甘く危険な再会 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)
2010年2月2日 新刊レビュー
4年の沈黙を経ての復活劇、デボラ・シモンズまさかのハーレクイン復帰作品、読了。
暗中模索の中に、何かを見出せた気がする1冊。
そうなのである。
日本ではお馴染みのデボラ・シモンズだが、『A Lady of Distinction(邦題「舞踏室の微熱」)』が出版されてから実に4年近く、作家活動が沈黙状態となっていた。
公式サイトも沈黙を続け、正直、作家活動そのものをやめたのではないか?!という疑念すら浮かんでいた。
その彼女が2008年に、この作品で再び表舞台に出てきた。
しかも、一度は離れたと思われていたハーレクイン社から、である(文庫初出の『舞踏室の微熱』『ライラックの天使』はバークレー社からのシングルタイトル)。
そこからは年1冊のゆっくりしたペースだが、順調に刊行を重ねている。
で、気になったのである。
あえて ぬるま湯 ハーレクインから外に出て、そしてすぐに沈黙、このたび復活し、またハーレクインに戻ってきた彼女の作品に「何か」が加算されているのか、と。
父親に死なれた身寄りのない兄妹が、遠縁の伯母から古びた屋敷を相続し、そこに移り住んだと同時に奇妙な出来事に遭遇する。
その屋敷で再会した幼馴染の子爵、無人の屋敷の敷地に広がる不気味な迷路、謎が謎を呼び・・・という、かなりゴシックロマンス色の強い作品に仕上がっていた。
どちらかというと、ライトで軽妙な印象のする展開、キャラ造詣を基本にしている今までのデボラ作品とは一線を画している。
デボラ作品の特徴(?)ともいえる、ホットなラブシーンも抑え気味でそのものズバリ場面が書かれていないし・・・えーっと、朝チュン と言うべきか、これは!(笑)
何より、この作品におけるリサーチ量と情報量が顕著な変化の筆頭。
迷路の歴史、ドルイド教の歴史や詳細など、どちらかというとそういうドキュメントな要素が薄いハーレクイン・ヒストリカルでは異色ともいえる。
そう、他社のシングルタイトルでならともかく、ここでやっていいのか、というぐらい。
隔離されたに近い辺境とか、田舎屋敷とかが舞台になる・・・つまりは擬似閉鎖世界で進行するのが多かったかつての作品と比べたら、今回はゴシックを強調する為の故意的閉鎖空間だし、実在の人物(ジェシカ・ベンソン『秘密の賭けは伯爵とともに』でも出てきたジョン・ジャクソン)とかも出てくるもんだからそこらも差異か。
多分、その変わった部分の印象が強いせいもあるし、デボラ作品のキモでもあるヒーローの造詣が弱いのもあるのか、ロマンス色は少し薄く感じたかな。
ヒロイン兄のキャラ造詣は、しっかり今までのデボラ節なんだけど(笑)。
ただ、作品は小ぶりながらしっかりまとまっているし、単純に面白かった。
誰も彼もが怪しく見えて、何より先が読めないってのがナイスでした。
今までのデボラを期待しているなら、それはこの作品には完全には求められないかもしれないが、ハーレクインであれだけ「読める」っていうのは決してマイナスではないと思う。
作者の試行錯誤の末に生まれた、っていう感じが手にとるように分かるからこの1冊ではまだまだ決め付けられないのではないか。
そういう意味でも、この次の作品の翻訳が待遠しいな。
なにせ、彼女を日本ハーレクインのヒストリカルロマンス人気作家の筆頭に叩き上げた、あのディ・バラ家シリーズ最新刊だ。
もうロビンの後は読めないのか、と思っていただけに、6男レイノルドの話がまさか今になって登場するとは!
いやはや、あのまま続きを書かなくても良かったんじゃ・・・とかいう悔しさに暮れるのか、はたまた最後のニコラスも早く書いて!!となるのか、待つとしましょうか。
デボラなら、嘆願投書しなくてもきっと出るでしょう、翻訳(笑)
暗中模索の中に、何かを見出せた気がする1冊。
そうなのである。
日本ではお馴染みのデボラ・シモンズだが、『A Lady of Distinction(邦題「舞踏室の微熱」)』が出版されてから実に4年近く、作家活動が沈黙状態となっていた。
公式サイトも沈黙を続け、正直、作家活動そのものをやめたのではないか?!という疑念すら浮かんでいた。
その彼女が2008年に、この作品で再び表舞台に出てきた。
しかも、一度は離れたと思われていたハーレクイン社から、である(文庫初出の『舞踏室の微熱』『ライラックの天使』はバークレー社からのシングルタイトル)。
そこからは年1冊のゆっくりしたペースだが、順調に刊行を重ねている。
で、気になったのである。
あえて
父親に死なれた身寄りのない兄妹が、遠縁の伯母から古びた屋敷を相続し、そこに移り住んだと同時に奇妙な出来事に遭遇する。
その屋敷で再会した幼馴染の子爵、無人の屋敷の敷地に広がる不気味な迷路、謎が謎を呼び・・・という、かなりゴシックロマンス色の強い作品に仕上がっていた。
どちらかというと、ライトで軽妙な印象のする展開、キャラ造詣を基本にしている今までのデボラ作品とは一線を画している。
デボラ作品の特徴(?)ともいえる、ホットなラブシーンも抑え気味でそのものズバリ場面が書かれていないし・・・えーっと、朝チュン と言うべきか、これは!(笑)
何より、この作品におけるリサーチ量と情報量が顕著な変化の筆頭。
迷路の歴史、ドルイド教の歴史や詳細など、どちらかというとそういうドキュメントな要素が薄いハーレクイン・ヒストリカルでは異色ともいえる。
そう、他社のシングルタイトルでならともかく、ここでやっていいのか、というぐらい。
隔離されたに近い辺境とか、田舎屋敷とかが舞台になる・・・つまりは擬似閉鎖世界で進行するのが多かったかつての作品と比べたら、今回はゴシックを強調する為の故意的閉鎖空間だし、実在の人物(ジェシカ・ベンソン『秘密の賭けは伯爵とともに』でも出てきたジョン・ジャクソン)とかも出てくるもんだからそこらも差異か。
多分、その変わった部分の印象が強いせいもあるし、デボラ作品のキモでもあるヒーローの造詣が弱いのもあるのか、ロマンス色は少し薄く感じたかな。
ヒロイン兄のキャラ造詣は、しっかり今までのデボラ節なんだけど(笑)。
ただ、作品は小ぶりながらしっかりまとまっているし、単純に面白かった。
誰も彼もが怪しく見えて、何より先が読めないってのがナイスでした。
今までのデボラを期待しているなら、それはこの作品には完全には求められないかもしれないが、ハーレクインであれだけ「読める」っていうのは決してマイナスではないと思う。
作者の試行錯誤の末に生まれた、っていう感じが手にとるように分かるからこの1冊ではまだまだ決め付けられないのではないか。
そういう意味でも、この次の作品の翻訳が待遠しいな。
なにせ、彼女を日本ハーレクインのヒストリカルロマンス人気作家の筆頭に叩き上げた、あのディ・バラ家シリーズ最新刊だ。
もうロビンの後は読めないのか、と思っていただけに、6男レイノルドの話がまさか今になって登場するとは!
いやはや、あのまま続きを書かなくても良かったんじゃ・・・とかいう悔しさに暮れるのか、はたまた最後のニコラスも早く書いて!!となるのか、待つとしましょうか。
デボラなら、嘆願投書しなくてもきっと出るでしょう、翻訳(笑)
真夜中にワルツを(二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
2010年1月30日 新刊レビュー
ジャツキー・ダレサンドロのメイフェア・シリーズ3巻、読了~。
いやはや、ここまできているのに相変わらずいい意味でのリリカルさに萌え炸裂、ってところか。
今回の主人公は、婦人読書会きっての美人で伯爵家の令嬢であるジュリアン。
美しいだけでなく、優しく繊細な彼女だが、氷のように自分以外に興味のない父親と母親に構われる事なく孤独な生活を送っている。
彼女が「娘」で「跡継ぎになれない」事が全てを物語る、というわけだ。
そんなジュリアンを、権力ある貴族に政略結婚で嫁がせてさっさとやっかい払いしたい両親が婚活に勤しむ裏で、残された自分の時間が少ない事を痛感するが故に心の中に秘めていた思いを行動に移す・・・というお話。
さて、前作まで読んでいる方は、そのジュリアンの相手がボウ・ストリートの敏腕巡査であるギデオン・メインというのはお分かりかと。
伯爵令嬢と、庶民の巡査という身分違いの恋の典型的なパターンかと思ったら・・・本当にそうだった(笑)。
このギデオンが、まぁ、いい意味でまっすぐすぎて気の毒なぐらい寸止め連打で・・・ああ、頑張れギデオン!負けるなギデオン!!みたいな応援モードのスイッチが読んでて入りました(^^ゞ
最後の最後近くまで、それこそあれだけジュリアンからあの手この手で誘惑されても最後の一線を越えてないのもまっすぐゆえ(^^ゞ
ボウ・ストリートの獲り手にありがちの、もっと厭世家で斜に構えているのかと思ったら、本当にまっすぐなんだよ、ギデオンってば。
何だか爽快だよ、久々にこんな性格ピュアくん(笑)。
ギデオンと飼い犬の大型ワンコなシーザーくんのやりとりも微笑ましいし♪
今までの既刊では、他のメンバーに隠れていた感があったジュリアンだが、こちらもピュアではギデオンに匹敵もの。
清く正しく美しく~♪かと思いきや、内気なのはイケてない傲慢両親に押さえつけられている時だけで、本当は繊細だが芯の強いかわいい女性で、何より、一目ギデオンを見た時から恋していたその一途さから、やらずに後悔するならやって後悔、いや、思い出の欠片でも私は得たい!というもがきとバイタリティは読んでいてこっちも応援したくなっちゃう事うけあい。
ヒーローに同性ワンコの相棒がいるように、このヒロインにも同性ワンコの相棒がいて、そこがまたかわいいの~♪
ちなみにこっちは小型犬でマルチーズ、ヒーローに毛玉扱いをうけるお洋服とティアラ付きお姫様ワンコのプリンセス・バターカップちゃん(笑)。
毎回毎回お衣装が違っているし、ヘアスタイル(リボン)も違っていてファッションリーダお犬様ーもいいとこ!(^^ゞ
飼い主同様、ギデオンに一目ぼれ(笑)、その飼い犬のシーザーと凸凹なラブラブカップルになるんだが、あのワンコカップルを見てディズニーの『わんわん物語』を思い出しましたわ。
まさにあのまんまよ、お嬢様室内犬とワイルドな野良犬のラブラブカップル(笑)。
そんな、飼い主も飼い犬も相思相愛のラブラブアイウォンチューカマンベイベーな縦糸と、連続強盗殺人事件を横糸に使っての絶妙な展開は、3冊中では一番こなれた造りだったかも。
犯人は簡単に分かるんだが、その犯行動機とか関連性とかに幅を持たせたというか。
今回は一作目のヒロインであるサラの姉貴っぷりと、次回ヒーローであるローガンの美味しさが目立ったのが嬉しいな。
ダレサンドロ作品の特徴のひとつである、印象的な小道具の使い方も今回は秀逸すぎてホロリときた。
最後、ギデオンの為に家族を捨てて、彼の為にだけ生きる事を決意したジュリアンが、飼い犬以外に持ったのが、金銭的価値の全くない思い出の詰まった小箱を持った瞬間にきゅーんときたよ・・・。
最初から最後まで、ああロマンスだわぁ・・・癒しだわぁ・・・懐かしいわぁ、とか、きゅんきゅんしながら読んだ1冊でしたな。
勿論お気に入り。
そんな駆け落ち同然の強行結婚したギデオンとジュリアンの結婚式当日に・・・あら、まぁ。
何かあったんですね。ローガン・ジャンセンと婦人読書会最後の独身であるじゃじゃ馬娘エミリーに(笑)。
分かりやすいツンデレだよなぁ、エミリーって(爆)。
あのミダス王も驚くヤンキー大富豪のローガンが、どうじゃじゃ馬ならしっぷりを見せてくれるのか、貴族を敬遠している彼がどう陥落するのか、今から楽しみです。
ええ、一番お気に入りキャラはローガンなんでね、ことのさん(^^)
いやはや、ここまできているのに相変わらずいい意味でのリリカルさに萌え炸裂、ってところか。
今回の主人公は、婦人読書会きっての美人で伯爵家の令嬢であるジュリアン。
美しいだけでなく、優しく繊細な彼女だが、氷のように自分以外に興味のない父親と母親に構われる事なく孤独な生活を送っている。
彼女が「娘」で「跡継ぎになれない」事が全てを物語る、というわけだ。
そんなジュリアンを、権力ある貴族に政略結婚で嫁がせてさっさとやっかい払いしたい両親が婚活に勤しむ裏で、残された自分の時間が少ない事を痛感するが故に心の中に秘めていた思いを行動に移す・・・というお話。
さて、前作まで読んでいる方は、そのジュリアンの相手がボウ・ストリートの敏腕巡査であるギデオン・メインというのはお分かりかと。
伯爵令嬢と、庶民の巡査という身分違いの恋の典型的なパターンかと思ったら・・・本当にそうだった(笑)。
このギデオンが、まぁ、いい意味でまっすぐすぎて気の毒なぐらい寸止め連打で・・・ああ、頑張れギデオン!負けるなギデオン!!みたいな応援モードのスイッチが読んでて入りました(^^ゞ
最後の最後近くまで、それこそあれだけジュリアンからあの手この手で誘惑されても最後の一線を越えてないのもまっすぐゆえ(^^ゞ
ボウ・ストリートの獲り手にありがちの、もっと厭世家で斜に構えているのかと思ったら、本当にまっすぐなんだよ、ギデオンってば。
何だか爽快だよ、久々にこんな性格ピュアくん(笑)。
ギデオンと飼い犬の大型ワンコなシーザーくんのやりとりも微笑ましいし♪
今までの既刊では、他のメンバーに隠れていた感があったジュリアンだが、こちらもピュアではギデオンに匹敵もの。
清く正しく美しく~♪かと思いきや、内気なのはイケてない傲慢両親に押さえつけられている時だけで、本当は繊細だが芯の強いかわいい女性で、何より、一目ギデオンを見た時から恋していたその一途さから、やらずに後悔するならやって後悔、いや、思い出の欠片でも私は得たい!というもがきとバイタリティは読んでいてこっちも応援したくなっちゃう事うけあい。
ヒーローに同性ワンコの相棒がいるように、このヒロインにも同性ワンコの相棒がいて、そこがまたかわいいの~♪
ちなみにこっちは小型犬でマルチーズ、ヒーローに毛玉扱いをうけるお洋服とティアラ付きお姫様ワンコのプリンセス・バターカップちゃん(笑)。
毎回毎回お衣装が違っているし、ヘアスタイル(リボン)も違っていてファッションリーダお犬様ーもいいとこ!(^^ゞ
飼い主同様、ギデオンに一目ぼれ(笑)、その飼い犬のシーザーと凸凹なラブラブカップルになるんだが、あのワンコカップルを見てディズニーの『わんわん物語』を思い出しましたわ。
まさにあのまんまよ、お嬢様室内犬とワイルドな野良犬のラブラブカップル(笑)。
そんな、飼い主も飼い犬も相思相愛のラブラブアイウォンチューカマンベイベーな縦糸と、連続強盗殺人事件を横糸に使っての絶妙な展開は、3冊中では一番こなれた造りだったかも。
犯人は簡単に分かるんだが、その犯行動機とか関連性とかに幅を持たせたというか。
今回は一作目のヒロインであるサラの姉貴っぷりと、次回ヒーローであるローガンの美味しさが目立ったのが嬉しいな。
ダレサンドロ作品の特徴のひとつである、印象的な小道具の使い方も今回は秀逸すぎてホロリときた。
最後、ギデオンの為に家族を捨てて、彼の為にだけ生きる事を決意したジュリアンが、飼い犬以外に持ったのが、金銭的価値の全くない思い出の詰まった小箱を持った瞬間にきゅーんときたよ・・・。
最初から最後まで、ああロマンスだわぁ・・・癒しだわぁ・・・懐かしいわぁ、とか、きゅんきゅんしながら読んだ1冊でしたな。
勿論お気に入り。
そんな駆け落ち同然の強行結婚したギデオンとジュリアンの結婚式当日に・・・あら、まぁ。
何かあったんですね。ローガン・ジャンセンと婦人読書会最後の独身であるじゃじゃ馬娘エミリーに(笑)。
分かりやすいツンデレだよなぁ、エミリーって(爆)。
あのミダス王も驚くヤンキー大富豪のローガンが、どうじゃじゃ馬ならしっぷりを見せてくれるのか、貴族を敬遠している彼がどう陥落するのか、今から楽しみです。
ええ、一番お気に入りキャラはローガンなんでね、ことのさん(^^)
シークレット とらわれた王女 (ソフトバンク文庫NV)
2010年1月27日 新刊レビュー
新刊購入した本の読書の合間に、古本屋で拾った近刊読書もちまちまと。
まぁ、進みはしないけどさ。今はテニス三昧だから(笑)。
そんなこんなで、ソフトバンクから出ている短編集シリーズ2冊目、読了。
とりあえず思ったのは、抱き合わせ本の常として、客引きの為に看板にあげたエマ・ホリーの作品が一番つまんなかった、という事か(爆)。
いやはや、エロティカ畑のエマ・ホリーがケータイ小説書いたらこうなるんだろうな、とか妙に冷静に読んでしまった(^^ゞ
これが、大人のエロティカなら納得もして読むんだが、いかんせんティーンエイジャー二人、この設定でエロ以上にピュアを押し出された場合、そのギャップに萌えるよりちと引いたり(笑)。
悪くはなかったが好みでもなかった、という事なんですが、余りにツッコミポイントが多すぎて、最後には半笑い状態だった(^^;
そういう意味では、二本目のキンバリー・ディーンも面白いし、ラブラブでかわいいといったらそうなんだが、これの場合は ヒーロー、給料泥棒に近い公務員で明るいストーカーってカンジ?! と言われたらそれまでか?(爆)
頭のいいヒロインの逃亡劇と、それを支える「占い棒」の持ち主ヒーローとのドタバタだが、これもやはりツッコミポイントが多くて、ラブラブくん度も相殺ってところでしょうか?(^^ゞ
となると、他の二本はどうなのかしら・・・となると、1本目のジェイド・ローレスの運命の相手(転生)ものは、これは久々に王道短編ロマンス読んだ!という気分になったかな。
とにかく前世のロマンティックな年の差カップルのが良すぎて、現代バージョンの二人が少し、いや、かなり食われたって印象もあるかな(^^ゞ
でも、とてもいい作品でした。
現代バージョン部分の、直球ど真ん中な潔いセクシーガイと地味ヒロインものだけだったら、ここまで評価は上がらなかったかとは思うけど。
・・・さ。あえて、避けて最後にもってきたのは3本目のメアリジャニス・デヴィッドスン・・・あーあ。やっちゃった。
シリーズものの短編をうっかりこんなところに入れてしまったよ っていう台詞が飛び交ったかしら、発売当時(^^;
ウィンダム・ウェアウルフシリーズ、もう版権獲得したから入れちゃえ!!みたいなリアクションもなかったしなぁ・・・これって嘆願希望なう!!ってアピール?(笑)
でも、他の3本に比べたら、この作品だけべらぼうにクオリティが高いんだよね、やっぱり。
デヴィッドスンらしく、キャラクター造詣が抜群で、あの跳ねるような丁々発止もバッチリ!
何より、ヒーローのジャレッドが男前なのに、どうもヘタレでヘタレで・・・何か絶対配線が違うし、いろんな意味で(爆)。
ヒロインがウェアウルフだと分かって、なお彼女を愛していると分かったのはいいが「ぼくより胸毛が濃くったって、ぼくはかまわない!」とか言われたらなぁ・・・腹抱えて笑ってしまったよ、あそこ(泣き笑)。
そこから後はもう、一行進むごとに彼の珍迷言に笑い転げるのに勤しんだ、ってカンジだわ(爆)。
勿論、この作品がことのニーズすぎる秀逸な愛すべきアホ作品(褒めている)なので、一番お気に入りなんだけどっ。
そんなこんなで、こんな順番。
3 >>>> 1 > 2 >>> 4 ←看板の意味ナッシング(爆)
あー。でもさ、やっぱりこれは言わずにはいられませんな。
ソフトバンクさん、デヴィッドスンのウィンダム・ウェアウルフ・シリーズ、出してみません? みたいな(^^ゞ
まぁ、進みはしないけどさ。今はテニス三昧だから(笑)。
そんなこんなで、ソフトバンクから出ている短編集シリーズ2冊目、読了。
とりあえず思ったのは、抱き合わせ本の常として、客引きの為に看板にあげたエマ・ホリーの作品が一番つまんなかった、という事か(爆)。
いやはや、エロティカ畑のエマ・ホリーがケータイ小説書いたらこうなるんだろうな、とか妙に冷静に読んでしまった(^^ゞ
これが、大人のエロティカなら納得もして読むんだが、いかんせんティーンエイジャー二人、この設定でエロ以上にピュアを押し出された場合、そのギャップに萌えるよりちと引いたり(笑)。
悪くはなかったが好みでもなかった、という事なんですが、余りにツッコミポイントが多すぎて、最後には半笑い状態だった(^^;
そういう意味では、二本目のキンバリー・ディーンも面白いし、ラブラブでかわいいといったらそうなんだが、これの場合は ヒーロー、給料泥棒に近い公務員で明るいストーカーってカンジ?! と言われたらそれまでか?(爆)
頭のいいヒロインの逃亡劇と、それを支える「占い棒」の持ち主ヒーローとのドタバタだが、これもやはりツッコミポイントが多くて、ラブラブくん度も相殺ってところでしょうか?(^^ゞ
となると、他の二本はどうなのかしら・・・となると、1本目のジェイド・ローレスの運命の相手(転生)ものは、これは久々に王道短編ロマンス読んだ!という気分になったかな。
とにかく前世のロマンティックな年の差カップルのが良すぎて、現代バージョンの二人が少し、いや、かなり食われたって印象もあるかな(^^ゞ
でも、とてもいい作品でした。
現代バージョン部分の、直球ど真ん中な潔いセクシーガイと地味ヒロインものだけだったら、ここまで評価は上がらなかったかとは思うけど。
・・・さ。あえて、避けて最後にもってきたのは3本目のメアリジャニス・デヴィッドスン・・・あーあ。やっちゃった。
シリーズものの短編をうっかりこんなところに入れてしまったよ っていう台詞が飛び交ったかしら、発売当時(^^;
ウィンダム・ウェアウルフシリーズ、もう版権獲得したから入れちゃえ!!みたいなリアクションもなかったしなぁ・・・これって嘆願希望なう!!ってアピール?(笑)
でも、他の3本に比べたら、この作品だけべらぼうにクオリティが高いんだよね、やっぱり。
デヴィッドスンらしく、キャラクター造詣が抜群で、あの跳ねるような丁々発止もバッチリ!
何より、ヒーローのジャレッドが男前なのに、どうもヘタレでヘタレで・・・何か絶対配線が違うし、いろんな意味で(爆)。
ヒロインがウェアウルフだと分かって、なお彼女を愛していると分かったのはいいが「ぼくより胸毛が濃くったって、ぼくはかまわない!」とか言われたらなぁ・・・腹抱えて笑ってしまったよ、あそこ(泣き笑)。
そこから後はもう、一行進むごとに彼の珍迷言に笑い転げるのに勤しんだ、ってカンジだわ(爆)。
勿論、この作品がことのニーズすぎる秀逸な愛すべきアホ作品(褒めている)なので、一番お気に入りなんだけどっ。
そんなこんなで、こんな順番。
3 >>>> 1 > 2 >>> 4 ←看板の意味ナッシング(爆)
あー。でもさ、やっぱりこれは言わずにはいられませんな。
ソフトバンクさん、デヴィッドスンのウィンダム・ウェアウルフ・シリーズ、出してみません? みたいな(^^ゞ
100万ドルの魔法使い (ラズベリーブックス)
2010年1月24日 新刊レビュー
最近、各社から相次いで翻訳が続いているテレサ・マデイラスの1冊、読了~。
この厚みを全く感じさせない軽妙洒脱さに舌を巻く。
元来、タイムリープものに魔術は付き物。
この作品もそうかと思って読んでいたら、何とまぁ、一捻り、二捻りとしてあって読み進めるうちに、単なる魔法ものでなく、SFテイストも加えたものとなっているではないか。
そんなこんなで、主人公は17世紀のコロニー(植民地)時代のマサチューセッツの小さな集落で暮らすアリアン。
白魔女の彼女が、村の牧師にはめられて魔女裁判にかけられてそこから決死の逃亡をしたら、あらら、20世紀の現代に箒で飛んでくる事に・・・しかも、すごい悪運転の箒に乗って(^^;
飛んできた場所というのが、ニューヨークの大富豪トリスタンが開催するマジックコンテストの会場(笑)。
彼女は詐欺師か、はたまた?!という事で、真偽の程を確認するまでは、とアリアンの身柄を拘束という事に・・・(^^ゞ
というか、こんなすごいど真ん中ストレートな 眠れる王子様のフォーリンラヴもの 、久々にお目にかかりましたがな!(照)
孤高の天才コンピューター技術者のトリスタン、生まれも育ちもよくある孤独属性ヒーローのソレなんだが・・・何というか、不器用すぎてアリアンでなくても母性本能メガヒット状態だわ(^^ゞ
外面は飄々としているけど、一皮剥けばトゲトゲのハリネズミのようだし、とにかく人に裏切られ続けているので、彼の中では「信頼」という文字は、ツチノコかネッシーばりに信憑性のないものとなっていたりする。
ううう、そんなところもテンプレなのに、すごく色んな小道具やキーを使って描かれているから母性本能直撃なワケよ。
そこに、過酷な人生を歩んできたにしては奇跡的なピュアピュアちゃんに育ったアリアンがそれこそ体当たりでトリスタンに挑むもんだから・・・とってもきゅんきゅんするのよ。
ちょっとした口喧嘩とか、彼女の姿にうっとりしちゃっているのにそれを認めない悪あがきとか、彼女の好物をてんこ盛りに手配しちゃう甘やかしっぷりとか、なのにどうしても幸せに飛び込めない臆病なところとか。
実際、過去からやってきたアリアンのカルチャーギャップっぷりといい、頓珍漢っぷりといい、ドジな魔法具合といい微笑ましくって愛さずにはいられないわ~。
一番凄かったのはやはり、ボディガードでお目付け役のスヴェンをヤギに変身させちゃったところなんだけど(爆)。
変身解いた後でも後遺症(?)が残っていて、野菜だけでなく草だの発泡スチロールだのまでモシャモシャ食べてるのが何とも傑作すぎてバカうけだが(爆)。
花嫁衣装と共に送られたヴィクトリア・シークレットの透け透け破廉恥インナーを見て「こんな破廉恥なものでは、それはヴィクトリアさんも秘密にしたがるってもんだわ」とか言ってみたり、ハーゲンダッツ中毒になってみたり、テレビにかじりついて魔女映画ばかり見たりとか、可愛いんだよね~(萌)。
いや、トリスタンでなくても陥落しますってば!
どうやってオチをつけるのか、と思って読み進めたら、まぁ、これぞエンタメ!!といわんばかりの息つく暇は・・・あったが(笑)、とにかくジェットコースターストーリー!!ってカンジのクライマックス。
タイムリープものお約束の歴史のパラドックスを利用した二度目の魔女裁判、現代からアリアンを救う為に過去に飛んだトリスタン、彼の過去の妄執の原因である男との再会と真実、そして対決・・・すごい展開だけど、一気に読ませてくれましたよ!
主人公二人のがっつりなきゅんきゅんロマンスは、エンドマークの乙女系キタモエ!!といい、脇役たちの絶妙さといい、とにかく楽しい1冊でした。
何より、読んだ後のほっこり感がいい。
魔法ものに関しては、苦手スイッチ入りまくりのことのさんですら、この全てにおいての絶妙さ加減にはかないませんでした。ブラボー!!(^^)
この厚みを全く感じさせない軽妙洒脱さに舌を巻く。
元来、タイムリープものに魔術は付き物。
この作品もそうかと思って読んでいたら、何とまぁ、一捻り、二捻りとしてあって読み進めるうちに、単なる魔法ものでなく、SFテイストも加えたものとなっているではないか。
そんなこんなで、主人公は17世紀のコロニー(植民地)時代のマサチューセッツの小さな集落で暮らすアリアン。
白魔女の彼女が、村の牧師にはめられて魔女裁判にかけられてそこから決死の逃亡をしたら、あらら、20世紀の現代に箒で飛んでくる事に・・・しかも、すごい悪運転の箒に乗って(^^;
飛んできた場所というのが、ニューヨークの大富豪トリスタンが開催するマジックコンテストの会場(笑)。
彼女は詐欺師か、はたまた?!という事で、真偽の程を確認するまでは、とアリアンの身柄を拘束という事に・・・(^^ゞ
というか、こんなすごいど真ん中ストレートな 眠れる王子様のフォーリンラヴもの 、久々にお目にかかりましたがな!(照)
孤高の天才コンピューター技術者のトリスタン、生まれも育ちもよくある孤独属性ヒーローのソレなんだが・・・何というか、不器用すぎてアリアンでなくても母性本能メガヒット状態だわ(^^ゞ
外面は飄々としているけど、一皮剥けばトゲトゲのハリネズミのようだし、とにかく人に裏切られ続けているので、彼の中では「信頼」という文字は、ツチノコかネッシーばりに信憑性のないものとなっていたりする。
ううう、そんなところもテンプレなのに、すごく色んな小道具やキーを使って描かれているから母性本能直撃なワケよ。
そこに、過酷な人生を歩んできたにしては奇跡的なピュアピュアちゃんに育ったアリアンがそれこそ体当たりでトリスタンに挑むもんだから・・・とってもきゅんきゅんするのよ。
ちょっとした口喧嘩とか、彼女の姿にうっとりしちゃっているのにそれを認めない悪あがきとか、彼女の好物をてんこ盛りに手配しちゃう甘やかしっぷりとか、なのにどうしても幸せに飛び込めない臆病なところとか。
実際、過去からやってきたアリアンのカルチャーギャップっぷりといい、頓珍漢っぷりといい、ドジな魔法具合といい微笑ましくって愛さずにはいられないわ~。
一番凄かったのはやはり、ボディガードでお目付け役のスヴェンをヤギに変身させちゃったところなんだけど(爆)。
変身解いた後でも後遺症(?)が残っていて、野菜だけでなく草だの発泡スチロールだのまでモシャモシャ食べてるのが何とも傑作すぎてバカうけだが(爆)。
花嫁衣装と共に送られたヴィクトリア・シークレットの透け透け破廉恥インナーを見て「こんな破廉恥なものでは、それはヴィクトリアさんも秘密にしたがるってもんだわ」とか言ってみたり、ハーゲンダッツ中毒になってみたり、テレビにかじりついて魔女映画ばかり見たりとか、可愛いんだよね~(萌)。
いや、トリスタンでなくても陥落しますってば!
どうやってオチをつけるのか、と思って読み進めたら、まぁ、これぞエンタメ!!といわんばかりの息つく暇は・・・あったが(笑)、とにかくジェットコースターストーリー!!ってカンジのクライマックス。
タイムリープものお約束の歴史のパラドックスを利用した二度目の魔女裁判、現代からアリアンを救う為に過去に飛んだトリスタン、彼の過去の妄執の原因である男との再会と真実、そして対決・・・すごい展開だけど、一気に読ませてくれましたよ!
主人公二人のがっつりなきゅんきゅんロマンスは、エンドマークの乙女系キタモエ!!といい、脇役たちの絶妙さといい、とにかく楽しい1冊でした。
何より、読んだ後のほっこり感がいい。
魔法ものに関しては、苦手スイッチ入りまくりのことのさんですら、この全てにおいての絶妙さ加減にはかないませんでした。ブラボー!!(^^)
秘密の賭けは伯爵とともに (マグノリアロマンス)
2010年1月18日 新刊レビュー
ジェシカ・ベンソンの翻訳2冊目にて、RITA賞作品、読了。
相変わらずの、頭こんがらがり系頓珍漢ラブコメもので楽しかった♪♪
親の決めた婚約者同士の結婚が、そうは簡単にいかないのはロマンス小説の常套句だし、「まだ落ち着きたくない」だの「妹同然でそういう感情で見た事ないし」とか「愛の無い結婚するなんて嫌」とか並べられて、おお、恐ろしいまでのデフォルト並べ!!みたいな今作品。
なのに、そこはジェシカ・ベンソン。
なんか、変です (笑)。
父親の残した負債のせいで、極貧に喘いでいるヒロインのアディが、妹と叔母との暮らしを支える為にルポライターとしてこっそり働いている、というまではともかく、それが 拳闘 となると「・・・おいおい(^^;」となる。
しかもこのアディ、凄腕ルポライターで解説者なのだ(さしずめ現在なら週刊プロレスの連載持ち解説者か。女性だけど。笑)。
本人、自覚あるのか無自覚なのか・・・この拳闘ガチ っぷりを!(爆)
物語後半になり、彼女がヒーローのフィッツウィリアムの拳闘コーチ(爆)を務める事になってからは、そのガチ具合に笑いが止まりませんでした・・・。
苦行のような食事メニューと練習メニューを、伯爵家の当主であるフィッツウィリアムに課す様は、星一徹か丹下団平か、って勢い(^^;;
そこを面白おかしく書くのがベンソンなんだけど、フィッツの愚痴が傑作。
伯爵なのに、晩餐の主催者なのに、私はこの犬よりも不味いものを食ってる!!みたいな(爆)。
アディの、フィッツに愛してもらえない、義務感だけの結婚は嫌!っていう事で、彼に家計を支えてもらえると分かっていながら、みずから稼ぐ!!っていうのも分かるんだが、後にそれを知ったフィッツの凹み具合が何ともかわいかった(^^ゞ
意地になって、とんでもマザコン男と婚約してしまうアディだが、ここからは周囲のクセ者脇役が縦横無尽に駆け巡って、二人のロマンスをえいやほいさと後押しするんだが・・・これがまた滑稽なばかり(^^ゞ
ヒロイン妹と、その恋人でヒーロー親友のカップルは、いちいちごもっともなボケツッコミトークが炸裂させるのがナイス(笑)。
もっとも親友、拳闘のスパーリング相手というありがたくないお役目も(^^;;
イケ好かないマザコンな突貫婚約者、極度の病弱でアレルギー体質でうんちく長いし愚痴は多いし、マザゴン 憑き 付きだと更に劣悪度は上がるんだが、最後にアディに不埒な事(笑)をしているフィッツを目撃した際に、黄金の左ストレートでボコったところは会心!(笑)
しかも、それに拍車をかけるアディの、頓珍漢な左こぶし大絶賛トーク炸裂・・・は、腹がよじれそうに笑ってしまった・・・オタクは死ぬまでオタクなのか・・・(笑い泣)。
アディの叔母さまは、何かと過去の社交界ゴシップを用いては爆裂トークをくり出すツワモノだし、アディの親友リズベスは、頭の線が多分、すごーく変な配線の人だろうし(^^ゞ
拳闘サロンのオーナーであるジョン・ジャクソンは実在の人物をモデルにしているんだが、一番マトモそうなキャラに設定されていたのはそれゆえか(笑)。
まぁ、仕方ないといったら仕方ないのか・・・主人公二人が 変人 だから、変人は変人を呼ぶって事だ(笑)。
フィッツの、足首フェチっぷり(アディの足首に関する場面はそりゃあもう、アホ全開。爆)なんて、些細な事か(爆)。
そんな変人揃いな話のオチというか、ラストのあの飄々とした終わり方がこの作家の持ち味全てを物語っていて、やっぱり変な配線キャラの群像劇を書かせたらピカイチだと再認識。
あ、ロマンスがないわけじゃないのよ。
ただね、普通のテンプレからくるロマンスの流れを期待している方にはちょっとこれは違うかな、と(笑)。
ゴチャゴチャしているし、そこから読み取る事になる情報量も半端ないから、するーっと読める作品ではないかも。
更にボケツッコミをこよなく理解して下さる、シャレっ気満載な読者さん、カム!!みたいなところでしょうか。
ただ、古めかしい王道作品やら、生ぬるいテンプレものを選びたがるRITAにしては(暴言か。笑)、こういう捻ったウィットのクセ者作品も選んでもらえるキャパはあるんだ、とは思った次第。
そんなこんなで、勿論のことのニーズ本でお気に入り(^^)
もっともっとこのジェシカ・ベンソンの作品、読んでみたいなぁ♪♪
相変わらずの、頭こんがらがり系頓珍漢ラブコメもので楽しかった♪♪
親の決めた婚約者同士の結婚が、そうは簡単にいかないのはロマンス小説の常套句だし、「まだ落ち着きたくない」だの「妹同然でそういう感情で見た事ないし」とか「愛の無い結婚するなんて嫌」とか並べられて、おお、恐ろしいまでのデフォルト並べ!!みたいな今作品。
なのに、そこはジェシカ・ベンソン。
なんか、変です (笑)。
父親の残した負債のせいで、極貧に喘いでいるヒロインのアディが、妹と叔母との暮らしを支える為にルポライターとしてこっそり働いている、というまではともかく、それが 拳闘 となると「・・・おいおい(^^;」となる。
しかもこのアディ、凄腕ルポライターで解説者なのだ(さしずめ現在なら週刊プロレスの連載持ち解説者か。女性だけど。笑)。
本人、自覚あるのか無自覚なのか・・・この拳闘ガチ っぷりを!(爆)
物語後半になり、彼女がヒーローのフィッツウィリアムの拳闘コーチ(爆)を務める事になってからは、そのガチ具合に笑いが止まりませんでした・・・。
苦行のような食事メニューと練習メニューを、伯爵家の当主であるフィッツウィリアムに課す様は、星一徹か丹下団平か、って勢い(^^;;
そこを面白おかしく書くのがベンソンなんだけど、フィッツの愚痴が傑作。
伯爵なのに、晩餐の主催者なのに、私はこの犬よりも不味いものを食ってる!!みたいな(爆)。
アディの、フィッツに愛してもらえない、義務感だけの結婚は嫌!っていう事で、彼に家計を支えてもらえると分かっていながら、みずから稼ぐ!!っていうのも分かるんだが、後にそれを知ったフィッツの凹み具合が何ともかわいかった(^^ゞ
意地になって、とんでもマザコン男と婚約してしまうアディだが、ここからは周囲のクセ者脇役が縦横無尽に駆け巡って、二人のロマンスをえいやほいさと後押しするんだが・・・これがまた滑稽なばかり(^^ゞ
ヒロイン妹と、その恋人でヒーロー親友のカップルは、いちいちごもっともなボケツッコミトークが炸裂させるのがナイス(笑)。
もっとも親友、拳闘のスパーリング相手というありがたくないお役目も(^^;;
イケ好かないマザコンな突貫婚約者、極度の病弱でアレルギー体質でうんちく長いし愚痴は多いし、マザゴン
しかも、それに拍車をかけるアディの、頓珍漢な左こぶし大絶賛トーク炸裂・・・は、腹がよじれそうに笑ってしまった・・・オタクは死ぬまでオタクなのか・・・(笑い泣)。
アディの叔母さまは、何かと過去の社交界ゴシップを用いては爆裂トークをくり出すツワモノだし、アディの親友リズベスは、頭の線が多分、すごーく変な配線の人だろうし(^^ゞ
拳闘サロンのオーナーであるジョン・ジャクソンは実在の人物をモデルにしているんだが、一番マトモそうなキャラに設定されていたのはそれゆえか(笑)。
まぁ、仕方ないといったら仕方ないのか・・・主人公二人が 変人 だから、変人は変人を呼ぶって事だ(笑)。
フィッツの、足首フェチっぷり(アディの足首に関する場面はそりゃあもう、アホ全開。爆)なんて、些細な事か(爆)。
そんな変人揃いな話のオチというか、ラストのあの飄々とした終わり方がこの作家の持ち味全てを物語っていて、やっぱり変な配線キャラの群像劇を書かせたらピカイチだと再認識。
あ、ロマンスがないわけじゃないのよ。
ただね、普通のテンプレからくるロマンスの流れを期待している方にはちょっとこれは違うかな、と(笑)。
ゴチャゴチャしているし、そこから読み取る事になる情報量も半端ないから、するーっと読める作品ではないかも。
更にボケツッコミをこよなく理解して下さる、シャレっ気満載な読者さん、カム!!みたいなところでしょうか。
ただ、古めかしい王道作品やら、生ぬるいテンプレものを選びたがるRITAにしては(暴言か。笑)、こういう捻ったウィットのクセ者作品も選んでもらえるキャパはあるんだ、とは思った次第。
そんなこんなで、勿論のことのニーズ本でお気に入り(^^)
もっともっとこのジェシカ・ベンソンの作品、読んでみたいなぁ♪♪
プレイボーイの帰還 (ハーレクイン・イマージュ)
2010年1月16日 新刊レビュー
たまには薄い本も読みたいな、とツイッターで気になったのでこちらをチョイス(笑)。
というか、我ながらその 寸止めセンサー発動っぷり に驚いたかも。
だって、あれだけヒーローとヒロインがラブラブなのにこの作品、そのものズバリ場面がないまま終わった という昨今の翻訳ロマンス本ではありえないエンドロールでしたから!(笑)
勉強が好きな地味だったヒロインと、学生時代に片思いしていた元アメフトのエースだったヒーローとの田舎に戻ってきて再会もの。
自分が尊敬していたヒーロー祖父の為に、親身になって尽す頑張り屋のバツイチなヒロインを見て、きゅんきゅんが止まらないヒーローの悶え苦しむ様とかのロマンス部分と、最愛の祖母を失ってから心の病気になってしまったヒーロー祖父のたどたどしい復活の物語が縦横に織りなっていて、非常にしっとりしたお話でした。
とにかく、美術史専門の大学教授のヒーロー祖父とヒロインのやりとりに出てくる美術うんちくが美術シロートのヒーローに分かるように優しく解説されていて、それが話のいろんなところに絡まっていくのも凄い。
同じように、ガーデニング好きだった亡き祖母の庭を再生するに当ってのハーブや植物の知識、動物好きなヒロインによる拾いネコと祖父のやりとりとか、いろんなキーを使っての展開に心あったまるものが溢れている。
認知症と鬱病の違いとか、老人ホームについての描写とか、お年寄りを中心人物に据えたからには避けられない「老い」に対しての描写もある。
このボリュームで、なかなかの情報量ではなかろうか。
最後のあたりのヒロインの頑なさは、ちょっとおいおいだったけど(笑)、それでも読後を悪いものにしなかったのは、ヒーロー祖父のおかげなんだろうなぁ。
あの祖父ちゃんのいろんな描写でホロホロきてしまったよ、この1冊。
そうね。この話の一番のロマンチストでポエマーは、ダントツであの祖父ちゃんです!
そりゃあ、ネコも一番に懐くってもんだわ(笑) > 現役バリバリのヒーローの立場は?(爆)
というか、我ながらその 寸止めセンサー発動っぷり に驚いたかも。
だって、あれだけヒーローとヒロインがラブラブなのにこの作品、そのものズバリ場面がないまま終わった という昨今の翻訳ロマンス本ではありえないエンドロールでしたから!(笑)
勉強が好きな地味だったヒロインと、学生時代に片思いしていた元アメフトのエースだったヒーローとの田舎に戻ってきて再会もの。
自分が尊敬していたヒーロー祖父の為に、親身になって尽す頑張り屋のバツイチなヒロインを見て、きゅんきゅんが止まらないヒーローの悶え苦しむ様とかのロマンス部分と、最愛の祖母を失ってから心の病気になってしまったヒーロー祖父のたどたどしい復活の物語が縦横に織りなっていて、非常にしっとりしたお話でした。
とにかく、美術史専門の大学教授のヒーロー祖父とヒロインのやりとりに出てくる美術うんちくが美術シロートのヒーローに分かるように優しく解説されていて、それが話のいろんなところに絡まっていくのも凄い。
同じように、ガーデニング好きだった亡き祖母の庭を再生するに当ってのハーブや植物の知識、動物好きなヒロインによる拾いネコと祖父のやりとりとか、いろんなキーを使っての展開に心あったまるものが溢れている。
認知症と鬱病の違いとか、老人ホームについての描写とか、お年寄りを中心人物に据えたからには避けられない「老い」に対しての描写もある。
このボリュームで、なかなかの情報量ではなかろうか。
最後のあたりのヒロインの頑なさは、ちょっとおいおいだったけど(笑)、それでも読後を悪いものにしなかったのは、ヒーロー祖父のおかげなんだろうなぁ。
あの祖父ちゃんのいろんな描写でホロホロきてしまったよ、この1冊。
そうね。この話の一番のロマンチストでポエマーは、ダントツであの祖父ちゃんです!
そりゃあ、ネコも一番に懐くってもんだわ(笑) > 現役バリバリのヒーローの立場は?(爆)
心のベールに触れられて (扶桑社ロマンス)
2010年1月16日 新刊レビュー
ハーレクイン・ロマンス及び傭兵シリーズでお馴染みルーシー・モンローのヒストリカル作品、初上陸。
読了してみて思ったのは「ああ、やっぱりルーシー・モンローだな」という事か(笑)。
いや、最初身構えたんですよ。
「モンローにヒストリカルってっ?!」とね(笑)。
で、読んでいくうちに、途中でたまにヒストリカルだというのを忘れかかっている自分に気付いたりするんだよね。
違和感というものではなく、単にキャラクター描写と二人のロマンス描写に終始しているせいなんだけど。
主人公は、伯爵家の娘ながら、父親の誤解と狭心のせいで息子(双子の兄)を取り上げられた母親と父親の手を逃れて西インド諸島に渡りそこで成長したヒロイン・シーアと、公爵令嬢の息子ながら私生児として育ち、独立独歩で海運業商売で成功したヒーロー・ピアスン。
たまたま彼女の住む島に仕事でやってきたピアスンが、その島で海運会社を共同経営しているシーアと出会い、彼女のロンドン行きも重なって一緒に旅をするうちに恋に落ちる・・・というベタといえばそんな話(笑)。
しかし、二人がまぁ、寸止めラブラブアイウォンチュー連打で、そういえば何故にシーアってロンドンに行く羽目になっていたんだっけ?と、そもそも旅の理由を失念してしまいそうに・・・さしずめ、モンローの傭兵シリーズ2冊目読んでて、何で主人公たちがヒロイン父親を追っているのかたまに忘れてしまうかの如く(笑)。
ミもフタもない言い方をしたら、そこって読者以上に作者にとっても重要でなかったんだな、と(笑)。
実際、驚く程にコンパクトにまとめられた、海運会社のロンドン支社で行われていた積荷抜き取り事件のくだりは、時代劇の最後のお裁き場面の如し(爆)。
時代劇といったら、自分たちの結婚式に招かれた女性が、夫となったピアスンの出生(私生児)である事をそれとなく揶揄し、身分階級についてほのめかした際にシーアがこてんぱんに言葉で相手を叱責したところなんてまさにそう。
あれは、既読ヒストリカルで見た事ないかも・・・ヒロインによる公開お裁き(笑)。
理想論だし、実際のあの時代背景ではありえなさそうだけど、あれはちょっとスカッとした。
でも、シーアの父親の駄目っぷりにはちょっと呆れたね・・・諸悪の根源のくせして、こんなにヘロいキャラクター設定は正直コケそうになった部分ナンバーワンかもしれない(^^;
そんなこんなで、モンローらしいラブラブくんだけど、出生や育ちのせいで結婚や女性観に歪みを持つヒーローの、価値観を改めてヒロインとの二人の人生を歩み出すというテンプレものなんだが、今回の場合はヒロインにも出生と育ちのせいで頑なな男性観と結婚観を持っている、というところだな。
シンメトリーもいいところで、お互いの姿や言動を見て、自分を改めて見直す、という何だか自己啓発的とも思えなくもない(^^ゞ
ただ、よくある頑なな高慢ヒロインと違い、このシーアというのは真正面からぶつかって、自分の間違いを潔く認めて、清々しいまでに謝れるというある意味、男前ヒロインなのでこれは良かった。
いや、このシーアの最初のツン部分と、ラブラブになってからのおねだり系デレ部分の落差が「こ、これは・・・男にとってドリー夢もいいところでわっ!!」と思ったよ(爆)。
そんなこんなで、突出したところはないけど、全体的によくまとまった優等生な作品でした。
三部作全て、この扶桑社さんから翻訳してもらえる事も決定しているようなので、シーアの異母妹アイリーサ、そして生き別れの双子の兄ジャレッドの話も読めるようなので続けて読む予定。
もっとも異母妹に関しては、あんまり興味ないかも・・・この1冊目に出てきた部分だけでも、そんなに魅力的には思えなかったんですよね(ぼそっ)。
逆にジャレッドに関しては、父親の裏切りと欺瞞によって人間不信になった瞬間がこの巻で描かれていて、これは是非とも読みたいと思わせてくれた。
ほら、解凍系が大好物のことのさんだからさぁ(^^ゞゞ
読了してみて思ったのは「ああ、やっぱりルーシー・モンローだな」という事か(笑)。
いや、最初身構えたんですよ。
「モンローにヒストリカルってっ?!」とね(笑)。
で、読んでいくうちに、途中でたまにヒストリカルだというのを忘れかかっている自分に気付いたりするんだよね。
違和感というものではなく、単にキャラクター描写と二人のロマンス描写に終始しているせいなんだけど。
主人公は、伯爵家の娘ながら、父親の誤解と狭心のせいで息子(双子の兄)を取り上げられた母親と父親の手を逃れて西インド諸島に渡りそこで成長したヒロイン・シーアと、公爵令嬢の息子ながら私生児として育ち、独立独歩で海運業商売で成功したヒーロー・ピアスン。
たまたま彼女の住む島に仕事でやってきたピアスンが、その島で海運会社を共同経営しているシーアと出会い、彼女のロンドン行きも重なって一緒に旅をするうちに恋に落ちる・・・というベタといえばそんな話(笑)。
しかし、二人がまぁ、寸止めラブラブアイウォンチュー連打で、そういえば何故にシーアってロンドンに行く羽目になっていたんだっけ?と、そもそも旅の理由を失念してしまいそうに・・・さしずめ、モンローの傭兵シリーズ2冊目読んでて、何で主人公たちがヒロイン父親を追っているのかたまに忘れてしまうかの如く(笑)。
ミもフタもない言い方をしたら、そこって読者以上に作者にとっても重要でなかったんだな、と(笑)。
実際、驚く程にコンパクトにまとめられた、海運会社のロンドン支社で行われていた積荷抜き取り事件のくだりは、時代劇の最後のお裁き場面の如し(爆)。
時代劇といったら、自分たちの結婚式に招かれた女性が、夫となったピアスンの出生(私生児)である事をそれとなく揶揄し、身分階級についてほのめかした際にシーアがこてんぱんに言葉で相手を叱責したところなんてまさにそう。
あれは、既読ヒストリカルで見た事ないかも・・・ヒロインによる公開お裁き(笑)。
理想論だし、実際のあの時代背景ではありえなさそうだけど、あれはちょっとスカッとした。
でも、シーアの父親の駄目っぷりにはちょっと呆れたね・・・諸悪の根源のくせして、こんなにヘロいキャラクター設定は正直コケそうになった部分ナンバーワンかもしれない(^^;
そんなこんなで、モンローらしいラブラブくんだけど、出生や育ちのせいで結婚や女性観に歪みを持つヒーローの、価値観を改めてヒロインとの二人の人生を歩み出すというテンプレものなんだが、今回の場合はヒロインにも出生と育ちのせいで頑なな男性観と結婚観を持っている、というところだな。
シンメトリーもいいところで、お互いの姿や言動を見て、自分を改めて見直す、という何だか自己啓発的とも思えなくもない(^^ゞ
ただ、よくある頑なな高慢ヒロインと違い、このシーアというのは真正面からぶつかって、自分の間違いを潔く認めて、清々しいまでに謝れるというある意味、男前ヒロインなのでこれは良かった。
いや、このシーアの最初のツン部分と、ラブラブになってからのおねだり系デレ部分の落差が「こ、これは・・・男にとってドリー夢もいいところでわっ!!」と思ったよ(爆)。
そんなこんなで、突出したところはないけど、全体的によくまとまった優等生な作品でした。
三部作全て、この扶桑社さんから翻訳してもらえる事も決定しているようなので、シーアの異母妹アイリーサ、そして生き別れの双子の兄ジャレッドの話も読めるようなので続けて読む予定。
もっとも異母妹に関しては、あんまり興味ないかも・・・この1冊目に出てきた部分だけでも、そんなに魅力的には思えなかったんですよね(ぼそっ)。
逆にジャレッドに関しては、父親の裏切りと欺瞞によって人間不信になった瞬間がこの巻で描かれていて、これは是非とも読みたいと思わせてくれた。
ほら、解凍系が大好物のことのさんだからさぁ(^^ゞゞ
漆黒の旅人 -ザレクー (ラズベリーブックス)
2010年1月13日 新刊レビュー
シェリリン・ケニヨンのダークハンター・シリーズ、序章のジュリアンも合わせると4冊目の翻訳となりました1冊、読了~。
原書の時もダダ泣きだったけど、やっぱり号泣しまくって呼吸困難で全然進まないで困った(^^ゞ
ま、まだ出て一週間もたってないので、多くは語りません。
つうか、読んで!(握りコブシ)
そんな語るのも惜しい(?)今回の主人公は、アラスカに島流し状態にされている孤独なダークハンターのザレク。
前作にて神に逆らったザレク、アラスカに強制帰還させられるヘリの中で始末されそうになったところでこの話にそのまま続いていたのだが・・・いやはや。一筋縄ではいかないDHシリーズらしく、その場では処刑されずにアラスカでの執行となった。
が、所詮アラスカの地はザレクの庭(900年も一人で島流しされてりゃ嫌でも庭にならざるをえない)、うっかり処刑に反抗心を起こした彼の敵ではない処刑部隊のスクワイヤー達。
攻撃してきたその中に、数少ない彼の友人でもあるジェスの姿を見てしまったザレクの衝撃は大きかった。
負傷して厳冬のアラスカで倒れた彼を、ある女性が助けるところがこの話の序盤。
・・・まぁ、この女性というのが実はザレクを裁く為に派遣された、裁判官の妖精アストリッドっていうあたり、どこまでも偶然ではなく必然上等の今シリーズ。
このアストリッドの設定、あの「運命の三姉妹」の妹ってあたりで萌え萌えなんですがね、ことのさんは!(笑)
あの超イケ好かないアルテミスの親戚筋なのに、どうも純朴でピュアピュアなアストリッド、裁判審査中は公平を期すため視覚が失われるので、常にお供についているのがカタガリのサーシャ(♂)。
このサーシャが抜群にかわいいんだよね~。パラノーマル作品の中に男前ワンコロ数あれど、あのセーター上に陣取ってガルル~っと唸る姿はキタモエーッ!!
そんなワンコロのおまけ付きで、身も心も傷ついたザレクがアストリッドによって癒されていくと同時に、またアストリッドも不器用なザレクによって人には言えなかった苦悩が少しづつ融けてゆく様が、合間にオリュンポスの毎度お馴染みアルテミスのバカ女劇場やら、裏でこっそりザレクを援護射撃するアッシュのあれこれを挟んで展開する。
いや、もうこれが・・・泣かずにいられるか!!ってぐらいの、ザレクの憐れを通り越した壮絶で悲惨な過去の描写のてんこ盛り!
そんじょそこらのおしんヒーロー、足元にも及ばないぞ!ってぐらい凄い過去持ちのダークハンターの皆さんの中でも頭一つ抜きん出ていますってカンジ(いや、アッシュが横並びか。涙)。
まだ少なくとも他のハンターのメンバーは、仲間との交流もあるし、アッシュにもラブラブなシュミがいるし、他にもスクワイヤーなんかがいてくれるけど、ザレクにはそれすらないんだもの!
ザレクを公平に裁く為に、彼の夢の中に入ったアストリッドではないが、惨すぎて怒りすら覚え、同時にザレクがそれですら優しい心をまだ持っている奇跡に驚く。
いや、雪に閉ざされたアラスカの地という極限の状態でのロマンスの芽生えというありふれたものでなく、自分自身を見つめなおす必要があった二人の必然性を根底にした魂の触れ合いの積み重ねなんで・・・ちょっとした描写にほろっときたり。
ラブラブなのに、お互いピュアで不器用なんだもんだから、寸止めだし、いじましいし、微笑ましいしでたまりませんわ~!(萌萌)
ポエマーなダーリンときゅんきゅんなハニーとのラブラブ、テラモエ!!
そんな二人をデイスレイヤーのタナトスが追っ手として迫ってくるものだから、恋とバトルのクライマックス・・・って、テンプレか(笑)。
そのオチも、アッシュご立腹の禁じ手で強引強制終了ってのがスゴイが(^^ゞ
まぁ、シリアスな面と反して、今回はとうとうアッシュのコンパニオンで愛娘同然であるシードラゴンのシュミ(simi)が初登場。
いやはや、やっぱ大好きだわシュミ!
彼女が出てくると、ページ面が弾けるようで丁々発止で、何よりアッシュがとってもいい意味で砕けたカンジの親バカスイッチが入るんでお気に入りなのさ。
ああ、これがラノベなら、ゴスロリ娘とヘヴィメタ父とか、物欲の虜シュミの部屋とかイラストも後々に入ろうってもんなのに(笑)。
彼女がこれからレギュラーとして大暴れしてくれるのが楽しみです(^^)
他にもマドック登場によって、やっとドリームハンターについての記述が出てきたのも収穫の1冊だわね。
カタガリは前作であったけど(思えばサーシャはサンクチュアリに居候、というオチも前作読んでないと分からないよな。笑)。
相変わらず、アッシュとアルテミスの不健康な愛人関係は続いているが、あれはあくまで幕間と思える今回の主人公たちの胸きゅんで王道なメロウさ加減、筆舌に尽くし難し。
泣いて怒って萌えてきゃいきゃい楽しんで、と1冊に全てが詰まっていた、ケニヨン節大満喫の1冊。
イカンなぁ、今年はじまったばかりでこんな 本命 を出されると(ことのさんのDH別格はこのザレクとアッシュなので)、いきなりハードルが高くなってかなわん(^^ゞ
贅沢なボヤキなんだけどね(笑)。
次はウルフか~。
名前に反してカタガリでなくダークハンターだけど(爆)。
長編なんで半年はかかるか・・・でも、よろしければ、短編も拾ってあげてほしいわ。
なかなか個性的なメンツが短編揃っているから。
次も楽しみでございますな(^人^)
原書の時もダダ泣きだったけど、やっぱり号泣しまくって呼吸困難で全然進まないで困った(^^ゞ
ま、まだ出て一週間もたってないので、多くは語りません。
つうか、読んで!(握りコブシ)
そんな語るのも惜しい(?)今回の主人公は、アラスカに島流し状態にされている孤独なダークハンターのザレク。
前作にて神に逆らったザレク、アラスカに強制帰還させられるヘリの中で始末されそうになったところでこの話にそのまま続いていたのだが・・・いやはや。一筋縄ではいかないDHシリーズらしく、その場では処刑されずにアラスカでの執行となった。
が、所詮アラスカの地はザレクの庭(900年も一人で島流しされてりゃ嫌でも庭にならざるをえない)、うっかり処刑に反抗心を起こした彼の敵ではない処刑部隊のスクワイヤー達。
攻撃してきたその中に、数少ない彼の友人でもあるジェスの姿を見てしまったザレクの衝撃は大きかった。
負傷して厳冬のアラスカで倒れた彼を、ある女性が助けるところがこの話の序盤。
・・・まぁ、この女性というのが実はザレクを裁く為に派遣された、裁判官の妖精アストリッドっていうあたり、どこまでも偶然ではなく必然上等の今シリーズ。
このアストリッドの設定、あの「運命の三姉妹」の妹ってあたりで萌え萌えなんですがね、ことのさんは!(笑)
あの超イケ好かないアルテミスの親戚筋なのに、どうも純朴でピュアピュアなアストリッド、裁判審査中は公平を期すため視覚が失われるので、常にお供についているのがカタガリのサーシャ(♂)。
このサーシャが抜群にかわいいんだよね~。パラノーマル作品の中に男前ワンコロ数あれど、あのセーター上に陣取ってガルル~っと唸る姿はキタモエーッ!!
そんなワンコロのおまけ付きで、身も心も傷ついたザレクがアストリッドによって癒されていくと同時に、またアストリッドも不器用なザレクによって人には言えなかった苦悩が少しづつ融けてゆく様が、合間にオリュンポスの毎度お馴染みアルテミスのバカ女劇場やら、裏でこっそりザレクを援護射撃するアッシュのあれこれを挟んで展開する。
いや、もうこれが・・・泣かずにいられるか!!ってぐらいの、ザレクの憐れを通り越した壮絶で悲惨な過去の描写のてんこ盛り!
そんじょそこらのおしんヒーロー、足元にも及ばないぞ!ってぐらい凄い過去持ちのダークハンターの皆さんの中でも頭一つ抜きん出ていますってカンジ(いや、アッシュが横並びか。涙)。
まだ少なくとも他のハンターのメンバーは、仲間との交流もあるし、アッシュにもラブラブなシュミがいるし、他にもスクワイヤーなんかがいてくれるけど、ザレクにはそれすらないんだもの!
ザレクを公平に裁く為に、彼の夢の中に入ったアストリッドではないが、惨すぎて怒りすら覚え、同時にザレクがそれですら優しい心をまだ持っている奇跡に驚く。
いや、雪に閉ざされたアラスカの地という極限の状態でのロマンスの芽生えというありふれたものでなく、自分自身を見つめなおす必要があった二人の必然性を根底にした魂の触れ合いの積み重ねなんで・・・ちょっとした描写にほろっときたり。
ラブラブなのに、お互いピュアで不器用なんだもんだから、寸止めだし、いじましいし、微笑ましいしでたまりませんわ~!(萌萌)
ポエマーなダーリンときゅんきゅんなハニーとのラブラブ、テラモエ!!
そんな二人をデイスレイヤーのタナトスが追っ手として迫ってくるものだから、恋とバトルのクライマックス・・・って、テンプレか(笑)。
そのオチも、アッシュご立腹の禁じ手で強引強制終了ってのがスゴイが(^^ゞ
まぁ、シリアスな面と反して、今回はとうとうアッシュのコンパニオンで愛娘同然であるシードラゴンのシュミ(simi)が初登場。
いやはや、やっぱ大好きだわシュミ!
彼女が出てくると、ページ面が弾けるようで丁々発止で、何よりアッシュがとってもいい意味で砕けたカンジの親バカスイッチが入るんでお気に入りなのさ。
ああ、これがラノベなら、ゴスロリ娘とヘヴィメタ父とか、物欲の虜シュミの部屋とかイラストも後々に入ろうってもんなのに(笑)。
彼女がこれからレギュラーとして大暴れしてくれるのが楽しみです(^^)
他にもマドック登場によって、やっとドリームハンターについての記述が出てきたのも収穫の1冊だわね。
カタガリは前作であったけど(思えばサーシャはサンクチュアリに居候、というオチも前作読んでないと分からないよな。笑)。
相変わらず、アッシュとアルテミスの不健康な愛人関係は続いているが、あれはあくまで幕間と思える今回の主人公たちの胸きゅんで王道なメロウさ加減、筆舌に尽くし難し。
泣いて怒って萌えてきゃいきゃい楽しんで、と1冊に全てが詰まっていた、ケニヨン節大満喫の1冊。
イカンなぁ、今年はじまったばかりでこんな 本命 を出されると(ことのさんのDH別格はこのザレクとアッシュなので)、いきなりハードルが高くなってかなわん(^^ゞ
贅沢なボヤキなんだけどね(笑)。
次はウルフか~。
名前に反してカタガリでなくダークハンターだけど(爆)。
長編なんで半年はかかるか・・・でも、よろしければ、短編も拾ってあげてほしいわ。
なかなか個性的なメンツが短編揃っているから。
次も楽しみでございますな(^人^)
この邪悪な街にも夜明けが イヴ&ローク22 (ヴィレッジブックス)
2010年1月12日 新刊レビュー
J・D・ロブのイヴ&ロークシリーズ22巻、読了~。
相変わらずのクオリティとストーリーテラーっぷりに、読み始めたら止まらず一気読み。
今回の事件は、犯人の一人が余りに分かりやすかったので(ほぼ最初の方で分かる)、そこからどう持っていくんだろうなぁ・・・というのが興味の一つだった。
何より、完璧なアリバイやら、密室殺人やらまで出てきたもんだから「おいおい、欲張りすぎじゃないのか(^^ゞ」とか思ったら・・・やられた。
そうか。そうくるのかノーラよ。
確かにこのシリーズが近未来設定のアーバンサスペンスだというのをたまに忘れそうになるが、それをまざまざと読者に思い出させてくれるそのトリック!
いや、これがミステリーだと「禁じ手が二つも三つも用意されていました!反則!!」っていうのなんだけど、良かった。ミステリーじゃないし(笑)。
これは読んでもらった方が断然、ううむっ、と唸る設定な事は確かだな。
しかも、読者の予想よりも一歩も二歩も先をかましてくれていた 二人目の被害者の殺害状況から、クローンによる複数犯の予想はしたんだが、まさかクローン込みで三人も嫁がいるとは思わなかった。予想よりも一人多いよ!!みたいな(爆) のが、何というか、してやられた感があって悔しいじゃありませんか(^^ゞ
まあ、しょっぱなからいきなりロークとうっかり過去の一夜のある女が出てくる鉄板ネタ(爆)といい、そこらはやっぱり毎度お馴染み(?)なんだけど。
ガチな部分は、今回は倫理と職務の狭間のジレンマと、マイラとのやり合いかな。
ただ、本編にもあった通り、この亀裂とぶつかり、それと理解を乗り越えてまた二人の絆が深まったようで、そこは感慨深い。
そして、まるで月刊マンガのようにその時その時のイベントを盛り込んでの話の面では、この巻では感謝祭をチョイス。
いや、多分、まぁ、ローク主催ならどう考えても普通じゃないけど(笑)、今回はロークのアイルランドの親戚を招いてのものとなったものだから・・・いやん。柄になく緊張してそわそわしているロークがカワイイです!(笑)
あのまま彼の妄想のまま暴走させてセッティングしていたら、あの豪邸の庭にハイテクマシン満載のアミューズメントパークが出現していたに違いない!(爆)
七面鳥の買い占め程度で済んで良かった?(爆)
もっとも、その七面鳥も食い尽しかねないロークの親戚の多さ・・・イヴでなくても、どこまで湧き出るんだ(^^;;と思ったり(笑)。
鉄板ネタ王道としては、女子会開催もありましたな~・・・恐怖のトリーナの美容サロン出張編(爆)。
妊婦メイヴィスを筆頭に、ナディーン、ピーボディ、ルイーズとツワモノが揃って美容サロン満喫中、逃げも隠れも出来ないまな板の上の鯉ならぬイヴ(^^ゞ
もう笑いが止まらないと何のって・・・いや、塗られたモノの比喩が・・・露骨過ぎてウケた(笑)。
そして毎回、施術後のイヴにメロメロになってトリーナのカモもいいところなロークにも(笑)。
そんなこんなで、ストーリーとしても相変わらずのハイクオリティ、SFばりのハイテク設定を違和感なくベースにもってきた筆力、そんなハードなところとコミカルな場面も巧みに取り込んでの話の展開、と死角なしといったところか。
余韻を噛み締められるような印象的なラストシーンに、あのトランキライザーでナチュラルハイになったロークをぽんっ、と放り込むのが、ノーラらしいなぁ(^^ゞと思える、ちょっとほっこりした読後感。
今回も楽しませて頂きました。
早く続き、読みたいわ~♪♪
相変わらずのクオリティとストーリーテラーっぷりに、読み始めたら止まらず一気読み。
今回の事件は、犯人の一人が余りに分かりやすかったので(ほぼ最初の方で分かる)、そこからどう持っていくんだろうなぁ・・・というのが興味の一つだった。
何より、完璧なアリバイやら、密室殺人やらまで出てきたもんだから「おいおい、欲張りすぎじゃないのか(^^ゞ」とか思ったら・・・やられた。
そうか。そうくるのかノーラよ。
確かにこのシリーズが近未来設定のアーバンサスペンスだというのをたまに忘れそうになるが、それをまざまざと読者に思い出させてくれるそのトリック!
いや、これがミステリーだと「禁じ手が二つも三つも用意されていました!反則!!」っていうのなんだけど、良かった。ミステリーじゃないし(笑)。
これは読んでもらった方が断然、ううむっ、と唸る設定な事は確かだな。
しかも、読者の予想よりも一歩も二歩も先をかましてくれていた 二人目の被害者の殺害状況から、クローンによる複数犯の予想はしたんだが、まさかクローン込みで三人も嫁がいるとは思わなかった。予想よりも一人多いよ!!みたいな(爆) のが、何というか、してやられた感があって悔しいじゃありませんか(^^ゞ
まあ、しょっぱなからいきなりロークとうっかり過去の一夜のある女が出てくる鉄板ネタ(爆)といい、そこらはやっぱり毎度お馴染み(?)なんだけど。
ガチな部分は、今回は倫理と職務の狭間のジレンマと、マイラとのやり合いかな。
ただ、本編にもあった通り、この亀裂とぶつかり、それと理解を乗り越えてまた二人の絆が深まったようで、そこは感慨深い。
そして、まるで月刊マンガのようにその時その時のイベントを盛り込んでの話の面では、この巻では感謝祭をチョイス。
いや、多分、まぁ、ローク主催ならどう考えても普通じゃないけど(笑)、今回はロークのアイルランドの親戚を招いてのものとなったものだから・・・いやん。柄になく緊張してそわそわしているロークがカワイイです!(笑)
あのまま彼の妄想のまま暴走させてセッティングしていたら、あの豪邸の庭にハイテクマシン満載のアミューズメントパークが出現していたに違いない!(爆)
七面鳥の買い占め程度で済んで良かった?(爆)
もっとも、その七面鳥も食い尽しかねないロークの親戚の多さ・・・イヴでなくても、どこまで湧き出るんだ(^^;;と思ったり(笑)。
鉄板ネタ王道としては、女子会開催もありましたな~・・・恐怖のトリーナの美容サロン出張編(爆)。
妊婦メイヴィスを筆頭に、ナディーン、ピーボディ、ルイーズとツワモノが揃って美容サロン満喫中、逃げも隠れも出来ないまな板の上の鯉ならぬイヴ(^^ゞ
もう笑いが止まらないと何のって・・・いや、塗られたモノの比喩が・・・露骨過ぎてウケた(笑)。
そして毎回、施術後のイヴにメロメロになってトリーナのカモもいいところなロークにも(笑)。
そんなこんなで、ストーリーとしても相変わらずのハイクオリティ、SFばりのハイテク設定を違和感なくベースにもってきた筆力、そんなハードなところとコミカルな場面も巧みに取り込んでの話の展開、と死角なしといったところか。
余韻を噛み締められるような印象的なラストシーンに、あのトランキライザーでナチュラルハイになったロークをぽんっ、と放り込むのが、ノーラらしいなぁ(^^ゞと思える、ちょっとほっこりした読後感。
今回も楽しませて頂きました。
早く続き、読みたいわ~♪♪
眠れずにいる夜は (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
2010年1月8日 新刊レビュー
リサ・マリー・ライスのデンジャラス・シリーズ2冊目、読了~。
いつもの鉄板、いつものパターン上等!押忍!!(爆)
ストーリーは、図書館司書のヒロインがうっかり犯罪グループのボスに見初められちゃって、気付けば大捕物の渦に巻き込まれ、秘密捜査官のヒーローとあれやこれや・・・残りはリサ・マリー・ライス印テンプレでヨロシク、みたいな(笑)。
毎度のバーニング!!なエッチ場面は、毎度の如く作品の五割以上(爆)。
でも・・・このヒーロー、どんだけ仕事うっちゃってるんだろうか・・・久々にヒーローに向かって給料泥棒呼ばわりしそうになりました(^^ゞ
でも、そこはライス作品らしく、トコロテンでいい方向に向かうのが愛すべきご都合主義っぷりか(笑)。
つうか、あのアイリッシュな大型ワンコくんがヤンエグ(死語)を装うって設定自体にちと無理がある気がせんでもない(爆)
いや、そもそもあんな怪しさ全開のロシア人作家を疑ってないヒロインだからこそ、そんな無理オーラあふれるワンコの仮の姿にうっかりのせられるのね・・・ピュアと天然の紙一重、といったところか(^^ゞ
ま、サスペンスのザルなところとか、深く追求していないところとか、それすら全部ひっくるめて愛すべきおバカなラブラブアイウォンチュー金太郎飴ですが、それが何か?(爆)
いいねー。何も考えずに、エッチとラブとパッションを楽しみスカッとする読後。
なんちゅーか、ハリウッド制作のアクション映画を見たような感想ですが、つまりは分かっていてもスカッとしちゃえる。
それはそれで、一つの芸風だと思うので、これは絶対に「あり」です。うん。
前作のような、イケてない脇役もいないしな今回は(爆)。
ただ、ECのeBookの作品と比べると、若干「守り」に入っている気もせんでもないな・・・さしずめエッチなPCゲームが、全年齢対応のプレステソフトに移植されてぬるーくなったような(^^ゞ
あの、イッちゃってるカンジが好きだったので、ちょっと物足りないように感じるってのも・・・麻痺している証拠のような(爆)。
でも、それを補う林さんの絶妙な翻訳のポイントはかなり高し。
三作目も翻訳決まっているようなので、まったり待ってます(笑)
いつもの鉄板、いつものパターン上等!押忍!!(爆)
ストーリーは、図書館司書のヒロインがうっかり犯罪グループのボスに見初められちゃって、気付けば大捕物の渦に巻き込まれ、秘密捜査官のヒーローとあれやこれや・・・残りはリサ・マリー・ライス印テンプレでヨロシク、みたいな(笑)。
毎度のバーニング!!なエッチ場面は、毎度の如く作品の五割以上(爆)。
でも・・・このヒーロー、どんだけ仕事うっちゃってるんだろうか・・・久々にヒーローに向かって給料泥棒呼ばわりしそうになりました(^^ゞ
でも、そこはライス作品らしく、トコロテンでいい方向に向かうのが愛すべきご都合主義っぷりか(笑)。
つうか、あのアイリッシュな大型ワンコくんがヤンエグ(死語)を装うって設定自体にちと無理がある気がせんでもない(爆)
いや、そもそもあんな怪しさ全開のロシア人作家を疑ってないヒロインだからこそ、そんな無理オーラあふれるワンコの仮の姿にうっかりのせられるのね・・・ピュアと天然の紙一重、といったところか(^^ゞ
ま、サスペンスのザルなところとか、深く追求していないところとか、それすら全部ひっくるめて愛すべきおバカなラブラブアイウォンチュー金太郎飴ですが、それが何か?(爆)
いいねー。何も考えずに、エッチとラブとパッションを楽しみスカッとする読後。
なんちゅーか、ハリウッド制作のアクション映画を見たような感想ですが、つまりは分かっていてもスカッとしちゃえる。
それはそれで、一つの芸風だと思うので、これは絶対に「あり」です。うん。
前作のような、イケてない脇役もいないしな今回は(爆)。
ただ、ECのeBookの作品と比べると、若干「守り」に入っている気もせんでもないな・・・さしずめエッチなPCゲームが、全年齢対応のプレステソフトに移植されてぬるーくなったような(^^ゞ
あの、イッちゃってるカンジが好きだったので、ちょっと物足りないように感じるってのも・・・麻痺している証拠のような(爆)。
でも、それを補う林さんの絶妙な翻訳のポイントはかなり高し。
三作目も翻訳決まっているようなので、まったり待ってます(笑)
花嫁選びの舞踏会 (ラズベリーブックス)
2010年1月6日 新刊レビュー
オリヴィア・パーカーの初翻訳本、読了~♪
うほほっ、やっぱりリリカルな作品は良か良か~っ♪♪
そもそも設定からして、ふわふわしているな、これ(笑)。
公爵家のお家存続の為、公爵家の次男坊の嫁取り大合戦ともいうべきご招待大会が催される事に。
主催者は、公爵家の長男で現在の公爵(独身)。
・・・この時点で「え?」なんだが、よくある結婚したくない公爵様でもここまで徹底していたのも珍しい。
何せ次男、そしてその子供に跡継ぎさせるぐらい徹底しているんだから、そこらによくいる中途半端な結婚アレルギー持ちよりは評価してあげるべしだわ、このガブリエルくん。
しかし、そうは問屋がおろさなかった、っていうのがロマンス小説(笑)。
最初の、招待状を持った執事から逃げるヒロインのマデリンの姿が滑稽で、笑わずにはいられません(ぷっ)。
そんな彼女の姿を見て興味を持ったガブリエル、ちょこっと見物に行ったら・・・レモンをおでこにメガヒットされる始末(爆)。
この出会いの場面だけで、何だか古のシルエットのようでよろしおす。
公爵の弟であるお気楽次男坊に片思いする親友を守る為、渋々招待を受けたマデリンと、弟の為の嫁取り合戦の筈が、どんどんマデリンに惹かれてゆくガブリエルの悶々との頓珍漢なロマンスが基本。
しかし、そこはどうも天然な二人の微妙さが影響してか、ボケツッコミ大会状態(笑)。
何故か災難体質なマデリン、あれやこれやでいろんな目にあう羽目に(笑)。
それでなくてもボン・キュッ・ボンッのダイナマイトバディーの持ち主であるマデリンが、継母の策略でサイズの小さいドレスで羞恥プレイ状態なのに、毎回毎回とんでもない目に合い続け・・・でも小さいドレスは湧いて出るのがちょっと不思議だったけど(笑)。
ガブリエルの脳内では、常時マデリンきせかえ妄想中みたいな(爆)。
弟の嫁取り合戦も、一皮剥けば、裏では現公爵であるガブリエルの争奪戦が女達の間で展開しているし・・・確かに、未来の地位は約束されていても、目の前にてっとり早く公爵本人がいたらなぁ(^^;;
もっともガブリエル、マデリン以外は目に入らない状態。末期メロメロ症候群(^^;;
カップルになってからも、いいバカップル具合でエロエロなんだが、どうもそうなってからもきゅんきゅしてしまう可愛らしさが何ともテレますが(^^ゞ
ピュアでセンシティヴで尽す男なのよー、ガブリエルってば!
きちんと謝れる、乙女系思考の公爵様でございますの。
脇役は無難にまとめ、悪役な継母は最後まで同じスタンスなのも二人のロマンスが堪能出来て◎でした。
そんな中、マデリンの親友で眼鏡っ娘なシャーロットと、放蕩者ロスベリー伯爵のちょっとしたくだりが気になったかと思ったら、次回作はこの二人なんですね!
それは楽しみだわ!!
そして、もしかしなくてもこの作品の最強キャラかもしれない公爵家の令嬢、ガブリエルの妹であるロザリンドのお話が三話目・・・ラスボスだから?(爆)
だって、公爵である兄の縁結びの為の暗躍っぷり、なかなか凄かったもん・・・ヒロインに一服盛るとかさ(^^ゞゞ
そんなこんなで、リリカルでファニーなロマンスでした♪
乙女系で癒し系で、何より幸せなエンドロールと読後感。超お気に入り♪
うほほっ、やっぱりリリカルな作品は良か良か~っ♪♪
そもそも設定からして、ふわふわしているな、これ(笑)。
公爵家のお家存続の為、公爵家の次男坊の嫁取り大合戦ともいうべきご招待大会が催される事に。
主催者は、公爵家の長男で現在の公爵(独身)。
・・・この時点で「え?」なんだが、よくある結婚したくない公爵様でもここまで徹底していたのも珍しい。
何せ次男、そしてその子供に跡継ぎさせるぐらい徹底しているんだから、そこらによくいる中途半端な結婚アレルギー持ちよりは評価してあげるべしだわ、このガブリエルくん。
しかし、そうは問屋がおろさなかった、っていうのがロマンス小説(笑)。
最初の、招待状を持った執事から逃げるヒロインのマデリンの姿が滑稽で、笑わずにはいられません(ぷっ)。
そんな彼女の姿を見て興味を持ったガブリエル、ちょこっと見物に行ったら・・・レモンをおでこにメガヒットされる始末(爆)。
この出会いの場面だけで、何だか古のシルエットのようでよろしおす。
公爵の弟であるお気楽次男坊に片思いする親友を守る為、渋々招待を受けたマデリンと、弟の為の嫁取り合戦の筈が、どんどんマデリンに惹かれてゆくガブリエルの悶々との頓珍漢なロマンスが基本。
しかし、そこはどうも天然な二人の微妙さが影響してか、ボケツッコミ大会状態(笑)。
何故か災難体質なマデリン、あれやこれやでいろんな目にあう羽目に(笑)。
それでなくてもボン・キュッ・ボンッのダイナマイトバディーの持ち主であるマデリンが、継母の策略でサイズの小さいドレスで羞恥プレイ状態なのに、毎回毎回とんでもない目に合い続け・・・でも小さいドレスは湧いて出るのがちょっと不思議だったけど(笑)。
ガブリエルの脳内では、常時マデリンきせかえ妄想中みたいな(爆)。
弟の嫁取り合戦も、一皮剥けば、裏では現公爵であるガブリエルの争奪戦が女達の間で展開しているし・・・確かに、未来の地位は約束されていても、目の前にてっとり早く公爵本人がいたらなぁ(^^;;
もっともガブリエル、マデリン以外は目に入らない状態。末期メロメロ症候群(^^;;
カップルになってからも、いいバカップル具合でエロエロなんだが、どうもそうなってからもきゅんきゅしてしまう可愛らしさが何ともテレますが(^^ゞ
ピュアでセンシティヴで尽す男なのよー、ガブリエルってば!
きちんと謝れる、乙女系思考の公爵様でございますの。
脇役は無難にまとめ、悪役な継母は最後まで同じスタンスなのも二人のロマンスが堪能出来て◎でした。
そんな中、マデリンの親友で眼鏡っ娘なシャーロットと、放蕩者ロスベリー伯爵のちょっとしたくだりが気になったかと思ったら、次回作はこの二人なんですね!
それは楽しみだわ!!
そして、もしかしなくてもこの作品の最強キャラかもしれない公爵家の令嬢、ガブリエルの妹であるロザリンドのお話が三話目・・・ラスボスだから?(爆)
だって、公爵である兄の縁結びの為の暗躍っぷり、なかなか凄かったもん・・・ヒロインに一服盛るとかさ(^^ゞゞ
そんなこんなで、リリカルでファニーなロマンスでした♪
乙女系で癒し系で、何より幸せなエンドロールと読後感。超お気に入り♪
君を想って燃え上がる (扶桑社ロマンス)
2010年1月4日 新刊レビュー
年末は、ランキング作成で時間がとられてしまい、読み終わった本もそのまま放置していたので忘れないうちに(^^ゞ
そんなこんなで、スーザン・サイズモアのプライム・シリーズ1冊目、読了。
うひゃひゃ。笑わずにはいられない、シラフで読むべからずパラノーマル・ロマンス!ってとこか?(笑)
何ちゅうか、異形の存在(ここではヴァンパイア)が、見返りを求めずひたすら正義を貫き人間の幸せの為に尽す・・・うーん。『妖怪人間ベム』?(爆)
そんな事が頭を過ぎりつつ、とにかく細かいところがカム!ツッコミ!!状態で、非常にことのさん的によろしゅうございました(笑)。
いやー、目からウロコじゃないですか!
日光やニンニクや銀(!!)に対する反応が アレルギーと同じ仕組み っていう解釈が!(爆)
でも、それって表裏一体なんだよね、この作品の場合。
そもそもヴァンパイアの中でのカテゴライズが、何といっても独特。
ここではヴァンパイアの起源があのイヴ起源説にまで及んでいて、シェイプシフターではないのに、ヴァンパイアと獣性を融合させた非常にユニークで面白い設定の捻りが上手い。
だってアナタ、ヒーローの獣性が 狐(キツネ) ですよ?!
いや~、何というか、エロくてカッコかわいいキツネです(爆)。
運命の相手という使い古された設定(暴言。爆)でも、そうくるか!!と、ちょっと唸ってしまいました・・・特にヴァンパイア・ハンターとの設定のあたりは、ハードだ。うん。しかもそんなハードなのに、あのラストのトニーくんの「それはランサー一家に言って下さい!」にウケてしまった・・・ヒロイン、じいちゃんばあちゃんに似て血の気、多いっス(爆)。
既に食傷気味だったヴァンパイアものの中では、どう考えてもイロモノ系だけど、これはこれで独自路線を貫いていて面白かった。
何よりバカップルでエロくて、元気ある1冊でよろしかったかと(^m^)
シリーズものなので、勿論まだまだ他にもあるんだが、トニーくん(鴉)の話は読みたいなぁ、とか思ったり。
・・・翻訳の続き、どうなるのかしらん?(^^ゞゞ
そんなこんなで、スーザン・サイズモアのプライム・シリーズ1冊目、読了。
うひゃひゃ。笑わずにはいられない、シラフで読むべからずパラノーマル・ロマンス!ってとこか?(笑)
何ちゅうか、異形の存在(ここではヴァンパイア)が、見返りを求めずひたすら正義を貫き人間の幸せの為に尽す・・・うーん。『妖怪人間ベム』?(爆)
そんな事が頭を過ぎりつつ、とにかく細かいところがカム!ツッコミ!!状態で、非常にことのさん的によろしゅうございました(笑)。
いやー、目からウロコじゃないですか!
日光やニンニクや銀(!!)に対する反応が アレルギーと同じ仕組み っていう解釈が!(爆)
でも、それって表裏一体なんだよね、この作品の場合。
そもそもヴァンパイアの中でのカテゴライズが、何といっても独特。
ここではヴァンパイアの起源があのイヴ起源説にまで及んでいて、シェイプシフターではないのに、ヴァンパイアと獣性を融合させた非常にユニークで面白い設定の捻りが上手い。
だってアナタ、ヒーローの獣性が 狐(キツネ) ですよ?!
いや~、何というか、エロくてカッコかわいいキツネです(爆)。
運命の相手という使い古された設定(暴言。爆)でも、そうくるか!!と、ちょっと唸ってしまいました・・・特にヴァンパイア・ハンターとの設定のあたりは、ハードだ。うん。しかもそんなハードなのに、あのラストのトニーくんの「それはランサー一家に言って下さい!」にウケてしまった・・・ヒロイン、じいちゃんばあちゃんに似て血の気、多いっス(爆)。
既に食傷気味だったヴァンパイアものの中では、どう考えてもイロモノ系だけど、これはこれで独自路線を貫いていて面白かった。
何よりバカップルでエロくて、元気ある1冊でよろしかったかと(^m^)
シリーズものなので、勿論まだまだ他にもあるんだが、トニーくん(鴉)の話は読みたいなぁ、とか思ったり。
・・・翻訳の続き、どうなるのかしらん?(^^ゞゞ
2010年2月の新刊予定
2009年12月29日 新刊レビューいや、まだ「来月」じゃないのでこんなタイトルに(爆)。
「じゃあ、1月になってから書けばいいじゃん」と言われそうだが、正直 元旦と同時に燃え尽きて当分、内職系更新したくなくなってそげ なんで、今のうちに(ちゅどーんっ)。
ヴィレッジブックス villagebooks
A SUMMER TO REMEMBER メアリ ・バログ
アウトランダー 炎の山稜を越えて (Ⅲ、Ⅳ) ダイアナ ・ガバルドン
THE NIGHT DRIFTER スーザン ・キャロル
オークラ出版 マグノリアロマンス
ヴァンパイア・ダイアリーズ (1) L.J.スミス
時を超えた恋人 メリッサ・メイヒュー
ランダムハウス講談社 ランダムハウス講談社ロマンス文庫
ハイランドの夢の七夜 デボラ・マクギリヴレイ
ソフトバンククリエイティブ ソフトバンク文庫NV
鏡のなかの魔女 クレスリー・コール
ヴァンパイア アカデミー2 リシェル・ミード
シャナ (上下) キャスリーン・E・ウッディウィス
竹書房 ラズベリーブックス
銀色の運命が満ちるとき ジャクリーン・フランク
グレイの瞳にささやいて エリザベス・ソーントン
ハーレクイン社 MIRA文庫
身勝手な償い (上下) ステファニー・ローレンス
夕闇につつまれて アン・スチュアート
早川書房 ハヤカワ・イソラ文庫
億万長者のコレクション ナンシー・マーティン
愛と情熱の契約結婚 ジャスミン・へインズ
原書房 ライムブックス
誘惑のエチュード ニコール・ジョーダン
ライムブックスLuxuryRomance
愛の記憶 カレン・マリー・モニング
扶桑社 扶桑社ロマンス
青銅の騎士3、4 黄金の扉 (上下) (仮) ポリーナ・シモンズ
ヴィジョンズ・オブ・ヒート (仮) ナリーニ・シン
二見書房 ミステリ文庫
リフォーミング・ア・レイク スーザン・イーノック
キングダム・オブ・ドリームズ ジュディス・マクノート
デンジャラス・ゲーム ローラ・リー
ぶんか社 フローラブックス
甘い夢の続きをあなたと ヘザー・グロソース
愛のレッスンはあなたから サリー・マッケンジー
ガチな赤毛じいさん以外でイチ押しはやっぱりコールだな。
前作のあのフェイドアウト後のワンコロの受難を思うと笑いがこみ上げる(ろくでなし読者。爆)。
次はジャクリーン・フランクとサリー・マッケンジーとナリーニ・シン。
L.J.スミスとか、グロソースとか、何冊か関連がある作品の場合は様子見ないと(翻訳続きそうかどうか)いけないけど、どっちも大好物ジャンルなので購入確定。
スーザン・キャロルは前作好きだったので購入だな。
ライムは今回、2冊とも他社から既に刊行されている作家。
ジョーダンは軽く読めるので、多分新刊買いか。
モニングは読んでる作品だけど、これも買うと思う(^^ゞ
しかし・・・ウッディウィス再版続くなぁ・・・しかも『シャナ』って・・・あの鬼畜ヒロイン、このご時勢に受け入れてもらえるんだろうか(笑)。
ウッディウィス教徒のように思われてそうなことのさんだが、厳密に言うと『炎と花』以外はどうでもいい、という非常にひとでなし愛読者なのだ(爆)。
そんなこんなで、二月は真面目に読書しないと積ん読本がどんどん増えそうなヨカーン!
早いうちに前払い(予約可能本)したりして本代を確保しておこっと(^^ゞゞ
個人的にはハーレクイン文庫から、アネット・ブロードリックのキャラウェイ・ダンディーズ再版が開始されるのが嬉しいな(^^)
オリジナル持ってるけど、思わず買ってしまいそうよ(^^ゞゞ
+余談+
半分ぐらいはクリスマスぐらいに終わらせておいた、毎度のこちら。
http://cool-book-new.seesaa.net/article/136136394.html
いや、真剣に某内職が終わらないと、改定も出来ないし空欄も埋められませんっっ、ってカンジですがご了承をば(^^ゞ
あ。いつも言ってるけど、アクマで「予想含む」よ、これ。
そこまでアフターフォロー等の関知もしておりません。所詮は個人の覚え書きだから(爆)
「じゃあ、1月になってから書けばいいじゃん」と言われそうだが、正直 元旦と同時に燃え尽きて当分、内職系更新したくなくなってそげ なんで、今のうちに(ちゅどーんっ)。
ヴィレッジブックス villagebooks
A SUMMER TO REMEMBER メアリ ・バログ
アウトランダー 炎の山稜を越えて (Ⅲ、Ⅳ) ダイアナ ・ガバルドン
THE NIGHT DRIFTER スーザン ・キャロル
オークラ出版 マグノリアロマンス
ヴァンパイア・ダイアリーズ (1) L.J.スミス
時を超えた恋人 メリッサ・メイヒュー
ランダムハウス講談社 ランダムハウス講談社ロマンス文庫
ハイランドの夢の七夜 デボラ・マクギリヴレイ
ソフトバンククリエイティブ ソフトバンク文庫NV
鏡のなかの魔女 クレスリー・コール
ヴァンパイア アカデミー2 リシェル・ミード
シャナ (上下) キャスリーン・E・ウッディウィス
竹書房 ラズベリーブックス
銀色の運命が満ちるとき ジャクリーン・フランク
グレイの瞳にささやいて エリザベス・ソーントン
ハーレクイン社 MIRA文庫
身勝手な償い (上下) ステファニー・ローレンス
夕闇につつまれて アン・スチュアート
早川書房 ハヤカワ・イソラ文庫
億万長者のコレクション ナンシー・マーティン
愛と情熱の契約結婚 ジャスミン・へインズ
原書房 ライムブックス
誘惑のエチュード ニコール・ジョーダン
ライムブックスLuxuryRomance
愛の記憶 カレン・マリー・モニング
扶桑社 扶桑社ロマンス
青銅の騎士3、4 黄金の扉 (上下) (仮) ポリーナ・シモンズ
ヴィジョンズ・オブ・ヒート (仮) ナリーニ・シン
二見書房 ミステリ文庫
リフォーミング・ア・レイク スーザン・イーノック
キングダム・オブ・ドリームズ ジュディス・マクノート
デンジャラス・ゲーム ローラ・リー
ぶんか社 フローラブックス
甘い夢の続きをあなたと ヘザー・グロソース
愛のレッスンはあなたから サリー・マッケンジー
ガチな赤毛じいさん以外でイチ押しはやっぱりコールだな。
前作のあのフェイドアウト後のワンコロの受難を思うと笑いがこみ上げる(ろくでなし読者。爆)。
次はジャクリーン・フランクとサリー・マッケンジーとナリーニ・シン。
L.J.スミスとか、グロソースとか、何冊か関連がある作品の場合は様子見ないと(翻訳続きそうかどうか)いけないけど、どっちも大好物ジャンルなので購入確定。
スーザン・キャロルは前作好きだったので購入だな。
ライムは今回、2冊とも他社から既に刊行されている作家。
ジョーダンは軽く読めるので、多分新刊買いか。
モニングは読んでる作品だけど、これも買うと思う(^^ゞ
しかし・・・ウッディウィス再版続くなぁ・・・しかも『シャナ』って・・・あの鬼畜ヒロイン、このご時勢に受け入れてもらえるんだろうか(笑)。
ウッディウィス教徒のように思われてそうなことのさんだが、厳密に言うと『炎と花』以外はどうでもいい、という非常にひとでなし愛読者なのだ(爆)。
そんなこんなで、二月は真面目に読書しないと積ん読本がどんどん増えそうなヨカーン!
早いうちに前払い(予約可能本)したりして本代を確保しておこっと(^^ゞゞ
個人的にはハーレクイン文庫から、アネット・ブロードリックのキャラウェイ・ダンディーズ再版が開始されるのが嬉しいな(^^)
オリジナル持ってるけど、思わず買ってしまいそうよ(^^ゞゞ
+余談+
半分ぐらいはクリスマスぐらいに終わらせておいた、毎度のこちら。
http://cool-book-new.seesaa.net/article/136136394.html
いや、真剣に某内職が終わらないと、改定も出来ないし空欄も埋められませんっっ、ってカンジですがご了承をば(^^ゞ
あ。いつも言ってるけど、アクマで「予想含む」よ、これ。
そこまでアフターフォロー等の関知もしておりません。所詮は個人の覚え書きだから(爆)
永遠を探す王女―ロスト・プリンセス・トリロジー〈2〉 (MIRA文庫)
2009年12月24日 新刊レビュー
クリスティーナ・ドットのロスト・プリンセス・トリロジー2冊目、読了。
やっぱりこの時代に逆行しているとも言えるほのぼのさがたまらなく好きだよ、ドット作品。
今回は、前作にて行商(笑)の片割れで、途中で自らの道を探すべく旅立った末っ子王女エイミー。
デボンにある小島に流れつき、そこでつましく暮らす事になった彼女が、領主に搾取され貧しく生活する島民の為に立ち上がった。
領主であるノースクリフ侯爵を誘拐して身代金を要求し、そのお金で島を救うのだ!!と。
そうです。それが前作ラストの、あの新聞告知でございます。
・・・しょっぱなからウケた。
ノースクリフ侯爵ジャーミンくん、ヒーローが登場早々、ヒロインに一服盛られて誘拐なう!(爆)
でも、搾取していたのはジャーミンの叔父だったので、妙な方向に話が進むのがコミカルに、ところどころおセンチに展開するのがとってもナイス。
身代金ディスカウントして再挑戦!とか(笑)、誘拐されている筈が呑気にビーズ編みしているジャーミンくんとか、ネコをかぶった恩人の老婦人とか、クスクス笑っちゃうんだよね。
でも、基本的にドット作品のペーソスってそうなんだよね。
誘拐された事により、自分がどれだけ領民に向かい合っていなかったか、自分が守るべき領民をないがしろにしていたか、という現実を突きつけられて改心するジャーミンのくだりは秀逸。
きゅん、としちゃったもん。
誘拐現場からしめしめ、と逃亡したのに、昔は優しかった島民たちの口から発せられた自分への評価に言葉もなく、しゅんとして元の現場に戻るところ。
しかし、そこはやっぱり軽くセクシーなドット作品ヒーローらしく、胸ときめく相手へのメロメロっぷりやら、アプローチやらは鉄板(笑)。
でもね、あの謎の箱とその中味に関してはツッコミだわ(爆)。
怒涛のなだれ込み結婚(笑)から、ヒーローがヒロインにひどい事言って出てけ展開とか、いやー。ここらへんは古典ちっく(笑)。
元気印で、若干変な方向に真っ直ぐなエイミーに、何というか当て逃げされたような風体の末に人生が停滞していたものが新たなものになったジャーミン、というものだが、ここでレインジャー皇太子がどう絡んでくるのか・・・ってなると、まぁ、今回は笑える程に出番が少なかったわ~(^^;
このネコ以下の出番率は次回の為に余力を残したと邪推しそうです(笑)。
そんなこんなで、次回完結編、長女ソーチャのお話。
余りに既刊で語られなかったガチガチの王女様ですが、所詮は尿瓶をキックして敵を撃退し、誘拐を平気で企てるボーモンターニュ王家の女(笑)。
女難の相が出ていそうなレインジャーに勝ち目はあるのか?!(爆)
・・・そして皆して、すっかり忘れてそうだが、レインジャーの国はどうなるのか?!(^^ゞ
早く読みたいわ~。
やっぱりこの時代に逆行しているとも言えるほのぼのさがたまらなく好きだよ、ドット作品。
今回は、前作にて行商(笑)の片割れで、途中で自らの道を探すべく旅立った末っ子王女エイミー。
デボンにある小島に流れつき、そこでつましく暮らす事になった彼女が、領主に搾取され貧しく生活する島民の為に立ち上がった。
領主であるノースクリフ侯爵を誘拐して身代金を要求し、そのお金で島を救うのだ!!と。
そうです。それが前作ラストの、あの新聞告知でございます。
・・・しょっぱなからウケた。
ノースクリフ侯爵ジャーミンくん、ヒーローが登場早々、ヒロインに一服盛られて誘拐なう!(爆)
でも、搾取していたのはジャーミンの叔父だったので、妙な方向に話が進むのがコミカルに、ところどころおセンチに展開するのがとってもナイス。
身代金ディスカウントして再挑戦!とか(笑)、誘拐されている筈が呑気にビーズ編みしているジャーミンくんとか、ネコをかぶった恩人の老婦人とか、クスクス笑っちゃうんだよね。
でも、基本的にドット作品のペーソスってそうなんだよね。
誘拐された事により、自分がどれだけ領民に向かい合っていなかったか、自分が守るべき領民をないがしろにしていたか、という現実を突きつけられて改心するジャーミンのくだりは秀逸。
きゅん、としちゃったもん。
誘拐現場からしめしめ、と逃亡したのに、昔は優しかった島民たちの口から発せられた自分への評価に言葉もなく、しゅんとして元の現場に戻るところ。
しかし、そこはやっぱり軽くセクシーなドット作品ヒーローらしく、胸ときめく相手へのメロメロっぷりやら、アプローチやらは鉄板(笑)。
でもね、あの謎の箱とその中味に関してはツッコミだわ(爆)。
怒涛のなだれ込み結婚(笑)から、ヒーローがヒロインにひどい事言って出てけ展開とか、いやー。ここらへんは古典ちっく(笑)。
元気印で、若干変な方向に真っ直ぐなエイミーに、何というか当て逃げされたような風体の末に人生が停滞していたものが新たなものになったジャーミン、というものだが、ここでレインジャー皇太子がどう絡んでくるのか・・・ってなると、まぁ、今回は笑える程に出番が少なかったわ~(^^;
このネコ以下の出番率は次回の為に余力を残したと邪推しそうです(笑)。
そんなこんなで、次回完結編、長女ソーチャのお話。
余りに既刊で語られなかったガチガチの王女様ですが、所詮は尿瓶をキックして敵を撃退し、誘拐を平気で企てるボーモンターニュ王家の女(笑)。
女難の相が出ていそうなレインジャーに勝ち目はあるのか?!(爆)
・・・そして皆して、すっかり忘れてそうだが、レインジャーの国はどうなるのか?!(^^ゞ
早く読みたいわ~。
白い月の罠 (ランダムハウス講談社文庫)
2009年12月22日 新刊レビュー
レベッカ・ヨークのムーン・シリーズ6冊目、読了っ。
わっはっは、真冬に真っ裸祭りな1冊でとっても楽しかったの!(笑)
いやー。本当に笑った笑った。
今回は、前作ラスト直後のお話で、主人公は前作のヒーローであるランス・マーシャルの弟ローガン・マーシャル。
自然に生きるウェアウルフ一族のマーシャルの男らしく???職業は造園業(笑)。
ローガンくん、前作ラストで異世界からの悪の化身を倒した恐るべき(笑)マーシャル一族の奥さん達と 彼女たちのペットのオオカミ マーシャル家の狼くん達のラブラブっぷりを見て、独り身の寂しさからその場を後にする。
いつか僕にも運命の伴侶が現れるのか~、とこれがミュージカルなら歌ってしまいそうな心境。
そんな彼が、ある夜、メリーランドの森の奥でまるで引き寄せられるような巧妙な罠にかかってしまう。
それは異世界からやってきた別のシェイプシフターの捕獲用に設置された、特殊なシェイプシフター専用の罠だった。
死を覚悟したローガンの前に、白い狼が現れるが、その狼は美しい女へと変身する。
つい先日、異世界の悪の化身を倒すのを、別の空間から助けてくれた、異世界の女性リナだった。
・・・もうね、最初から悪いがウケまくり(^^ゞ
だって、つまりは物語最初から、間の悪いところに通りすがって、他人用に仕掛けられた罠にビンゴ!!でうっかり引っかかるヒーローよ?!(爆)
このテのグリットっぷり、3巻のアダムの通販でガスマスクお取り寄せぐらいから突き抜けてきているけど、冒頭から攻めてくるなぁ・・・(笑)。
生真面目で、真摯にパラノーマルものを噛み砕きながら読まれる読者には絶対受け入れられないぐらい、今回のは・・・ヘヴィな設定を超えての 愛すべきおバカ作品 だ(爆)。
ヒロインとなる異世界の女シェイプシフターのリナ、生まれは奴隷だし、悪人にレイプされて異世界から逃亡してローガンの前に現れたというヘヴィな設定背負っているのに、とにかく前向きでカワイイんだよね。
余りにこの世界での言動の頓珍漢な可愛さとか、恐るべきまでの能力を持った存在なのに純真爛漫なところもバンバン出てきて、且つ一途。
作者本人はどう思って書いてるのかは知らないが、彼女をレイプした悪の黒幕ですら、どこか憎めないというか・・・抜けているというか。リナよ、あれは単なる出会い頭の事故だと思え、つていうぐらい、この悪人ファルコンが・・・ツッコミ三昧(笑)。
所詮、悪人にも普通の人間にもこれは言えるのだ。
「学校の成績が良い=頭がいいではない。使えない頭、回転の早くない頭はどこまでいっても駄目な頭」
・・・自分が見下している筈の女に、昔の学生時代の苦手科目(笑)から、立場大逆転の作戦を練られてしまう悪役、はじめてかも(爆)。
こちら側にやってきた異世界の悪の集団の人質大作戦のあたりから、一行一行が・・・もう・・・腹が痛いぐらい笑えて・・・(笑い泣き)。
この作者、まさかなにげなくその前に出てきた、こっち側にやってきたリナが初めてテレビを見て驚く場面をその後の人質大作戦でネタにしてくるとは・・・ウィットありすぎ!(笑)
四方八方から同じ登場人物達からツッコミ三昧されながら、これだけぶっ壊れたSF設定を書くのが力技以外の何者でもなく、10人中8人ぐらいは脱落しそうなのに、どうしてかことのニーズ(笑)。
でも、リナって、恐るべき能力者でどう考えてもシリーズ中最強キャラなのに、こんなヘタレくん(笑)なローガンでいいのかしら・・・とか心配になるぐらいで、おお、そうか、これは高島屋ヒロインものだったんだ!!と気付いたのが、ローガンを兄ランスのところに行かせたところかしらね。
しかし、昨今、日本にも溢れ始めたウェアウルフ(人狼)ものパラノーマルに対してのアンチテーゼとも取れるよな、この作品。
こんなにヒーロー、ヒロイン、その他のウェアウルフ達が場所選ばず真っ裸で物語が進行しまくる話(笑) ってのがね。
極めつけが、昔のアメッ●スのCMみたいに「出かける時は忘れずに」とばかりに、変身とけた後の着替えを詰めたバッグパックを背負ったウェアウルフくん達 という場面だな!(核爆)
前作の、スウェットパンツ配布もバカうけだが、今回のは更にキターッッ!!(爆)
・・・もうこれ以上書くのはやめよう(^^;
きっとこれ読んでる人、皆して「ああ、つまりはことのさんが好きな 一発芸本 なのね」と呆れていると思うから(笑)。
でもそうなんだもーん! > ああっ、居直った!
そんなこんなで、勿論、万民に推薦なんてしません(笑)。ボケツッコミとシャレが分かる、ゆるーい読者さんだけ読んで下さい。では!(笑)
わっはっは、真冬に真っ裸祭りな1冊でとっても楽しかったの!(笑)
いやー。本当に笑った笑った。
今回は、前作ラスト直後のお話で、主人公は前作のヒーローであるランス・マーシャルの弟ローガン・マーシャル。
自然に生きるウェアウルフ一族のマーシャルの男らしく???職業は造園業(笑)。
ローガンくん、前作ラストで異世界からの悪の化身を倒した恐るべき(笑)マーシャル一族の奥さん達と
いつか僕にも運命の伴侶が現れるのか~、とこれがミュージカルなら歌ってしまいそうな心境。
そんな彼が、ある夜、メリーランドの森の奥でまるで引き寄せられるような巧妙な罠にかかってしまう。
それは異世界からやってきた別のシェイプシフターの捕獲用に設置された、特殊なシェイプシフター専用の罠だった。
死を覚悟したローガンの前に、白い狼が現れるが、その狼は美しい女へと変身する。
つい先日、異世界の悪の化身を倒すのを、別の空間から助けてくれた、異世界の女性リナだった。
・・・もうね、最初から悪いがウケまくり(^^ゞ
だって、つまりは物語最初から、間の悪いところに通りすがって、他人用に仕掛けられた罠にビンゴ!!でうっかり引っかかるヒーローよ?!(爆)
このテのグリットっぷり、3巻のアダムの通販でガスマスクお取り寄せぐらいから突き抜けてきているけど、冒頭から攻めてくるなぁ・・・(笑)。
生真面目で、真摯にパラノーマルものを噛み砕きながら読まれる読者には絶対受け入れられないぐらい、今回のは・・・ヘヴィな設定を超えての 愛すべきおバカ作品 だ(爆)。
ヒロインとなる異世界の女シェイプシフターのリナ、生まれは奴隷だし、悪人にレイプされて異世界から逃亡してローガンの前に現れたというヘヴィな設定背負っているのに、とにかく前向きでカワイイんだよね。
余りにこの世界での言動の頓珍漢な可愛さとか、恐るべきまでの能力を持った存在なのに純真爛漫なところもバンバン出てきて、且つ一途。
作者本人はどう思って書いてるのかは知らないが、彼女をレイプした悪の黒幕ですら、どこか憎めないというか・・・抜けているというか。リナよ、あれは単なる出会い頭の事故だと思え、つていうぐらい、この悪人ファルコンが・・・ツッコミ三昧(笑)。
所詮、悪人にも普通の人間にもこれは言えるのだ。
「学校の成績が良い=頭がいいではない。使えない頭、回転の早くない頭はどこまでいっても駄目な頭」
・・・自分が見下している筈の女に、昔の学生時代の苦手科目(笑)から、立場大逆転の作戦を練られてしまう悪役、はじめてかも(爆)。
こちら側にやってきた異世界の悪の集団の人質大作戦のあたりから、一行一行が・・・もう・・・腹が痛いぐらい笑えて・・・(笑い泣き)。
この作者、まさかなにげなくその前に出てきた、こっち側にやってきたリナが初めてテレビを見て驚く場面をその後の人質大作戦でネタにしてくるとは・・・ウィットありすぎ!(笑)
四方八方から同じ登場人物達からツッコミ三昧されながら、これだけぶっ壊れたSF設定を書くのが力技以外の何者でもなく、10人中8人ぐらいは脱落しそうなのに、どうしてかことのニーズ(笑)。
でも、リナって、恐るべき能力者でどう考えてもシリーズ中最強キャラなのに、こんなヘタレくん(笑)なローガンでいいのかしら・・・とか心配になるぐらいで、おお、そうか、これは高島屋ヒロインものだったんだ!!と気付いたのが、ローガンを兄ランスのところに行かせたところかしらね。
しかし、昨今、日本にも溢れ始めたウェアウルフ(人狼)ものパラノーマルに対してのアンチテーゼとも取れるよな、この作品。
こんなにヒーロー、ヒロイン、その他のウェアウルフ達が場所選ばず真っ裸で物語が進行しまくる話(笑) ってのがね。
極めつけが、昔のアメッ●スのCMみたいに「出かける時は忘れずに」とばかりに、変身とけた後の着替えを詰めたバッグパックを背負ったウェアウルフくん達 という場面だな!(核爆)
前作の、スウェットパンツ配布もバカうけだが、今回のは更にキターッッ!!(爆)
・・・もうこれ以上書くのはやめよう(^^;
きっとこれ読んでる人、皆して「ああ、つまりはことのさんが好きな 一発芸本 なのね」と呆れていると思うから(笑)。
でもそうなんだもーん! > ああっ、居直った!
そんなこんなで、勿論、万民に推薦なんてしません(笑)。ボケツッコミとシャレが分かる、ゆるーい読者さんだけ読んで下さい。では!(笑)
愛の陰影 (MIRA文庫)
2009年12月19日 新刊レビュー
ジョージェット・ヘイヤーの翻訳2冊目、読了。
もはや、何を書いても何を言っても足りないほどの、至極のロマンスを堪能。
いや、ホンマに語りたくないっちゅーか、語ると申し訳ないって気分になるぐらい、全てにおいて至宝ものなのだよ、この作品。
古典らしく、その語り口の硬質さが更にこの作品の雰囲気を盛り上げる。
18世紀のパリでの、悪名高きイングランド公爵と、運命に翻弄される若きヒロインとの年の差ロマンス、というと端的だが、それだけでは足りないな。
緻密なまでのギミック、詳細なる世俗描写、脇役一人一人までの人物造詣の深さ、何より全てのパーツにおいて、本文の中でエイヴォン公爵ジャスティン・アラステアが語るように、詩情的、なのだ。
ウィットある会話、小気味よい冒険、粘質な悪役ですら何やら吟遊詩人の語り口調の如き。
胸をわし掴みにされるエイヴォン公とヒロインであるレオニーのたどたどしいとも言えるロマンスが珠玉。
汚れきったエイヴォン公、闇を見、傷ついて成長したにも関わらず無垢であるレオニーがお互い、己よりも相手を思う様が澄んだように物語全体をゆっくり流れてゆくのを味わえる幸せ。
跳ね駒のように、活き活きとしたレオニーが周囲全てを虜にしてゆく過程で、壊れきった筈のエイヴォン公の家族や周囲との関係を修復していくのを読んで、読者側も彼女の愛らしさ、その生命力に魅せられ、そして癒される。
清らかなだけじゃなく、人の悪も知っていて、それでいて自分の核がぶれない。
悪徳の限りを尽くしたエイヴォン公の、そういう負の面すら全てをひっくるめて、大切に思い、慕い、愛するんだから肝っ玉もいいところだ。
そんな落差が、胸きゅんを通り越した、こっちがどうにかなってしまいそうな愛おしさなのだ。
あれでは百戦錬磨のエイヴォン公も陥落しても仕方ない。うん。
微笑まずにはいられないんだよ~っっ!(ジタバタ)
しかし、この話の全てのベースとなっているのは、ヒーローであるエイヴォン公爵アラステアと言っても過言ではない。
四十過ぎた、世俗の悪を知り尽くした厭世家のこの男を知ってしまった今、全てのヒストリカルロマンスのヒーローが薄く軽く見えてしまうという後遺症に悩まされそうなのだ。
嗅ぎ煙草を嗅ぐ仕草、香水を染み込ませたハンカチで鼻を覆う仕草、普通の男なら躊躇しそうな配色や飾り多き服装など、深みのない、通り一辺倒なキャラクター造詣の者がやったなら、単なる道化としか映らないであろう言動ですら、彼なら納得してしまうのである。
そうだな。さしずめ カリスマ だよ。言うなれば。
ああ、彼が一番ヤバい・・・いろんな意味でヤバい・・・まさに悪魔のようだわ。
読んだ後に、とにかく呆然として、またもう一度読んで、また呆然とする。
これを三日間繰り返した。完全に中毒ともいえた。
いや、中毒だ。
あの驚愕のクライマックスは今だトラウマとなりそうだ(勿論、いい意味での驚愕)。
・・・中毒なんで、また読みます。
もう駄目かも。
こんな脳天どつかれたような気分になった本、レンガ以来かもしれないんだもん。
まさに始祖の金字塔。おみそれいたしました!!
もはや、何を書いても何を言っても足りないほどの、至極のロマンスを堪能。
いや、ホンマに語りたくないっちゅーか、語ると申し訳ないって気分になるぐらい、全てにおいて至宝ものなのだよ、この作品。
古典らしく、その語り口の硬質さが更にこの作品の雰囲気を盛り上げる。
18世紀のパリでの、悪名高きイングランド公爵と、運命に翻弄される若きヒロインとの年の差ロマンス、というと端的だが、それだけでは足りないな。
緻密なまでのギミック、詳細なる世俗描写、脇役一人一人までの人物造詣の深さ、何より全てのパーツにおいて、本文の中でエイヴォン公爵ジャスティン・アラステアが語るように、詩情的、なのだ。
ウィットある会話、小気味よい冒険、粘質な悪役ですら何やら吟遊詩人の語り口調の如き。
胸をわし掴みにされるエイヴォン公とヒロインであるレオニーのたどたどしいとも言えるロマンスが珠玉。
汚れきったエイヴォン公、闇を見、傷ついて成長したにも関わらず無垢であるレオニーがお互い、己よりも相手を思う様が澄んだように物語全体をゆっくり流れてゆくのを味わえる幸せ。
跳ね駒のように、活き活きとしたレオニーが周囲全てを虜にしてゆく過程で、壊れきった筈のエイヴォン公の家族や周囲との関係を修復していくのを読んで、読者側も彼女の愛らしさ、その生命力に魅せられ、そして癒される。
清らかなだけじゃなく、人の悪も知っていて、それでいて自分の核がぶれない。
悪徳の限りを尽くしたエイヴォン公の、そういう負の面すら全てをひっくるめて、大切に思い、慕い、愛するんだから肝っ玉もいいところだ。
そんな落差が、胸きゅんを通り越した、こっちがどうにかなってしまいそうな愛おしさなのだ。
あれでは百戦錬磨のエイヴォン公も陥落しても仕方ない。うん。
微笑まずにはいられないんだよ~っっ!(ジタバタ)
しかし、この話の全てのベースとなっているのは、ヒーローであるエイヴォン公爵アラステアと言っても過言ではない。
四十過ぎた、世俗の悪を知り尽くした厭世家のこの男を知ってしまった今、全てのヒストリカルロマンスのヒーローが薄く軽く見えてしまうという後遺症に悩まされそうなのだ。
嗅ぎ煙草を嗅ぐ仕草、香水を染み込ませたハンカチで鼻を覆う仕草、普通の男なら躊躇しそうな配色や飾り多き服装など、深みのない、通り一辺倒なキャラクター造詣の者がやったなら、単なる道化としか映らないであろう言動ですら、彼なら納得してしまうのである。
そうだな。さしずめ カリスマ だよ。言うなれば。
ああ、彼が一番ヤバい・・・いろんな意味でヤバい・・・まさに悪魔のようだわ。
読んだ後に、とにかく呆然として、またもう一度読んで、また呆然とする。
これを三日間繰り返した。完全に中毒ともいえた。
いや、中毒だ。
あの驚愕のクライマックスは今だトラウマとなりそうだ(勿論、いい意味での驚愕)。
・・・中毒なんで、また読みます。
もう駄目かも。
こんな脳天どつかれたような気分になった本、レンガ以来かもしれないんだもん。
まさに始祖の金字塔。おみそれいたしました!!
彼を誘惑する方法 (マグノリアロマンス MB- 2)
2009年12月16日 新刊レビュー
マヤ・バンクスの作家デビュー作にて、翻訳2冊目、読了。
何と手堅い、教本の如き良作ロマンスよな。
翻訳1冊目の印象が凄すぎるのと、現在はeBookのエロティカ系レーベル中心の活動作家ゆえに、デビュー作品がどんなものか興味あったんだが、何とまぁ、ハーレクイン社の亡きテンプテーション・シリーズを彷彿させるテンプレ作品。
友情と恋愛の狭間、あくまで家族の延長扱いな状況など、まさに古き良き時代のコンテンポラリーロマンスを読ませてもらった気分。
男性キャラ3人にヒロイン、という、比率がパラモア(ドリカムに対抗・・・って、あ、ごめん。今はパラモア五人だわ。笑)なところは、この作家のお約束か。
もっとも、ヒロイン兄貴を取り除いて、ヒーロー達同僚のマイク氏を足しておきたい衝動にかられるキャラ萌え度合い(笑)。
だって兄貴、いろんな意味で残念キャラだもん(笑)。
最初、読み初めて「あ、ロリさん作品みたい」と思ったのは、やはりヒーロー達の職業が消防士なせいか、はたまた、アルファメールのてんこ盛りなせいか(爆)。
大抵こういう場合は、ヒーローよりも脇役クンに美味しいキャラがいるんだが、それもご多聞に洩れず・・・同居人のヒーロー親友AJが美味しいところを掻っ攫いまくり(笑)。
ヒロインの片思いやら、ヒーローを誘惑するところ、あと自分の中の気持ちにやっと気付きはじめる図体大きいおバカさんとか、本当に清々しいぐらいのテンプレ具合が、逆に愛おしいと思える。
ご本家のハーレクインのカテゴリーロマンスが、ぐーるぐる迷走している今、こんな基本に立ち返った良作を提供されては「そりゃ、こんな本がこの価格で読めるなら、紙質も悪くて保存に向かないHQ買うより、他社文庫でいいよな」という気分にもなろうってもんだ。
実際、これがハーレクイン社から出ててもおかしくない、本当に小気味いいまでの基本に忠実なコンテンポラリー作品なんだから。
もっとも、波乱万丈やら、日常とかけ離れたものをロマンス作品にお求めの方にはお勧めはしません。
それぐらい「何か、懐かしいかも」って気分にさせられる、手堅さを、そして愛すべきテンプレ具合を噛み締める作品だから。
この調子で、この作者の作品を翻訳・・・してもらったら危険か?!(笑)
これはあくまでデビュー作で、本人もぶっちゃけキャラでないのが手に取るように分かる猫かぶりっぷりだから(爆)
何と手堅い、教本の如き良作ロマンスよな。
翻訳1冊目の印象が凄すぎるのと、現在はeBookのエロティカ系レーベル中心の活動作家ゆえに、デビュー作品がどんなものか興味あったんだが、何とまぁ、ハーレクイン社の亡きテンプテーション・シリーズを彷彿させるテンプレ作品。
友情と恋愛の狭間、あくまで家族の延長扱いな状況など、まさに古き良き時代のコンテンポラリーロマンスを読ませてもらった気分。
男性キャラ3人にヒロイン、という、比率がパラモア(ドリカムに対抗・・・って、あ、ごめん。今はパラモア五人だわ。笑)なところは、この作家のお約束か。
もっとも、ヒロイン兄貴を取り除いて、ヒーロー達同僚のマイク氏を足しておきたい衝動にかられるキャラ萌え度合い(笑)。
だって兄貴、いろんな意味で残念キャラだもん(笑)。
最初、読み初めて「あ、ロリさん作品みたい」と思ったのは、やはりヒーロー達の職業が消防士なせいか、はたまた、アルファメールのてんこ盛りなせいか(爆)。
大抵こういう場合は、ヒーローよりも脇役クンに美味しいキャラがいるんだが、それもご多聞に洩れず・・・同居人のヒーロー親友AJが美味しいところを掻っ攫いまくり(笑)。
ヒロインの片思いやら、ヒーローを誘惑するところ、あと自分の中の気持ちにやっと気付きはじめる図体大きいおバカさんとか、本当に清々しいぐらいのテンプレ具合が、逆に愛おしいと思える。
ご本家のハーレクインのカテゴリーロマンスが、ぐーるぐる迷走している今、こんな基本に立ち返った良作を提供されては「そりゃ、こんな本がこの価格で読めるなら、紙質も悪くて保存に向かないHQ買うより、他社文庫でいいよな」という気分にもなろうってもんだ。
実際、これがハーレクイン社から出ててもおかしくない、本当に小気味いいまでの基本に忠実なコンテンポラリー作品なんだから。
もっとも、波乱万丈やら、日常とかけ離れたものをロマンス作品にお求めの方にはお勧めはしません。
それぐらい「何か、懐かしいかも」って気分にさせられる、手堅さを、そして愛すべきテンプレ具合を噛み締める作品だから。
この調子で、この作者の作品を翻訳・・・してもらったら危険か?!(笑)
これはあくまでデビュー作で、本人もぶっちゃけキャラでないのが手に取るように分かる猫かぶりっぷりだから(爆)
壁の花の聖夜 (ライムブックス)
2009年12月14日 新刊レビュー
クレイパスの壁の花シリーズのスピンオフ中篇、読了。
いやはや、これは「二兎を追う者は一兎も得ず」ってカンジ?(^^ゞゞ
何がウサギちゃんかって、そこよね。
主役は誰なんデスカ?! (いきなりど真ん中)
いっそ、四組カップルの後日談、と割り切ってくれた方がスッキリした感じじゃないのかしら・・・四組の後日談をがっつり書きたい、リリアンの兄ラファエル(レイフ)の恋愛も書きたいとなるとあのボリュームでは中途半端にならざるをえなかったというか。
そういう意味では、レイフのあのキャラの薄さはとばっちり被害とも言うべきか(^^ゞ
後日談サイドは、特にリリアン夫婦とエヴィー夫婦のところに関してはよく書いてもらっていて、特に秋と冬の2冊が大好きなことのさんとしては有り難かったというとそうなんだけど(^^ゞ
しかし、相変わらずだなぁ・・・セバスチャンもマーカスも(^^ゞゞ
壁の花カップルは四組ともバカップルだけど、ここ二組は嫁のキャラの相乗効果もあって破壊力抜群(笑)。
で、その破壊力に若干割りを喰らった形の今回の主人公は、リリアンとデイジーの兄でボウマン家の長男レイフ。
そのレイフ、あの俗物な両親の画策によって縁談進行中。
兄の縁談候補である貴族令嬢ナタリーの情報を確保したく、リリアンは令嬢の従姉でコンパニオンのハンナをお茶に招いて情報収集しようと試みる。
招かれたハンナは、放蕩者という噂のレイフを警戒するが、そんな堅物のハンナがかわいくって気になって仕方ないレイフはついつい彼女を挑発しちゃうんだが・・・。
いやはや、分かりやすい ツンデレ属性 ですな、レイフ!(爆)
あの萌え萌えっぷり、なんちゅーか乙女ですよ乙女!!
何ですか、あの手紙・・・エロ全開手紙なのに、何故かきゅんきゅんじゃないですか!このポエマーめ!(笑)
あれの宛先になる筈だったハンナのスイッチも入ってしまう勢いです(笑)。
でも、あのヅラ話は・・・いやん(^^;;
リリアン達の父親がヅラだというのは、つまり、 遺伝からレイフも近い将来同じ目にあう可能性が!! とかいう考えが読者の脳内をよぎるワケじゃないですか・・・トホホ。
ロマンス盛り上がり真っ只中のところで、「いくら金があっても自前の毛は手に入らないんだ!! 」とかいうニュアンスの憤りの台詞を父親にぶちまけるのがレイフっていうのが・・・えーっと、なんちゅうか、 笑えないぐらい超リアルなんですけどぉー (ギャル調にお読み下さい。爆)みたいな(^^A
そんなこんなで、いろんな意味でよそ見してしまう中篇でした(爆)。
面白かったけど、読み足りないというのが本音。
きちんと長編として書いてあげてほしかったなぁ、レイフ。
とってもいいキャラで好みヒーローだった分、物足りなくて残念。
それでなくても、あのヅラのインパクトが強烈過ぎて・・・あ、あははは。とりあえず笑っておけ、みたいな(^^ゞゞ
いやはや、これは「二兎を追う者は一兎も得ず」ってカンジ?(^^ゞゞ
何がウサギちゃんかって、そこよね。
主役は誰なんデスカ?! (いきなりど真ん中)
いっそ、四組カップルの後日談、と割り切ってくれた方がスッキリした感じじゃないのかしら・・・四組の後日談をがっつり書きたい、リリアンの兄ラファエル(レイフ)の恋愛も書きたいとなるとあのボリュームでは中途半端にならざるをえなかったというか。
そういう意味では、レイフのあのキャラの薄さはとばっちり被害とも言うべきか(^^ゞ
後日談サイドは、特にリリアン夫婦とエヴィー夫婦のところに関してはよく書いてもらっていて、特に秋と冬の2冊が大好きなことのさんとしては有り難かったというとそうなんだけど(^^ゞ
しかし、相変わらずだなぁ・・・セバスチャンもマーカスも(^^ゞゞ
壁の花カップルは四組ともバカップルだけど、ここ二組は嫁のキャラの相乗効果もあって破壊力抜群(笑)。
で、その破壊力に若干割りを喰らった形の今回の主人公は、リリアンとデイジーの兄でボウマン家の長男レイフ。
そのレイフ、あの俗物な両親の画策によって縁談進行中。
兄の縁談候補である貴族令嬢ナタリーの情報を確保したく、リリアンは令嬢の従姉でコンパニオンのハンナをお茶に招いて情報収集しようと試みる。
招かれたハンナは、放蕩者という噂のレイフを警戒するが、そんな堅物のハンナがかわいくって気になって仕方ないレイフはついつい彼女を挑発しちゃうんだが・・・。
いやはや、分かりやすい ツンデレ属性 ですな、レイフ!(爆)
あの萌え萌えっぷり、なんちゅーか乙女ですよ乙女!!
何ですか、あの手紙・・・エロ全開手紙なのに、何故かきゅんきゅんじゃないですか!このポエマーめ!(笑)
あれの宛先になる筈だったハンナのスイッチも入ってしまう勢いです(笑)。
でも、あのヅラ話は・・・いやん(^^;;
リリアン達の父親がヅラだというのは、つまり、 遺伝からレイフも近い将来同じ目にあう可能性が!! とかいう考えが読者の脳内をよぎるワケじゃないですか・・・トホホ。
ロマンス盛り上がり真っ只中のところで、「いくら金があっても自前の毛は手に入らないんだ!! 」とかいうニュアンスの憤りの台詞を父親にぶちまけるのがレイフっていうのが・・・えーっと、なんちゅうか、 笑えないぐらい超リアルなんですけどぉー (ギャル調にお読み下さい。爆)みたいな(^^A
そんなこんなで、いろんな意味でよそ見してしまう中篇でした(爆)。
面白かったけど、読み足りないというのが本音。
きちんと長編として書いてあげてほしかったなぁ、レイフ。
とってもいいキャラで好みヒーローだった分、物足りなくて残念。
それでなくても、あのヅラのインパクトが強烈過ぎて・・・あ、あははは。とりあえず笑っておけ、みたいな(^^ゞゞ
めぐり逢う四季(きせつ) (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
2009年12月11日 新刊レビュー
RITA、AARと1冊のそれぞれの作品が軒並み短編部門を制した短編集、読了。
まさに横綱相撲の如きクォリティ。死角なしといったところか。
しかし「10年ぶりの再会を果たした男女」「同じ宿で24時間過ごす」という二つのキーワードが、それぞれの作家にかかるとここまで違った作品になるのか!と、本当に驚きと共に、短編小説の奥深さや作家の力量などを改めて思わずにはいられない。
何より、それぞれの作者が自分の 芸風 カラーを全く捨ててないところがすごいではないか(笑)。
ステファニー・ローレンスなんて、どこをどう読んでもローレンスだわよ!何なの、あの金太郎飴っぷりは!! > 褒めてます(爆)
でも、キーワードが二つ、という名目で成り立った企画だった筈が、読んでいて、多分ご本人たちもそこまで気付かずに使ったであろう、三つ目の共通点を見つけたり。
「初恋」だ。
やっぱり10年ぶり、というのはそんなタイムラグなのね。
あとね、こういう再会の末のハッピーエンドとなると、これも隠しアイテム的に自然と浮上したっぽい。
「乙女系ヒーロー」(爆)。
一作目のローレンスの、メロメロドッキューンフォーリンラヴの末に慌てて逃げて、あらら放蕩者入門しちゃうお馬鹿クンも、三作目のダレサンドロの、唯一愛したお嬢さんを思って馬の名前を付けちゃったりするのも、ポエマーばりだったりしてもう大変(^^ゞ
とにかく、4作ともホロリときたり、きゅんきゅんしたり、あのボリュームで長編ばりの余韻も味あわせてくれたりして天晴れ。
特に、ダレサンドロ作品の地味でピュアな、古典的ともいえる王道ロマンスは、何だか過度なセクシーさと慌しい流れの作品が多い昨今の作品の中の清涼剤といったところか。
ローレンス作品の独特のペーソスとウィットに富んだところ、バログ作品の正統派らしいすれ違いと和解までの機微あるやりとりも秀逸。
ただ、もしもどれか一つを選べと言われたら、あえてこの中では異色であろうキャンディス・ハーンをことのさんは選ぶだろう。
高級娼婦から公爵夫人にまでなったヒロインの、あの達観したまでの己への向かい具合は今までの短編にはないものだった。
ヒーローとヒロインの二人の四半世紀に、二人のキャラ造詣同様に半端なところはない。
綺麗ごとばかりじゃないのは勿論。
だからこそ、二人の人生やり直しまでの24時間が濃密ながら、決して重くならないブレのないものとなっている。
ウイットも忘れず、何より潔いまでの深い思いが描かれている。
リージェンシーロマンスって、もう食傷気味かも、と思っていたところにこのアラフォー二人のガチ話。
まだまだ捨てたもんじゃないね、ホント。
そんなこんなでとっても大満足の1冊でした(^^)
やっぱり好きな作家がここまで集まっているだけでワクワクするけど、中味が伴っていると堪能度合いが違います。
まさに横綱相撲の如きクォリティ。死角なしといったところか。
しかし「10年ぶりの再会を果たした男女」「同じ宿で24時間過ごす」という二つのキーワードが、それぞれの作家にかかるとここまで違った作品になるのか!と、本当に驚きと共に、短編小説の奥深さや作家の力量などを改めて思わずにはいられない。
何より、それぞれの作者が自分の
ステファニー・ローレンスなんて、どこをどう読んでもローレンスだわよ!何なの、あの金太郎飴っぷりは!! > 褒めてます(爆)
でも、キーワードが二つ、という名目で成り立った企画だった筈が、読んでいて、多分ご本人たちもそこまで気付かずに使ったであろう、三つ目の共通点を見つけたり。
「初恋」だ。
やっぱり10年ぶり、というのはそんなタイムラグなのね。
あとね、こういう再会の末のハッピーエンドとなると、これも隠しアイテム的に自然と浮上したっぽい。
「乙女系ヒーロー」(爆)。
一作目のローレンスの、メロメロドッキューンフォーリンラヴの末に慌てて逃げて、あらら放蕩者入門しちゃうお馬鹿クンも、三作目のダレサンドロの、唯一愛したお嬢さんを思って馬の名前を付けちゃったりするのも、ポエマーばりだったりしてもう大変(^^ゞ
とにかく、4作ともホロリときたり、きゅんきゅんしたり、あのボリュームで長編ばりの余韻も味あわせてくれたりして天晴れ。
特に、ダレサンドロ作品の地味でピュアな、古典的ともいえる王道ロマンスは、何だか過度なセクシーさと慌しい流れの作品が多い昨今の作品の中の清涼剤といったところか。
ローレンス作品の独特のペーソスとウィットに富んだところ、バログ作品の正統派らしいすれ違いと和解までの機微あるやりとりも秀逸。
ただ、もしもどれか一つを選べと言われたら、あえてこの中では異色であろうキャンディス・ハーンをことのさんは選ぶだろう。
高級娼婦から公爵夫人にまでなったヒロインの、あの達観したまでの己への向かい具合は今までの短編にはないものだった。
ヒーローとヒロインの二人の四半世紀に、二人のキャラ造詣同様に半端なところはない。
綺麗ごとばかりじゃないのは勿論。
だからこそ、二人の人生やり直しまでの24時間が濃密ながら、決して重くならないブレのないものとなっている。
ウイットも忘れず、何より潔いまでの深い思いが描かれている。
リージェンシーロマンスって、もう食傷気味かも、と思っていたところにこのアラフォー二人のガチ話。
まだまだ捨てたもんじゃないね、ホント。
そんなこんなでとっても大満足の1冊でした(^^)
やっぱり好きな作家がここまで集まっているだけでワクワクするけど、中味が伴っていると堪能度合いが違います。
愛しの伯爵と秘密のひとときを (オーロラブックス ボ 1-4)
2009年12月9日 新刊レビュー
エリザベス・ボイルの新刊、単発作品読了~。
ううっ、これはことのさんにとってはお宝作品ものだわ!
エリザベス・ボイルの一連のシリーズを読んでいる人には、ボイルのホットなラブシーンなんかの後ろに見え隠れする、古き良き時代の少女マンガのような・・・何というか、きゅんきゅんする甘ずっぱさを感じていらっしゃるかと思います。
この単発作品、それがもう炸裂していて、それこそ昔、時間を忘れて読み耽った少女マンガを一気読みしたカタルシスのようなものを彷彿させる読後感。
お話は、リージェンシーの頃のロンドン、内気で夢見るヒロインのシャーロットが、大伯母さんから指輪を相続したところから始まる。
伯爵家の長男セバスチャンにずっと片思いしている彼女、ついつい心の中で「彼に愛される女性になりたい」と願いを込めたら、たまたま(?)その指輪が魔法の指輪だったからさぁ大変。
朝、目が覚めると裸の彼の隣で寝ているではありませんか!
よくよく話を聞くと、彼女はそこではロッティーという社交界きってのスキャンダラスな女性になっていて、セバスチャンの愛人というではないか。
元の世界では堅物だったセバスチャンは放蕩者になっているし、シャーロットの母の従妹フィネラは娼婦、という風に、自分だけでなく世界そのものがパラレルになってしまっている。
ロッティーとして、セバスチャンと愛し合うシャーロットだが、それは胸中は複雑な上に、こんがらがった異世界も複雑に絡まって・・・。
これを読んでいて、ふと、ジャック・フィニィ作品を思い出した。
まさにあのフィニィ・ワールドのロマンスアレンジである。
奇を衒うばかりがパラノーマルではない、と昔からの名作品たちが語っているのであるが、ボイルはそれを見事に自分風に料理した。
ここでは、民族の対立や種族の存亡やら、そんな大層な事はない。
勿論、死人も出ないし、超能力なんて出てはこない。
ヴァンパイアもウェアフルフも、そんなものは出てこない。
ただただ、シャーロットがセバスチャンに愛される女性になりたい、という乙女な願いがあるのみ。
ここが、きゅんきゅんの少女マンガ的であるのだよ。
そうだよ。魔法使いというか、指輪の監視者はいるけど、何かをしてくれるわけじゃない。
ただ、指輪が彼女のロマンチックな願いに共鳴しちゃっただけで、あとはシャーロットが全て自分で乗り切らないとイカンのだ。
パラレルワールドの中で、ただ単純に愛する彼と幸せになったわけでもない。
パラレルの世界でありながら、ロンドン社交界に変わりはなく、愛人はどこまでいっても愛人。
結婚も出来ないし、家族に紹介も出来ない。
賭博や放蕩が祟って借金から抜け出せない貴族、身分制度は確固たるものとしてこの世界でも聳える。
何より、完全に別の世界でも、完全に別の人間でもない、どこかが元の世界と繋がっているという絶妙のパラレルワールドでの話の展開が秀逸過ぎる。
大いなるシャーロットの夢を、皆が共用しているというのとはちょっと違う、シンクロニティのあの按配さよ。
何より、真実は曲げられないという不文律。
そこを何と上手く書いているのか、この作者は。
パラレルワールドは、シャーロットの、セバスチャンを愛する気持ちが強い故に終わりを告げる。
涙の決意で、夢の世界を終わらせた彼女が、そして元の世界がどうなったのかは是非とも本編を読んでもらいたい。
一行一行が、まるで溢れる愛でスキップして弾んでいるかのように、一気にラストまで駆け抜けるのだから。
それはやっぱり、冒頭の堅物のセバスチャンや内気なシャーロット、そして異世界での恋に溺れるセバスチャンと奔放なロッティーという布石と積み重ねがあるからこそ出来たエンドロールまでの見事なまでの一気つっ走り。
しかも、ただの指輪の監視者と、持ち主かと思った謎の二人が、ラスト近くのたった一行で「ええーっっ!そうだったのね!!」と、恐ろしく腑に落ちるロマンス読み垂涎ネタといい。
これぞ乙女! 乙女ちっく!! 胸きゅんきゅん!!!
ロマンスって、こうでなくっちゃ!!と、夜中に嬉しくってきゃいきゃい吠えましたがなマジ!!
ああ、勿論、ずーっとMy蔵書に居座ってもらいますよ!
ダッチェスのお隣で!! どっちも選べないぐらい大好き~っっ♪♪
この1冊で、オーロラブックスが目指しているものが明確になったと思った。
正直、創刊号から迷走していたという印象の刊行ラインナップの中で、コミカライズをベースにしているあの出版社が他社と区別し、レーベルの特色として求めるのはこのボイルのような作品だと思った。
昔、読み耽った少女マンガのような甘ずっぱさに、大人のロマンスとペーソスを交えた、コミカライズにしっくりくるこの作品のような。
なのに、ご存知の通り、この本を最後にオーロラブックスは先の見えないお休み期間に突入してしまった。
完全な休刊ではないお休みのようですが、この移ろい易い市場のご時勢、一度読者が醒めて離れるのを傍観、というのは得策ではないかと。
余計なお世話だけどね。
ただ、こんなステキな作品を、エリザベス・ボイル作品を版権持っていたとして、そのまま休刊からお蔵入りさせるとなると、それはロマンス読みから言わせてもらうと大層な罪だと思う次第。
いくら素晴らしい作品をお持ちでも、読者に読んでもらってナンボです。
お早い充電期間打ち切りをお祈りしております > 宙出版さま
ううっ、これはことのさんにとってはお宝作品ものだわ!
エリザベス・ボイルの一連のシリーズを読んでいる人には、ボイルのホットなラブシーンなんかの後ろに見え隠れする、古き良き時代の少女マンガのような・・・何というか、きゅんきゅんする甘ずっぱさを感じていらっしゃるかと思います。
この単発作品、それがもう炸裂していて、それこそ昔、時間を忘れて読み耽った少女マンガを一気読みしたカタルシスのようなものを彷彿させる読後感。
お話は、リージェンシーの頃のロンドン、内気で夢見るヒロインのシャーロットが、大伯母さんから指輪を相続したところから始まる。
伯爵家の長男セバスチャンにずっと片思いしている彼女、ついつい心の中で「彼に愛される女性になりたい」と願いを込めたら、たまたま(?)その指輪が魔法の指輪だったからさぁ大変。
朝、目が覚めると裸の彼の隣で寝ているではありませんか!
よくよく話を聞くと、彼女はそこではロッティーという社交界きってのスキャンダラスな女性になっていて、セバスチャンの愛人というではないか。
元の世界では堅物だったセバスチャンは放蕩者になっているし、シャーロットの母の従妹フィネラは娼婦、という風に、自分だけでなく世界そのものがパラレルになってしまっている。
ロッティーとして、セバスチャンと愛し合うシャーロットだが、それは胸中は複雑な上に、こんがらがった異世界も複雑に絡まって・・・。
これを読んでいて、ふと、ジャック・フィニィ作品を思い出した。
まさにあのフィニィ・ワールドのロマンスアレンジである。
奇を衒うばかりがパラノーマルではない、と昔からの名作品たちが語っているのであるが、ボイルはそれを見事に自分風に料理した。
ここでは、民族の対立や種族の存亡やら、そんな大層な事はない。
勿論、死人も出ないし、超能力なんて出てはこない。
ヴァンパイアもウェアフルフも、そんなものは出てこない。
ただただ、シャーロットがセバスチャンに愛される女性になりたい、という乙女な願いがあるのみ。
ここが、きゅんきゅんの少女マンガ的であるのだよ。
そうだよ。魔法使いというか、指輪の監視者はいるけど、何かをしてくれるわけじゃない。
ただ、指輪が彼女のロマンチックな願いに共鳴しちゃっただけで、あとはシャーロットが全て自分で乗り切らないとイカンのだ。
パラレルワールドの中で、ただ単純に愛する彼と幸せになったわけでもない。
パラレルの世界でありながら、ロンドン社交界に変わりはなく、愛人はどこまでいっても愛人。
結婚も出来ないし、家族に紹介も出来ない。
賭博や放蕩が祟って借金から抜け出せない貴族、身分制度は確固たるものとしてこの世界でも聳える。
何より、完全に別の世界でも、完全に別の人間でもない、どこかが元の世界と繋がっているという絶妙のパラレルワールドでの話の展開が秀逸過ぎる。
大いなるシャーロットの夢を、皆が共用しているというのとはちょっと違う、シンクロニティのあの按配さよ。
何より、真実は曲げられないという不文律。
そこを何と上手く書いているのか、この作者は。
パラレルワールドは、シャーロットの、セバスチャンを愛する気持ちが強い故に終わりを告げる。
涙の決意で、夢の世界を終わらせた彼女が、そして元の世界がどうなったのかは是非とも本編を読んでもらいたい。
一行一行が、まるで溢れる愛でスキップして弾んでいるかのように、一気にラストまで駆け抜けるのだから。
それはやっぱり、冒頭の堅物のセバスチャンや内気なシャーロット、そして異世界での恋に溺れるセバスチャンと奔放なロッティーという布石と積み重ねがあるからこそ出来たエンドロールまでの見事なまでの一気つっ走り。
しかも、ただの指輪の監視者と、持ち主かと思った謎の二人が、ラスト近くのたった一行で「ええーっっ!そうだったのね!!」と、恐ろしく腑に落ちるロマンス読み垂涎ネタといい。
これぞ乙女! 乙女ちっく!! 胸きゅんきゅん!!!
ロマンスって、こうでなくっちゃ!!と、夜中に嬉しくってきゃいきゃい吠えましたがなマジ!!
ああ、勿論、ずーっとMy蔵書に居座ってもらいますよ!
ダッチェスのお隣で!! どっちも選べないぐらい大好き~っっ♪♪
この1冊で、オーロラブックスが目指しているものが明確になったと思った。
正直、創刊号から迷走していたという印象の刊行ラインナップの中で、コミカライズをベースにしているあの出版社が他社と区別し、レーベルの特色として求めるのはこのボイルのような作品だと思った。
昔、読み耽った少女マンガのような甘ずっぱさに、大人のロマンスとペーソスを交えた、コミカライズにしっくりくるこの作品のような。
なのに、ご存知の通り、この本を最後にオーロラブックスは先の見えないお休み期間に突入してしまった。
完全な休刊ではないお休みのようですが、この移ろい易い市場のご時勢、一度読者が醒めて離れるのを傍観、というのは得策ではないかと。
余計なお世話だけどね。
ただ、こんなステキな作品を、エリザベス・ボイル作品を版権持っていたとして、そのまま休刊からお蔵入りさせるとなると、それはロマンス読みから言わせてもらうと大層な罪だと思う次第。
いくら素晴らしい作品をお持ちでも、読者に読んでもらってナンボです。
お早い充電期間打ち切りをお祈りしております > 宙出版さま