プチ変態←違。爆)でなくてもきゅんきゅんメロメロになっちゃうぞ〜っ。
バツイチ同士の二人の恋愛というには、まぁ、恐ろしくホットなのに何故かたどたどしくって、そこがまた萌え度を増すのだ(笑)。
いいね〜、言動がキュンキュンメロメロでスイートなラブラブカップルものって〜。
何か心があったかくなるわ(^◇^)

ブルース兄ちゃん殴打事件から、あれよあれよと巻き込まれたシェイの身にも危険が迫り、何度もひどい目にあわされる。
ここらへんも事件のゆるゆる具合と頓珍漢なキャラ具合が絶妙で、正体がバレて喧嘩別れしたブライアンとの再会・・・の筈が、牧師兄ちゃんと勘違いしているものんだから、彼を襲う(爆)シェイの場面は大ウケ。
ブルース兄ちゃん、別の意味で開眼してしまったり(爆)。
いや、やはりこの本も、ヴィジテーション住まいのクセ者中心に脇役がいい味を出していてね〜。
まずはブライアンの双子の兄にて牧師のブルース。
この彼が・・・ぷっ。真面目な牧師な筈なんだが、ちょっと配線が変(爆)。
前出のシェイに押し倒される場面は本当に出色だわ(笑)。
あの配線じゃ、ヴィジテーション住まいはガチ運命としか・・・ジェイミーの親戚かと思ったよ一部(爆)。
で、前回の主人公夫婦・・・その女という女を腰砕けにさせる女殺しジョーも、人妻になっても髪はイケイケなルナも・・・相変わらずでステキ(笑)。
前回同様、ウィローの彼氏ゆえ、将来の舅(?)ジョーに威嚇され続けるクレイも健在(笑)、CIAも驚きの諜報活動もどきを続けるオースティン少年も元気(笑)。
ヴィジテーションの平和を守るのが仕事だが、自分の心の平和はジョーの妹アリックスのせいで崩壊寸前の保安官スコットさんも今日も気の毒に元気(爆)。
でも、やっぱり・・・今回もヴィジテーション名物、ジェイミー・クリードに尽きましたな!
ブライアンに何か恨みでもあるのか?!ってぐらい、彼とシェイがうっふんあっはんと盛り上がり最高潮の場面になると、すごいタイミングでお告げにやってくるんだもん!(笑い死)
遠隔地にいる時は電話でまで邪魔をする・・・ヒャッホー!ブラボー!!サイコーッッ!!!(爆)
そして、今回も言いたい事だけ言って消えまくり・・・しかしジェイミーさんよ。あの速度で走ってくる自動車の前にいきなりお告げに参上ってのは・・・は、はは(^^ゞ
本当、最高だわアナタ(^^ゞ

次回は、開眼(?)した牧師さんブルース兄ちゃんの1冊。
早く上陸するといいね・・・っていうか、ジェイミー・クリードまでまだまだあるから急いで下さいっっ!(切実)
ISBN:4789732320 文庫 阿尾 正子 ヴィレッジブックス 2007/12 ¥840

スーザン・ブロックマンのTSSシリーズ6巻、とうとう日本上陸しました1冊、上下巻読了。
とにかく、内容は原書持ってるから知ってるし、これを読むと絶対再読したくなるから本当は内職とか全部終わってから読もうと考えていたけど、やっぱり手にしたら読んでた(笑)。
まぁ、そんなもんだ。

もっとも、既に前巻にて大半の重要エピソードを出しているので、この巻は広げた風呂敷をたたむ巻、というカンジがするのも事実なんだが(^^ゞ
このシリーズでお馴染みの過去の回想を含む3つの恋愛が同時に進んでいくという意味では、ブロックマンがこの巻は余りにサムとアリッサの事後処理(爆)に全力投球したせいか、どうもピントがしっかり合っていないところもたびたび。
そうなのよー。
ウォルターとドットの恋愛に関しては、非常に物足りない。
こじんまりまとまっている、というと良く聞こえるが、人種問題という重いものを並行させたが故にロマンスはかなりおざなり・・・とまではいかなくても、ちょっと読者任せな部分も見受ける。
何より、サムにとっては重要である親友にして、ウォルターの孫でもあるノアの扱いが中途半端(^^ゞ
おいおい。スーザンさんや、アナタらしゅーないぞ。
ノアとその妻クレアの夫婦関係に関して、何やら不穏なものをにおわせる文面をチラホラ書いておいて何もナシ?!みたいな。
もうね、やっぱり今まで5冊かけてサムリスのロマンスについて延々とエピを重ね続けたツケがここできた。
本当に、ノアは単なるウォルターとサムと結びつける為の手段だったのか、という悲しい疑問すら浮かぶんだよね、あの扱いが。
全てが全てを書けないのは分かっているが、彼女の達者ぶりから考えるとここは首を傾げる箇所なのだ。

サムとアリッサのロマンスについては、納まるところに納まったという感想が第一で、好きなカップルながら非常に冷めた目で見ているという事に今回気付いたり(^^ゞ
むしろ、自分自身が理解出来ない程のジーナへの激しい気持ちに戸惑い、そしてアリッサという心の安らぎ処を失くすかもしれない、LOVEじゃないけど、限りなくそれに近い感情を彼女に持つマックスの揺れ動く乙女心フクザツなオッサン心(笑)を持て余す様の方がことのさんにとってはこの巻のツボなんだなぁ、と再認識(爆)。
これからが大変なんだけどね、おじさんってば(^^ゞ
お茶目なパジャマ姿すら垂涎もので、本当に困ったちゃんだわ(^^ゞ
あとは、どんだけジュールズがご贔屓かというのも再認識(萌)。

そう。
今回の同時進行する2つ目のロマンスが、このマックスとジーナのお話。
むしろ、こちらの方に胸を掻きむしるような焦燥感を感じたあたり、今までの巻のサムリスのポジションらしきもの、と考えたり。
この巻の、うまいながらも若干のピントの合わなさ具合を感じるのはきっと、今まで3つのポイントからキレイなお約束のシリーズ特有の形を成していたものが、トムとケリーの恋愛にも一つの区切りをつけたり、前巻で最高潮に盛り上がったメアリ・ルーとイブラハムのロマンスの決着とか、その上にテロリストの始末(笑)までしなけりゃいかんかったというものだとは思うんだが。
いやー、忙しい巻だった。
しかし、いくら忙しいからって、スーザン・ブロックマンはこの巻でやってはイカン事を一つやった、とことのさんは思うのだ。
いくらてんこ盛りだったから、って。

ドンの、ドニー・ダコスタの死を、あんなに軽く書いてはいけなかったのだ。

かりにも、前巻のヒロインの兄(つまりTSSのマルドゥーンの義理の兄)にして、物語でも重要な役目を果たしているキャラクターをあんなにあっさり殺してはいかん。
確かにテロリストの自動車爆弾なんてもんに遭遇して、そんな目にあってもおかしくない。
ただあんな風に数行で全て終わった事になってしまうとなると・・・何とも世知辛いというか、キャラクターに愛をもって接するブロックマンの所業とは思えなかったり(ましてや、ブロックマンは、この憎めなく愛らしいドンというキャラをすごく愛していたのが前巻読んだ読者にも分かるから二倍解せない)。
妹が、彼の死に対してどう対応したのかすら書かなかった。
メアリ・ルーと娘ヘイリーに去られ、独りになったサムにとっては、隣人の彼は孤独を慰めてくれる優しい存在になっていたからこそ余計解せないのだ。

若干の誤訳(笑)とかそんなものよりも、ブロックマン女史のこことノアの扱いがことのさんのこの巻の評価を分ける事になった、としておこう(だから、この巻を読むと、どうしてもシリーズ最高峰だと思ってる3巻と4巻を再読したくなるのよ。笑)。
美味しいエピが沢山てんこ盛りしても、一つでもその扱いを疎かにするというのは恐ろしい事だ、と痛感。

さて、これ以降はトムの作った民間組織「トラブルシューター」を中心に、シリーズ第二期に突入。
いや、そこは勿論、SEAL第16チームとの絡みもあるぞいっ。
ここからは第二次世界大戦に絡むロマンスは為りを潜めるが、並行するロマンスは相変わらず。
そうなのよ。マックスとジーナとか、ジュールズとか(笑)。
もうね、今回男泣きしたコズモなんて、ジュールズのあれやこれやに主役を喰われた気が今だしてならないんだが(爆)。
ちなみにそんなコズモは8巻、マックスは9巻という事で、気長にお待ち下さい?(笑)
で、ジュールズは12巻・・・ふ。ノーカットCD買ったのでジュールズのロマンスを年末年始エンドレスで聴くのじゃっ!(爆)

これだからことのさん、王道じゃないのね。
サムじゃなく、ワイルドカードにマックスにジュールズってアナタ・・・(^^ゞ
ISBN:4576072293 文庫 加藤 洋子 二見書房 2007/12/20 ¥830

リンダ・ハワードの新刊、読了。
はい、サヨナラ!(爆)

いや、前作『チアガール・ブルース』もイマイチな印象だったことのさんには、その続編(「スピンオフ」ではなく「続編」)のこの作品、イマイチを通り越したものとなりましたハラショーっ!(笑)

お話は、前作でくっついたブレアと、その婚約者ワイアット。
さて結婚しましょう、という事ですったもんだしている間に、何故かブレアの命が狙われる事件が続出、しかも結婚式の用意もしなけりゃいかん、という時間に追われた1冊。
犯人はまぁ、前作を読んでいたら何となく予想範囲内かな、というもんで、まぁ、それはいいとして(のっけから捨て気味)。

このシリーズ、ヒロインであるブレアの一人称で進行するというタイプのものなんですが。
ハッキリ言ってしまうと、リンダ・ハワード、一人称小説に向いてないにも程がある、という結論に結びつくのはことのさんだけか?(笑)
もう、読んでいて・・・余りにご本人の筆力とその一人称の似合わなさ具合に翻訳具合も手伝って、居心地悪くてイタくて笑いがフリーズ(^^ゞ
そうねー。
無理やり若作り訳に勤しんで自爆した戸○奈○子センセイの字幕を思い出しました(爆)。

このタイプって、かつて一世を風靡した『ブリジット・ジョーンズの日記』を代表としたシングルトンものではお馴染みなのですが、シングルトンの場合は割にモノローグというか、独り言が多いのに対して、この作品は饒舌で軽妙な丁々発止な会話を得意とするヒロインによるものなので・・・あ。イタっ。
一人称で、モノローグをするにも、この丁々発止を用いたら・・・そう。読まれた方は、お気付きかと。
このブレア、しょーもない事ですら、やたらめったら読者に対して同意を求めまくるのだ。

「〜でしょ?」
「〜じゃない?」
「〜思う?」などなど。

・・・勘弁してくれ。ウザい、ウザすぎる
ティーンネイジャーならともかく、バツイチ30越え女に延々それされて、最後まで気分いい読者でいる程、ことのさんの心は広くない(きっぱり)。
なまじ、この女がブロンド美人で、頭の回転が速く、成功したビジネスウーマンなのが嫌味度合いを増すんだな、これが。
しかもどう読んでも、上からモノを言ってるから、更に嫌味度、アーップ!!
ホンモノのかわいこちゃん白痴(笑)なら、ちっとは見逃してやれるのに、このブレアは何もかもが計算づく。思わず、昔スマスマで中居くんがやっていた「計算マコちゃん」を彷彿させてくれ、気分は傍でツッコミする横山めぐみです(爆)。

もう話は、前作読んでない人にはまるきり分からない、遠い親戚の葬式で聞かされると遠縁者の近況よろしく、どうでもいい事が中心にあったりするし(笑)。
山なしオチなし意味なしな凡作だからいいんだけど(暴言)、キャラ萌え本を狙ったにしろ、このキャラは賛否両論。
勿論、ことのさんは「」です。わはは。
萌えどころか、萎えまくり。。。

軽く読んで笑って終わる、という意味でリンダ版ラノベと言われたりもしているが、ねぇ(^^ゞ
別に、その意味だったら他の作家の本でもいいワケで。
もっと一人称を軽妙に達者に扱える作家はいるワケで(イヴァノヴィッチとか)。
確かに、本全体のムードはコミカルでライトなんだけど、それに振り回されて、ブレアのキャラ個性という軸以外、何ら特筆すべきものがあるようには思えない。
リンダ先生がいろいろ模索してらっしゃるのは分かるんですが、この手のハナシは正直、もう勘弁願いたい。
彼女のコミカルな話は『パーディーガール』がピークだったと思うし、ああいう地に足がついたヒロイン書くのが上手で読んでいてホッとするのよね。

でもって、何故に「続編」なのかと、この原書が出た当時思ったわけ。
リンダ先生が言うには、このキャラがお気に入りになっちゃって脳内で勝手に続き話が出来ちゃって〜、らしいが(何だか同人誌作るオタクの決意表明のようだ。爆)。
ことのさんはもっと冷たい疑問を述べたな。
昔ほど、魅力的な新しいキャラクター造詣が出来なくなっているから、既存のキャラを使わざるをえないのではないのか、と。
それなら悲しい話である。
『くちづけは眠りの中で』で、マディーナとニエマ夫婦のその後がチラリと出てきたが、もし、今のような、ご自分自身「これだっ!!」と言えるようなガチ設定が出来ず、グッと胸をわし掴みにされるようなストーリー作りを出来ない状況なら、あえて彼らのスピンオフは書かないでもらいたいと思うのはファンの我侭か。
「あーあ。書かなきゃよかったよ、続編なんて」とため息まじりに言われるようなスカ本になるぐらいなら、思い出は美しいままでいたいもんだ。。。(遠い目)

+余談+
巻末に、あのクリスピー・クリーム・ドーナツを使ったブレッドプディングのレシピが載っていたが・・・「歯が痛くなる程甘い」・・・いや、あのオリジナル・グレーズド自体が甘いのに、更にそれにコンデスミルクにバターを加え・・・挙句、糖衣までかける?!
それって、痛いを通り越して歯の詰め物が溶けるわっっ(~_~;
SEPの新刊、というか、化石発掘翻訳本、読了。
やっぱり上下に分けないでも1冊でも出せたじゃない、という合わせて750ページ程度(レンガリアンには薄く感じるのよ。自爆)。

・・・えっと、ここで終わっていいですか?(^^ゞ

というのは冗談として(笑)。
まぁ、でもちょっと本音。
『レディ・エマ〜』を読んだ時に、あのテディくんがどーしても気になったから原書で買いました。この『FancyPants』。
その時に、最初の方でうんざりしたんです。
浅はかで頭弱い女と、その一族について、延々と描かれた序盤に(ざっくり)。
「どうして私だけ」「どうしてこの私がよりによってこんな目に」等、SEP作品のいい意味で居直り肝っ玉ヒロインが何よりも大好きな身には、あの現状把握の出来なさ具合はもはや言葉も出ないもので。
日本語で読んでも、それは同じでした。
いや、拾い読みしか出来ない英語よりも、なまじ達者でいらっしゃる岡さんの翻訳版は、その素晴らしさゆえにうんざり度が増して読めるのです(爆)。

で、もう、このヒロインのフランセスカの浅はか具合が極まった前半はもう割愛する。
書くにも、どう書いていいのか分からないぐらい、絶対同性の友人としてはこんな女はいらん、と思わせてくれますもんで(笑)。
たとえ、ご贔屓キャラであるテディくんの母親だろーが、後年、肝っ玉姐御として君臨しようが、そんなの関係ねぇ!!
この作品に関しては、とにかくことのさんの地雷直撃だったのよ。
何で、母親が死んで財政的に逼迫していて、地道に銭を稼ごうとせずに気取った雌孔雀のように、見栄えばかりを気にして、挙句、ホイホイ甘言にのってアメリカくんだりまで働いた経験も何もないのに一流女優気取りで博打よろしく渡航してんのか?
そこからヒーローであるダリーに会うまで、会ってからも空回り三昧で、読んでてぐったりした。
男が自分を見れば、自分に傅くのが当たり前、自分はトップにいて当たり前、なのに何故こんなにうまくいかないの?ともう、思い込み過多なはき違い言動連打で萎えも萎えも萎えまくり。
あれをコミカルさというなら、そんなコミカルは理解出来ないし、したくありませんから(笑)。
後年、テレビレポーターとして彼女が成功しても良かった、とかいう共に喜ぶ気持ちはない。
SEPヒロインに関して、こんな冷たい客観的視線を投げかけられるのは『愛はジャスミンの香り』ヒロインのキットと双璧か(笑)。
だって、かわいくないもん。
美人かもしれないし、ポジティヴかもしれないけど、全然かわいく思えないもんっ。
ことのさんにとって、ハグしたくなるよりどつきたくなるSEPヒロインなんていらーん(爆)。

これでヒーローのダリーが出来た男なら、少しはマシなんだが、この男、今まで翻訳されたSEP作品最低ヒーローの称号をやってもいいぐらい(爆)。
何せ、その時点ではまだ結婚している事実を明確にせず、ヒロインとヤッちまった末に妊娠させた男ですからな。
既に結婚生活は終わってる?
もはや、妻であるホーリー・グレイスとは夫婦生活もないから?
んな事知るかい。
んじゃあ、さっさと離婚してろよ。
それなのに、この夫婦、お互いの傷を舐めあい、傷にせっかく出来るかさぶたをお互いではがしては、またうっとり自己憐憫に浸る為にまだ夫婦でいるとしか思えない・・・あれに同情してもらい泣き出来る程、ことのさんは出来た読者じゃありません。
最初に、ホーリー・グレイスが別の男が出来た時点で別れてりゃあ、まだマシなのに、自分も対抗して別の女とヤッちまい、そしてそれを頻繁に感傷的モノローグで思い返してはまた憐憫に浸る・・・勝手に奈落に穴掘ってろコノヤロー、と思いますね(笑)。
そんな歪んだ関係を、周囲も、そして本人達も治そうとはしない。
夫婦ではないけど、親友で家族だし・・・って詭弁を垂れるが、まだ夫婦じゃない、法律上で立派に。キモい詭弁だ。
それなのにこの男、10年後に再会し、妊娠を隠し、そして自分の子供をこっそり出産していたフランセスカを責めるのだ。
フランセスカもはっきり面と向かって言ってやりゃー良かったのに。
「だってアンタ、あの時結婚してたから、この子はどっちにしろ私生児じゃないの。どの面下げて私にそんな事言うのよ。『結婚してるんだ』の一言すらまともに私に言えないくせに、そんな立場なのか?」と(笑)。
まぁ、このダリーの言い訳がまたすごい。
ホーリー・グレイスの名前は、何度も彼女(フランセスカ)の前で言ったから(自分の妻なのは)知ってる筈だ、とか。
分かるかいっ!エスパーじゃねーんだからテメーの脳みその中なんか読めねーよ!口に出して言え!!
・・・もはやアホ過ぎて話にならねー。
第一、ホーリー・グレイスを最初に妊娠させた状況といい、10年後にフランセスカを妊娠させた状況といい、まぁ、学習能力の無さよ。
SEPヒーローのお約束は、図体のデカいお茶目なおバカさん(笑)なんだが、それはアクマで好きという気持ちが嵩じて妙な事をやらかしたり、傲慢さゆえに頓珍漢な言動しちゃうからなんだが・・・この若かりし頃のダリーは単なるマジバカって気がするわ・・・。
現実逃避で言い訳三昧のこんな男にした一因、妻のホーリー・グレイスにもあると思うよホント。

で、脇役ロマンスにも定評あるSEP作品なんだが、そのダリーの妻ホーリー・グレイス・・・何?これ。
こんな偽善者、知らん。
フランセスカやダリーに偉そうに能弁垂れる場面が幾つか見受けられるが、何様だ?
前出の通りの歪んだ夫婦関係の上に胡坐かいてのらくらやった挙句の芸能界への華麗なるサクセスストーリー、何と薄っぺらくて上滑りな事か。
虐待されていた過去、ダリーとの結婚生活、亡くした息子、気の毒エピはてんこ盛りだが、全く読者のツボにも箸にもかからない(^^;
心の美しい人は、外見も美しい、というフランセスカとの対称を狙ったのかも知れないが、どっちもどっちって気がする(笑)。
同性友人としては、こっちも勘弁願いたい(爆)。
SEP作品至上、最もイタイ頓珍漢脇役キャラのコンテストがあったら是非推薦したい一人である(爆)。

かろうじて、そのホーリー・グレイスの後の彼氏となるゲリー・ジャフがまだ少々マシなキャラ造詣していたか、ってカンジだが、それでもやっぱり設定ばかりが浮いていて彼の個性への反映度合いは読んでいてそんなに伺えない。
というか、このゲリーも含め、前出のメインキャラ3人の大人げ無さ具合、いや。思考言動の幼稚さ具合が、物語を非常に殺伐としたものにしていると感じたのはことのさんだけか?
あんな過去設定があって、年月がたって経験を積んで尚、子供の言い訳のような幼稚な理論を四人が手を変え、品を変え振り回して物語を展開させていくんだから。

・・・そうね。
この本、やっぱりことのさんにとっては原書買った際の目的がそのまんまかと。
10歳のテディくんと、父親であるダリーとの和解(?)とか、テディくんの幼少期の武勇伝とか、テディくんとスキートのナイス・コンビとか、テディくんの知能指数が何故、あのバカ親二人の遺伝から出てきたのか、とか(笑)。
いやん、ほら。青田買いことのさんとしては、そこは譲れないしっ!(爆)
そう。
だから、ことのさんにとってはこの分冊、テディ少年登場の下巻だけでいいかも。再読するなら(爆)。
あとは『レディ・エマ〜』を詳しく読む為の資料程度、という位置付けか。

過去の作品の取扱というのは賭けである。
ましてや、SEPの残り初期未訳2冊もMIRAから翻訳が決まったというから余計に。
お友達も言ってたが、その人が巷に、万民に認められた作品というのは侮れない存在なのである。
ひとつの「目安」としても。
この作品は、彼女がブレイクする前の作品だという事を、これから読む方には頭の隅っこに置いておいてほしいかも。
この作品が、SEPに接する最初の本なら・・・お願い!この本は我慢大会でも、他の本は素晴らしいのよっ!ここで挫折しないでっ!と言っておいて、この日記はここで終わる。

+独り言+
MIRAが翻訳する残り2冊、ハニーちゃんはまだ巷に認められている部類に入るので、まぁ、これを後にして下さい(ぼそ)。
まぁ、ディーンくんが二見さんが出してくれる事も確定しているので、そっちをメインの楽しみにしてます(^^ゞ
ISBN:4562043326 文庫 織原 あおい 原書房 2007/12/10 ¥930

ローリ・ワイルドの日本初上陸の1冊、読了〜♪

もうね、のっけからコクっていい?
好き好き大好きチョー好きっっこの1冊!!

はふっ。失礼しました(^^ゞ
もう、全てにおいてこんなにツボメガヒット連発の1冊ってなかったわ!
のっけからラストまで、クスクス笑ったり、しんみりしたり、もう幸せで幸せで読み終えたくなかった。ホント。
また、よく出来てるんだ。細かいところから、茶目っ気効いた設定、掛け合い抜群な台詞のやりとり、そしてサイドロマンスの粋さ。
還暦越えカップルをあんなにキュートに書いてもらっちゃって、ありがたやありがたや(^人^)

さて。お話だが、金持ちイケメンとクロゴケグモが苦手な女私立探偵チャーリー。
もう、この時点で拍手喝采なんだね。
クロゴケグモが苦手な理由が余りにリアルで・・・幼少の頃、クロゴケグモにお尻を噛まれて病院送りになったヒロインって、もうウケた!ありがとうっっ!!
そんな彼女のところに、彼女の祖母と一緒にどこかに消えた祖父を探しにやってくるのが、そんなチャーリーの天敵のクモ・・・あ、違った。金持ちイケメンのメイソン青年(笑)。
そこから、祖父と祖母を探す為の二人の珍道中が始まるんだが・・・これがもう最高!
順調だった筈が、チャーリーの愛車コルヴェットはレッカーされ、メイソンの財布は盗まれ、更に旅程が進むにつれ、メイソンの愛車ベントレーはクラッシュ(ここの場面がまた傑作なんだわ。爆)、慌てて飛び乗ったバスツアーは何故か新婚カップルのテレビ番組撮影中の移動バス、二人して新婚夫婦のフリをする羽目に・・・そして見事にこれがあらゆる話の流れにつながる、その違和感の無さと、達者さ。天晴れである。
ガチガチの堅物にならざるを得なくなった石橋を叩いて渡るメイソンと、「攻撃は最大の防御なり」とばかりに常に前向き、当たって砕けろなチャーリーとの正反対ゆえの頓珍漢な道中のやりとりが、楽しくて楽しくて(笑)。
怪しいヤツらにつけられているんだが、それを目くらましするんだか墓穴掘ってるんだか、という言動とかもあったりコミカルであっという間にページが進むんだよね。

というか、ことのさん、こんなにツボにハマった台詞を次々口にするヒーローってすんごい久し振りなの!
砂漠近くの廃墟となった映画スタジオに潜入する際の、あの頓珍漢極まりない台詞なんてガツン!ときたわ〜。
でも、ぼくの靴はローファーだし、日焼け止めローションはホテルに置いてきたんだよ
もう、こんなおバカさん、殴っていいのかハグっていいのかわからんよ!(爆)
いや、バカほどカワイイってやつか?!(爆)
メイソンの脳内モノローグも傑作で、イケナイ事を考えると三つ又の巨大フォークを持った悪魔が囁きかけるらしく、非常に一人ボケツッコミに忙しい(爆)。
ボケているだけでなく、メロウでスイートな台詞も抜群。
それでいて、真摯な姿勢でチャーリーに向かうのが、また◎なの。

そんなメイソンに対するチャーリーが・・・うふ(^m^)
これって、ツンデレ系よね(笑)。
ていうか、彼女のメイソンに対する態度って・・・あれだよね。
好きな女の子の事を思わずイジめてしまう、恋に悩む捻くれた少年のよう(笑)。
もうメロメロなのに、どうしても素直になれないし、天敵だし・・・でツンツンな態度をとっちゃうんだけど、これまたよく出来た展開で、二人の距離を一気に縮めてしまうきっかけがもう一つの天敵クモ(笑)。
いや〜ん。コミカルな筈が超キュートだよね、ここ。
そりゃあ、メイソンの中の悪魔も折れますわ(^^ゞ

サイドストーリーとして展開するのが、この二人の祖母メイベリーンと祖父ノーランなんだが・・・これが、素晴らしく孫二人とシンクロニティでナイス。
自力で自動車の修理をしちゃうメイベリーン祖母ちゃんと、のんびりおっとりなイケメンのノーラン祖父ちゃん。
しかも、物語の始まるきっかけとなる「ある事件」も二人の過去に密接に関係していて、読む側を全く退屈させない。
もう、二人の過去がきゅんきゅんなんだわ〜。
人生やりなおし、いや。第二のスタートというべきこのロマンス、ドタバタした中でゆったりしたムードでステキなの!
日本でもお馴染み、あのアカデミー賞授賞式の会場でのすったもんだのラスト近くは、映像が思い浮かんで二倍楽しめますね。
いや、あえてあの裏方も裏方、しかし一般人には不可思議極まりない存在であろう会計事務所にスポットを当てるそのアイデア、ワイルド女史、天晴れ!(笑)

脇役もお約束なキャラの、その配置がナイス。
メイソンの恋人にして鋼鉄のセレブ・キャリアウーマンのダフネ、かっとんだ悪人であるメイベリーンの息子にしてチャーリーの父親でもあるエルウッド、その他、ヌケてる二人組殺し屋、旅の道連れとなったテレビ番組関係の皆さん、全部が○。

男性陣、祖父と孫、多分名家のはみだしっこなこの二人が非常に愛おしく感じました。
坊ちゃんなのに「じいちゃん」って言ってるところがグー♪
そんな二人を、包み込むと同時にスリスリしちゃうような女性陣もまたよいの。
いいね。ストレスなく読めて、キャラ全てが愛おしい本って。
ローリ・ワイルドの本、他にも読みたくなりました。
HQから出ている分、アフロディーテあたりで翻訳してくれないかしらん。
リサ・クレイパスのボウ・ストリート・シリーズ2巻、読了〜。
つうか、読了して大分たってしまったんだけど(^^ゞ

すっとこどっこいにシリーズ最後の3巻から翻訳され、ネタバレしまくっていたロス卿とミス・ソフィア(原書タイトルは『Lady Sophia’s Lover』だが、彼女は子爵令嬢なのでMissの方が親の爵位を考えてよくない?まぁ、そんな細かいツッコミはいいけど)が主役の1冊。
いやー、一番面白かったね。3冊中で(これでなく、あの3冊目でRITAを取っているあたり、RITAを「ロマンス界の○木賞」と暴言を吐くことのさん。そう、その作品で取らせろよ!!と万民が認めるナイス本でなく、後から取って付けたように若干ピントがズレた作品で慌てて受賞させるから。爆)。
一番、読む手が止まらなかった。

清らかちゃんヒロインと荒んだ過去持ち厭世家で独身主義ヒーローな他の2冊と違い、この本は世間の荒波にもまれたヒロインであるソフィアと、バツイチなワーカホリックであるロス卿の話なものだから、ちょっと味わい深いのよね〜。
んで、「ボウ・ストリートの修道士」とまで呼ばれるロスの・・・あの一目見て恋に落ちたソフィアに対する悶え寸止め具合はもう・・・読んでるこっちがいやんいやんっ!!と踊るね、マジ!(爆)
ソフィアも、復讐の為にロスに近寄ったという設定ですが、何だかんだでしっかり仕事はこなすし、ロス卿の面倒もせっせこみるし、くっきりはっきり性質もあって周囲を虜にするDeki女なワケでいい按配。
ロマンス読みだが、基本的に仕事を丸投げして色ボケするような主人公には魅力を感じないのもあって、このしっかりしたキャラクター作りは拍手。
二人の最初はぎこちないやりとりが、ちょっとづつウィットを絡めて進行し、そして甘々になっていくその過程がステキなのだ。
他の2冊があれやこれやで急ピッチなのと比べると、本当にこの1冊は時間の流れがゆったりしているように感じた。

とにかく、お互いの懐の深さがあったからこそ、あのソフィアの弟ニック・ジェントリーことジョン・シドニーのキャラが活きてくる。
3巻では既に落ち着いた感じすらしたニックが、ここではあのとんがり具合(爆)。
いやん。ツンデレだと思ってたが、ここで既に全開!ってぐらいで嬉しいぞ(笑)。
いや、それがまたロス卿の落ち着き具合、前作にて伴侶を得たモーガンのどっしり構えたところと比べて、その脆さや若さを顕著に表していてうまいわホント。

でも、やはり順序通りに出してあげたかったな・・・これ。
ニック以上に、あんなに己の中の倫理感とか色んなものと葛藤して、苦しんであの結論を出したロス卿が憐れだ(^^ゞ
時間の経過と共に、人間って丸くなったりするじゃない。
そういう意味では、リアルタイムの感情の機微って大事よ。
特にああいう物語の核を成す設定となる場面は。

とりあえず、もう一回最初から通して再読する前に、我が家の原書墓場に埋没(?)しているらしい、あのドクター・リンリーが主役のスピンオフを発掘しときます(^^ゞ
リンリーさんや・・・あんな困ったちゃんな舅(爆)を持つのね。うは。
購入予定のものだけ、ちょいちょいと覚え書き。
来年も本ゲル係数は高いので、あれやこれやとやりくりするのだ。

ランダムハウス講談社 ランダムハウス講談社ロマンス文庫
あなたにさらわれて エイミーJ・フェッツァー

ヴィレッジブックス villegebooks
まなざしは緑の炎のごとく キャサリン・ウッディウス
The Wedding(仮) ジュリー・ガーウッド

ソフトバンククリエイティブ ソフトバンク文庫 NV
あたしはメトロガール ジャネット・イヴァノヴィッチ

竹書房 ラズベリーブックス
恋のたくらみは公爵と ジュリア・クイン

ハーレクイン社 MIRA文庫
明けない夜を越えて タミー・ホウグ
理想の恋の作りかた ジェニファー・クルージー

原書房 ライムブックス
あなただけが 気になる コニー・ブロックウェイ

扶桑社 扶桑社ロマンス
ブラックナイト(仮) コニー・メイスン
モリガンズ・クロス(仮) ノーラ・ロバーツ

二見書房 二見ミステリ文庫
ハートブレイク・ホテル(原題) ジル・マリー・ランディス
パッション(原題) リサ・ヴァルディス
オルモスト・ヘヴン(上下)(原題) ジュディス・マクノート


ふむ。
気になるのは、MIRAのクルージーの翻訳者が岡さんだという事だ。
という事は『花嫁になりたい』の改題の可能性があるから。
価格がまた、そんなに長編じゃないのを物語っているしなぁ・・・。

マクノートのヒストリカルは、どこぞが翻訳権を手にしたとは風の噂で聞いていたが二見さんか・・・400ページにも満たないPB原書を分冊翻訳発売。
そうでないと元手が取り返せない、かなり高くついた買い物だったのね。ほほ > 大人の事情か

ライムブックスはコニー・ブロックウェイ。
このブライダル・シリーズは前作が素晴らしかったので、これはガチ。
単発を全部出してからスコッツ三部作とみた。

ラズベリーは、間抜けに3冊目から出してしまったシリーズものをふりだしに戻して刊行。
最初からしてりゃあ、こんなに叩かれる事もなかったのにね(^^;

ソフトバンクは、イヴァノヴィッチの新シリーズ。
亜流プラムと言われればそれまで・・・本家プラム続刊が2008年、集英社より刊行確定。
比べられたら亜流がふき飛ばされる事請け合いだな(^^ゞ

しかし驚いたのは、巷の猫も杓子もパラノーマル!状態(笑)に踊らされて、こんなに早くノーラのパラノーマル三部作が日本上陸と相成った。
あんなに評価の高かったガーデン・トリロジー発売を延期してまでこれ?(笑)
ノーラ原書読みのお友達と、このサークル・トリロジーについて先日話したがお互い思ってた事は同じ。
「いや、ノーラさんよ。我々ファンはアナタに人類の存亡だ地球の未来だかんだを書いた作品を求めた事はない。おとなしく家族もの書いてて下さい」(爆)
コニー・メイスンはもう、これはガチネタ!ということで(爆)

そんなこんなで、本命はヴィレッジさんの2冊。
海の向こうでは遺作となった1冊も発売となったウッディウィス。2007年の大きなニュースだったわ、彼女の訃報は。
ふ。今回の原書はまぁ、、、後ほど(笑)

+余談+
毎度お馴染み穴埋めくん。

http://cool-book-new.seesaa.net/article/70736985.html

埋めてない二箇所は、来週あたりにでもことのさんが寝ている間に小人さんが内職してくれる予定(爆)
ISBN:4270101415 文庫 白木るい ランダムハウス講談社 2007/12/01 ¥945

キャサリン・コールターのヒストリカル新刊、読了〜。
今回はヴァイキング・シリーズの1冊という事で期待していたのですが・・・肩透かしの1冊でした(いきなりかいっ。笑)。

何と言ったらいいのですかねぇ・・・コールターがこの作品で一体何を書きたかったのか、全くといっていい程に読者側としては見えてきません(笑)。
ヒーローの復讐もの、ヒロインの周囲魅了もの、醜悪な家族との確執もの、部族を囲んでのやりとりもの、お互いの新人生スタートもの、権力闘争に巻き込まれもの、国家のっとりもの・・・だから、どれ?(笑)
全部書きたいのか、はたまた美味しいところだけ本人はチョイスして話を紡いだのかは知らないが、こんな散漫な読後を抱く本はちょっとご勘弁、だわ(^^;
だって、本当にどこに焦点絞っているのか分からない。
妻子や部下をヒロインであるミラナの異父兄に虐殺されたヒーロー・ロリックの熾烈な復讐ものかと思いきや・・・このロリック、うっかり君でのっけから捕まっているし(^^;
復讐とミラナへの愛情との板挟みに苦しみ葛藤するのかと思いきや、あっさり思考切り替え、そのくせして家族や部下に囁かれて手のひらさっさと返すし。自分の意見や思考はどうしたんだ、お前?!
この男に首長としてのカリスマは感じないし、もう言い草がひたすら阿呆で萎えたわ・・・。
で、ヒロインのミラナだが、ひとでなし異父兄に虐待されて生活してるのかと思ったら女主人として結構のびのびやっているではあーりませんか!
確かに鞭打ちされたりしているけど、何だかとってつけたような白々しさを感じずにはいられなかったわ・・・だって、異父兄をすんごく嫌っているとか憎んでいるとかいうものも感じないし。
第一、異父兄に対して一線引いていて且つ冷静。
ロリック側の事情が分かってからの対応なんか、本当に半分とはいえ血のつながりあるのか?(^^; ってぐらい。まるきり他人への反応。
そんなのを人質にとって、案外しくじった?ロリックは(爆)。
それに周囲を魅了している、とカリスマヒロインいうより彼女の場合は「隣にいそうな憎めない勝気な妹」というポジションのように思える。
そう、設定の器はデカイが本人はそうでもない、等身大のお嬢さんってカンジ。
だからこそ、崇められているというより可愛がられている、仲間に入っている、というか。

全ての元凶であるミラナの異父兄のアイナーにしても、よく分からない。
異父妹であるミラナによからぬ邪念を抱いているようなニュアンスを書きながら実際、何も行動も起こしてりゃしねぇ。ヘタレか?(笑)
愛人達をはべらせ、美しい少年すら手篭めにしているが、それも上滑りの印象を拭えず(^^;
せめて全員ミラナにそっくりな部分を持っていたとか、そういう設定でもあれば納得する項目が一つでも出来るのに、ただ無意味にはべらせているだけなんだもん・・・。
で、その異父妹をジジイ国王に売り飛ばして、日銭を稼ごうとするんだが、この国王サイドの事情(詳しくはネタバレなので書かないですが)に関しては・・・だから、何?!みたいな。
ワケ分からない。
のっとりに進展するその思考回路が、読んでいて謎を通り越してもはやどっか別のところで勝手にやってくれという感想しかない(爆)。
だから、どうなの?!と思ったの、ことのさんだけですか?
処女にこだわる理由も分からないし(どっかの誰かにそっくりなミラナに子供生ませるのが目的なら別にいいじゃん)。
こんな作った作家本人も理解してなさそげな設定を、物語2/3ぐらいの地点にいきなり投下されてもどうしろっていうんだ・・・。
その事情のオチの付け方もなぁ・・・微妙。エピローグの吟遊詩人の演奏が虚しく宙を舞ってますがな。
それを聞いてどうしろと?(笑)

また、ミラナの命を狙う殺人未遂事件が二回起こるんだが・・・これも、どうもなぁ(^^ゞ
真犯人は事あるごとに名前が出てくるからバレバレなんだが、その理由でその行動?
・・・これも肩透かしすぎ(笑)。
せめてロリックの亡き妻の親族だったとか怨恨の深さが必要なところに、あのアホ犯人の下半身思考による下半身事情の為の事件だったわけ?(笑)
しかも起こるタイミングが・・・これまたしらけた(笑)。

この本で読んでいて面白かったのは、中盤ぐらいからの奴隷女エンティと、ロリックの幼馴染ハフターの頓珍漢なやりとりと、ロリックの愛犬ぐらいだな。
しかし、それだけであの物語破綻本全てを読みきるパワーがあるかと聞かれたら答えは「No」だ(笑)。
別にヴァイキング設定にする必要性があったのか?という根本的設定にまず疑問を持つのだが(笑)、今のところ再読はないピントずれしまくりの1冊と言えるな(爆)。
レベッカ・ウインターズの新刊、読了〜。
今回は・・・ああ。やめてくれりゃあいいのに、な作家凶作競作のトップバッター(^^;
ロイヤルロマンス競作・・・好きだよなぁ、この設定(失笑)。

毎度ひねった設定を用いてくるウインターズだが、今回はヒーローであるジーノ(ルドルフォ)の兄がアルツハイマーを発病し、その家族を描いた事かな。
ハーレクインでは比較的一歩踏み込んだこんな設定ですが、このイマージュのボリュームとハーレクインコード(爆)に阻まれて有耶無耶に・・・ああ、勿体ない。
これは内容としてもスーパーロマンスのボリュームでお願いしたかったかも。

で、物語だが夫を浮気相手との不倫旅行らしいヨーロッパ旅行の事故で亡くした未亡人アリーの渡航から始まる。
相手側の残された遺族を慰め、悲しみを分かち合えたら・・・とイタリアの公爵家を訪れる。
しかし、著名な公爵家に群がるパパラッチと勘違いされて、公爵の弟ジーノにより見事に無実の罪を擦り付けられかけて留置所送りに。いやん(^^;
しかし、このアリーさんがまぁ・・ナイーヴでピュアでとっても真面目なフェアリーちゃんだった事から、事は厄介に(笑)。
頭ごなしに誤解していたジーノの脳天をガツンっとやっちゃうぐらいの彼女のピュアピュアオーラは強烈でした(^^ゞ
もうメロメロになっちゃって大変っ・・・唯一、アリーだけが気付いてないが(笑)。

そういえば、音楽家ヒロインは多いですが、バイオリニストは珍しい方かな?
ピアニストが圧倒的な印象だし。
またとっても才能あるんだけど、つつましく勤め人オーケストラ職員として暮らしていて地味好みのことのさんニーズ。
それを言うなら、ヒーローのジーノはもっとつつましやか。
以前はプレイボーイプリンスとして名高かったのに、あっさり自分が好きだった植物の栽培を職業にすべく農夫に(笑)。
これよっ。これなのよね、ウインターズ作品お得意の設定の妙、ってのは。
農夫ヒーローは沢山いるだろうけど、お花を愛でる、緑の手を持った公爵家の息子ってのがステキ〜♪
脇役の、ジーノの姪のソフィアも愛らしくってよかったし。

アリーの亡くなった夫の事故は、実は仕組まれたものだった・・・というものも、あれは本当にジーノとアリーを急いでくっつける為のスパイスとしてしか認識がなく(笑)。
いや、いっそなかった方が良かった・・・とか思ったり。
だから、この本はキャラで優秀点、しかしストーリーで及第点よりちょい下という評価をしてしまうのだった。
いっそロイヤルロマンスとか銘打たなくって、普通に公爵家の息子なだけ、そしてそんな殺人事件じみたものがなかったらもっと良かったのになぁ、これ(笑)。
公爵末裔なんてヨーロッパにはゴロゴロいるじゃん。
あえて「ロイヤル」なんて祭り上げないわよ、きっとミルズ・アンド・ブーンのベースの原書じゃ。そこら北米発信シリーズのロイヤルへの執着というか(爆)

・・・競作テーマを真っ向から否定か?(爆)
ISBN:4596308365 新書 泉 智子 ハーレクイン 2007/11 ¥700

久し振りにハーレクインから出たロリさんとボンドの合本、読了〜。
満足満足(^^)

いやはや、ロリさんに関しては、まさか四年もたってからハリス・ブラックの話を読めるとは思わなかった(^^ゞ
すっかり記憶から薄れていたが、さすがにのっけからバックとイーサンとライリーの名前を3人並べられると「あ、あれっ(^^ゞ」となった次第(笑)。
名前ばかりのライリー登場なんで、残念ながらご贔屓のブッチは出てこなかったけど(爆)。
ロリさんの場合、長いものもうまいんですが、短編がこれまたそれ以上にべらぼうに上手い。
今回はあのガチガチの独身主義者のハリスが、ちょっとした日常から自分の気持ちの変化に気付く、その過程があのボリュームでおしいく描かれていたり。
彼にとって友達以上恋人未満の存在だったクレアが、生涯のパートナーだと気付く事になるきっかけが・・・これまた突飛で思わずページをめくる手が止まりませんでしたな。
何せ、身元不明のヌード写真の女性からのラブレターですから(笑)。
ホットなやりとり以上に、フランクなイチャイチャとか、軽妙なやりとり、ハリスの男友達たちの相変わらずのところとかクスクス笑えた一本。
よくもこれだけつなげたスピンオフ・ワールド、久々登場のデーンとアレックがドン鈍すぎてこれまたウケましたが(爆)。
ただ、過去の既刊を読んでればシーリアを「セリア」なんて訳はしないだろうな、とちと思ったり(ぼそ)。
さて、これであと残る独身はバックのみ・・・って、あるんですよ。ええ、既に。
そう、彼の話は今回のハリスの話のすぐ後ぐらいに短編として書き下ろされています。
未訳なだけでね。てへっ(直球勝負。爆)

ここらへん並べてみたり
http://cool-book-new.seesaa.net/article/70936042.html

ボンドの方は、ロリさん以上に達者。
あの胸が痛いまでのサマンサと、昔の恋人のティーグのやりとりに読む速度が増す一方でした。
途中までは良かったんだが、ラストがややドタバタしちゃった気がするなぁ。
復讐する筈が、自分の凝り固まった考えを突きつけられる事になったティーグ、というのも想定内なんだけど、それでもやっぱりすごい筆力。
ただ、ヒーローのティーグに関してはグイグイひきつけられるんだが・・・ヒロインのサマンサがねぇ。ちょっとことのさんの苦手なタイプでねぇ・・・傲慢でKYな女(^^;
ティーグ、この女のどこがいいのだ・・・と何度も思うんだが(^^;;
それゆえに、読んでもらうと賛否両論出るのは分かっていますが(笑)。
ティーグの飼っている犬の出てくる場面が何とも物悲しいところと微笑ましいところにスパイスのように効いていたり、小物使いもうまいんだな、相変わらず。
ストーリーのクオリティとしては、こっちの方が多分すごいんでしょう・・・ただ好みの問題として、ことのさんはキャラ萌え系のロリさんの話のが好みだったりした(笑)。
このボリュームでは余韻云々もないので、ちょいイタイものよりも、おバカでキュートな話の方が読後もいいので好まれるのである > 当社調べ(爆)
ISBN:4594055281 文庫 上中 京 扶桑社 2007/11 ¥900

リサ・マリー・ライスのミッドナイト・シリーズ3巻、読了〜♪
いや〜、余りの勢いにページ数が増しているにも関わらず一気読みっすよ!アニキ! > 誰やねん(爆)

今回の主人公は前作二巻ラストにて、運命のメロメロドッキュ〜ンな一目ぼれをしちゃった一作目の主役ジョンの元部下にて現共同経営者であるシニア・チーフの鉄人コワルスキくん、お相手は前2冊のヒロイン二人の親友である音楽家アレグラちゃん。

・・・うふ(^^ゞ
のっけから古典的正統派フォーリンラヴものとして、そりゃあもう読んでるこっちがテレテレ気分よ!(笑)
このシリーズに共通している事なんですが、余りにエロシーンがすごくってホットを通り越してバーニング!なんだけど、物語の展開としては非常にシンプルで昔ながらのものばかり。
単純ともいえる設定、化石ともいえる保護欲と独占欲にまみれた種馬くん、美しく愛らしい、そして茶目っ気あるヒロイン。
読んでいて、いい意味での安心感がある。
そして、ロマサスのロマンスとサスペンスの配分と按配についての余りに露骨なまでのパーセンテージ・・・この作家にとって、サスペンスは10パーセントの容量もない、潔いまでのスパイス扱いなのだ。
今回も早い段階で、真犯人と実行犯、その動機、そして手段をあっけらかんと提示し、さっさとコワルスキとアレグラのロマンスに話を戻している。
あの潔さが、話の破綻の芽を早めに自ら摘んでいていい結果に結びついている。
もう、本当「そんなの関係ねぇ!」とオッパッピーに、合計で10ページ程度でオチつけるぐらいよ全く(爆)。

盲目の音楽家ヒロインというので、昔あった映画『ブリンク』を思い出した。
あの作品でもヒロインは弦楽器を弾いていて、その弦に触れる仕草が非常にセクシーに思ったが、今回アレグラがハープを演奏する描写にもそれに通じるものがあった。
そして、盲目ゆえの緊張感とか、接触によるエロティックな描写の数々。
自分の外見にコンプレックスを持つ歴戦の猛者コワルスキに、おずおずと触れるあの多くの描写は、そこらへんのホットなロマンスにあるエッチな場面より余程そそる出来となっていたり。
またコワルスキが天使だ女神だ奇跡だと崇めているのに、その自分の性衝動への正面向いた姿勢とかかなり姐御とみたぞ(笑)。
自らイニシアチブを取る事も多かったし、3冊中、エロ場面に関しては一番度胸が据わったヒロインともいえるのか(爆)。
個人的には、お互い愛を告白しての歯止めのきかない狂乱の一夜のあとの彼女の「むうむ」「うむ、むふ」「むん」は原書で読んでみたいかも。
アイルランド系の彼女らしく、mmとr音を強調したゲール訛りが出たと予想踏んだのだが(^^ゞ
でも、美人なコワルスキの天使ちゃんが「むん」だぜ、「むん」。
上中さん、ナイス翻訳でございました(爆)。

そして「美女と野獣」ものではお約束の、心優しき美しいものを愛でる野獣くんコワルスキ・・・もう最高!
最高のマメ男!!
3冊中、ヒーローとしてはこのコワルスキが一番ツボだったかも(萌)。
天使ちゃんアレグラに目がくらんで頭が常春の国マリネラ状態(byパタリロ。爆)となっているくせして、痒いところにも手が届いていてブラボーっ!!
それでいて、アレグラの痛みを自分の事のように感じるナイーヴさ、冷静で視野が広くビジネスセンスにも長けていて・・・と、これは外見以外全てをコワルスキに投入した、という感じすらしましたな。
アレグラが本編内で言う通り、ここぞという言動が乙女心の核心を突いてくるっちゅーか・・・まぁ、突いてるのはそれだけじゃないんだが(撲殺)。
っていうか、もう、彼についてはあそこに尽きるでしょうな。
コワルスキJrの反抗期(爆)
・・・自分の分身と真面目に向かい合って語り合っているだけでも笑えるのに、その分身が「コワルスキの手なんかいやだ」(爆)って反抗期起こした日にゃー、もう腹がよじれる程に爆笑したってば!
あの場面は、かの大御所リンダ・ハワードのウルフ父ちゃんの石けん場面(笑)を越えた!と断言するわ、ええ(爆)。
ここだけで、この本は永久に蔵書に居座る事が確定しました(爆)。

まぁ、正直アレグラの失明からの復活エピは無くてもよかったエピとは思うんだが、どうやらこの作者のエピローグの価値観はああいうスタンスにあるようなので、深くは考えないとして(^^ゞ
真犯人が殺された事に関しても、読者に委ねるあたりとか。
不覚にも、あのラストの一言でうるっ、ときちゃうあたりはコワルスキにえこ贔屓が過ぎるから、って気もするが(笑)。
軍隊式の伝達方法に関しては秀逸。
今までの2冊が、ヒーローとヒロインがどれだけ違う世界で住んでいるかという事をクローズアップしていた分、3冊目にしてのこのアイデアによるやりとりは○。
コワルスキじゃないけど微笑ましいわ〜♪
それがラスト、コワルスキの命を救う事になるっていう持っていき方がまた想定内とはいえうまかった。

脇役の皆さんも相変わらず。
すっかり奥さん中心に世界がまわっていて益々危ない人になっているジョン社長とか・・・前回、おいしい場面をもっていったなぁと感心していたが、実はその裏で奥さんに牛耳られていた事が今回判明(笑)。
「うちの」「うちの嫁さん」等、口癖が刑事コロンボのようだよ社長ってば(爆)。
そして、今回も大活躍の奥さんスザンヌ・・・こっちも旦那に毒されておかしいキャリアウーマンに(笑)。
そんなに武器に詳しくなってもビジネスには役立たないのに、っていう日常なのが伺えますな(爆)。
しかもおめでた・・・は、早っ!
社長のストーカー度が上がる事請け合いなので、是非続き読みたいですなぁ(笑)。
クレアと病院にて入院中のバドは今回ちょい出演・・・もっともバドはコワルスキに無理やり刑事バッジをレンタルさせられる羽目に(^^ゞ
今まではカメオ出演のみだったジャッコが本格的に今回登場。
もう、毎回かっとんだファッション描写で楽しませてくれるんだけど、仕事がデキる男なのよねー。ほう。
いやー。しかしそんなハードロックやヘビメタをこよなく愛する強面ジャッコをも陥落させるアレグラって・・・もしかしなくても、最強ヒロインなのか?(^^ゞ
SWATのラリーさんとか気になるキャラも出てきたし、早く4冊目を書いてほしいもんだわ作者には是非。
まぁ、それまでのお楽しみ、とばかりに今度は彼女の別の作品が日本上陸するようで、こっちにも期待〜♪

次回作品はこちら
http://cool-book-new.seesaa.net/article/70562667.html

いやはや、お気に入り作家となりそうな予感だわ・・・1冊目の時はそんな風に思わなかったのに(^^ゞ
やはり木こり効果と反抗期くん様様なんでしょーかね(爆)
ISBN:4797345047 文庫 森嶋 マリ ソフトバンククリエイティブ 2007/11/15 ¥893

シンディ・ジェラードのボディガード・シリーズ1冊目、読了〜。
翻訳前から、原書読みのお友達から話だけは聞いていて、シルエット・ディザイア時代から彼女の作品を読んでいるので楽しみにしていました。
もっとも、彼女の作品全てが良い、というワケではなく、中には恐ろしくつまんない作品もあったから(おいおい。RITA賞作家つかまえてそれかい。笑)、慎重にはなったのも事実なんですが(^^ゞ

父親が築いた警備会社『EDEN』(子供たちの名前の頭文字をとったらこれ、ってその粋さがグッド!)の経営を引き継いだギャレッド家の子供たち、そしてその警備会社にまつわる人物を描いたシリーズ、という事で、1冊目の主役はギャレッド家の末息子のノーラン。

空挺レンジャー部隊を率いていたノーランは、ある事件をきっかけに心に深い傷を負って軍隊を辞め、愛する家族からも一線をひいて日々酒に溺れ、自分の殻に閉じこもり、精神的に生きる屍となっているところから始まります。
ここで彼が軍隊を退く最終的なきっかけとなった事件なんですが・・・これの書き方が、フラッシュバックやらモノローグを織り交ぜて描こうとはしているものの、何とも中途半端な印象が否めないチラ出しで、ちょっとかみ合わせが悪い感じもしたり。
あんなに悲惨な出来事なのに、ノーランのひきこもりの原因なのに・・・と、思ったりして「もっと行数、いやページ数をここに割くべきではなかったのか?」と、じれったい気も。
まぁ、それはいいや。
ノーランの己の下半身との折り合い場面の数々でウケてた分でチャラか(笑)。
しかし、いいなぁ。料理の出来るイケメンで兄姉にいぢめられる末っ子(笑)。

そんなノーランが、EDENにきた仕事、アメリカきっての大実業家の娘でTVキャスターであるジリアンのボディガードを務めることになるのだが。
美しくセレブで、しかもキャリアウーマンのジリアンに対し「どうせ甘やかされたお嬢様だろ」とばかりに接するのだが、このヒロインとなるジリアン・・・これが、まぁ、根性のすわった、いい意味で勝気なお嬢様だった、と。
よくあるパターンとはいえど、デキるボディガードと、守られる美しい依頼人という設定に並行し、末っ子気質満々の傷ついた大柄な元軍人ヒーローを、小柄で肝っ玉なお嬢様ヒロインが包んじゃう、というのは嫌いじゃないわ〜。
しかもさっさとエッチ場面に至り(笑)、本業忘れ、事件を忘れてつがいのミンクとなるのが当たり前(爆)な昨今のロマサスにはない、ノーランが自分の任務の為に、あえて気持ちを封印しようとするその言動、後半もかなりたってからのラブシーンまでの道程の長さ(寸止めの多さ。笑)、そして心理描写の数々。
「ああ、ロマサスってこうよね〜。単純に守り、守られるってところから心理的やりとりが生まれて、少し筒づつ感情が動くの。身体が先、下半身が先、とかじゃないのよね〜」とか、ちょっと初心に戻らされた気分(笑)。

死体とかバンバン出てこないし、最新鋭の武器とかない。
妙でうっかり(笑)な犯罪組織もなく、主人公達のいる組織もよく考えたら現役時代に優秀だった元公務員(軍人と諜報機関)達の、天下りや癒着に全く関係ない、こじんまり家族経営デューダ(死語。爆)先なだけ(笑)。
陸軍グリーンベレー止まりでSEALじゃないのね、とか麻痺している読者もいたりしますが(ここに。笑)、いやー、つつましいってステキというか、粋というか(笑)。

でも、サスペンス部分に関しては・・・ふ。ミスリードの張り方は余り上手じゃないわね、この作家・・・とか非情なコメントを述べることのさんであった(笑)。
だって、意味深にヒロインの親友の過去の虐待エピソードをもってきたけど、あれは一体どこへ向かうのだ?(^^;
単に引っ掛けのつもりで出したにしても、あれはないだろーに・・・ヒロインがあれを知って、その後どうなった(どう対応したか)、とかいう事も書くつもりがなさそうなのがありありと分かる不発弾だわ、あれ(^^;
真犯人といい、真犯人に利用された記憶喪失の男といい、どうもサスペンス部分に用いた箇所が尽く消化不良で(笑)。
そういう部分では、まぁ、ぬるいロマサスという評価の仕方もあるか(笑)。

ただ、キャラクターの書き方はやっぱりうまい。
財産家であるジリアンの家族に関しての、あの居心地悪さもうまいといえばうまい(笑)。
そして、何よりもノーランの一家、ギャレット家だろうねぇ。
ノーランの兄イーサン、ダラス、そして双子の姉のイヴ・・・これからの主人公達はおいしい書かれ方をしていたわ〜(^^)
そしてノーランの元部下にて元気な軍人くん「プローボーイ」ことジェイソンくん・・・ああ、あの子はことのニーズの予感がするわぁ(萌)。
ちなみに彼は4冊目の主役〜♪
そうなの。少々ぬるかろうが、キャラクターががっつりパワーあったり、カラーがしっかりしてたり、キャラ萌えさせてくれるシリーズというのは得てして読み続けられるものです(笑)。
ええ、勝手なもんです。
特に、きゅんきゅんな一行や大ウケ一芸ネタ(ちーんっ)で本が蔵書入りを果たすことのさんならではの理屈です(爆)

そんなこんなで、これからコンスタントに続々とシリーズ残りが翻訳される事が確定しているこのシリーズ、今後読み続けるのが楽しみ♪
次回は姐御なイヴだ〜い♪
ISBN:4789732002 文庫 松井 里弥 ヴィレッジブックス 2007/11 ¥861

好評短編集第三弾、読了〜。
しかし、何か巻数重ねるにつれてエキサイトしているっちゅーか、エロ度が増しているというか・・・(^^ゞ

・・・正直、一本目のドナ・カウフマンは退いたかも(笑)。
いや、これロマンス本だよね?(^^ゞみたいな。
この一本が、エロティカとロマンスの危うい境界線を物語っていると思ったりしたのだが、いかに。
主役二人がロマンスでも、周囲や設定もその一環だという事ですかね。
で、また主役二人がそんなに魅力的なキャラに思えなかったのも凡打となった理由だな(^^ゞ

そういう意味で、毎度お馴染みのシャノン・マッケナもなぁ・・・このパターン、もう飽きた、とかちと思った(笑)。
フィラデルフィアから一目見て惹かれたヒロイン追っかけ、バイクでヴァージニア州をぶっ飛ばし、ケンタッキー州に入り・・・って、一途を通り越してそれ、単なるストーカーでは?!(^^;と思ったことのさんはロマンス読者失格なんだろうか(笑)。
エロ度合いも、まぁ、いつもの通り・・・短編だと凝縮されているから綻びは少ないかもしれないが、及第点といったところか。

で、今回のイチ押しは、二本目のナンシー・ウォレンのお話。
亡くなった大叔母の遺産を継いだ、彼女のトイプードルを相続してしまったヒーローの珍道中なのだが、これが小物から設定、あらゆる細かいところまでがウィットに富んでいて、読んでいる間中ずっとクスクス笑って楽しかったの〜♪
フランス語しか理解しないトイプードルのミミ(♀)のお嬢様っぷりが何とも傑作でかわいく、英語しか話せないヒーローのヴィンスが藁をもすがる思いでナンパしたのが、通りすがりのフランス人子守りのヒロイン・ソフィなのだが、超美人なのにちょっとのほほんとしているくせ、そしてウィットに富んでいて頓珍漢なヴィンスの頼みをきいちゃうんだな〜。
フランス人っていうより、単に自分の胸がきゅーん!!としちゃった、というのがナンパ理由としては大きいんだが、彼の場合(笑)。
口では文句を言いつつ、ミミのちっちゃい体を大きなイケメンのヴィンスが毛玉よろしく抱っこしたり、ストールのように肩に担いでるところは本当にソフィじゃないけど萌えるわ〜。うっとりきゅ〜ん♪
また、大金を相続したばかりに命を狙われる羽目となったミミ(とソフィ)を守るべく参上した野良犬ドーベルマン(♂)がまたいい味なんだよね。
思わずディズニーの『わんわん物語』を彷彿させるお嬢様と野良犬のやりとりできゅんきゅんよ〜♪
元シェフだったソフィが作る料理(トイプードル用レシピの人間アレンジ版。爆)をせっせこ食べるヴィンスだが、料理好きにあの大食くんはまたツボでソフィもメロメロ〜。
もうイチャイチャな二人に、頓珍漢ながら愛くるしい二匹が絡んでほっこりキュートな一本でした(^^)
この一本だけで、この本の元は取った!!と、ことのさんは思う次第。
元々ナンシー・ウォレンって好きなんだけど、これは当たりだったわ〜。是非今後も彼女の短編を希望するぞ♪

< 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 >