すっかり定番シリーズとなっていますヴィレッジブックスの「キス・キス・キス」シリーズ7冊目、読了~。
いやはや、暑い時期に熱い話・・・心頭滅却すれば火もまた涼し の通り、どうしてもこの時期の本はいろんな意味でストレート(笑)。

三本の話の中で一番短いけど、一番お気に入りだったのはやはりロリさん。
タイトルロールにもなっています。
しかし、何で「チェリーな気持ちで」なんて邦題なんでしょ、と本編読んで・・・ぷぷっ。確かにこのタイトル、納得だ(笑)。
でも、ロリさんの書くヒーローって大抵がエッチで男前なプレイボーイだけど、絶対譲らないのが「自分の職業に誇りを持つ弱者の味方な働き者」ってのね。
職業の種類は多岐にわたるけど、それは共通項。
今回のケアリーはお医者さんだけど、とってもステキ。
解凍系な看護士のノーラに対してのあれやこれやが、何というかそのまんまだが暖かさで溶かしちゃうぞ~的な(照)。
あ、この話で読んでてどうしても笑ってしまったのが、ケアリーの親友にてノーラの雇い主医師の名前。
「アクセル」 > どっかのバンドのボーカリストのあのシャウトが頭にぐるぐるしました(爆)。

ナンシー・ウォレンの作品は、事件に巻き込まれた超真面目な会社勤めのヒーローと、これまた不本意ながら事件に巻き込まれた女探偵ヒロインの凸凹珍道中ロマンス(笑)。
このボリュームで、相変わらず良く作りこまれていて、それでいてキャラ造詣も抜群。さすがウォレン。
ウケまくった数ある小道具の中でも、今回のダントツは、今や死語ではないかと思われる二人が逃亡中に宿泊せざるをえなくなった場末のモーテルに設置されていた 回転ベッド ですな(爆)。
そんな二人、ラスベガスのFBI支局にたどり着く為に潜り込む事になった、ラスベガス行きの観光バスが実はお年寄りグループの貸切状態だったというところからは、珍道中に拍車がかかりまくり、笑いが止まりませんでした(笑)。
おじいちゃんおばあちゃん達に言いくるめられ、偽装カップルの筈だったのに本当に結婚しちゃう羽目になったり(^^;
でも、これ読んでて思ったのは「亀の甲より年の甲」つうか・・・最強お年寄りグループでしたな。拍手喝采もんです。悪人たちもタジタジですよ!
そんな最強グループの中でも、キング・オブ・じいちゃんのノームさんの名科白は何といってもあれだな。
これほど悪趣味なスーツを着るのは悪党だけだからな 」(爆)

残る1本、ジェイミー・デントンですが、これは警官同僚のヒーローとヒロインが彼女の恋愛スキルアップの為に秘密のレッスンをする・・・とかいう、何かどっかで読んだようなカンジの話。
とにかくヒーローのジャクソンがとってもいい人で、プレイボーイながら妙に律儀で真面目で、何より彼女を大事にしているのがよく分かる分、どうもヒロインのイーデンの頑なさがちょっと鼻についた、ともいえる。
過去に縛られ、母親のようになりたくない!!とかいうトラウマ持ちヒロインらしい言い分なんだが、いかんせん本音と建前的な言動が見え隠れし、何より余裕がないヒスっぽい態度に、読者サイドとしては読後、ちょっと気持ちがささくれ立っていたように思えた。
何より、人にモノを頼むにしても、潤滑剤プレイとかそこまで極端に走らなくても・・・と、ちょっと残念なエッチ上等!!な読後感の話でした(笑)。
こういう時には決まってことのさんはこんなコメントを残すんだよな。

ジャクソン、考えなおせ!! 」とか(笑)

つまりは、どうも最近、残念なヒロインが多い、という事か(^^ゞゞ
ジャッキー・ダレサンドロのメイフェア・シリーズ2冊目、読了~♪
今回も前回に負けないラブラブきゅんきゅんっぷりに萌え!でしたわ。大満足ですよ。

今回の主人公は、1冊目でも伏線のあった前作ヒロインの姉で子爵未亡人キャロリンと、前作ヒーローの親友にて放蕩貴族と名高いサーブルック伯爵ダニエル。
前作同様、ロンドン婦人読書会の課題図書がきっかけに恋愛模様が進む、という手法なんですが、さすが唯一の結婚経験者で未亡人が主人公となると課題図書もキタコレ!!な感じ。
今回はど真ん中、官能小説でした(笑)。
未婚の二人はエッチな本のあれやこれやを怪訝な感じで読んでいて、既婚、未亡人の二人は「ありかもー」とか言ってるあたりはププッとなります(^^ゞ

しかし、前作で「あ、ダニエルってキャロリンに気があるんだろうな」程度に思っていたけど、この作品を読んで度肝抜かれました。
こんな純情一直線クンだとは!!
10年前に、初めて彼女を見た時から心臓ぶち抜かれた状態、世紀の一目惚れが、その場で友人のウインゲイト子爵とキャロリンの婚約を発表され一転、世紀の大失恋に。
・・・何か、いろんな意味でトラウマになっているし。
それでも放蕩者という割に、友情と敬愛を重んじて、あえて結婚した二人と距離を置いたり、10年ぶりにキャロリンと一緒に長時間いられるというだけで、ラングストン侯爵のハウスパーティーに出席、しかも別に彼女とどうこうなると確約もないのに出席前に愛人をすっぱりさっぱり一掃してしまう潔さ(^^;
何ていうか、心地よいまでに好青年のように思えます(笑) > 騙され気味。

仮面舞踏会を境に、二人の仲は深まっていきますが・・・とにかく、ダレサンドロ作品の特色とも言える軽快な会話のやりとりがここでも健在。
ホットで前作をはるかに凌ぐエロい肉体関係云々よりも、心の絆を深めてゆく様の方が断然ウエイトがあって、とても愛い。
心あたたまるまでのダニエルの隠された行いの裏に隠されたトラウマの件とか。
それをまるごと包むようなキャロリンの愛情あふれる包容力がたまらなくグッとくる。
すごくスマートで、誘惑の手立てに富んだダニエルだけど、中味はどこか不器用な子供のようで、読んでいて母性本能くすぐられまくりです。
動物だらけの屋敷に暮らしていて文句も言わず、ニャンコを餌付けしてたりしてキュートだと思ったら、あんなにエッチでストレートなのに、恋愛自覚のないおバカさんだったりするし。
しかも金持ちで詩人の心を持つイケメンなマメ男・・・無敵だわ。彼氏としても(笑)。

いやー。
本当に最初から最後まで、ひたすらラブラブ垂れ流しの竹を割ったような直球ロマンス!(笑)
読んでる最中も、読み終わってからもほんわか気分で素晴らしい事この上なし。
殺人事件が絡んでいる話(合計三人もお亡くなりに。下手なサスペンスより死体が出ました。笑)の割に、何でこう微笑ましいのか?!ってぐらいよマジ。
読書会のメンツはというと、前作ヒロインのサラはおめでた、残り二人にはとうとう伏線が出揃い、といいペース。
次の3冊目、伯爵令嬢ジュリアンのお話も翻訳決定しているし、のんびり続きを待ってます。
あ、でもラスト4冊目のローガン・ジャンセンとエミリーのお話が一番楽しみなので、ちと急いでもらえるとありがたい(笑) > 出版社さま
リサ・マリー・ライスの短編を含む短編集、読了~。
うーむ。どうもヴィレッジの短編集と比べると、その選出眼にちと「?」なものを持ったりもした(^^;
多分、リサ・マリー・ライスがラストに控えていると思わなければ、この本は買わなかったかも(笑)。

でも、そういう意味では拾いものというか、こんな機会でもないと読まないという作品たちではあったな。ライス以外は(笑)。

だが、どうしても解せない、いや。
ぶん殴りたい作品もあった・・・勿論、三作目のデジレ・リンゼー『レディのたくらみ』ですぜ(爆)。
もう、何と言うか、目を覚ませニコラス!!
自分がもうすぐ死にそうだからって、嫁のクリスタルの未来を案じて彼女の事を友人のニコラスに託すべく嫁を人柱のように肉体関係を持たせようとするフレッドもどんだけー、なら、フレッドの妻なのに、本音は幼馴染のニコラスに未練タラタラで、親友ニコラスに「夫に頼まれたから」と、子供作る為に肉体関係を泣きおとしでせがむクリスタルもどんだけー、な似た者夫婦だよ(呆)。
こんな夫婦に振り回され、パリに逃げてヤケっぱちに好きモノ女と婚約しちゃうニコラスの捨て鉢っぷりも分からなくはないが・・・理由はクリスタルに心底惚れこんでるから、ってのが・・・ああ、やめとけニコラス!(爆)
何というか、不倫を超越したバカ話だった、と斬ってさっさと終わりたい珍作(爆)。

B・J・マッコール『はじまりは嵐のように』は、HQのシズラーもののようなテイストで非常に良い出来でしたね。
雪で閉じ込められた異郷の地での、突然のロマンスという、優等生的ロマンス短編はかくありき、というコンパクトさ、セクシーなところと、ヒーローのがむしゃらなところとか。
ただ、衝撃だったのが、ヒーローが40歳直前 だったという事か・・・言動が余りにイノシシで若かったので、年齢知った時が一番クライマックスだった気がしないでもない(笑)。

そして、これは賛否両論があるであろう(前出のデジレ・リンゼーは否しかありません。ワタクシ的には。笑)アンジェラ・ナイト『ハンターにくちづけを』。
バンパイアに妻を惨殺され、バンパイアを狩りにやってきた海軍特殊部隊員のヒーローと、未亡人バンパイアのヒロインのあれやこれや。
これが、いやー。パラノーマル沢山読んできた私でも、これは目からウロコでした。
バンパイアの転生、バンパイアの素質のある体質の人間などなど。
そうだよな。卵が先か、ニワトリが先か。バンパイアが先か、人間が先か。
突き詰めてみたら別次元の話になるんだが、そこからは作者の力量と構築力だな。
その点、この話、あの短編ボリュームで、すごい勢いで二転三転するからスゴイ!!
さすがに、あのオチは想像つきませんでした(笑)。
生まれ変わっても生まれ変わっても、彼女と結ばれる事が至上となっている、骨の髄までメロメロくんなんだよな、つまりは(^^ゞ
一発芸作品カモン、なことのさんとしては「これはアリ」でございました(笑)。

リサ・マリー・ライス『闇の恋人』は、リサ・マリー・ライスによるリサ・マリー・ライスの為の短編(笑)。
大型ワンコ属性ヒーローが、美しいお姫様に一目ぼれしてワンワン!!の、凝縮バージョン・・・凝縮しすぎて、はじまってあっという間に終わりました(爆)。
130ページほどのボリューム中、多分80ページぐらいはエッチ場面では?!とか思わせるバーニングっぷりは潔さと取るべしか(爆)。
しかも、オチはそれか!! > ライス作品のラストは、ああいうヒョイと投げられたビーンボールのようなものんだよな、いつも。うん(慣れすぎて麻痺か。笑)。

・・・何か、この蒸し暑い中、いろんな意味で蒸し暑さ倍増の1冊だったような(^^;;
ソフィア・ナッシュの初翻訳、未亡人クラブ・シリーズ1冊目、読了~。
もう、久々に笑って泣いて、とこのボリュームの中で読んでいてすごい揺り動かされた作品でした。

多分、この作品のヒロインであるロザムンデを全面肯定する読者は、そうは多くないかもしれない。
大事に育てられた我侭な伯爵家のお嬢様が、恋に恋した結果、とんでもない騒動を巻き起こして、その上に元来の頑固な性格が災いして一転転落人生を歩む事になる。
自業自得なのか、と聞かれたら、最初の方なら迷う事なく「Yes」と言うんだが、読んでいくにつれ、非常にこのロザムンデの美しく頑固で我侭な外見と相反する繊細な部分がちらり、ちらと見え隠れして、何ともその奥を知りたくなる。

「炎と氷の悪魔」という異名を持つ、公爵リュックもまた同じく。
元海軍司令官の人を喰ったような放蕩者という仮面の下は、先代、そして先々代が残した負債を抱え、残された少ない肉親の幸せの為に影で金策に走る気苦労の耐えない生真面目くん。
しかも父親に精神的に虐待され、母親の死に責任を感じてトラウマになっている繊細な文学を愛する青年ときた。

偽りの自分を演じ、本当の自分を封じ込めて日々を送っている二人が出会った瞬間から、話は広がりを見せる。
そのにくいまでの演出、ウィットに富みながらも悲しみを隠しきれない二人のやりとり、もどかしいまでのチラ出し具合。やられた。
自分の家族が彼女の不幸を招いたが故に、自分の恋心を口に出せずにいるリュック、公爵家の為に後継者が必要な彼の為には、子供が出来ず、醜聞に塗れた自分では駄目だと自分の恋心を否定しなければいけないロザムンデ。
まだまだ若い二人なんだが、いかんせん人生の修羅場を見すぎたせいで、何とも哀愁感が漂うのもよく話に彩りを加えている。

実際は、きっかけを作ったのは確かに我侭な少女のロザムンデ自身だったが、本当は隠された事情が、彼女を現在まで追いやったと分かった瞬間の、何ともほろ苦い描写は秀逸である。
白と黒では、世の中は測れない、といったところか。
ロザムンデとリュックの恋を縦に、家族愛とか確執とかを横にしてこの話は構成されているが、本当に上手なのよね。
とにかく、苦労人二人の、何とも不器用でたどたどしい恋愛模様がきゅんきゅんものでねぇ・・・ほろほろきたよ。
何で泣けるのか分からないような、小さなやりとりでも、粗雑な扱いをしていない文章力のせいか。
淡々とした中に、熱いものが読みとれるから釣られて、か。

脇のキャラもなかなかいい出来でした。
ただ、どうしても解せなかったのが、この未亡人クラブの主催者であるリュックの祖母。
自分があれだけ不幸な政略結婚をしていて、且つ、息子夫婦の不幸な結婚生活を知っていたのに、何故に愛する孫息子のリュックに対して「結婚してから愛情が育ちます」とか言って、おとなしい想定内な自分の見知った未亡人であるグレイスを嫁にあてがおうとしたのか。
確かに、その時点ではロザムンデは過去の結婚で子供が出来なかった不妊症の未亡人と思われていたかもしれないが、あそこまであからさまなリュックの恋心に対し、年寄りからプレッシャーを与えるのかいかがなもんか。
自分が「多産な家系だった」という理由で、クソ男に嫁がされた過去は孫の話とはまた別、とかいうなら、それこそ偽善者だ、とか、ちと思った。

ま、そんな事すら凌駕した、しっとりとした良質ロマンスでした。
主役二人のロマンスがブレてない、しかも話がしっかりしているとなると、多少のところはスルー出来る、という勢いの結果ですね。
かなりお気に入りの1冊になったよ、ホント。
これからもシリーズ続くみたいなんで、呑気に翻訳待ってよーっと♪
レイチェル・ギブソンの新刊、読了~♪
やっぱり好きだわ、ギブソン作品(^^)

エキセントリックなヒロインを大抵メインにもってくる作品が多いギブソンだが、今回もビンゴ。
しかし、それがまた板についている話を持ってくるから説得力があるんだ。
大金持ちの家から盗まれたモネの絵の行方を追って、アンティークショップ経営者であるガブリエルを尾行していた刑事のジョゼフだが、ある日、その尾行がバレてしまい彼女に逆襲をうける。

ヘアスプレーを顔面噴射されて(笑)

いつも思うが、何ともコミカルで印象的な場面を幾つも編み出してくれるもんだわ、この作家。
男前ヒーローもたまったもんじゃない(^^;
そんな保守的な刑事のヒーローと、カッとんだ一家に育ったニューエイジ系芸術家のヒロインの凸凹なやりとりの応酬が非常に楽しいんだ。
かわいくカッとんだ、配線違いの言動を繰り返す、世の中を無垢な視線で見ている彼女にメロメロになっているのに、どうしてもそれが認められずにもがく図体デカイおバカさんなジョゼフに、古典的ロマンスなものを感じつつ。
それを言うなら、人のオーラが見え、自分が求める男性は「魂に悟りをひらいた」とかいうガブリエルもまた、なかなかジョーへの恋心を認められず・・・それでも先に自覚し、そしてそれを直接伝える分、ガブリエルの方が大人だな。
おバカさんは逃げちゃうんだけど(^^ゞ
そういう、もどかしいまでのやりとりって、ちょっと最近の作品ではご無沙汰だったかもしれない。
おかげでそこがハマったのかも。

でも、いつも思うんだが、ギブソンのキャラクター造詣やら表現ってのはクセになる上手さだなぁ。
この作品でも、ニューエイジ系のガブリエルの多才なところをとんがった感じに表現するんだが、精油やアロマもの作成描写は本当に文面から香りが漂ってきそうなぐらいステキなんだよー。
いろんな場面で、うっかりクンクン匂ってしまうジョゼフの気持ちも分からなくもないぐらい(笑)。
でも、カッとんでいるのに下着は保守派(笑)だったりして、友達のくれるエッチな下着は常にタンスの肥やしって落差も◎。
あ、でも今回はヒーローの方に軍杯あがったかも(^^ゞ
4人の姉に「五番目の妹」として扱われた幼少期のあれこれ は大ウケしました(爆)。
それにねぇ・・・両親に四人のお姉ちゃんも勿論いいキャラなんだけど・・・アレにつきましたかも。
ペットのおしゃべりオウムのサム(♂) に(笑)。
何かね、よく毒づいてチキンにしてやるとかいうヒーローは多い中、このコンビは・・・微笑ましいのよ!
彼がトレーニングしている器具の真横にはオウムのダイエット用運動アイテムがあったり(彼の好物のジャンクフードに相伴していたせいでおデブに。笑)、彼が結婚相手に望む条件の一つは「オウムと暮らせる女性」だったり(笑)。
そりゃあ、ガブリエルでなくても「ペットをこれだけ大切にしている男性が悪人とは思えない」とかコロッと思うもんよ(^^;
もっとも、今まで飼い主が連れてきたあらゆる女性に威嚇攻撃をしていたのに、ガブリエルを初めて見た時からフォーリンラブ状態で頭を彼女にスリスリしては「カワイコチャン」を連呼し、自分のガールフレンドだとアピールしている 有様である・・・ひーっひっひっひ(爆)。

こういうコミカルさ、それに絡めたテンポよいロマンス、無理ない等身大ながらに達者なストーリーテラーっぷり。
ジョゼフが脳内に描いた幸せな家庭図に、やっぱり口の悪いオウムがいて、その鳥の放つオーラをキャンバスに描き納めているガブリエルがいる、という馬鹿馬鹿しくもキチンと畳まれた風呂敷のようなラストシーンの微笑ましさに拍手しつつ。
今回も満足させてもらいました。
カレン・ホーキンスの新刊で「マクリーン家の呪い」シリーズ1冊目、読了~。
とても楽しく読めた、キッチュな作品でした(^^)

スコットランドもの、と言っても、実際はローランドがメインのようで・・・ちっ。ハイランドじゃねーのか、とか思ったりもしたが、まぁ、面白かったからいいや(笑)。
しかも、マクリーン家にかかった呪いというのが「悪天候を引き寄せる体質」というのがナイス。
スコットランドに詳しい方なら「え、別にマクリーンの呪いがなくてもイギリスはすぐ雨降るし、スコッツはそれ以上に空は低いし、一日に何種類も天気あるしクランごとにそれがある勢いじゃん(^^ゞ」と思うんですが、あえてそのスコッツ天気をパロって使うというそのお茶目さが◎(笑)。
そうなのよね。ローカルものヒストリカルっていうのは、そこの特色をいかに楽しく面白くドラマティックに使うかってのは作家の技量と思うワケ。
どうも勘違い、ってのは格好だけはそこの衣装まとっていて、中味がともなっていないなんちゃってコスプレものだというヤツだな。
そういうものは大概スカになる(笑)。

で、この作品だが、ここだけはどうも解せない。
まず泥酔したヒーローのジャックを花嫁になるフィオナ(この名前が既にガチ。スコッツ作品には欠かせないネーミングじゃ。笑)捕獲したのがスターリング、そこから南東に移動してグレトナグリーン・・・って、何で?(^^;
そもそも、イングランド貴族の駆け落ち結婚の定番になっているグレトナグリーンだが、これは「イングランドから一番近いスコットランドの結婚メッカ」なだけであって(グレトナグリーンはボーダーズ・・・つまり、スコットランドの南端、イングランドとの境目あたり)、別にスコットランド内から同じスコッツ内のグレトナグリーンに移動する必要性があるのか?
ましてや、男も女もスコッツで宗教も同じとみた。
んじゃ、別にそんな大移動しなくてもスターリングなり、パースなり、ダンファームリンなりでとっとと結婚すればよかったのに(^^;
(イングランドから何でスコットランドに来るのか、というのが、結局スコットランドには『宣誓による特殊な結婚』というのが法律によって認められているから。勿論そんな無茶なもんはイングランドにはない。それにイングランドとスコットランドは宗教が違う)
そこらへん、どうも腑に落ちないのですが、とりあえずおいておこう(これだけ書いておいてそれかい。笑)。

ま、ドタバタ結婚してからは・・・痴話喧嘩というレベルの「もう君ら、好きにしてっ!」っていうラブラブイチャイチャが延々続き、そこに、困ったちゃんなフィオナの兄達、ナイスな使用人たちも絡んでのコメディ状態(笑)。
勝気なフィオナの起こす騒動がいちいちもっとも「ごもっとも!!」なんですが・・・やった事ないんだな、これまでの貴族令嬢ちゃん達が(^^ゞ
目には目を、歯には歯を、放蕩には放蕩を、賭博場通いには賭博場通いを!(爆) > しかも奥さん、旦那と同じく賭博上手!(笑)
もう、笑った笑った・・・そんな困ったご主人様と困った奥様の間でとばっちりを受ける執事デボンスゲイトさんが憐れで憐れで(^^ゞゞ

全体的に、そんなラブコメ的なかわいい出来で、ジャックの意地っ張りなところすらも「うんうん」とオバサン、微笑ましく読めてしまったわ(笑)。
何より、ポジティヴなフィオナがとっても良かった。若干イノシシなところも(爆)。
ジャックの元愛人のスノッブ然なところもステレオだし、裏切り者がクラン・キャンベルの人間、ってのがスコッツ事情お約束的でよろしいかと(笑)。
読後も微笑ましくって、良いね。
護衛ハミッシュくんの、元愛人をジャガイモ袋扱いなところまで(笑)。

既に続きの翻訳も決まっているのが嬉しいわ~♪
勿論、困ったマクリーンの兄ちゃん達が順次登場・・・次は「雹を降らす男」四男グレガーくん♪
ここだから、今年中には読めるかな? 楽しみ(^^)
リサ・マリー・ライスの新刊、読了~。
良くも悪くもリサ・マリー・ライス節は健在、と言ったところか(笑)。

この作品は本名のエリザベス・ジェニングス名義の作品なんだが、ライス名義と比べるとホットを通り越した感がしないでもないエロ場面がかなり抑え気味。
ついでに、サスペンス部分のウエイトを増やした、ロマサスらしい作品となっていた。
ま、でも、彼女の書くサスペンス具合なので、黒幕のヘタレっぷりは想定内(爆)。
そういう意味では、マッケナ作品により類似点を見出せるのか?(^^ゞ

財閥令嬢のヒロインが、その財産を狙う男によって父親を殺され、更に殺人犯の汚名を着せられての逃亡劇。
その逃亡先で、傷を負って軍隊から身を引かざるを得なくなったヒーローと出会い、恋に落ちる。
しかし、彼女の命を狙う真犯人の雇った非情な殺し屋によって、その生活も崩れようとしていた・・・という話。

お嬢様ヒロインを「俺の守護天使」と崇め奉っているあたり、ガチなライス作品ヒーロー!!ってカンジで微笑ましい(笑)。
しかもお約束に大型ワンコ属性だ(笑)。
ただ、今までのライス作品と俄然違っているのは、ヒロインの負けん気の強さというか、温室栽培の純正お嬢様にあるまじき サバイバリストっぷり である。
近年のロマサスの中でも出色の逃げっぷり、耐えっぷりである。
銃で撃たれた傷に、人間用だと処方箋からアシがつくからという理由で ホームセンターで購入のペット用抗生物質をぶっかける雄々しさ に、思わず「アニキーッ!!」って感じでありますよ(^^;;
守られている天使ちゃん、お姫様というこれまでの公式からすると・・・かなり現実的。
しかし、サバイバルの先生であるヒーローの教えが良かったのか、生徒であるヒロインが素晴らしい生徒すぎたのか・・・クライマックスでの殺し屋との一騎打ち後、殺し屋の死体を足蹴にする という、もともとの浮世離れした芸術家はいずこ、すごい変身っぷりである(笑)。
まぁ、そんな強い女なところすらにも腰砕けにメロメロなんだから、いっか > ヒーロー(^^ゞ

黒幕が前出の通り、ヘタレな俗物だった分、雇われた殺し屋がなかなか良い味でしたな。
かなりヘヴィな殺しのシーンの描写は、それすらもリズム感、こだわりがあって◎ですよ。
とっさにゲイキャラにまでなりきってしまう、その変化っぷりにもやられた(笑)。
ありとあらゆる「仮の姿」を、本人曰くやりすぎるぐらいにまでモノにした変化具合、頭の回転の早さ、本当に良い味でした・・・しかし、それを阻んだのが大型ワンコ(笑)。
しかも、彼はただ大好きな天使ちゃんの横で幸せ幸せ~♪にしていただけで、その存在だけで殺し屋避けになっていた、という(爆)。
脇役も、主役カップル至上主義のライスらしく、程度にゆるく良く、みたいな。
ほら、先日の二見から出た作品のようなスカ友達もいねーし(爆)。

そんなこんなで、やっぱりラブラブでそれでいてワンコなテンプレ。
そこが好きだから、楽しめました。ことのさんは。
テンプレマンネリ気味も、時代劇のようにツッコミしながら楽しめる方には勧めておきましょうかね(笑)。
来月の新刊予定が出たので覚え書き程度に。
シリーズものとか続編とかスピンオフが多い月だな、こりゃ(^^;
で、また殆ど読んでるんだな、前作を > ことのさん(笑)

オークラ出版 マグノリアロマンス
禁じられた熱情 ローラ・リー
届かない叫び ジョーダン・デイン

宙出版 オーロラブックス
紅のシークと囚われの美女 ナーン・ライアン
伯爵の情熱は海をこえて ロレイン・ヒース

ヴィレッジブックス villagebooks
DARKFEVER(原題) カレン・マリー・モニング
BODYGUARD(原題) スーザン・ブロックマン

幻冬舎 幻冬舎ラベンダーブックス
未定 ニコール・ジョーダン
未定 カーラ・ケリー

ランダムハウス講談社 ランダムハウス講談社ロマンス文庫
淡い月影の夜に レベッカ・ヨーク
見知らぬ花婿 シルヴィア・デイ

ソフトバンククリエイティブ ソフトバンク文庫NV
星降る夜に抱かれて サマンサ・ジェイムズ
トゥルーブラッド(2)歪んだ儀式 シャーレイン・ハリス
お嬢様はヴァンパイア(2)恋に危険は付き物?? キンバリー・レイ

竹書房 ラズベリーブックス
愛の眠りは琥珀色 ローラ・リー・ガーク
夜を抱く戦士-タロン- シェリリン・ケニヨン

ハーレクイン社 MIRA文庫
オペラハウスの貴婦人 キャンディス・キャンプ

原書房 ライムブックス
愛のカーテンコールを リサ・クレイパス
きっと甘いくちづけ エリン・マッカーシー

扶桑社 扶桑社ロマンス
シルケン・シャドー(仮) ジェニファー・セント・ジャイルズ
汚れなき悪女(仮) バーバラ・ピアス

二見書房 二見ミステリ文庫
ミッドナイト・スター(原題) キャサリン・コールター
ディール・ウィズ・ディス(原題) ルーシー・モンロー

ぶんか社 フローラブックス
情熱の記憶 闇の勇者たち(3) クリスティーナ・ドット
麗しのプリンセスとのくちづけを アン・グレイシー


本命は、言うもがなケニヨン。
対抗は、これまたガチにカレン・マリー・モニング。
しかーし、対抗にはケニヨン新刊にはない強力付加アイテムがあるのだ(ただし、これに効果があるのは一部コアな読者のみ。爆)。

付加アイテム  翻訳者 柿沼瑛子  > キターッキタコレーッッ!!(びったんびったん)

・・・以前、嘆願しておいてよかった。翻訳者(感涙)。
本当は柿沼さんに一番翻訳してほしいのは、ガバルドンのLJGシリーズなんだけど> 今だ諦めず!! 皆さん、出版社にお問い合わせの際は是非ともこの組み合わせの推薦を!(柿沼教徒節炸裂。爆)

は。すっかり忘れてた。
大穴はブロックマンで(笑)。
これは単発ものですので、TSSシリーズ読んでない方でもどぞ。
ロレイン・ヒースは、カウボーイ貴族さまの話か。
あと、ピアスは「もうすぐ死ぬぞ」兄ちゃん・・・ぷっ(爆)。
久々のヨークは・・・「彼」か。どうなるやら(^^ゞ
キャンプは「伯爵とシンデレラ」のあの彼女のお話・・・何となく、未亡人になりそうだと思ったらホンマになっていた(笑)。
ジョーダンとガークとドットとジャイルズは3話目、モンローとジェイムズは2冊目。
くーっ、全部読んでる読んでる。
・・・ホンマによく読んでるな。何でもかじっている、と言った方が早いけど(^^;;

+余談+
そんなこんなで毎回の覚え書き、別バージョン。
ま、適当に埋めた部分もありますんで、チラ見程度によろしう。

http://cool-book-new.seesaa.net/article/119483519.html

夏商戦真っ盛り、ってカンジなのかしらね(^^ゞ
ジェシカ・ベンソンの初翻訳、読了~。
わひゃひゃひゃ! 最初から最後まで笑った笑ったーっ!!

何というか、ヒストリカルでこんな作品はお目にかかった事ないかも、という類の作品であったな。
なにせ冒頭から笑劇である。
「結婚相手をまちがえた」ときたもんだ(^^ゞ
リージェンシーロマンス多々あれど、これはまさに、コンテンポラリーのドタバタラブコメの手法に則っている。
ヒロインであるグウェンの一人称で語られ、非常にぼやきが多く、恋愛コメディ定番のチャラ男やら、女子会やら全て兼ね備え(笑)。
しかも全く違和感なし。
よくある「この作品、別にヒストリカルにしなくても良かったんじゃ?(^^;」というようなもんじゃないの。完全にマッチングしております。
そんな巷にあふれているよくあるヒストリカルとは完全に一線を画した奇天烈ながら、ツボにハマったらストライクキターッ!!な出来となっておりまして・・・そうだな。ローリ・フォスターがヒストリカル書いたらこんなカンジかも、とか思った(笑)。

ちょっとした騒動から婚期が早まってしまったヒロインのグウェン、昔からの許婚のバーティと結婚したと思ったら、実はそれは入れ替わっていた彼の双子の兄ハリーだった。
何故?
どうしてっ?!私はお気楽な次男と結婚したのであって、将来の公爵で現伯爵と結婚しちゃったのは何故っっ?!というワケで、その真相を探っていくうちに、いろんな人間と、いろんな事情が入り混じり、すったもんだの珍騒動の連鎖に(笑)。
とにかく、この物語に出てくる登場人物、全てが 配線違い なので、何かやらかすたびに笑わずにはいられない展開に(笑)。
猛烈強女なグウェンの母親を筆頭に、トホホな実母に悩むグウェンの親友シシー、ファッション番長でチャラ男な許婚バーティ、そのバーティがフランスから連れ帰る羽目になったお色気美人テレーズなど、端から端まで噴出す言動の数々(笑)。
個人的に爆笑したのが、グウェンの親友女子会にて、双子を比べる場面のリスト作り・・・ひーっひっひっひ。
双子弟、完全に人間的にもアウト・オブ・眼中(爆)。
しかも双子兄と結婚した当人のグウェン、親友たちに参加させてもらえず、二倍大ウケ!(爆)
女子会、ウケまくりだわー。
後半からはテレーズも追加されるんだが、あのキャベツのような部屋着(本編参考)に関しての彼女の薀蓄あれこれは腹抱えて笑いましたな。
あと、テレーズはこの科白だけで影のMVPにしたい(笑)。

「彼(バーティ)のことは気にしないで。うるさい子犬のようなものです。一度思い切り蹴れば、きっということを聞くでしょう。いつ、どこでやるかうまく判断するだけでいいのです。蹴るのを」

・・・えーっと、バーティはアナタの恋人では?!(爆)

・・・でも、あのリスト作りの気持ち、分かるなぁ。
このヒーローのハリー、こんなすごい完璧Deki男・・・匹敵する相手はイブ&ロークのロークぐらいでないの?!ってぐらいすごい。
いつ寝てるんだアンタ、みたいな!(笑)
仕事能力抜群、義理堅く、気配りが出来、イケメンで恋人だった女性は数知れず・・・なのに、もう、思わずきゅんきゅんしちゃうぐらい、幼馴染で弟の許婚のグウェンに夢中なんだよね。
自分のアイデンティティである爵位にまつわる全てを賭けてまで、策略にのってグウェンを選び、滑稽なまでに奔走しちゃうぐらい、とにかく・・・メロメロもここまでくると天晴れ。
ラスト近くの、彼が昔からずっとグウェンに宛ててしたためていた手紙の件は泣けたよ、ちょっと。うるっと。
何と言うか、恐ろしくメロメロに惚れきってて乙女系もいいトコ。
すごいなぁ、と思うのは、彼女の欠点や直すべき点を全て理解した上で丸ごと惚れてて、更に見ないフリなどせずに面と向かって言えるとこだな。
・・・あんな、猛烈母ちゃんに中味が似ているグウェンだってーのに豪気な(笑)。

とにかく、最初から最後まで、哀れなぐらいハリーの 寸止め連打 だけでも、かなりポイント高いのに、とにかくどう転ぶか、どうつながるのか、キャラがどう動くかが予想がつかず、とっても楽しく読めたのだ~♪
独特の書き方もあるし、一人称だし、全てがゴチャゴチャしていて落ち着きは全くないし(笑)、きっと万民向けではないのは承知だけど、ま、ことのさんが気に入った時点でそんなもんか(笑)。
いやー、楽しかった♪
何より笑った笑った。思い出して噴出すぐらい、とっても読後もハッピーで、こういう変則ヒストリカルもいいな、と思わせてくれました。
この作家の作品が、こんなびっくり箱のようなものばかりなら、今後も読んで見たいです > 出版社さま
ダラ・ジョイの初翻訳にて、彼女の最高傑作と誉れ高い「運命のマトリックス」シリーズ1冊目、読了~♪
既に何回も読み直したけど、読んでも読んでも楽しくって、こんなにしゃーわせになる愛すべきおバカさん本はかつてあったか・・・いや、ない(反語)。
昨今のドラマティックな劇画調パラノーマルロマンスとは一線を隔した SFラブコメディ なのは、この作品の最大の武器かと(笑)。

そうなのだ。
SF大好きことのさん、この作品の余りのまばゆいお茶目さに本を持つ手が震えました・・・いや。感動した。
キャサリン・アサロのような、SFロマンス深遠を舐めるような展開にも出来る設定基本でありながら、何でこう、おもちゃ箱ひっくり返したようなキュートでポップな作りにしちゃったかな。
もうっ、このっ、このっ・・・グッジョブすぎ!(≧▽≦)

SF小説が大好きで、自分でも作品を書いては投稿しているヒロインのディーナが、ある日、偶然寄った古道具屋で買ったネックレス。
自宅に戻ると、何だか無駄にハンサムな見たことない男ロアジンがリビングにいました(「あ、勝手におじゃましてます」byリラックマ。爆)。
はるかアビアラ星からやってきた異星人、不思議な能力も持っていたりするロアジンは宇宙の危機を救う為に旅に出た筈だったのに、なぜかいきなりアポなしお邪魔しますクンに(笑)。
が、これが運命(?)の導きによる出会いだと彼の方はすぐに気付きますが、ディーナの方はというと、楽しみにしていたSFファン大会参加の方に気もそぞろ(笑)。
とりあえず、お荷物よろしくロアジンも連れてく羽目に・・・既にここまでで世界ギャップとか、ボケとツッコミよろしく(勿論ボケはロアジン。笑)頓珍漢な二人の会話、ディーナの脳内妄想やら、ロアジンのつぶやき攻撃など、笑い死にしそうなネタてんこ盛り(笑)。
いや、ここまでだけでも十分読んでて楽しいんだが、ディーナを勢いよろしく奥さんにしてアビアラ星に戻ってからは、この作家の真骨頂かと。
とにかく、びっくり箱のように、いろんな場所にいろんな仕掛けがあって、異世界珍道中花盛り状態(笑)。
万能な筈なのに、なぜか味覚音痴な賢者ヤーニフ、ロアジンの異母弟にて「ファミリア」の猫でもある色男リジャーと共に、ある出来事がきっかけで隠遁生活を送る旧友トラエドを尋ねて旅する事に。
この道中もバカップル炸裂具合に、微笑ましくもテレっぱなし(^^ゞ
すんごいホットな筈なんだけどねぇ・・・ほぼノンストップ、いつ寝てるんだ、いつ休んでるんだ、そんなところでっっ?!ってぐらいラブラブベタベタエッチなのに、何故か・・・きゅんきゅんにカワイイ(笑)。
キャラ萌えオーラの末か?(笑)
木の家なんて、思わずフローネか?って気分で二倍萌え(ディーナは「チップとデール」と言っててこれもヨシ。笑)。

とにかく、この作家のこのキャラ造詣力は何事だ?!
こんな愛すべきおバカさんばかりを連続投与されてしまっては、一気にジャンキー路線つっ走りですよ!
ロアジンとディーナが最高なのはいうまでもないけど、賢者ヤーニフおじいちゃんがいいんだな~。のんびりマイペースで。
でもって、これからの続編のヒーロー二人、リジャーとトラエドもこのじいちゃんの掌で踊らされているのだな(笑)。
いえね、何かトラエドってすんごい 解凍系 じゃないですか。
あのふわふわコロコロにしか心開いてなかったのに、ふと笑った瞬間に「 クララが立ったーっ! きゃーっ!笑ったーっっ!!」って勢いで萌えてしまったわ・・・(くらくら)。
ニャンコのリジャーも、これまたカワユス!ギガントカワユス!!(父ちゃんでなくても偏愛したくなります。萌)

はぁ。
とにかく、こんなカンジで最初から最後まできゃいきゃい楽しみ、その設定の妙さに唸ったり、伏線に萌えたり、腹抱えて笑ったり(粘土細工のくだりとか。爆)、久し振りに丸ごと愛さずにはいられない本でした。
満足、という言葉では足りないな(笑)。
今のところ、ぶっちぎりの翻訳パラもの至上本だな、ことのさん的に・・・そのゆるさアホさ全てにおいても(笑)。
既に続編のリジャーの本が秋に翻訳決定しているので、本当に楽しみでなりません。
早く秋にならないかな(^^)
ジェイン・アン・クレンツのアマンダ・クイック名義新刊、クレンツ名義とのクロスオーバー・シリーズとしても人気の「アーケイン・ソサエティ」シリーズ1冊目、読了~。

既にクレンツ名義のコンテンポラリー編の1冊目、シリーズとしては2冊目は翻訳されていますが(二見書房『許されざる嘘』)、前後したのも半年足らずなので事無きを得た?(笑)
どっちにしろ、コンテンポラリーにしろヒストリカルにしろ、クレンツはクレンツ、と再認識の1冊だったが(笑)。

胡散臭い超能力研究組織アーケイン・ソサエティ、組織の創設者で錬金術師のシルヴェスター・ジョーンズのミイラとその遺物を取り扱う事になったジョーンズ一族で会員のゲイブリエルがヒーローくん。
収集した遺物の写真撮影の為に雇われたのが、女性写真家のヴェネシア。
会った瞬間から、お互いを意識しあうラブラブっぷり・・・運命の夜を共に過ごすが、謎の襲撃者の為に離れ離れに。
そこで彼が、ひっそり自らの死を偽装したのがややこしい事態を招く事に。
その偽装死亡記事を見てショックを受け悲しむヴェネシアだが、ソサエティからの豊富な報酬前金を元に、写真家として商売拠点を作る為にゲイブリエルの未亡人と偽る天晴れさ(^^ゞ
「ほら、商売する未婚女性なんて言語道断だけど、未亡人ならある程度の自由はきくんだし」
叔母と妹弟の生活を担っている一家の大黒柱だし、クヨクヨしてなんていられないわ!!と。

・・・そんなとこにひょっこりゲイブリエルが帰ってきちゃって、という展開なんだが、そこはクレンツです。
シャレっ気満々で、飄々していて、ププッと笑えるんだもの。
新婚旅行先で、崖から落下したとかいうヴェネシア側のでっちあげヨタ話を全面肯定するインタビュー記事を新聞に載せてみちゃったり(笑)。
落ち着いたら、どうせ愛しい彼女の元に戻るつもりだったし、ここは話に乗っちゃおう♪と、警護も兼ねて押し掛け旦那状態で同居にこぎつけたり(笑)。
また、そのでっちあげ話には、幾つかの候補があったんだが、それがどれもこれも笑わずにはいられないアホさなんですが(個人的には「夫は野性馬に踏みつけられ死亡」がウケた。爆)、事あるごとにそれを持ち出してはネタにするお茶目なゲイブリエルにキタモエーッ!!
お金持ちのお坊ちゃんなんだが、クレンツ独特のマイペース男で、ラブラブっぷり発揮もマイペースなのが◎。
対するヴェネシアも、これまたクレンツお得意の頭の回転の早い仕事の出来る、ヒーローにとって割れ鍋綴じ蓋ヒロイン、というワケで、そうなのだ。
やっぱりどこまでもクレンツ作品なワケ(笑)。
そんな鉄板具合やらテンプレ具合を楽しめる、シャレっ気のある読者にこそクレンツ作品は向いていると常々思うが、これだけの情報量、伏線、サスペンス部分を入れてなお、その鉄板具合がブレないのはもはや「ナンバーワンよりオンリーワン」の世界である(笑)。

シリーズとしても、魅力的な脇役を適所に配置し、そしてクレンツ節が炸裂しているのもグッジョブ♪
今回は、ヴェネシアの弟エドワードとゲイブリエル、非常に定番ネタ「師匠と弟子」ちっくでよろしかったわ~(^^)
ゲイブリエルの両親の頓珍漢さもお約束だし(笑)。
最初っから最後まで、クレンツファンとして、大きなネタ小さなネタ全てに満足した1冊でした♪
やっぱりクレンツ作品、好きだわ~。この時代劇的ユルさが(^^)

さて、これで1巻、2巻とつながった。
ソサエティ・シリーズ3巻(クレンツ名義のコンテンポラリー編)の翻訳は決定しているので、このまま4巻(クイック名義のヒストリカル編)も翻訳して頂きたいもんですな(-人-)
6巻がゲイブリエルの従弟ケイレブくんの話なので、とりあえず続いてほしいです。マジ。
クリスティーナ・ドットの「闇の勇者たち」シリーズ2冊目、読了~。
いや~、前作にも増してのツッコミ待ち具合炸裂なゆるさ加減がキターッコレキターッ!(笑)

このシリーズのスゴイところは何かって、そりゃあ悪の集団の崩壊の描きっぷりでしょう(笑)。
悪魔と契約し、無敵となった筈の悪の集団バリンスキ一族の零落具合を・・・こんなにシニカルに、そしてコミカルに書いてもらっちゃあ・・・たまらんスマッシュ!(笑)
これを読んでいると、悪人も働き者でないと駄目だ、という事を痛感します > いろんな意味で(笑)。
バリンスキの後継者たちが、ありえない生態で生まれてくる、普通の人間なみにさっさと老衰で死んでしまうなど、全てはせっせこ悪行の限りを尽くすべく日々精進していたのを、財テクに走って楽してチョイ悪オヤジのように暮らそうとしたのがはじまり。
そりゃあ、契約元の悪魔も怒るがな、という理屈なんでしょうが、意外にこういう細かく面白い展開を書いてはくれないんですよね、作家の皆さん(笑)。
何か、哀愁ただよってますよ・・・自分の地位が風前の灯となっている悪の一味の親分が 関節炎で苦しんで若者に小ばかにされているなんて (笑)。
まるで、戦力外通告された会社の中間管理職のようで(^^;;;
悪魔と契約したとかいう、その起源からしてみたら「暴力」や「負の感情」や「風説」を操り、人の恐怖心を募らせる事により栄えてきた謎に包まれた一味だが、今や一味の若者はオンラインゲームを楽しみ、ブログを書き、ソーシャルネットワークに参加している始末(^^;
そこからアシがついて、優秀なハッカーである前作ヒロインにすっかりうっかり動向を押えられていたりして(笑)、そんな世代交代やら時間の流れやらハイテクにおぼれる様だとかは、妙に人間世界にシンクロニティしているような気がする。
そこらはさすがだわ、ドットってば。

今回の主役は、元空軍パイロットにて現考古学者のワイルダー家次男ルリック(タカに変身)。
お相手は、美人フォトジャーナリストのターシャ。
前作もそうでしたが、ワイルダー兄弟以上に、ヒロインが裏事情持ちでしたね、今回も。
スコットランドの遺跡発掘から、イコンのありそうだった遺跡ごとバリンスキ一味に揃って爆破されそうになって、そこから逃亡活劇あーんどヨーロッパ名所めぐり状態(笑)。
サバイバル活劇な考古学者、というあたりはイン●ィ・ジョーンズばりですが、いかんせんこっちは若いイケメン、思い切りが良く・・・いや。良すぎる。
いろんなヒーローの変装見てきたが、このルリックの カミソリでスキンヘッドにした潔さはもはやロマンスヒーローの粋を越えている(爆)
いくらワイルダー姓になっても、つまりはバリンスキ一族なルリックと、バリンスキに両親を殺され復讐に燃えるターシャのロマンス、という昼メロばりなベタ設定に普通なら萎えるところだが、それ以上にこの二人のキャラがたっていて◎。
とにかく口喧嘩ばかり、丁々発止なやりとりと並行してホットなラブラブが非常にテンポよくって、あっという間にページが進む。
ミスリードが幾つもあって、それでいてそんなところにイコンが!という隠し場所も「ああ、そうなんだ」と、時系列の巧みな操り具合・・・ここらへんは達者ですわ、ドット。
クライマックスに、ターシャに全ての可能性をかけ、死んだと思われていたルリックが奇跡の生還!!というのもベタだが、そこをベタベタにしないように、あのルリックが助けられた場所を「あそこ」に設定する作者の茶目っ気には脱帽だな・・・まさに生きた心地もしない、といったところか(笑)。

最初の部分に、父ちゃんと母ちゃんの出会い部分もあったりして、とっても満足の1冊。
いやー、シリアスな筈なのに、こんなに最初から最後まで笑ったのもどうかと思うんだが(^^ゞ
たまにホロリとしたけど、基本的にバリンスキのアホな零落っぷりが余りに目立つんで。
あと、タカ次男の微妙なヘタレっぷりとか(笑)。
しかしラストの、衝撃の手紙を読んでしまっては・・・早く3巻、読ませて下さいませーっ!! > 出版社さま
マージョリー・M・リューのデビュー作にて、「ダーク&スティール」シリーズ1冊目、読了。
ほどよいアホさ加減とラブラブ度合い、何より肩の力の抜けたパラ具合がステキな按配でとっても好みでございました(笑)。

ウェアウルフものバブルのせいか、シェイプシフターものが全然珍しく感じなくなった昨今ですが、さすがにこれはちと珍しかった。

虎男 (笑)

話としては、呪いのせいで箱の中に閉じ込められ奴隷の身となったシェイプシフターのハリが、偶然その箱を手にする事にした「ダーク&スティール」という特殊能力集団の一員である女性デラと恋に落ちる、というベタな話なんだが。
ケニヨンのダークハンター・シリーズのジュリアンをちょっと思い出した(笑)。

とにかく、テンポがいいし、デラの金属の声を聞き、鋼を操る能力というものをSF的に書きながら、ハリの側の話はおとぎ話とファンタジーを混ぜて絡めるというのも◎。
マーヴェルの影響を受けたとよく分かるごった煮 アホ エンターテイメントとしての完成度の高さは目を見張るが、かといって片意地はっているものでもなく、あくまでゆる加減。
そのゆるいところに、ハリとデラのラブラブっぷりをすこーんっとはめ込んでいるから、ロマンスとしてもかなりヨシ。
ハリの呪いの件も簡単にオチをつけるわけでなく、二重三重に伏線を張って、しかも完全に白黒つけないところ、ダーク&スティールの組織としての土台もボカしている辺りがニクイ演出というか・・・続編上等!のマーヴェル節らしいというか(笑)。
でもって、マーヴェル大好きのワタクシにはそんなところもニクイアンチクショー状態ですのよホホホ(^^ゞ

とにかく、この作家、恐ろしいまでの「魅せ方」を知っている。
コミックブックの仕事に関わっているせいか、マンガでいうところの「大コマ」的描写がとにかくべらぼうに上手いのだ。
デラがその能力で弾丸を空中で止める場面、ハリが虎に変身する場面、アルトゥールがはじめてハリと「握手」する場面など、とにかく核心犯状態で書いてる。
恐れ入りました、ってカンジ(^^ゞ
しかし、虎男が甘党か・・・カワイイなぁ、ハリ(笑)。

キャラ全てが立っていて、それでいてアンサンブルとしても出色。
それぞれがとっても魅力的で、今後の彼らがメインの話を期待出来るってものじゃないですか。
2冊目はアルトゥールか~。楽しみですな。
パラものは、その独自設定を覚えるだけでも楽しいのだが、ダーク&スティールの綿々の能力の大半がSFちっくな分、このシリーズはツボです。
個人的には、かなりローランド偏愛なんですが(爆)。
これからも翻訳続くといいんですが・・・ここの出版社じゃ、最短でも半年以上は待たないと駄目だな(笑)。
ま、読む本は沢山あるので、忘れない程度の頃に翻訳2冊目が出るよう呑気に待ってます(笑)
クレイパスのヒストリカル新刊、読了。
鉄板作家らしいテンプレ具合がこんなに手堅く思える作家部類にクレイパスが入ろうとは・・・それだけ日本では定番となったという事か。
勢いは感じなくなったし、マンネリな感じもするが、それを補ってなお余りある素晴らしさ、といったところか。

クレイパスといったら、この作品のザックのように、なりあがり庶民ヒーローをお得意としているので「あ、またか(笑)」と思うフシもあるんだが、それでも一気に読ませてしまう筆力はすごいというか。
そして、割にとんがった部分(生い立ちとか、職業とか)を持つヒロインを多く書く彼女にしては異色な「正統派レディ」をその相手にチョイスするあたりもニクイのだわ(^^ゞ

いや、このホリー、未亡人で若き母親だけど、いろんな意味で清く正しく美しく・・・て、ヅカかい(笑)。
まぁ、本当にそんな高嶺の花に惚れ込むっていうのは、どん底から這い上がったなり上がり男のガチドリー夢!
己の拳と度胸と頭の回転の早さで頂点までかけ登った、怖い者知らずのザックでさえ躊躇してしまう、そのきゅんきゅんな惚れっぷり!(笑)
しかも、ホリーの愛娘ローズにもメロメロになっちゃったいるものだから・・・あああ。アラサー男の純情っぷり!読んでてテレっぱなしよ! > 褒めているらしい(笑)

予想範疇内の、一度の別離からの再会、ラストにホリーが死にかけたりと、古典的ともいえる展開だったが、全体的にウィットに富んでいて且つしっとりした作品に仕上がっていてとても良かったです。
というか、久々にクレイパスらしい作品、という事か。
ヒーローの魅力をとことん堪能、という(笑)。
そういう点では、まさに合格点の1冊(^^)
前説

使用上の注意をよくお読みの上、この日記をお読み下さい。
なお、下記に相当する方は、本日の日記は完全無視(爆)するのがよろしいかと思われます。

・書類上とはいえ結婚しているヒロインの、夫以外との行為が黙認出来ない
・一対一以外のプレイ(爆)を認められない
・かなり潔癖症の自覚がある
・几帳面で神経質
・シャレが分からない性質だ(爆)

全部クリアしましたか?
しましたね!
では、ここからの日記にお付き合い下さいませ。

↓↓↓↓↓




・・・ありがとう、オークラ出版よ。
重ねてありがとう、マグノリアロマンスよ。
よくぞこの作品を日本に輸入するなんて 正気の沙汰とは思えないギャンブル をしてくれました。
何だか、今のことのさんはうっかりビギナーズラックで万馬券を買ってしまったかの気分ですよ(笑)。
この作品を読んだ最初のコメントはこれ。

ファンタジーにも程があります! (byドラマCD「となりの801ちゃん」)

むか~し、むかし、ロッキー山脈の麓にそれはそれは大層、男前の三人兄弟がおったそうな。
兄弟は、上からアダム、イーサン、ライアンといって、三人で協力しあって、牧場と山荘を経営し、つつましやかに仲良く暮らしておりましたとさ。
兄弟の唯一の望みはというと、三人まとめて 結婚してくれる理想の花嫁 とめぐり合う事でした。
そんなある日、雪の中で行き倒れた女性ホリーを拾います。
三人は確信します。キターッ!モエキターッ!!テラモエギガントモエーッ!!! 「彼女こそが理想の女性だ」と。
結婚式当日に夫となった男性が行った殺行為を目撃し、逃亡してきたホリーもまた、三人同時に惹かれてゆくのじゃが、夫の魔の手は静かな山奥にもひたひたと忍び寄っていた・・・。


あ、すんません。変な物語あらすじ語りで。
でもホンマに、昔話でありそうなノリなんですもん。
女日照りの寒村にて猟師の兄弟、長男の嫁獲り、皆で仲良く共有、みたいな(爆)。
それはそれは、そういう意味ではこの話、もうまわりくどい事一切抜きの 4/ ピーッ/ 本番 (検索対策で妙な書き方してゴメン。爆)ぶっちぎりですから!
もうロマンスなんていうものを超越してますから!!(笑)
あーんな事や、こーんな事やらが縦横無尽に展開、もはやここはアクロバット大会か?!って勢いだ(^^ゞ

そういう点から見ると、まさに閉鎖空間の生み出した究極のファンタジー。
しかも女側から見た、女性作家の書くね。
あの「家に洗面台を4つ」っていう描写がまさにそう。
覆面作家ポリーヌ・レアージュの正体が分かっていない頃、あの作家の性別を判断するのに「女性でないと、そんな事には気付かない」という描写部分を例にあげる評論家もいたが、これもそう。
朝、トイレや洗面台の順番待ちなんて事には無頓着な男には書けない(笑)。
ここで一気に、この三人兄弟の内面乙女度認識具合が上がった事は言うまでもないが(爆)。
つらつら読んでいて、三人の中で一番心というか魂で繋がっているのは三男のライアンだっていうのは一目瞭然なんだけど、あえて彼を選ばせず三人平等なまま「三個1セット」状態で最初から最後まで通した。
自分の構築した、究極のファンタジー世界を自らぶち壊すぐらいなら、地上から五cmぐらい浮かんだ斜め上かっ飛び路線を貫くわ!!と初志貫徹したこのマヤ・バンクスに拍手したい(思えば、秋里和国氏の『それでも地球はまわっている』で、ラストにヒロインがあの三人の男の子を同時に選んだ時にも同じ思いをしたんだった。私ってば。笑)。
そうなの。大きいつづらと小さいつづらを選ぶんじゃなくて、どっちも欲しいんだからどっちも捕獲すべく努力すればいいじゃん、みたいな(笑)。

・・・しかし、このヒロインのホリー・・・今まで読んだいろんな本の中で、いろんな意味でこんな体力気力あるキャラ、はじめて見たかも(爆)。
コルター兄弟は三人だが、ホリーは一人。
三対一なのに、互角・・・さしずめ短距離ランナー三人にトライアスロン選手ってところか(爆)。
腕をへし折られ、胸部を刺されてなお、悪人にとどめをさせるし・・・兄弟が救出到着前にカタつけてるし!アニキーッ!!(爆)

ラストの「三人のお婿さんと一人のお嫁さんはいつまでも幸せに暮らしましたとさ」というのも、何と言うかファンタジー極めつけ。
多分、こんなタイプの作品は巷のロマンス読者には受け入れてもらえないだろう。
100人読者がいたら、99人に否定されるだろう。
だが、ことのさんは間違いなく、その残り一人「肯定派」だ(笑)。
この作品には、一部根強いコアなファンがいるという話だが、それも納得。
こんなに痛快に自分の書きたい事に、妥協せず真正面からバカ正直に向き合った異色の作品にはそういう引力がある。
イバラ道? ケモノ道? 大変結構。
そもそも、私の読書経歴そのものが、とんがった作品を偏愛する傾向を物語っているんだから > とうとう居直った(爆)

そんなこんなで、この本は 誰にも勧めません。ワタクシ一人で愛でる所存にございます(爆) ・・・って、今まで書いた感想の中で最悪かつ、一番アホだな、こりゃ(^^ゞ

あー。何か、この本の後には何を読んでもぬるいかも(笑)。
ちなみに後日談もしっかり読んでまいりました(爆)。
赤ん坊、男の子って、一体どんだけy染色体が強いんですか、コルター家!! とかツッコミしつつ(爆)
買ったままにしておいたデボラ・マクギリヴレイのハイランドもの、読了~。
最初とっつきにくいかな、と感じたが、意外に面白かった(笑)。
ハイランドの渓谷に住む一族の春夏秋冬を美しく描き、なおかつそれにロマンスを絡めたのもよかった。
サーウィン、ベルテーンなど有名なものから、ちょっとしたものまで、とにかくハイランド土着のものを丹念に描いていて◎ですよ。

ノルマン人の貴族で伝説の騎士であるジュリアンと、ハイランドの貴族令嬢で女城主タムリンのお話なんだが、ちょっとよくある中世スコットランドものとは一線を画していたな。
いやはや、このジュリアンのキャラクターによるものだろうな。
伝説の騎士だが、愛する弟を戦いで亡くし、すっかり燃え尽き症候群で戦いを避けて通るのに四苦八苦しているのである(^^;
心の平安と安住の地を求め、たどり着いたハイランドで夢見る大家族を作るべく、婚活に勤しもうとする無理がきかなくなってきたアラフォーくん・・・こう書くとミもフタもない(笑)。

この二人、まぁ、割れ鍋に綴じ蓋もいいところで、丁々発止なところもお互いラブラブながら寸止め連発なところもクスッと笑いをそそる。
特に、末端冷え性のタムリンがジュリアンを事あるごとに人間湯たんぽ扱いするのがきゅんきゅんにカワイイのよね(しかも主人に面とむかって湯たんぽ呼ばわりするし。爆)。
不器用で心を吐露しないくせして、お互い嫉妬深いからツンツンしているし(その後の仲直りがまたかわいくもホットというあたりはロマンス王道)、夫婦になっても妙に頓珍漢な会話ばかりで相変わらず(^^ゞ
爆笑なのは、タムリンの出産シーンだな・・・こんなアホでかわいい出産シーンは久々に拝んだかも(笑)

かといって、そんな凸凹ばかりかというと、そうでもなく中世ものらしく槍試合とか決闘とかもしっかりある。
もっとも、若干ヘタレなジュリアン、いつもいつもここぞという場面で愛馬に助けられているオチがつくんだが(ホンマに伝説のドラゴンなのかいな。爆)
主人公たちには一筋縄ではいかない兄姉もいて、暴れん坊な従兄姉もいたりして、そこいらのロマンスも気になるところ。
スピンオフがあるようでしたら、またそのうち翻訳してもらいたいものですね。
特にはねっかえり従姉と迷える従兄のお話あたり。
そんなこんなで、なかなか良かった1冊でした(^^)
オークラ出版から創刊されたマグノリアロマンスの創刊ラインナップの片方、ラリッサ・イオーネのデモニカ・シリーズ1冊目、読了~♪
もう、超お気に入り♪♪

思うに、今の日本の翻訳ロマンス事情は、もはや供給過多の飽和状態に近い。
「もうリージェンシーは勘弁」「もうパラノーマルは食べ飽きた」など読者に言われても仕方ないぐらい、右向け右状態である。
たまにロマサスの秀作が出ると、今では逆に新鮮に感じるぐらい。
あの一時期の「ネコも杓子もロマサス」状態から考えると、どんだけ極端なんだ出版業界!!ってカンジだが(笑)。
で、このオークラの参戦である。
ここのチョイスは非常に面白い。端的に言えばこうだ。

「あえてこーんなのやあーんなのをまとめて日本に入れようとしている、そのチャレンジャー具合に感動」(笑)

ちょっとやそっとじゃ驚かなくなっているじゃないですか。読者も。
でもね、異端な作品って最初、絶対に眉をひそめられたと思うんですよ。
今じゃ生ぬるく思えるローリ・フォスターも、今となってはエッチスタンダートになってしまった感があるシャノン・マッケナも、翻訳1冊目は「何じゃー、これーっ!!」と、読者からセンセーショナルでエモーショナルな反応が得られたと記憶しております。
賛否両論ですら、話題になっている証拠とばかりに。
ええ、シリーズロマンスでいう、もはや大御所になってしまったリン・グレアムの日本デビュー時もそうでした。
ただ、あれは単発状態でした。
このオークラは、会社総動員でシリーズまで創刊してそんな、いろんな意味でダブルスタンダートな作品(爆)で占めてしまおうというガチな感じに男気を感じます(爆)。
さすがBLでも一枚も二枚も上手なオークラ出版です。
このマグノリアも、新刊帯だけで、かの名ブロガー様のBL帯レビュー並にネタがあふれています(笑)。
あえて、このコアなゾーンプレイをオークラさんには続けていただきたい!
・・・ここまで書いたものを読んでいると、すごいオークラ出版賛歌状態ですが、もはや飽き飽きしたゆるい状態のカンフル剤として期待しているからです(笑)。

で、このラリッサ・イオーネになる。
最近、たまに「これは本当にプロが書いたのか? 同人誌じゃないのか?」とかいうコメントを述べているが、ことのさんは同人誌をそんな風に斜めに見ているワケではないのですよ。
つまり、何よりも同人誌の、あの、熱に浮かされたような情熱、勢い、何よりも 自分の萌えを極限まで研ぎ澄ませて作品化するパワー を愛しているからなのです。
だって、考えてみて下さいよ。
プロなら、それがメシの種だが、同人誌って金にもならない単なる「趣味」なんですよ。
自分の金を、時間を、体力を、それこそ寿命削って作ってるんですよ。萌え ゆえに。
錬金術師も驚く等価交換まったく無視の世界だわ・・・。
だからこそ、読者もすごいパワーを感じてそれに引き込まれてゆくんです。
プロの作家が、息抜きで作ったゆるーい同人誌並の作品だと、そんなものは感じません。ええ。
このデモニカ・シリーズには、萌えと愛、いや。偏愛 がいかんなく垂れ流しされ、非常にヲタを奮い立たせる、萌えだけでこんなカッコイイ、しかも アホな独自の世界を構築してしまった作者の斜め上かっとび具合が・・・キターッ!
テラモエキターッ!!ギガントモエーッ!!! > びったんびったんジタバタびったんびったん

・・・だってさ、最初の設定だけで、こんな事、真面目に作品化しようと思った作者に強烈ハグしたいよ、あたしゃ。

デーモンの為の病院に勤める生真面目な医者のヒーローのイードロン(デーモン)

・・・笑い死にしたくなった。
しかも、ことのニーズ500%ものだから、っていう理由で(爆)。
今年の一発芸枠が、これで確定したよ(爆)
すごいわ。「ロマンスとパラノーマルとドラマ『ER』が好きだから」ってそのヲタ具合を全面肯定して作品にしちゃうって、もう、どう見ても同人誌作ってナンボの勢いを感じて愛さずにはいられないわ(笑)。
でもって、それが中味を伴ったハイクオリティなのが素晴らしい。
キャラクター全てが、ヲタ好みなのが、もうたまらんスマッシュね!(爆)
ゴス娘のジェム、インディ・ジョーンズ系のイードロン異母弟レイスとか、まさに「ER」から抜け出たような救急救命士のイードロン異母弟のシェイドとか、細かく見ていくと楽しいです。
困ったキャラなレイスですが、私は読んでいて「あ、これもあり。つまりはまぁ、第二次成長期特有の自傷的グレっぷりだな」と思いました。
というか、弟を守る為に彼の罪の対価となる処罰を隠れて受ける兄二人というのは、彼ら寄りの読者視点からだと「バカかい、このレイス」ですが、レイスがもしそれを知った時に今以上に自分を嫌悪すると思うんですよ。
そして、こういうのは「ここぞ」というところでバレたりするし、最初に知られる場合よりダメージ大きいのがお約束(^^ゞ
これって、ロマンスの兄弟ものの鉄板テンプレって気がします。
かっとび三昧のこの作品ですが、意外にこういったところがテンプレ(笑)。

テンプレといったら、ロマンス部分も恐ろしくテンプレ。
切羽詰った婚活中(笑)のイードロンが出会ってしまったのが、デーモンを狩るスレイヤー(殺し屋)のテイラ。
しかも、そのテイラは実は イードロンの死んだ異母兄の敵の一人 で、デーモンと人間の混血 で、挙句 デーモンとして育てられたジェムと生き別れの姉妹 って・・・ひ、昼メロ?(爆)
まぁ、しかし、この二人がラブラブラブラブ・・・で、後半になってくると本当にシェイドやレイスじゃないけど「好きにして(^^ゞ」ってのも好印象(笑)。
またラブシーンはホットを通り越した燃えっぷりなんだが、どうもあのイードロンのキャラのせいか・・・かわいく思えてしまうのは錯覚かはたまた作者の萌えマジック?(爆)

この1冊目で、ある程度のキャラクターが出てきたけど、これからも増えていくんだろうなぁ。
いえ、お付き合いしますよ。ノリノリで(笑)。
何となく、今回の事件の黒幕、想像つくんだけど(某マンガを彷彿させる)・・・そうなのかなぁ。
シリアスでハードな設定なのに、随所にお笑いポイントが炸裂している、万民には向けられていないであろう萌え作品でした(笑)。
ヲタスイッチ、入りっぱなしで困った困った、な愛読書確定本(爆)
ノエル・マックの初翻訳、セント・ジェームズ団シリーズ1冊目、読了。

・・・ははは。
とりあえず、頑張って笑ってみました > いきなりそうくる?!(笑)

何というか、ロシア皇帝に迫害された商売上手な人狼一族がイングランドを拠点に、イングランド王の為に働く秘密組織を結成して暗躍、という筋道なのだが。
多分、そうなんだが。
きっと、そうなんだろうが・・・どうしても、最初から最後までその崇高な決意は窺えませんでした!(爆)

公爵の元愛人のヒロイン・ヴィヴィアンにメロメロなセント・ジェームズ団リーダーのキリルがヒーローなんだが・・・えーっと。一体、何をもってして彼をリーダーにしたのだ?(笑)
こんな阿呆は早々お目にかかれませんぜ、ってぐらい色ボケしているし、緊張感に欠けた隠密機関団員はいないよ(笑)。
かといって、他のメンバーもキリルの弟二人も従弟もそうだな。ははは。
弟二人に至っては、祝宴でどんちき騒ぎしているところしか印象がない(爆)。
従弟が麻薬に溺れたくだりはまだ納得もいくが、その後にその薬瓶に一服盛られていても気付かない・・・って、本当に嗅覚に優れた狼なのか、と疑いたくもなる(^^;

いや、もしかしたら、そこがこの作品最大のネックなのかもしれない。
どこに人狼設定である必要があるのだ?! という疑念が頭を過ぎらない読者はいないと思うんだよ。
そして、読み進めるにつれ・・・すごい描写にもんぞり返ったわ!!
かねてより、人狼もの鉄板ジョークのような問題「衣服をどうするんだ。まっぱだぞ」に対してのこの作品のヒーローの珍回答!
半分、狼の状態で紳士服店に飛び込んで服を買う って・・・ひぇーっっ!(呼吸困難)
そこのシーンを読んでいて、何かどっかのB級アマチュア同人誌読んでるような気分になった・・・で、挙句にこれだ。
とりあえず、尖ったままの耳はぺしゃんこにしてみた って、何の意味が?!(爆)

多分ね、これがすごーく綿密に構築された不動の世界感を持つストーリーなら、クスッと笑ってしまうんだろうが、破綻した設定とザルのようなストーリー、とどめの魅力なきキャラクター乱立の末となると・・・笑えない。
滑ったコントを見せられた気分にしかならん。

本当にねー、ヴィヴィアンに関しても「中味は人を疑う事を知らない純粋な女だ」とかあるんですが、ことのさんには「やっかい事にすぐ首を突っ込む、状況が把握出来ない床上手だが傍迷惑な女」としか思えない(無茶振り禁止。爆)。
あの妹もどきの件も何?
全然意味ないじゃん。あの女、何の為に出てきたの?
今後のヒロインに昇格させるとしても、それなら何か前振りしてくれよー。ノーリアクションかよー、みたいな。

・・・そう。
ちょっと今、自分で自分を褒めたいよ。
「よくこの燃えまくってるエロばかりがてんこ盛りのアホ作品、最後まで読みきったな」と(笑)。
この作品で一番出色なキャラクターといったら・・・そうね。
タイア(一族の狼と犬の混血ちゃん。多分9割が狼、ワンコ1割) だな! > ワンコ以下の価値しかない主役、脇役、次回主人公たち・・・人間さまの立場ナッシング!(爆)
次回以降 あれ、従弟死んでないよなー。うん 、読むかどうかは謎だな、このシリーズ・・・。
えっと、次の主役は末っ子のマルコか?
あのリーダー兄に似ているなら、きっと痛快な阿呆なんだろうな・・・ははは(遠い目)。

とりあえず、再読はないな。
いろんな意味で、すごい作品でした・・・この作家をReviewer’s Choiceに押したRT誌とは一度、膝を突き合わせてみるべきなんでしょうか?(^^;;
ローリー・ハンデランドの初翻訳にてナイトクリーチャー・シリーズ1冊目、読了~。
きっとロマンス読者的に首を傾げられそうな作品だが(笑)、ことのさん的にはかなり面白かった~♪

人狼ものロマンスもちと食傷気味になりかけていたので、そのメカニズムが非常にSF的設定ながら、怪しい宗教だ土着信仰だを絡めてある時点でまず面白い。
怪しい実験の結果、人狼が生まれましたとかいう負の遺産というのが目からウロコじゃないですか。
どこまでがただの人で、どこまでが人狼かってのが分からない、誰が味方で誰が敵かも分からない、ひたひたと迫る不気味さが淡々とした一人称で書かれていて、これも出色。
サスペンスの、そしてホラーの基本じゃない、これって。
人狼設定に、そしてロマンスに振り回されてそれがおざなりになりがちなのが想定内という昨今のパラロマ事情の中では別の意味で異色か(笑)。
しかも、あれだけ期待を持たせておいて、実はヒーローはすごいストーリー上におけるスケープゴートだったのに大ウケ(爆)。

実際、ことのさんとしては、あのヒーローのウィルを「ヒーロー」ではなく、「ヒロインであるジェシーの彼氏」という紹介をしてもいいかも、とか思ってしまったりする(笑)。
ほら、リップマンのテス・モナハン・シリーズにおけるクロウ(爆)。
いい仕事するし、とってもピュアな男前で、しかもセクシーな学者オタク(眼鏡つき)というのがギャーッ!!キターッ!!モエキターッ!!なんですが・・・ぷっ。
ほら、ウィルって、ここぞというところできゅんきゅんに乙女な言動しちゃったり、うっかり黒幕にクライマックスの儀式に連行されたり、ってまさに こっちのがヒロイン?! って気分にさせられるんですよ(爆)。
ヘタレ、ではないの。
単に乙女なだけで(おいおい。爆)。

それに比べると、この作品のヒロインのジェシー・・・いいなぁ。
シャレっ気もあって、しかもナイスバディな姐御肌!(萌)
彼女の一人称ゆえに、淡々としていてぶっきらぼうで不器用。ただ、その合間にちょっとしたかわいいところが入っていい按配なんですよね。
ロマンスとしては、きっと地味だと思う。
ピュアピュアにラブラブなウィルと比べると、確かにジェシーって女性から見ても言動のふり幅が少ないと思うから。
しかし、そのちょっとした落差とか、不器用ながらに甘い言動とかが重要だと思ったりする。
ロマンスに大半の割合を割かず、あえて作品全体の流れとその独自の世界感を重視した作品だからこそ。

ロマンスとしてはハッピーエンドだが、物語としてはシリーズ導入部分。
その壮大さは・・・全世界を行脚してナチのマッドサイエンティストが生み出した人狼軍隊を退治をする特殊マタギ一味シリーズと言ったら失礼か(笑)。
だって、マンデナウアーのキャラがそんなイメージなんだもん(笑)。
胡散臭いものやら、こういう一発芸的設定が好きなことのさんとしてはこのシリーズ、大歓迎である。
しかもハンデランドのストーリーテラー具合は、人を喰ったところを感じてますますことの的好印象(爆)。
是非とも、今後もこのシリーズの翻訳をお願いしますわ(笑) > 出版社さま
全てのロマンス作家にリスペクトされているであろう、ヒストリカル・ロマンスの始祖ともいえるジョージェット・ヘイヤー、初翻訳。
その記念すべき1冊、読了。

いやー、笑った笑った!(爆)
昨今のエロティカブームと逆行した、このヒーローとヒロインの丁々発止のガチンコに笑いが止まらないったら!

しかし、このソフィー・・・彼女を形容するに至り、この言葉しか思いつかない。
猛烈 (爆)
全てにおいて、こんなスーパーレディはいないであろうが、周囲の人間が彼女を尊敬しつつも、そのパワフルっぷりに恐れをなしているのがありありと(^^;
停滞しきっている事態、問題事、彼女の手にかかると解決・・・というよりは、力技でひっくり返されてる、というカンジ(爆)。
登場するまでに、伯母一家の脳内には「かわいそうでナイーヴなソフィー」という人物像が出来上がっていただけに、あのサルとオウムとワンコを連れた華々しい初登場シーンの何と痛快な事か!
オウムがキジなら、まさに桃太郎よろしく鬼退治にきたって思うところだよ(爆)。

ゼニ勘定が出来る、頭の回転の早いヒロインというのが無類に大好きなことのさんですら、このソフィーの比類なきパワフルさには目を見張る思いでした。
それぐらい、今まで見た事のない豪快なレベルなのさ(笑)。
居候する事になった伯母一家が問題だらけと知るやいなや、痛快救済計画に乗り出すのだが、いかんせん、この一家の実権を握るソフィーの従兄にて一家の長男であるチャールズが目に余る。
しかも彼の婚約者は一家にとって目の上のタンコブもいいところの煩い女で、これはどうにかせんと!!と、奮闘しようとするが、あまりにこの婚約者と真逆のソフィーは何をやっても彼女の地雷を踏む羽目に(笑)。

とにかく登場する脇役も、皆して一癖二癖を持つキャラばかりの中、従兄の借金清算の為に高利貸しのオッサンとサシで渡り合い(笑)、従妹の恋路を助ける為に荒療治!!と、その相手と偽装駆け落ちした挙句、拳銃ぶっ放し更に偽装に励み(笑)、煩いチャールズの婚約者と、自分に求婚してくる頓珍漢なジャマイカ育ちのボンボン貴族を一石二鳥にくっ付けたり、と縦横無尽な大活躍(爆)。
どんだけ濃ゆいキャラがいても、このソフィーの猛烈さでなぎ倒しまくり(爆)。

口喧嘩だらけながら、そんなソフィーと従兄チャールズの丁々発止なやりとりはロマンスの醍醐味満載なんですよね。
またチャールズがシャレと話が通じる専制君主なもんで、これがまたイカしているんだわ。
ゼニ勘定出来るし > だからこれは重要なんだってば(笑)
個人的には、彼とソフィーのワンコ、あとサルとのやりとりがかわいくって好きだわ(笑)。

しっとりしたロマンスが読みたい方にはお勧めしません。
あと、ドタバタやらエキセントリックなヒロインが駄目な人にもお勧めしません。
そういう意味では、ヘイヤーの既刊の中では読者を選ぶ作品が翻訳第一号として日本上陸した事は否めません。
でも、それを凌駕するぐらい、昨今、日本に上陸しているマンネリなリージェンシーに食傷気味だったことのさんにはツボにハマった1冊。
あー、また再読したくなった。
そして大笑いするのだ。そういう、カラッとした晴れ模様な作品。
超お気に入り(^^)

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