昨年のRITA賞作品、クレスリー・コールの初翻訳にて一連のパラノーマル・シリーズ1冊目、読了~♪
・・・といっても、だいぶ前に読んで暗記しそうな勢いで再読しまくっていたので今頃になってます(爆)。

えーっと、書店であらすじ等読んでもらって内容は確認してもらえれば(どんだけぇ~。笑)。
人狼(ライキー)の王様ラクレインと、運命の伴侶にて吸血鬼(ヴァンパイア)と戦乙女(ヴァルキリー)の混血の娘エマとの、ラブラブラブラブラブ垂れ流しなあれやこれや(爆)。

いや、ことのさんの寸止めスキーはもう皆さんご存知だから詳しくは今更言いませんが、何と言うか、物語の半分以上をお預け寸止め喰らいまくりの王様にもう笑い死にもらい泣きしそうでしたがな!
しかも何度も言いますが、大型ワンコ属性偏愛なワタクシには、このライキー(♂)の設定はたまらんスマッシュ!!
いや~、萌えツボをこれでもかこれでもかと攻められて、読んでて笑いが止まらないとはこの事か(^^ゞ

パラノーマルって、いかに独自の世界感を確立するかにもよるけど、このコールの構築した世界の、何ともいえないゆるさ、ライトさが実にフィットしている様に感じました。
生真面目すぎて、孤高すぎて息苦しい独自感よりは、何というか、この作品の場合は「隣の家の庭に実は・・・」ぐらいな敷居の低さが逆にいい効果を出しているかと。
おかしいよなぁ、あのスケールのデカイ設定なのに、何だ、このフレンドリーな感じは、という気持ちも(笑)。

で、ヴァルキリーの皆さんを見ていて、何か、その美少女戦士ものを彷彿させてくれるんですよ。プリキュアとかセーラームーンとか!(笑)
茶目っ気があって、おしゃれ番長で、買い物女王で、ガールズトーク炸裂でってところは、ノーラ・ロバーツ作品でお馴染み「パジャマ・パーティー」のようでクスクス(^^)
また、ことのさんはオニイチャン的萌え視点(爆)ですぐヒロインやら女性キャラを見るんだけど、こんなに萌え属性てんこ盛りだと目移りしちゃうわ(笑)。
ツンデレ、解凍系、姉属性、不思議ちゃんなどいっぱい~っ♪♪
それぞれにかわいくってグッジョブよ!
かわいげなくって、萌え無きヒロインは絶対ベクトル向かないから、このヴァルキリーのお姉さん達はカム!なのである(笑)。

しかし、これからまだまだ先があるんだが・・・読めるのかしら?(^^ゞ
あとがきに2冊目の事が全然触れてなかったから心配だわ・・・早くどんどん読みたいのになぁ。
犬ころ弟(笑)のその後とか気になるのになぁ・・・ふーむ。
今年、てんこもり翻訳されたパラノーマルの中ではぶっちぎりトップ、という事で(^^)
ハーレクイン・テンプテーションが休刊となり、続いて独立したブレイズもあっけなく玉砕、その二つの受け皿として創刊された(茶話会の時にそう編集さんに面と向かって言ったら慌てて否定されたが、作品及び作家ラインナップという事実は嘘をつかないってば)アフロディーテも休刊。
何だか自分で作ったものを自分でぶっ壊すというハカイダー趣味(しかしSではないと思う。これだけ自虐的に売上げ倍増や読者から背を向けるあれやこれやのご乱行はむしろドMとみた。爆)なHQさんが、今度はディザィアにテンプ及びブレイズ作品や作家を吸収。
「+(ディザィア・プラス)」なんだと・・・思わず新書館の『ディア・プラス』というイケてる腐女子向け雑誌のパクリか?!とツッコミ三千回な安易なネーミングに「絶対これもさっさとなくなりそう」と思う今日この頃(爆)。

・・・前置き長くてすんません(^^;
でもこの前置きの長さこそが、この本の感想を端的に表しているかと(^^;;

そう。
ブレイズと何が違うのか分からない山なしオチなし意味なしエッチ本に限りなく近かった(爆)

魔法の香水瓶をめぐる、3人の作家によるオムニバス短編集なんだが、見事1本目は抹殺されて残り2本のみが何事もなかったかの如く1冊にされていた(笑)。
当たり前のように、カーニー作品にもリート作品にもケイトリン(ケイト)の名前が出てくるもんだから・・・読者でなくとも聞きたくなる。
「アンタ、誰?」(爆)

そんなこんなで、本編よりも、この本が出るに至った経緯とか、出版背景、作品チョイスの妙さとかの方がよほどミステリーで面白いとも思えるその皮肉さがビバ?!(爆)

何で買ったのかというと、それは、まぁ・・・スーザン・カーニー作品にローガン・キンケイドが登場するという、その一点のみのあからさまな客引き その2に引っかかった故なのですが・・・。

・・・。
もういい。ブレイズレーベルで書くと、カーニー作品は五割増し駄作度アップという事を念頭に置く事を忘れていた私が馬鹿だったのよ・・・。
ああ、イントリーグ時代のシェイ・グループ・シリーズの何と面白かった事か(遠い目)。
ローガン・キンケイドの話を書く気がないのか、近年はハーレクインに書いていないカーニーですが、ある意味それを書くと何割かの読者が別れを切り出す、って分かっているから出し惜しみしてんのかしら?(^^ゞ

・・・さっさと書いてくれたら縁が切れるのに(爆) > 本音500%

リートの作品は、キャラクターや設定はいいんだが、いかんせん話が迷走していて「何が『降伏』なんだろーか・・・そんな降伏を強いられるような大きな出来事が何処にありました?(^^;;」と首を傾げてたらエンドマークでした、みたいな(爆)
アメシスト・エイムスの別名義、キャサリン・オルレッドの中篇二本収録の新刊、読了~。
エロエロエッサイムながらに、何というかかわいいアホだった前作(褒めている。笑)と比べると、中篇のボリュームが表すように、この本は・・・何だかハーレクイン社のカテゴリーロマンスを読んでいるような気分になったかも。
しかも、かつて熱中していた頃の良作豊作時代、つまりは古き良き時代のね(笑)。

二本目の作品に関しては、そのヒーローの元妻にこっぴどい目に遭わされたが故の阿呆具合とか、謝り足りないっぷりとか「これはディザィアか?(笑)」とか何とか(笑)。
結婚に持ち込めばそれでいいんかコイツ、とかさ(爆)。
まぁ、ヒロインの芸術暴走な逆襲(?)っぷりは大ウケしたけど(爆)。
そして、アレだよ。ほら。
こんなのありえない、ってぐらいヒロインにとって都合の良い、女にとってはドリームなマメ男の男前アテ馬くんの存在よ(笑)。
断然アタクシ、ヒーローのチェースよりもドミニク派ですわ!(萌)

でもって一本目だが・・・うっうっう。
なんておしんヒーローものなんでしょーか・・・本当に、あんなヒロインにその価値が、そこまで耐え難きを耐え、偲び難きを偲ぶまでの価値があるんかっ?!と聞きたくなるぐらいの、その尽くし具合が、もー、何とも哀れで・・・ヨヨヨ(もらい泣き)。
初恋の彼女の元に、バッドボーイズ故郷に帰る、ものかと思ったら、フタをあけたら夢見るおしんクンなんだもん・・・驚いた(^^ゞ
大金持ちになって、彼女の為に若き日の夢の家を買って~、毎日夢を見るの~、子犬の横には~あな~た~~っっ、ってなぐらいの勢いで!(涙)
・・・古典だよ、古典。
古典ロマンスじゃんよー、ってな。
読んでいて恥ずかしくなるぐらいのロマンス王道に、何故か殺人未遂事件が絡んでくるが、安易なミスリードっぷりが作者のサスペンスどーでもいい表明と見た(爆)。
まぁ、ヒロイン叔父も謝り足りないというか、お前が諸悪の根源なんだよー、みたいなところもどうでもいいのか?ともツッコミしたくなったが(^^ゞ

余談だが、今回も前作同様の林啓恵さんの翻訳だが、読んでいて最初の50ページぐらいで「ここの林さん訳だけで、この本を定価買いした価値はあった(笑)」と思った、ことのニーズな部分が(笑)。

酔っ払ったヒロインがヒーローからの電話に出た場面。

「もひもひ」(爆)

これだから、林さん翻訳作品というのは止められません(笑)
ジュリア・クインのブリジャートン家シリーズ4冊目、読了~。
さすがにここまでくると上手いのが分かる、全ての伏線をきれいにまとめた1冊と思いました。

今回の主役は、放浪癖のあるブリジャートン家三男コリンと、1冊目からお馴染みブリジャートン家のご近所さんフェザリントン家内唯一の常識人の三女ペネロペ。
ペネロペは初めて出会った時からコリンに恋していたが、コリンの方は妹エロイーズの友人程度にしか認識がない。
母親には既に結婚話も諦められて、親友エロイーズと供にオールドミス生活も板についたペネロペの、無垢なくせして何というか漢(おとこ)な態度(爆)と比べると、何だかヒーローのコリンが、足踏みする癖に象徴されるように、いい意味でも悪い意味でも子供の域を脱し切れていないのがこの作品では見てとれた(笑)。
まぁ、このシリーズ、既刊4冊見ていてもヒロインのが肝っ玉なのは今更、なんだが(^^ゞ
ヒーローが全員放蕩者のくせしてネガティヴでナイーヴ極めているもんなぁ・・・。

で、そんな二人が、杖という名の鞭を振り振りちぃぱっぱ、あ。いや。社交界を斬っているレディ・ダンベリーが持ち出したBetに巻き込まれる羽目に。
その内容が「レディ・ホイッスルダウンの正体を明かした者に千ポンドをあげます」というもんなのだが・・・そうか。そうくるか。
でも後半戦の、とってつけたように悪役(彼女も既刊でお馴染み、ステレオタイプの改心なきイライザ。笑)がこの話を動かしたのには、ちと「???」となったわ・・・もう少し、主人公達のあの嫉妬や不安、信頼や何やの葛藤を反映したものになると期待していたのに・・・ブリジャートン家にかかるとおとぎ話のようなオチになるのはある程度は想像ついたんだが、あの力技同然の丸め込み具合はちと物足りないかも。
特に、正体を知った後の、ホイッスルダウン氏の親友の反応が何も書かれていないのも手伝っているし。
それは、その「親友」が主人公になった時に書かれている、と信じていいのかしら。

そんな点を除けば、食いしん坊コリンの「やりなおしロマンス」はとっても初々しくて可愛いんですけどね(笑)。
いやー、本当におろおろ具合と微妙なKYっぷりがクスッと笑えて(笑)。
対するペネロペも、たまに毒吐きな丁々発止具合がビバ♪
あとは個人的に、コリンのスコットランド旅行日記の部分は笑った・・・お貴族様にベンネヴィス越え?!(笑)
てか、アンガス爺ちゃんのスコッツお勧めルート・・・何故にそんな過酷なルートを?!(笑)
思わず「何故にスカイ島からカイル・オブ・ロハルシュでなくウラプール、しかもそこからインヴァネス・・・そんな寂れた南下ルートより、カイル・オブ・ロハルシュからインヴァネスへの東向きルートにすればいいのに。ドナン城も見れるし」とかツッコミした(笑)。
ウラプールに移動するなら、少なくともスカイ島の北部ウィグまで行って船・・・だよね。スカイ島の中心ポートリーからウラプールなんて移動、無駄すぎるもん。
いや、東向き移動はあの時代でも出来ますよ。だって、某赤毛じいさんの実家、その中間あたりだから(爆)。
何かジュリア・クイン本人のスコットランド旅行のルートを参考にしているようですが、だとしたらトマス・クック推薦の大絶景ルートを見事スルーしたって事?(^^ゞ
うーむ。勿体無い!! > 既に論点が読書感想内容からズレている(爆)

そんなこんなで、途中からよく分からないまま変な方向に勝手に盛り上がってはいたが(爆)、割に淡々と読めた1冊。
ブリジャートン家の大人数のあれやこれやも、もう慣れたし(笑)、脇役でいるうちはおしゃまで済ませられるヒヤシンスのトップギア具合も楽しいし(ヒロインになって、あの口八丁の上に騒動に首つっこみ体質だと「勘弁してくれ」になる場合がたまにある。爆)。
話としても面白く、ロマンスとしても○なんだけど、やっぱりホイッスルダウン騒動がちょっと話の大半を占めてしまって、もう少しロマンス箇所の緩急の「緩」の部分が味わいたかった分、物足りないと思ったのかしら。
あと、コリン側の悶え具合とかももちっと読みたかったかも。
ていうワケで「想定内の良作」という感想になった(^^ゞ

次はブリジャートン家シリーズ第二期開始、といったところか。
Eのエロイーズの話。
今回の彼女の不審な行動(?)の数々が伏線となっているようなので、これも読むのを楽しみにしています。

+追記+
驚き~。
今月はジュリア・クイン作品はランダムハウスさんからも出るけど、ランダムさん、クインの最新ものであるウィンダム公爵家シリーズも版権取られたのね。
あれ、まだ既刊2冊しかなかったんでなかった?(^^ゞ
ソフィ・ジョーダンの初翻訳本、読了~。
何と言うか、派手でもなく地味でもないキャラクター達が若干居心地悪い場所に座らされてあれやこれやとなる話?(笑)

結婚してからずっと別居していた夫が死亡、伯爵の地位を長年行方知れずだった夫の異母弟ニックが相続する事になり、行く宛てのない未亡人メレディスが、家族や使用人を守る為、偽の妊娠をでっちあげて、というんだが。

まず、メレディスのその行き当たりばったり具合が何とも言い難い(^^;
イケ好かない叔母の言うがまま、ホイホイのせられて妊娠でっちあげ、だがいかんせん彼女がかわいくないんだ、これが(笑)。
初夜の席で夫に放置され、気難しいまま年月を重ねた哀れな女性とはいえ、その言い草の微妙な勘違い具合がちょっと鼻についた(笑)。
それに「家族や使用人を守る為」とか言ってるが、彼女とその守るべき相手達との印象深きコミュニケーション場面は本編ではとんとお目にかかれず(笑)、主張の旗頭としては弱すぎると思うんデスガ(^^;
だから、ぶっちゃけ「子供欲しいから、こうなりゃ血のつながりなくても!その子を利用してここで安穏にここで今後暮らせたら二倍ラッキー!!」と、これぐらいあからさまに己の本音を言われてもきっと読者は驚かなかったと思うわ(笑)。
ニックへの愛に気付いても、結局、彼が彼女をれっきとした貴族と結婚させるべし、と思っているから虫唾が走るようなマザコン男のプロポーズに心の中で速攻ツッコミしつつも承諾したり、何故に彼女はこんなに受動的なんだろうか・・・と首を傾げたり(^^;;
そのくせして、後先考えずに行動してはニックの逆鱗に触れているし・・・「世間知らず」と本文で匂わせているが、何だかなぁ。
彼女の科白で「そんなに頭の弱い女じゃないわ」的なところがありましたが、それにこそことのさんツッコミだよ。
「いや、十分弱いし!!」と(爆)。
そうなのだ。非常に頑なで、しかも言動が伴わない。
ことのさんが苦手とするヒロインタイプだったりするんだ、これが。

で、相手のニックだが・・・父親に捨てられ、母親の転落した末路を教訓に育った賭博所オーナーで愛を否定するアウトロー・・・という割には、ちとイイ人(笑)。
しかし、どうもこの彼、そんな美味しい設定のくせして・・・薄い。キャラが薄い!(爆)
メレディスにメロメロなのを否定し、ジタバタ悶絶するんだが・・・キャラが薄いせいかインパクトが弱い(笑)。
独占欲の塊だし、ワイルドで、ヒロインの嘘をあげつらって責めるところでロマンス読みとしては「これは鬼畜系か?!」と期待させておいて、かなり肩透かしなぐらいせっせこメレディスやその周辺の面倒みているし、困ったときには参上しているし(笑)。
・・・いかん。スコットランドへの駆け落ち場面とか、ホットなラブシーンとかめぼしい場面は多々あれど、印象が弱い(^^ゞ

でもって、脇役はどうかというと、お前、何様?!と言わずにはいられんイケてないヒロイン叔母からはじまり、キモいマザコン男+デブの母親とか、スマートな言動を取れないイケてない死んだ旦那の彼氏とか、ニックが無理やりメレディスの後見人にした鬼婆公爵夫人とか、頭足りない失笑モノの賭博ジャンキーのその孫とか・・・もう勘弁して、っていうのばかり(~_~;
ニックの共同経営者マックは可もなく不可もなし、メレディスの父ちゃんは病気の為に選外扱い(笑)。
かろうじて、次回翻訳作品ヒロインである公爵家令嬢ポーシャが及第点キャラってところかしら・・・(^^;;
でも及第点レベルのヒロインで購入意欲が湧くのか、と聞かれたら「No」なんだが(^^ゞ

そんなこんなで、可もないが不可もない・・・というか、再読する気力はありません、な凡打作品というのが、この作品に対することのさんの評価だ(笑)。
ラストのあれやこれやのよろめきメロドラマ具合も、そんなに心を動かされるって程もないままスルーしたのがその証拠か(^^ゞ
ジェニファー・セント・ジャイルズのキルダレン・シリーズ2冊目、読了~♪
1冊目で挫折しなくって良かった(笑)。

そう、あの1冊目のモヤモヤ感は、この2巻のヒーローである双子兄アレクサンダー(アレックス)によって200%以上リカバリ完了、みたいな?!(爆)
お話はまぁ、現在発売中なので本屋店頭で確認しといて下さい > おいっ!

で、前作で微妙な前ふり的に、ちょっと気になるアレックスの元に、双子弟ショーンの妻キャシーの妹アンドロメダ(アンドリー)が、就職がてらやってくる。
妊娠し、それによって「ドラゴンの呪い」の再現を心配し続ける姉を助ける為、呪いを解くべく。
考古学者の親の手伝いをしていて、腕利き目利き有能なアンドリーががらくたお化け屋敷同然の「ドラゴンの入り江」にやってきたのに戸惑うアレックス・・・そうなのだ。
この二人、お互いラブラブ~に萌え萌え~っと非常に分かりやすい(笑)。
しかし、弟に大怪我をさせてしまった負い目の為に爵位を自分から弟に渡すべく結婚はしないと決意しているアレックス、己の特殊能力(読心能力)の為にこちらも独身宣言をしているアンドリーだから話は悶々モードに・・・まぁ、頭のいい二人だから我慢が進化してかなりの妄想族なんだが(爆)。

・・・いや。
前作のショーンの陰気で淫靡な天文学者ところと反面、海の男アレックスは体を動かしては精神鍛錬、みたいなアクティヴ修行僧といったところが非常にイイ!
つうか、いいぞ!
常に真っ裸で日光浴が当たり前!全身こんがり、ツートンカラー日焼けじゃありませーん、みたいな・・・ただし、その日光浴中に逮捕されるのはどうかと思うんだが(爆)。
子爵様がまっぱで逮捕て(爆)。
かわいいアンドリーを誘惑するにしても、ゴーゴー!いけいけゴーゴー!!とばかりに猪突猛進もいいトコで限度はありません・・・つうか、絶倫すぎ(笑)。
アヤシイ大人の置物の数だけ全部にチャレーンジ!!とか、彼の「元気なロジャー君」(爆)についてのあれやこれやは爆笑ネタ満載でして(爆)。
まぁ、あの時代に300個もコン○ームを大人買い、いやセレブ買いして街の店をデッドストックに追い込む馬鹿者だから仕方ない?!(爆)
・・・てか、あやうく死にかけて目が覚めない彼の脈をはかるより、むっくり復活した「元気なロジャー君」に向かって挨拶するアンドリーもどうかと思うんだが。似た者カップルもいいとこ(爆)。
弟との確執も、何と古典少年マンガよろしく「思いっきり喧嘩して、意気投合して肩を寄せ合って笑って仲直り」という・・・見ていてこっ恥ずかしいオチまで用意してあったりした。すげー(あらゆる意味で。笑)。

そんなこんなで、前作を読んでいないと「呪い」についても、周囲のキャラクターの確執についても、伏線にしても全く分からない不親切な1冊(笑)。
だが、1冊目を乗り越えて続きのこの巻にたどり着いた人だけがこの痛快なエセ修行僧船長ヒーローのあれやこれやを細かく楽しめる、と煽っておこう(爆)。
モヤモヤしたところが大半すっきりはしたんだが、いかんせんつまりは「ドラゴンの呪い」って単なる偶然と思い込みの重なりだったのか?!とかいうところは、何ーんとなく肩透かしのような気が(^^ゞ
ま、でもいっか。とっても面白かったし、アレックスは最高だし > つまりはそこだ(爆)。

という事です。
ヒーローのみで、この1冊を堪能しました(核爆)。

で、このシリーズはまだ続く。
三姉妹の末っ子ジェミナイの「能力」についての言及があった今回。
そしてしっかり伏線あり、何となくヒーロー候補が最後にちゃっかり登場していたりする。
引き続き翻訳は決まっているようなので、それは楽しみに待ちますわ~。
アレックスのその後のあれやこれやを知りたいし(笑)
来月の新刊発売予定が出たから、ざーっと見てみた。
一応、買うつもりかな、というラインはここらへんかな。

宙出版 オーロラブックス
理想の妻のたくらみは エリザベス・ボイル
危険な恋はプリンスと ドナ・コーフマン

ヴィレッジブックス villagebooks
RAKE´S VOW(上下)(仮) ステファニー・ローレンス
PROMISE HIM ANYTHING(仮) カーラ・キャシディ

ランダムハウス講談社 ランダムハウス講談社ロマンス文庫
戦士と魔術師の娘 キャサリン・コールター
氷のプリンセスに口づけを スーザン・ブロックマン

ソフトバンククリエイティブ ソフトバンク文庫NV
誘惑のキス ジュリー・アン・ロング

竹書房 ラズベリーブックス
危険なプリンスと恋に落ちる方法 ジュリア・ロンドン

ハーレクイン社 ハーレクイン文庫
舞踏室の微熱 デボラ・シモンズ

ハーレクイン社 MIRA文庫
伯爵とシンデレラ キャンディス・キャンプ

原書房 ライムブックス
せつない夜にささやいて リサ・クレイパス

二見書房 二見ミステリ文庫
ストーミー・ヴォウズ(原題) アイリス・ジョハンセン
ナイト・シャドウ(原題) キャサリン・コールター
ホワイト・ライズ(原題) ジェイン・アン・クレンツ

扶桑社 扶桑社ロマンス
ハー・オフィサー&ジェントルマン(仮) カレン・ホーキンス
マイ・オンリー・ラブ(仮) シェリル・ホルト

ぶんか社 フローラブックス
ターコイズブルーの海の誘惑 ジェイミー・アーデン


あ。ジェイミー・アーデンって、前作、あのとんでもないスカだった醜悪レシピ女の本書いた人?!
ちと待った!これは保留、ほーりゅーっ!!(笑)
CCの2冊も落ち待ち・・・いや。落ちも落ち、来年以降に100円棚送りになって覚えていた拾おう程度か(爆)。
カーラ・キャシディはお友達の推薦作家だが、今のところL時代にそんなに記憶に残る作品がないので巷の評価待ち、だな。
ジュリア・ロンドンは・・・あ!謎の「ミスター・パーシー」の巻か!!(爆)
それは買わないと(笑)。
それを言うなら、ホーキンスは黒尽くめ伊達男追い剥ぎヒーロー参上!とぅっ!!だな(笑)。
勿論、あの執事さんとの丁々発止を楽しみに買いまっせ♪

来月の一番楽しみはローレンス、二番目はクレンツだな。
でもクレンツ、どーすんだろ・・・あれクイック名義の作品とリンクしているんだけど。しかもスピンオフシリーズなんだけど(^^;;
そのうちまた聞いてみよう??

+余談+
そんなこんなで来月も地道に読書。
ここで某恒例企画の快打(?)が出るのか・・・既にもうかなりストックあるんだが(ちーんっ)。
そんなこんなで毎度お馴染みのやつ。

http://cool-book-new.seesaa.net/article/108254307.html

空白は、まぁ、そのうち埋める、かも。
時間次第、気分次第ってことで(^^ゞ
ジャッキー・ダレサンドロの翻訳2冊目にして、メイフェア・シリーズ1冊目読了~♪
相変わらずユーモアとリリカル具合が絶妙でとても楽しんで読めました。

「ロンドン婦人読書会」の4人のメンバーが各ヒロインとなるこのシリーズ、1冊目のこの巻は、まぁ、お披露目の巻という印象も強いかな。
この巻だけで、残り3冊のうち2冊のカップルが何となく分かるかな~、みたいな(笑)。
でも、前作も思ったがそのクセのなさが逆に爽やかな感じを持ちもするんですが。

今回の主人公は、医者の娘でウインゲート子爵未亡人キャロリンの妹サラ。
何だかとんがったオールドミスを想像しそうな設定なのに、何と言うか・・・漢字の「漢」と書く「オトコ」な気前の持ち主で(爆)。
ほら、ロマンスヒロインだからそこはお約束によろめいてはいるが(笑)、それ以上に根性が目立つ(笑笑)。
でもって笑えるぐらいに・・・有能なんだわ、このサラが。
頭の回転が速いだけでも「ヨシっ!」なのに、料理も出来るし園芸にも造詣があって植物に関しては玄人はだし、絵画の才能もあって、老人子供動物にモテモテの博愛精神に飛んだオトコマエ(笑)。
そのうえボケもツッコミもOK(爆)。
こういう性根の座った主人公だと、話そのものが生ぬるかったりお約束だったりしても芯がブレないからスカにはならないのよね。

てか、その相手のラングストン公爵マシューが・・・それを補った(??)ヘタレくんなのでイーブンか!(爆)
どうなんじゃ。花粉症(薔薇花粉限定)ヒーローって!(笑)
ほっかむりして穴掘りしに来る場面は、笑っていいのか泣いていいのか・・・イケメン形無しっす(^^ゞ
頭の回転も絶対サラのが早そうだわ・・・少年時代の転覆エピソードにしても(笑)。
読めば読むほどに「この男の嫁になるには、もしかして金よりも大型ワンコ好きが第一条件じゃないのか?(^^;」と思うほどに・・・ワンコのダンフォースとはいいコンビだし(笑)。
サラがボケとツッコミ両方OKなら、このマシューはボケ専って気がします(^^ゞ
ワンコにすっかり手玉にとられている様は、ディズニーの『101匹わんちゃん』の飼い主ロジャーとポンゴの関係を彷彿させますな・・・多分、ダンフォースくん的には「飼い主様、ヘタレだしここはボクがしっかりしなきゃね(^^ゞ」ってカンジでしょうか(笑)。
あのサラのスケッチ咥えて、ご主人様を引き連れての彼女の部屋への疾走劇には爆笑拍手喝采だったわぁ・・・ステキ(^▽^)/ ステキだわ!!ダンフォース!! > 犬です。犬ですよ、ダンフォースは(爆)
しかし、読んでいて、マシューのサラをウォッチング描写の様は・・・何と言うか・・・眼鏡っ子萌えの正統派理論の爆裂というか・・・ふ、ふはは。ははは。
思わずウケた(爆)。

多分、ヒーローの美味しい部分の半分は、お気に入りの相手の靴の上にお座りするイカした大型ワンコに持っていかれたと推測される今作品(爆)。
そんなキャラの愛らしさも手伝って、笑いのペーソスがうまい状態で話全体を覆っています。「理想の男性」であるフランクリン作成のネタといい、クスッと笑う事が多いのもあるし、本当に読んでいてクスクス笑いっぱなし。
シリアスにならざるを得ない場面があるにも関わらず、読後感はラストと同じでおとぎ話の如し。
それを「是」と取るか、「非」と取るかによって、続きを読むかどうかが決まるな。このシリーズは。
ホットを通り越してエロ全盛期なこのご時勢だからこそ、ラブシーンはホットなのに全体をリリカルに感じるこんな話が好ましい、とはことのさんは思うんだが。

次回分はサラの姉キャロリンのお話~。
翻訳も決まっているようなので、のんびり待つとします(^^)
今回、一番気になったローガン・ジャンセンはラスト4巻目の主人公なんだよね~・・・先は長い(^^ゞゞ
ヴィクトリア・アレクサンダーの初翻訳にてエフィントン家シリーズ1冊目、読了~♪
ああ、もう最高に笑った笑った!!
こんなに笑ったヒストリカルって、今まであったかしら?ってぐらいずーっと笑ってたわ(笑)。

物語は、ロンドン社交界きっての花婿候補であるトレント伯爵マックスが、社交界きってのじゃじゃ馬令嬢パンドラを花嫁に、と目論んだところから始まったのだが・・・ひーっひっひっひ!
もう、最初からトップギア状態の彼と彼女の丁々発止具合に笑わずにはいられない!
パンドラがマックスに出した条件の「ヘラクレスの十二の難業」からして、もう傑作だったらしょうがない(^^ゞ
あの古典難業を、己の機転と独自の解釈で次々とクリアしてゆくマックスもすごいが、その解釈についてくるパンドラもこれまたすごい。
二人のその頭の回転の早さからくるボケとツッコミといい、お互い己に自信があるが故の会話の妙といい、次から次へと起こる騒動がびっくり箱のようで楽しいの何のって♪

そもそも、結婚にがっつかなくていい資産を持っているからとはいえ、このパンドラのアネキ具合というか、漢(おとこ)っぷりは、多分、読者を選ぶと思う。
万民向けというには余りに頭が良すぎてエキセントリックすぎて。
しかし、一皮剥いたら、本当に好きになった相手には素直になれずに不安だらけな中、冷たい態度とったり・・・キターッ!(゚∀゚)
モエキターッ!!(゚∀゚)
ツンデレーッ!! > びったんびったんジタバタ(爆)

そして、相手のマックス・・・ああ、どうしましょ。
ことのさんのツボ直撃過ぎて、これまたキターッ!(゚∀゚)
テラモエ!!ギガントモエっす!!
だから頭の回転が速い、しかも稚気に富んだヒーローに弱いんだってば!(^^ゞ
何か、ところどころ飄々としているところもたまらんスマッシュ炸裂だわ・・・イケメンな伯爵様が家畜小屋の掃除したり(笑)。
ラストのラストまで、その物語の手綱を手放さないDeki男っぷりに惚れたわ・・・(萌)。

脇役もクセ者ばかりで、これがまた傑作だったら(笑)。
マックスの親友ローリーの振り回されっぷりといい、パンドラの親友シンシアの次々と明らかになる洗脳具合というか本性モロばれっぷりというか・・・あの壷を挟んでのマックスとの三文芝居には爆笑せずにはいられませんな(爆)。
この二人のサイドストーリーは、まぁオマケ程度なんだが、それでもクスッと笑わずにはいられない部分もあって○。
パンドラの両親もあの娘にして、この親、ってぐらいにかなり頓珍漢で変だが、エフィントン一族みーんな配線が変!(爆)
しかも老若男女全て頭の回転が速い茶目っ気さん、というあたり・・・末期だ・・・キタ・・・キタ・・・キターッ!!

・・・何か、踊らされそうだわ、かなり(今の時点で踊っているのに。笑)。
こんな楽しいシリーズもの、久々。
壮大な設定もなく、アホと言われたらそれまでのような空騒ぎっぷり、それでいてキャラクターが皆して個性的でお話がきちんと成り立っている。
いっぱい詰め込んだのに、決してそれがマイナスにならずにとっても楽しんで最初から最後まで読めた~♪♪ってのは大きいのよね。

既に次回翻訳も決定していて、2冊目はエフィントン家総家の公爵家の娘にて未亡人のジリアンが主人公。
今回ちょこっと出演ながら、既にエフィントン家メンバーらしく(?)、妙なテンポの美女な片鱗が(爆)。
楽しみっす!
来年秋なんて長すぎます・・・え?原書読めって事?!(爆)
クリステイーナ・ドットのガヴァネス・プライドシリーズ3冊目、読了~♪
学院創設者3人のロマンス最終話はハナが主人公。
そのハナの手によって、学院が売却されるところからこの巻は始まりますが・・・そうきたか!

いや、過去持ちなのは3人の共通項だが、これはラストのハナにもってくるに相応しい爆弾でしたな。
逃亡中の人妻とは(笑)。
彼女が、10年前以来会っていない夫と再会したところから話が動くのだが・・・読めば読む程にこの旦那、レイバーン伯爵ドゥガルド・・・ヤバくね?(笑)
12歳のハナを未来の妻にと庇護する様は、何というか『源氏物語』の源氏と若紫のようで、つまりはロ○コンか!(ミもフタもない。爆)
18歳でうまく言いくるめて結婚したはいいが、しっかり家出されてしまうんだが、それに至るまでの言動が素晴らしいまでの痛快お馬鹿くんで(褒めている。爆)。
つーか、要するにそのドゥガルドが典型的蜘蛛ヒーローでうだうだうだうだ自分を置き去りにしたハナに対して復讐だ何だといたぶり大作戦を展開する・・・んだが、どうも若干のヘタレさを感じずにはいられない(^^ゞ
いや、それよりもメロメロ自覚が全くなくって、空回りも多少?!(笑)
全然復讐どころか、メロメロドッキュ~ンに、我慢も出来ずにふらふらと夜な夜な彼女のところにお通いしていて駄目だコリャ(^^ゞ
年の離れた幼妻が、すっかり自立した女性になっててどうも勝手が違うのも手伝って、若干頓珍漢な言動が(笑)。
・・・そんなところが、放っておけないというか、オッサンなんだが母性本能直撃というか(爆)。

・・・だって、蜘蛛ドゥガルドに呼び寄せられて罠にはめられた筈のハナの方が、何と言うか余裕というか落ち着きを感じてしまいます(^^ゞ
謎の襲撃犯に対峙した後の反応とか特に。
旦那の年上の貫禄はいずこ?!(爆)

クリスティーナ・ドットの作品って、キャラクターアンサンブルの抜群さは感じてたけど、今回も秀逸でした。
犯人に隠された過去とか、一捻りしてあって、やっぱり上手かったわ~。
ドゥガルドがハナを雇う(妻なので無給確定でおびき寄せるエサだったのだが)理由となったスプリング伯母さんとその仲間たちが良い味が出てました~♪
そして、こんな方をレギュラー脇役にしてしまっているとんでもないシリーズなんだが、ヴィクトリア女王様・・・相変わらずイカす!(笑)
前作2冊の主人公たちも登場していて、大団円に相応しいフィナーレでした。
ハナの身内に関しては、あくまでスパイスいうスタンツで受け止めていたのかしら作者自身は。
あの祖父母との体面は淡々と静かに書かれていてそんなイメージ。
彼女の出自に関するトラウマがハナの出奔の根底の一因にあった事を考えると、まだもう少し書き込んでもよかったかな、とも思ったんだけど。

3冊全部を通して、ロマンスとしてもフィクションとしてもかなり楽しませてもらえたシリーズでしたな(^^)
さて、売却された学院の後の姿とその関連人物たちのロマンス、翻訳されるのかしら・・・読めれば嬉しいんだけど。
ノーラ・ロバーツの新シリーズ「ガーデン・トリロジー」1冊目、読了~。
久々にノーラらしいノーラ作品が読めた、というカンジがしました。

何度も何度も言うように、ことのさん、ノーラ作品にある一部のキーワードが関わってくると見事なまでの地雷作品になってしまうんですよね(^^;
それは何かというと「国を取り返す」だ「人類を守る」だ「魔法」だとかいう、壮大なファンタジーにお約束な設定のあれやこれや(^^;;
だから何度も言うが、アナタの作品にそれを求めてないのよホント・・・とか思うんだよね(爆)。
なまじ作家として優等生なゆえに、八方美人な話の展開になるから、どうも納得いかない上に自ら設定破綻を招いている。トホホである。

そういう意味では、この本、新刊帯に「ロマンティック・サスペンス」とあるが、これも大概出版社サイドの勇み足な嘘八百で、正統派ノーラ作品の系譜らしく、ロマンスと家族の絆と友情にあふれた、どこにサスペンスがあるのか首を傾げるいい出来の1冊なのだ(だから言っておきます。巷にあるロマサス期待してこの本は買わないで下さい。失笑)。
あ、ハーパー家の屋敷に出没する幽霊の謎をつきとめるのがサスペンスとかいうのはナシですから(笑)。
あれは、サスペンスでなく3冊目のヒロインの設定まで繋がるキーの一つであって全然ことのさんはそうは思ってないですから!(笑)

全てにおいて、もうテンプレキャラ!な愛に溢れたノーラらしい作品というべきこのガーデン・トリロジー・・・読めば読む程に既刊ノーラ全て読んでる読者としては「ウッシッシ」と笑いが止まりませんね(笑)。
1冊目のヒロインであるステラは、若くして夫を亡くし二人の息子を育てる未亡人。お約束に几帳面で神経質で仕事ガッツンガッツンやっちゃって、それでいてパワフルな美人。
お相手のローガンも、これまたそのテのヒロインにノーラがかなりの高い確率でガチにぶち当ててくる、茶目っ気に溢れたワイルドな自由人で芸術家気質なイケメン(萌)。
アメコミにまで造詣深い、茶目っ気満点な料理も出来るマメ男・・・だからノーラというのは、ステラのようなキャリアレディを甘やかして笑わせて、そして「さぁっ。また頑張って仕事すっか!!」という英気を養わせてくれる甘甘くんをどーだ!とばかりに確信犯に配置してくるんだよね。分かっていつつも、毎回やられる(^^ゞ
ローガンの新生児に対するコメントにバカうけしてしまったアメコミ好きーなことのさんでありました・・・(^^;;

脇役も手堅く、そして御自分の手持ちテンプレを最大限に活用なさったという印象がありました。
いやー、きたぞきたぞ!女の子のパジャマ・パーティ的なノリ(笑)
今回は、40代のロズ、30代のステラ、20代のヘイリーという3人なのでゼネレーション・ギャップがある筈なのに・・・ノー・プロブレム!(爆)
オシャレとか、グルメとか、メンズの話とか、もう本当に何でこんなに読んでる方も一緒にクスクスきゃいきゃいとなっちゃうんだろーなぁ・・・(笑)。
で、勿論その対極のお約束もありましたよー♪
男の子はいくつになっても男の子(笑)。
ステラの息子二人(6歳、8歳)に対し、どう見てもレベルが同じなヒーローのローガン、同じくロズの息子のハーパー・・・アメコミが名前の元ネタのワンコ(♂)まで追加されてキターッ!(爆)
・・・え?
40~50歳(推定)の学者ミッチェルも、その系列・・・ぷっ。これだからノーラってば(笑)。
やっぱり実生活で男の子二人を育てたノーラらしく、ステラの息子二人の描写はクスクスくるものばかりでした(笑)。

1冊目で全てのキャラと伏線をテーブルにのせてしまった感じではあるが、それすら余裕の成せる技。
だって既にこの時点で、次はロズとミッチェル、ラストはヘイリーとハーパーと分かってしまっているのだから。
そこまで持ってゆく過程で、直球ロマンス、その他もろもろをキレイに書き上げてしまうんだろうな、ノーラのあの筆力なら。
サブロマンスでは書いたでしょうが、今回メインで40代ヒロイン作品を書いたというだけで、2冊目が楽しみで仕方ないですね。

・・・てか、もうバレバレ?(^^;
青田買い上等!のことのさんが、ハーパーくん偏愛!!なところは(笑)。
だって、口数少ない植物オタクだなんて・・・モエキターッ!(笑)
いや。若くはないが、まだ息子ポジションでお母さんにはかなわないところとか・・・イケてるかと(笑)。

そんなこんなで、話はとってもど真ん中ノーラ作品!というので、かなり気に入ったこのトリロジー。
次回が早くも11月に上陸という事で楽しみなんですが・・・あえて気になったところといえば。
翻訳、ですかね。
読んでてステラの台詞が、どうもまとまりがなくて複数のキャラクター色が読み取れるというか・・・混乱しますね(^^;
他にもどう読んでも「日本語的におかしい」部分もあったり、改行が何か目を見張るぐらい読書リズムをぶった斬りするぎこちなさとか。
まぁ、それをも越えた「久々のノーラ節満喫」というのがあったから、いっか(^^ゞ
買う予定としては、ここらへんかな。

宙出版 オーロラブックス
買い取られた伯爵 ベティーナ・クラハン
ハイランダーと魔法の乙女 ジェン・ホリング

ランダムハウス講談社 ランダムハウス講談社ロマンス文庫
ミランダの秘密の日記 ジュリア・クイン

集英社 集英社文庫
堕ちた刃(上下) サンドラ・ブラウン

ソフトバンククリエイティブ ソフトバンク文庫NV
風の彼方へ ジェイシー・バートン

竹書房 ラズベリーブックス
ずっとずっと好きだった キャサリン・オルレッド
恋心だけ秘密にして ジュリア・クイン

ハーレクイン社 MIRA文庫
仮面舞踏会はあさき夢 ブレンダ・ジョイス
心に愛がともる場所 デビー・マッコーマー

原書房 ライムブックス
ためらいの誓いを公爵と キャロライン・リンデン
凍える夜に抱かれて リサ・ジャクソン

扶桑社 扶桑社ロマンス
カリブに燃える愛(仮) コニー・メイスン
ブラック・ローズ(仮) ノーラ・ロバーツ

二見書房 二見ミステリ文庫
シャドウ・ハート(原題) ローラ・キンセイル
サティスファクション・ギャランティード(原題) ルーシー・モンロー

ぶんか社 フローラブックス
月影のメロディを胸に アン・グレイシー

ヴィレッジブックス villagebooks
イヴ&ローク19 報いのときは、はかなく J・D・ロブ
キス・キス・キス(6)(仮) ドナ・カウフマンほか
クリスマスアンソロジー(仮) ローリ ・フォスター


多分、コニー・メイスンは設定次第(笑)。
あらすじはどーせ同じようなもんだから、そこは一発芸設定だな、期待ポイントは・・・今までロクな設定本はなかったんだが(爆)。
あとリサ・ジャクソンもイマイチばかり続いているので、保留候補。
それを言うなら、キャロライン・リンデンは1冊目が凡作だったので、これも考慮要。

ガチなのはvillageの3冊と二見の2冊。
モンローは新シリーズだが、しっかりホットワイヤーやニトロも出る、とモンローのブログか何かで読んだので楽しみ(^^)
キンセイルは他の作品も是非翻訳してほしいから、販促兼ねて(笑)。
しかし、ジュリア・クインが今度はランダムハウスから出るが、どうもここは落ち穂拾い出版状態という印象が拭えないわ・・・(ぼそ)。
余り評判よろしくなかったと思うんだけど、発売当時の北米での。
ラズベリーの方は順当にブリジャートンか。
次は「C」・・・コリンか。それは買いだな。相手が相手だし(あれだけ伏線張られているんだから。笑)。

で、ずらーっと並んだ新刊予定見て、来月の一番の楽しみはIn Death新刊だと今、気付きました(笑)。
シリーズものは飽きると仰る方もおられるでしょうが、ノーラのストーリーテラーっぷりはそんなものを超越しているんだよな、ホント。
結局、全て新刊で買って読んでるもの。ノーラ作品って。
博打もいいが、手堅い作品も読みたいんだよね。
扶桑社は実際、ノーラとデリンスキーはその「手堅い」方なんだろうな。
(ところで、イヴァノヴィッチのFullシリーズ続編の予定はない、と扶桑公式に書かれていましたが、マジ? 放置プレイなら、1冊だけなんて出さない方が良かったんでは・・・とか恨み節だわ。ファンとしては。せめてあと2冊翻訳してくれたら一応一段落ついたのに。涙)

+余談+
いつものやつはこちら。

http://cool-book-new.seesaa.net/article/107181288.html

一部、推定(笑)。
だから初稿は鵜呑みにするのは勘弁願います(^^;;
空白はそのうち埋める、かもしれない。
ロリさんはやはり、いわゆるBravaチョイス残りというヤツか。
キャシー・ラヴの恋するヴァンパイア・シリーズ三巻、読了~♪
とっても楽しい1冊でした♪
この変化球だらけのシリーズ内で、一番のポジティヴ・キャラクターでプレイボーイの三男セバスチャンが主役の1冊なんだが・・・やられた。
そうくるか。
直球ど真ん中のロマンス王道路線できましたわ(^^ゞ

超自然生物(ヴァンパイアなどの人間以外の生物)による人間を守る為の怪しい地下組織に所属するウィルヘルミナが、危険ヴァンパイアと組織に指定されたセバスチャンに対し妨害工作すべく、彼のナイトクラブに潜入するところから始まるのだが・・・。
いやー。笑いが止まらない!
あの洒落者セバスチャンのナイトクラブにウエイトレスとして潜入しているのに、ウィルヘルミナ(ミーナ)のその外見!
世間ズレしていないピュアちゃん!ツインテールに眼鏡の地味っ娘!!しかもドジ!!! > びったんびったん
キタ!モエキタ!!な、萌えど真ん中を誘うその設定にウッシッシでございますわ(笑)。
いいねー。
あの百戦錬磨のプレイボーイで、恋に落ちた兄貴二人をせせら笑っていたセバスチャンが、そんなミーナに対し保護心から保護欲、そのまま独占欲となって陥落してゆくその様がもう、たまらんね!
素晴らしく古典的じゃないですかー(二人してヴァンパイアだって以外は。笑)。

何かね、前作2冊でもマメだと思ってたけど、本当にセバスチャンのマメ男っぷりが炸裂しているんですよー。
かわいくてかわいくて仕方ねーぞコノヤロー、って全身で表しているのに、それを認めようとしない悪あがき具合も、非常に放蕩者の末路という感じで○(笑)。
頭の回転が速いくせして、お約束に誤解しちゃってヒロインに暴言吐くあたりも(笑)。
今まで2冊が人間ヒロインだったけど、ある意味、ジェインとジョリーのが育った環境の極みから居直り具合といい飄々としていたな(^^;
ヴァンパイアのミーナのが、何故かひよっこ度合いが高かった(笑)。
もっとも、そんなひよっこなところがセバスチャンにはズッキューンドキューン!!な感じで胸を射抜く要素なのは明らかですが(^^ゞ
・・・キミ、高○屋くんだったのね、とか。しみじみ(笑)。

謎の多かったミーナがヴァンパイアになったくだり、そして何故ヴァンパイアとして「不自然」なまま現在に至ったのかなど、とにかく巧妙に書いてあって唸ったわ。上手いったら!
突拍子も無い元々の設定ゆえ、何でもアリな筈なのに、決して無理なく自然に書き納めているのがすごいんだよね。
そっかー。インキュバスか、と納得しまくったわ > 赤い目のところをセバスチャンが納得するが如く(笑)。

今までセバスチャンにからかわれまくっていた兄ちゃん二人のウヒヒ具合とか、相変わらずラブラブマイペースな会計士義姉とか、今までのメンツもお元気に楽しませてもらった上に、あのラスト!
・・・やられたね。ホント(笑)。
サイコーだわ、あのゆるさ加減炸裂な感動の再会シーン! > 褒めている(爆)
早く読みたいね~。本当のシリーズ最終話!(爆)
ロレッタ・チェイスの新刊、読了~♪
いや、予想以上の面白さに読み終えるのが勿体なかった(笑)。

ストーリーは、アホ極めたる弟バーティ(こんなに痛快な天然アホキャラは見た事ない。別の意味で感動したわ。爆)が悪名高きデイン侯爵の元で放蕩の限りを尽くして身を持ち崩しているとの報を受けた、准男爵令嬢にてバーティの姉ジェシカがパリに乗り込んでいくというものでして。
そこからはボーイ・ミーツ・ガールもの・・・と思いきや、チェイスに限ってそんな普通の展開はなかった(笑)。
もう、ここからはあれやこれやといい意味で予想を裏切る設定と展開で息つく暇もない(笑)。

男勝りの知的美女ジェシカと、自分の醜い容姿にコンプレックスを持つデイン侯爵セバスチャン・・・これがまたどちらもロマンス小説史上屈指の名キャラ!
弟と従弟たちに囲まれて育ったジェシカ、何と言うか、竹を割ったが如くの清々しいまでの姐御っぷりなのだ!
姐御系キャラに滅法弱いことのさん、もうこのジェシカにメロメロよ!
弁が立って、腕も立って、しかもシャレがきく茶目っ気に溢れている。そして何よりも、あの全てを包み込んでしまう懐の大きな母性のかたまりっぷりは素晴らしい。
悪名高い行状の裏側で、今だ愛を求めて彷徨っているセバスチャンをどーんっ!と受け止めて子供をあやすように噛んで含めて調教しつつ(笑)愛してゆく様は、目からウロコだわ。
セバスチャン本人も言うように、自分以上にセバスチャンを理解し、信用している筋の通り方がまたかっこいい(ポッ)。
セバスチャンの庶子ドミニクに対する思いやりや言動は、まるで救われない幼少時代のセバスチャンの魂を洗うが如くで、奥深い。
・・・もはやアネキを通り越してアニキってカンジもするのが、最後の悪党(♂)をボッコボコにする場面だが(爆)。

対するデイン侯爵セバスチャンだが・・・どうしよう。
こんなヘタレで乙女系でナイーヴななツボキャラ、久々だわ(照)。
世間の評判の暴走を増長するが如くの言動と外見、の割に非常にヘタレでキタ!キタコレ!!
でも「醜い外見」っていうのは、物は言い様だよね。
つまりは、余りにアングロサクソンなイングランド貴族社会の中で、生粋のイタリア貴族の血を受け継いだ造詣のセバスチャンが「異質」だっただけで。
イングランド人の中では大きすぎて不恰好に目立ってしまう外見なだけで。
そんなコンプレックスにがんじがらめになって、親の愛情も知らずに、己の手で這い蹲って生きてきた彼を、何ともふんわりとジェシカが包み込むんだよね。
で、呪いを解くかごとくのたまう。
「メディチ家の御曹司の再来のような顔」「ローマの神のような肉体」など、とにかくマシンガンのようにとうとうとまくしたてる(^^ゞ
セバスチャン本人は、きっと彼女は頭の配線が変なんだ、とか言ってて何ちゅーか、ボケとツッコミというか(笑)。
恋は盲目とはよく言ったもんだが、この勢いは京極堂の憑き物落としに匹敵する威力なのは、物語を読んでもらえば明らかで。
大きな体の中に、捨てられた子供のままの悲しい傷ついた心を持っている彼が、不器用にジェシカとの絆を深めていく様が・・・感動的に書かれているのかと思ったら、これがまたクックッと笑いが洩れずにはいられないユーモアが絡めてあって、その按配は抜群!

てか、ここまで長々とセバスチャンの事を書いたが、要するに、ことのニーズなところはこれに尽きた。
シャレもわかる頭の回転が速いくせしてビミョーにヘタレな大型ワンコ属性(爆)

ああ、何か感動的なあらゆる場面が、この一行で台無し(笑)。

変にカマトトぶったヒステリックなインテリ女でない妙齢ヒロインなど足元にも及ばない痛快ヒロインと、その彼女が何度もハグしたくてたまらない衝動に駆られたセンシティヴで不器用なヒーローの一風変わったロマンスでした。
この厚みで、こんなに全てをまとめてしまえるその筆力、キャラクターの配置の妙さ、ロマンスと人間描写の按配、文句なし。
読者に対し、一部万民向けではない設定(セバスチャンの庶子に対する扱い他)など何のその。一発芸も多々あって拍手喝采なのだ。
ことのさん的に、全てにおいてパーフェクトの1冊。
姐御、ついて行きやす!(爆)

+余談+
どうしても、読んでいるとセバスチャンの従者の名前が引っかかるんですが・・・「フェルプス」(爆)。
キャスリン・カスキーのデビュー作にて日本初上陸作品、読了。
「フェザートン・シスターズ・シリーズ」の1冊目に当たるこの1冊、ここで評価を下すにはちと難しい1冊かもしれないな。
いや、ことのさんは好きなんですよ。かなり地味で(笑)。

お話は父親と兄の作った借金の山と共に爵位を受け継いだスコットランド貴族マグナスと、イタリアに渡り画家を目指すべく結婚なんて考えてもいない令嬢エリザのピュアピュア~な感じのロマンス。
ここで読み手にとってキーとなるのが、そんなに持参金もないが夢は大きいエリザと、借金は大きいがあくまで活路を見出そうとするマグナスに絡む、彼らの身内か。
タイトルの元となった、エリザの双子の大おば二人の頓珍漢なところは、まぁ、それが設定の基準となるからいいとして。
駄洒落のような指南本のネタは、一発芸好きのことのさんにはかなりツボだし(笑)。
そんな二人に毎日コキ使われる執事のエドガーさんもいい味だし。
ただねぇ、もう・・・エリザの妹グレースが私には駄目だったわ(^^;
結婚したい気合い満々なのは分かるんだが、とにかくがっつき過ぎているように見えてしまってねぇ・・・エリザがマグナスに対して真摯な姿勢で気持ちを持っている描写がいい分、余計に、ぶっちゃけ浅はかにすら思えたり(^^;;
家族の為、家名の為とあれだけとうとうとまくしたてておいて、ニキビが顔に出たらいやーっ!!どうすんのよーっ!!こんな状態じゃ目をつけている結婚相手候補に何て思われるか!姉さんのせいよーっっ、と言わんばかり。
いや、言ってるよ。どんだけぇ~?!
のっけから羽毛アレルギーでクシャミと鼻水に苦しむ姉に向かって「姉さんがあんなとこでクシャミしたから恥かいた。これで私の結婚レースは困難に」とばかりにヨヨヨとよろめいたり・・・疲れた。
この妹の部分だけカットしてくれ。マジ(爆)。
レジナルドくんには恨みはないが、キミとグレースのあれやこれやはどっかヨソでやってくれ、とか思ったよ(爆)。

で、そんなこんなは置いて(笑)、とにかくマグナスとエリザは良いのよ。
最初の出会いからフォーリンラヴ状態、お互い、好きで好きでたまらないのに、借金と夢に挟まれて・・・。
エリザが夢の切符として大事に持っていた今までの作品全てを売ってこっそりマグナスの借金の足しに、と行動するところはベタで古典だけど、ちょっとホロリとしたわ。
またマグナスがラブラブくんで、借金の為に身動き出来ず、資産狙いの為に爵位のない資産家の令嬢とてっとり早く結婚すりゃいいのに、最後の最後までエリザと一緒になりたくって悪あがきするんだよね。
エリザに最後通牒突きつけられても、でも駄目なもんは駄目!エリザ以外は愛せない!!みたいな、その心根のピュアさにきゅんきゅんだわ!
何が何でも一族と領地を守る、子孫の為に、みたいではなく、自分の事は二の次三の次で心配なのは、一族に尽くしてくれた領民達の今後、と言い、全て売り払って彼らの生活を確保しようと奮闘する様も、そこらのフォーチュン・ハンターとは雲泥の差。好青年もいいとこだ。
貧乏ヒーローのマグナスが、スカイ島のちんまいコテージと母親の指輪、エリザからもらった二枚の絵以外全て売っぱらって、最後のなけなしのお金で買ったのがエリザとの特別結婚許可書というんだから拍手である。
全てにおいて何とも純情一直線なスコッツ青年で、これはもうキタ!キタコレ!!
これでマグナスが晴れ姿にキルト姿を公開してくれていたらとどめだったが、キルト解禁までは設定としてまだ8年ばかり早かったわ。残念!
(作品中に摂政皇太子が出てくるが、彼が後に即位しジョージ4世としてスコットランドを公式訪問した際に式典でキルト姿を公開するまでは一般的には、まだキルトはカローデンの戦い以降のハイランド清掃方針の一環として着用は禁止されていたから←いらんマメ知識。笑)

正直、最後のマグナスが起死回生を願って投資した船が難破せずに帰還したというのでなく逆でもよかったかも(笑)。
全てを売り払い、二人してド貧乏にスカイ島のコテージでラブラブに暮らしながら、マグナスの母方の稼業である製塩業を細々と営んでもらってても良かったんだけど(笑)。
何かそっちのが萌え度は高かったと思うわ(爆)。

そんなこんなで、主人公二人のロマンスに集中するには、余りに周囲が煩いが(ちーんっ)、それを掻い潜ってでも読んで良かった純情一直線な1冊でした(笑)。
原書だとマグナスは訛り全開なんだろうねぇ(うっとり)。
マリーン・ラブレースのオメガ・シリーズ新刊、読了~♪
もうっ、もうこれだからラブレースのシリーズ作品ってば、やめられないっ!

今回は、もうそろそろヒーローになるだろうな、と思ってたカッター・スミスこと「スラッシュ」。
過去に女にひどい目にあわされて、心と体に傷を負ったエージェントのお相手となるのが、政治家である上司のセクハラを訴えるも、腐ったネアンデルタールじじいの権力の前に負けに追いやられ、国内でマスコミに大叩きされてしまった政治家元スタッフののマロリー。
男なんてコンチキショー!!と、嫌なオーラを払拭し、マスコミから逃れるのも兼ねてフランス旅行へとGo!Go!!
・・・しかし、このマロリーの渡航荷物から、連邦財産であるROMが発見された事から毎度お馴染みオメガの皆さんが暗躍する事例となった次第(^^;

読んでいて、とにかくこのマロリーの災難体質っぷりに笑いが止まらないというか(^^;
搭乗しようとした飛行機は何故か遅れるし(裏で遅らせたのはオメガだけど。笑)、フランスに着いてドライブしたら、収穫時期の田舎ラッシュに巻き込まれ、挙句はモン・サン・ミッシェルの満潮でレンタカー水没(爆)。
いやー、これじゃ任務でなくてもカッターは声かけてしまうよ(^^;
哀れすぎて(^^;;
でも、おバカってワケじゃないのよね。
かなり頭の回転早くって、1本しゃんとしたスジが通っていて、それでいて気風がいい(ラブレースの書くヒロインに多いタイプ)。
カッターの言動の綻びをとっさに逃さずに、彼がエージェントだと見抜くあたり拍手・・・そこにたどりつくまでの軽妙な語り口調も傑作なんだけど(笑)。
何だかカッターのが、何だかんだでイニシアチブ取られているようなカンジすらするんだよね・・・あのフランスの空港でのクライマックスといい(笑)。
いや、本当にね。
女の買い物荷物は立派な凶器よって事で(爆)。
そんな凶器(爆)を持参しての、アメリカへの凱旋帰国はもう、オメガ節炸裂だね~。
ケラケラ笑ってしまう事ばかり(笑)。
そんな中に放り込まれても動じず、オメガ局長にたてつき黙らせてしまうあたり、本当に姐御よね今回のこのマロリー(^^ゞ

シリーズもののお楽しみとして、今回はとうとう今までのオメガ世代と次世代移行の秘密兵器が登場し、サブロマンスを展開!
出ましたぜ!アダムとマギーの娘ジリアン!!
さすが、あの二人の娘・・・既にオメガ・メンバーに違和感なく溶け込んでおります(^^ゞ
つか、現役エージェントの「ホークアイ」ことマイク、すっかり手玉に取られとります(笑)。年上の貫禄なんてあったもんじゃない(爆)。
これからの展開が楽しみでなりませんな~(^^)
リッジウェイ家は相変わらずドタバタしていますが、例の二匹の近況も判明(笑)。
ハンガリーの牧羊犬ラジーウェルはさすがに天寿を全うして子孫にバトンタッチ・・・あの災難製造機なDNAだけをしっかり残して(爆)。
てか、まだアナタは現役なのねテレンス・・・すごいわ。いろんな意味で(爆)。
そんなリッジウェイ家の長女の名付け親である「ニックおじさん」こと局長は、今回はかなり出番多くて満足でした♪
モン・サン・ミシェルに行く観光客がどれだけお間抜けさんが多いか、とかつての釣果(笑)を思い、にまにまするところなんぞ、宜しかったわ~(萌)。
蛇の道は、というか、泥棒の道は?(笑)
局長夫人は、今回もオタク全開でちゃっかり局長におねだりも忘れずに・・・凶器、いや。1000ドル以上する靴(笑)。

次のオメガ新刊翻訳予定は、えっと11月だっけ?
早く読みたいぞーっ!!
スーザン・カーニーの新刊、読了・・・よくぞ最後まで読んだよ、アタシってば!!みたいな(^^;;

正直、読み終わって開口一発こう言ってしまった。

何だ? つまりはローガン・キンケイドは客寄せパンダか?! コンチクショーッ!!

もうね、ローガン様がいなければ確実ーっに途中で投げたわ、この本。
ストーリー設定といい、キャラクター設定といいすごくいいのに、どうしてこんなスカになったのか聞きたいよマジってカンジ。

主人公は、未来からやってきたローガン・キンケイドの子孫ケイン(ケインからみるとローガンは曽曽祖父)と、コングリマットの女社長ファロン。
時間警察官ケインは、未来の世界から最新テクノロジーを駆使した数々の品物を強奪し過去の世界に逃亡した泥棒ナイジェルを追って21世紀に。
21世紀の無人のオフィスに飛んだ筈が、たまたま深夜まで仕事をしていたファロンと居合わせ、彼女を自分の「タイムバブル」の中に巻き込んでしまう。
任務が終わったら、再び未来の世界に戻る相手と分かりつつ、ファロンは自分の気持ちが抑えられなくなるのだが・・・。

というか、ここだけだとタイムスリップ・ロマンス王道!なのだが、いかんせん全てにおいて中途半端で何を書きたいのか分からないまま終わった。
ヒロインのファロンが、過去に知人が癌で亡くなったのをキッカケに化学の道に進み研究所を持ち、癌研究支援に日々励んでいるという設定から「癌の特効薬の利権とそれによって変わる未来から来た悪人って設定か?!」と思ったら・・・それについては何も関連ナシにファロンのところに飛んできたケインというから唖然。
単なる金ヅルとしてファロンを利用しているようにしか見えず、彼女の金を使うごとに「どうせ金はあっても君には意味ないんだろう?」と言っている。
恐ろしい居直り強盗っぷりだ。お前はヒモか?
そのあたり、もう読んでて「こんな子孫、いっそ抹殺しちゃっていいわよローガンっ!」とか思ったわ(ーー;
まぁ、そんなヒモヒーローに「割れ鍋に綴じ蓋」なばかりのヒロインであるファロンもファロンだが。
機能不全家族を養いつつ仕事に明け暮れる、というわりにどこを目指して仕事してるのか全く読みとれない。
癌撲滅に生活の全てを費やしているのか、と思ってたら全然でしたわ。ははは。
エッチがスゴイ男が現れたら、結局は仕事放棄状態だし(笑)。

いや、もう悪いところは全てにおいてだが、極めつけは何つーても、その無駄500%なB級AVビデオばりのSFを駆使したエロ場面だろうて。
仕事に来てる筈のヒーロー、どうも未来の素晴らしいテクノロジーのアダルト部門ばかりをチョイスしているとしか思えない(仕事しろよ)。
いや、あの自分のコピー二体を使ってのヒロインとの4P場面には、もはやこの本をよくぞ日本ハーレクイン社があえて未訳お蔵入りにしなかったという愚行に呆気に取られるのに忙しかった・・・。
もっと情緒ある素晴らしいロマンス作品を数々未訳状態にして沈没させておいて、何でこのつまんないエロ本を何で日本上陸させたワケーっっ?
リーディングしたのかーっ?!(ーー;;
ラストのハッピーエンドですら薄ら寒くて、もう勘弁、ってカンジ・・・あれだけ自分の仕事と立場を矢面に置き寸止めしといて、結局はラストは能弁とこじつけで掟を破って苦悩もなく職放棄して居直っているヒーローに、何ら感情はナシ。

・・頼むよ。
こんなスカ書く暇あるなら、さっさとシェイ・グループ・シリーズ本編書いてよ、スーザン・カーニー。
正直、この本、定価で買ってたら完全に暴れてたわよ私(マジ)。
とりあえず、子孫がいるという事は、ローガンには子供が出来るという事ね。
それのみを脳内メモに置いて、この本には目の前から消えてもらいます。
ええ、グッバイ!!
アマンダ・クイックの新刊、読了~♪
いや~、もう最高!
今までの翻訳されたクイック作品で一番のお気に入りとなりました(^▽^)

お話としては、クイックお得意の配線の頓珍漢なオタク道まっしぐらなお茶目ヒロインと、世間から孤立しているこれまた微妙に配線が悟りを開いている系のヒーローによるドタバタものなんだけど・・・ひーっひっひっひ。
もう、テンプレ具合の心地よさと、それを超越する極め具合がキタ!キタコレ!!

とにかく、クレンツというのはどの名義でも、この人ぐらいオタクキャラを書かせると、何ちゅーたらいいのか、活き活きとしているのですよ(笑)。
読んでいて「ある。あるある。これはある(爆)」と同じようなオタクとして頷くのに忙しいぐらいど真ん中なんです(笑)。
今回のヒロインであるハリエット、ちなみに属性としては「化石オタク」なんですが・・・彼女の脳内配線は、ヒーローであるギデオンが何度も指摘するようにこんなカンジかと。

化石 > > > 己が好意を持つ人間 > > > > > 巷での普通なこと(笑)

そんな彼女の大事な化石発掘のポイントである洞窟を、悪党どもが盗品売買の倉庫代わりにしている事が判明!
何てこと。私の(化石たちのいる)洞窟が!!(笑)と、彼女は不在領主であるセント・ジャスティン子爵ことギデオンに火急の用!とばかりに不幸の手紙を送り呼びつける。
「セント・ジャスティンの野獣」と呼ばれ、過去に婚約者を死に追いやったという汚名を着せられ、あえてその領地から遠ざかっていたギデオン、さっさと用件済ませてオサラバする筈がすっかりハリエットのペースに巻き込まれて、災難雨あられな日々(笑)。
というか、何度「私の領地」だと言っても、ハリエットは「私の(化石たちのいる)洞窟」と胸を張って答えている(^^;
この勢いに、すっかりやられているというか、つまりはメロメロになっちゃって困った困った状態(^^ゞ
困ったハリエットだが、同時に恐ろしく優秀なんだよね。
財産管理人の横領を疑ってたりやら、盗品密輸を発見したりやらと・・・ただ、変人な化石オタクなだけで(爆)。
そんな彼女の起こす騒動の尻拭いとフォローに明け暮れるギデオンのマメ男っぷりにモエ!ギガントモエ!! > びったんびったん

そんな騒動の中、彼女の名誉を汚したというお約束のパターンで結婚に雪崩れ込むのだが、ここがまた配線違いのハリエットの魅力全開でおかしいの何のって!
傍から見てたら、こんなにメロメロな旦那もいないってのがひとめで分かるのに、本人のみが気付かない(笑)。
やけっぱち気味に、化石に対してライバル意識満々なギデオンの頓珍漢な具合がまたおかしくって笑いが止まらないし~(^^;;
何だかデキる男なんだが、ハリエットにかかると少年のようにかわいくってたまらんスマッシュですな!(萌)

ハリエットと出会った事により、不器用ながらに過去と向かい合い、まるで人生やり直しをするかのように人を愛する事を知り、疎遠になっていた両親とも仲直りし、何故か奇妙な友達(最愛の妻を誘拐しちゃうような配線違いのオタク仲間だが。爆)も出来たり(笑)。
もう、ハリエットがギデオンを守るべく、彼の両親を呼び出す為に書いた不幸の手紙再び、のくだりは爆笑もんでした(笑)。
と、そんな孤独だったギデオンの日常が騒がしくなってゆく様を読むだけでも十分楽しめるのだが、キャラが頓珍漢なだけでロマンスとしてはすごい直球ど真ん中で二倍、いやもっと楽しめるのが嬉しい。
ホットなんだけど、そんな中にかなりの割合でお茶目な笑いのペーソスが占めていて、読んでいてクスッとなってしまうんだよね。

過去の出来事や、盗品密売事件とか、そしてハリエットの大事な化石たちについてを全てキレイに絡めてオチまで持っていって納めてしまうその筆力はクレンツ、さすが!!
ラストまで、クレンツ節が炸裂していた大満足の1冊。
余りに好みのツボ直撃なんで、何度も再読してしまいそうで怖いです(^^ゞ
サマンサ・ジェイムズのスターリング・トリロジー最終話、読了~♪
最後まで気持ちよく読ませてもらいました(^^)

今回の主役は、末っ子のジュリアンナ。
結婚式当日に花婿に捨てられ、スキャンダルの渦中の人となってしまった過去の為、男性を信じられず生涯独身を誓った女性であります。
既刊2冊でもうっすら分かっていたが、このスターリング兄妹、それぞれに財テク才能に恵まれ、特権貴族の身分ながら、母親が招いた醜聞という轍もあって石橋を叩いて渡る生活設計をしていたりする。
傾いた侯爵家の屋台骨を青二才な年齢で建て直し、更に発展させた長男セバスチャン。
放蕩者と名高いクセに、妙にビジネス勘に優れ色んな商売等で大金小金を稼いでいた次男ジャスティン。
そんな兄二人の例にもれず、侯爵令嬢ながら財テク才能に優れ、投資で儲けて一軒家や別荘と不動産投資も余念なし、「生涯独身」と言うなら実行すべき、と実家を離れて自立しているジュリアンナである。
いやー、こういうヒロイン、好きだわ。
口は一丁前なのに、いざとなったらべったり家族に頼っているキャラも多い中、いやはや。

で、そんなジュリアンナが、マーフィーの法則のように災難に見舞われた結果(笑)、巷を騒がす追い剥ぎ「カササギ」(漢字で書くと「鵲」という硬いものなのね)に遭遇。
怪我をしてしまい、カササギさんの看病を受ける羽目に。
そこは打たれ強いスターリング家DNAの成せる技、その後は返り討ちにあわせてカササギをピストルで撃って負傷させてしまう(^^;
まぁ、根がピュアで正直者なのでたとえ悪人でも怪我人を放置するワケにはいかないわ、と世話をする事に。
人里離れた山小屋で、気付けば男性不審は何のその、少しづつカササギとの絆を深めてゆくのだが・・・いやー。うまいね。
今までの2冊でそんなに書き込まれていなかったジュリアンナのあれやこれやが楽しめた部分だな、この山小屋のくだり。
あの高血圧まっしぐらな塩盛りスープのところはケラケラ笑ってしまったわ・・・そりゃあ、カササギことデインも自分の身体が大事だから料理指導もするってもんです(^^;
デインの飼い猫もいい味を出していて、何だかこのテの「人里離れた別世界もの」の定番展開とはいえほっこり。

しかし、どこまでお互いの正体を隠したまま、「カササギ」の裏事情を隠したまま展開するのかな~、と思ったら・・・あら。
お互いの気持ちに気付きはじめ、あえて山小屋からジュリアンナを帰して、適度に数日おいてあっさりそこを解決させてしまったわ(笑)。
ここらへんの按配がまたいいよね、この作家。
これ以上引っ張るつもりはないとばかりに、読者に、そしてジュリアンナにうまく事情を説明しちゃうもんだから納得するしかない。
ここからはカササギ誕生に隠された偽造通貨事件を解決しつつ、お二人さんはラブラブあっちっち垂れ流してね~、と言わんばかりの雰囲気すら(笑)。
もうね、本当にこの二人、お互いメロメロでこれぞロマンス!ってイチャつき具合で直球勝負もいいトコで(^^ゞ

しかし!
そこで拍子抜けしかけるかもしれないところを、まさか・・・まさかシリーズ1冊目の、あの全てのはじまりの事情まで解決すべくあっさり巻き込んでしまうとは!
正直、これは想像以上だった・・・だって駆け落ちしてその相手と死んだと思われていた3人の母親が生きていたなんて。
いや、そこは既に動かない設定としてあるもんだと決め込んでいた(^^;
甘かったわ、ホント。
でも、このシリーズの根底にある「スターリング兄妹の不変の絆」というものが、このどんでん返しをきっかけに最後に再確認されて、ちょっと泣きそうになってしまったわ。
セバスチャンの告白とか、ジャスティンの手紙の件とか。
思いやりとか、家族の絆とか、ちょっとこそばゆいぐらいに真正面から書かれていて、何というか、心表れるというか。
そして、あえてあの二度目の別れを選択したのも○。
全然違和感なく、かといって悪感情もない。
そうだな。全てを超越した、というか。

ラストの結婚式のドタバタ頓珍漢具合も何だか微笑ましく、3冊通しての共通した雰囲気のエピローグも心あったかくなりました。
主要キャラクター全てに愛着が持て、しかも素直にラストまで楽しく読ませてもらえたのは、読者としてはありがたく。
このトリロジーは終わったけど、是非ともまた他の作品も翻訳してほしいです。
エマ・ホリーの一年ぶりの新刊、読了~。
いやはや、その潔さに拍手、ってところかしらん(笑)。

前作『偽りの婚約者に口づけを』で登場した、前作ヒーローの婚約者的存在だった、好奇心旺盛な重症の馬マニア(笑)のお嬢さんメリーさんが今回の主役。
あのヘタレなエドワードくん(爆)がラストに言っていた「彼の財政状況は申し分ない」と言われている、友人である准男爵の息子との結婚をせっつかれる毎日。
しかし、根が頑固であると同時にロマンチストなメリーは、愛なき結婚に踏み出せずにいる。
そんな中、業を煮やした母親に、見せしめの為に年老いた侍女を解雇されたのをキッカケに反逆に出る。
ひょんな事から知り合った悪名高い天才画家のニコラスのヌードモデルになって名誉失墜、結婚市場からの完全脱落を目指す羽目に(笑)。
そんなこんなで、女中のフリをして身分を隠してニコラスの屋敷に寝泊りする事になったりするが・・・。

いやはや。
このテのエロエロ話はイタしてたらOKという暗黙の了解的なものを感じずにはいられんのだが、前作もなんだがエマ・ホリー作品というのはちょっとキャラクターの配線が妙なゆえに、クスクス笑いがどうも止まらない小気味よいものになっているんだよな。
馬の世話はお手の物だが、勿論、お屋敷のあれやこれやをやった事のないメリーが女中のフリなんてするもんだから、暖炉の火をつけるにも換気を知らずに窒息寸前になるというアホさとか(笑)。
清らかちゃんなメリー相手に、知らないとはいえ自分の特注のコン○ームの性能の良さを得得と語り、まるで理科の実験のようにイタした後の処置についてのお勉強をさせるニコラスも読めば読むほど滑稽で笑えるんだが(笑)。
てか、このニコラスの脳内妄想の大暴走具合がいやー。おかしいの何のって!
メリーの事を疑うより先に、妙に勝手に盛り上がって脳内ストーリーを頼まれもせんのに作り上げては、メリーの嘘を手助けしている。いいアシストっぷりだ(笑)。

二人のエロ場面が大半と言えばそれまでなんだが、これがメリー以上に自分の本当の姿を偽っているニコラス、という設定によって趣が違ってきている。
ろくでなしの父親を憎みながらも、そんな父親の悪魔の囁きに負けた己の弱さからくる過去に二転。
子供を、自分の息子に背を向けた親なのか、と思いきや三転。
たいした度肝を抜く設定ではないけど、決して悪くないと思いました。
いつまでたっても大人になれない放蕩者、という裏にある、家族から間違った圧力を掛けられた事とか、自分を形成する芸術への熱い思いを利用され、それに負けたが故に招いた悲劇、それでも絵を描かずにはいられないジレンマとか。
ヘタレなエドワードくんとは別の次元のジレンマだけど(笑)。

まぁ、メリーの嘘がバレた際は頭に血が上り、毒舌の末に彼女を追い出したというのは古典的だが・・・もっとも、年端もいかんクリスにズバッと説教されるあたりは十分ダメか(笑)。
屈折系イケメンくんかと思わせておいて、クライマックスではメリーの兄ちゃん達にボコられ鼻血、父ちゃんにもボコられ鼻血、と、かーなーりいいカンジでヘタレてて思わずきゃっきゃっ喜んでしまった(爆)。
それに比べると、清らかなボケキャラながら、メリーはかなりアニキな性格だわよな、うん。肝っ玉お嬢さんもいいとこ。

で、ここで最初の「潔さに拍手」となるのだ。
結局はこの話、己の過去の不倫の相手(メリーの婚約者同然の青年の父親である准男爵)から脅されたメリーの母親が、その脅迫内容(権力目当てミエミエの、相手の息子とメリーの結婚)に沿うべく、自分の娘の悪評を広めて求婚者達を淘汰、更に結婚強制と裏で暗躍していた、というもの。
この母親が、不倫相手よりもある意味更に俗物で最悪(不倫相手は、要するに息子可愛さに出世を手助けしてあげたくて暴走したフシがあるから)。
最後には圧力に耐えられず夫である公爵に自白するんだが、もう、そこでさえこのババア、ボコるぞ!!と毒づかずにはいられん最悪さ。
娘に謝るように夫に言い渡されて夫に自分が悪かったと謝ったのに、そこまでへりくだる必要があるのだろうか といぶかしんでいる。
謝って当然なのに、何をこの女、寝言ほざいてるんだーっ!!と、殴りたくなった読者はことのさんだけか?!
そんな母親に対して、このメリーが潔いのだ。
今まで頑張って母親を好きになろうとしてきたけど、やっぱり無理なものは無理だったんだ、と。
母親がやった事を知って、もうそんな努力もしなくていいからせいせいするし、俗物な母親が私のやった事と己がやった事とで社交界から爪弾きにされているのにいい気味とすら思う、と。

ここよ!
読者の大半がザマーミロ!と思っているのは間違いない。
そして、正直すぎてそれを全面肯定してくれる、このメリーの潔さが心地よかったのだ(笑)。
彼女は自分がされてきた不当な扱いに怒っているワケではないのだ。
そんな事は些細な事、とばかりに一歩先に踏み込んでいる。
これが出来たヒロインがかつていたか?
大抵が「今は許せないけど、きっと時が解決してくれるでしょう」的な美しくも偽善的な締めくくりをされるのがオチだ。
「子供っぽいと言われるかもしれないけれど」とメリーはニコラスに言う。
しかし、あの母親のあれやこれやを読んだ限り、メリーはすごく冷静な大人だと思わずにはいられませんでした(笑)。

そんなこんなで、今回も思いのほか楽しんでしまった。ぷぷっ。

< 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 >