ヴィクトリア・ダールのデビュー作にて初翻訳作品、読了。
何なんだ、この懐かしい古典っぷりは!!(拍手)

そうなんですよ!
この作品を読んでいて「ぎゃーっ」「うきゃーっ」「うほほーいっ」など奇声を発してしまったんですよ!
ここんとこ、ハーレクインで、コテコテの古典芸能(?)を拝めなくて「昔って、鬼畜とか蜘蛛とか多かったよね」的な懐古モードにすぐ入りかねない昔からの読者なもので、この作品に過剰反応なう!(笑)

何が、古典芸能かというとヒーローです。
ヒーローのコリンくん(スコットランド人)です。
どんだけ人の話を聞かないんですか、アナタ!! って言わずにはいられないぐらい・・・誤解しまくりです!
嫉妬しまくりです!!
悪い方向にヒロインを断罪ばかりしています!!
久し振りに、誤解と嫉妬の末にヒロインを 売女呼ばわり するバカチン男に遭遇しました・・・くぅぅぅーっ。爽快にボコりたいアホですがな!(絶賛方向が違う。爆)
劣等心満々で、公爵家の令嬢であるアレクサンドラにメロメロなくせして卑屈で、攻撃的で、反省しているんだか墓穴掘ってるんだか、迷走しまくり!(笑)
結婚してなお、お姫様である彼女に捨てられる事を前提に迷走しまくりで、本当に周囲ではありませんが、哀れに思えますがな、アホすぎて(^^;
よくぞこんなアホが、商売で立身したもんだ、と別の意味で感動なうww

・・・クソミソ?(^^ゞ
いや、でもヒーローのコリンもアホなら、相手であるヒロインのアレックスもかなり配線の違うお嬢様(笑)。
そもそも、コリンの異母弟が、アレックスを巡って決闘をし、命を落したが故に知り合った二人なんですが・・・社交界で悪女の烙印を押されて隠遁生活しているアレックスが・・・ぷっ。
どんだけマイペース?!(笑)
男装して、せっせこせっせこ兄ちゃんの領地の管理をしているDeki女でしたよ、いきなり(笑)。
でもね、あの落差はすごい強烈。
初めての社交界で羽目を外して悪名を轟かせてしまった彼女だが、好奇心に溢れたティーンネイジャーなんだから十分ありえる展開じゃないか。
変につんけんしたカマトトでもないし、すごく自分に正直。
男性側の悶々ばかりを書かれるのがテンプレのようなロマンス小説だが、女性側だってないわけじゃない。
ましてや清らかな少女だって、例外じゃない。
たまたまひどい男の餌食になったとはいえ、まぁ、悲劇のヒロインのようによろめき部分もあったりするんだが(笑)、それは世間経験値の無さの結果であって、彼女自身のせいとも言い難い。
妙に冷静なところと、カッカと頭に血が上るところとか、その振り幅の大きさと潔さは何とも年齢以上のものを感じました。

しかし、本当に久し振りにこんな古典芸能的展開を見ましたわ・・・。
弟の敵!と、突撃した相手が、実はセクシーだが中味は純真な女性だと知り、恋に落ちるコリンとか。
コリンとの未来がない、でも彼が欲しい!と腹をくくったアレックスが彼を誘惑したのはいいが、猩紅熱で死にかけたり(^^;
そこで関係がバレて結婚する事になるんだが、お互いがお互いを好き過ぎて見事なまでのすれ違い発言したり(^^;
お嬢様育ちの新妻を、殺伐とした城に迎えるに至って彼女を神聖化するが余り、妙な意地を張ったり(^^;
自宅に、二人の仲を阻もうと虎視眈々のイジワル家政婦がいて、新妻は家政婦の正体が分かってきちんと抗議するが、うまく丸め込まれて妻の正論に気付かないバカ夫っぷりとか(^^;;
酷い言われように、家を飛び出したら遭難しかけてヒーローに追いつかれるとか・・・古典過ぎて、もう感涙よ?!
コリンの懇願謝りっぷりとか、言い分も迷走していてバカバカバカッ!!とか言いつつ、ニヤけて読んだのはことのさんだけ?!(爆)

何か、もう、キャラクター類の出来・不出来の粋を越えた古典芸能っぷりを久々に拝みました。
満足です。本当に笑いが止まらないぐらい満足です!
ちょっと、家出に至るまでのアレックスの葛藤とか、辻褄がぐるんぐるんのコリンの思考回路とか、昔のコテコテのローウェル作品を彷彿させてくれました(笑)。
しかも、これ、アレックスの兄ちゃんである公爵さまのスピンオフもあるんですか?
それは是非とも読んでみたいです。
出来れば、脇役の時にあんな物分りの良かったシスコン兄ちゃんですが、ヒーローになった途端に迷走する古典芸能クンになってもらえたら面白そうです(爆)。

そんなこんなで、昔のコテコテのディザイアとかロマンス(白R)とかに理解ある方は読んでみるのも一興かと。
シルエット系のやんわりヒーローがお好みの方、古典芸能的なものが苦手な方にはお勧めしません、って事でww
RITA賞のファイナリスト作家でもあるデブラ・マリンズの初翻訳作品、読了。
地味ながら、実に手堅いといったところか。

いや、地味というのは褒め言葉であるからして。ことのさんの場合(笑)。
驚いたのが、この作品の中心となる「黒薔薇の会」という秘密結社の造りというか、その設定の奥行き。
初めて見たかも、こんな巧妙で底意地の悪い組織。
単なる杓子定規な悪の集団ならいざ知らず、何と言うか、よく出来ているんだよ。
詐欺集団であり、ネズミ溝であり、底無し沼というか。
青年貴族たちを食い物にし、私腹を肥やす組織の上層部だが、その黒幕に関しては残念だったかも。
その黒幕がどうして、何故、この組織を作ったのか、そしてどうしておおきくする必要性があったのか、どうやって普段の生活と組織との二重生活を送っていたのかという核心には踏み込まず、決着をつけてしまった。
これに対しては肩透かしだったな・・・。

謎の死を遂げた双子の弟が、その組織によって殺されたと疑う海軍提督の令嬢アナ。
ある時、仮面舞踏会で弟の残した黒薔薇の紋章の指輪をした男を発見し、娼婦を装って後を追う。
そこで偶然会った男性ロームに誘惑されるアナだったが、彼に惹かれる気持ちを抑えてその場を去る。
しかしその男性は、いずれ彼女が結婚する事になっている婚約者同然の伯爵の従兄だった。
死んだ親友の弟が、組織によって深みに嵌っている故にアナと共に組織の調査をするローム。
お互いがお互いを思いつつも、婚約者同然の従兄の存在、かつて実の父が起こした不祥事もあって、彼女と愛し合う事は出来ず・・・というお話。

とにかく、このロームが健気というか、頑張り屋というか・・・父親の不祥事のせいで社交界から叩き出された一家の家長として、戦で名をあげて帰郷。
戦で死んだ親友の残された弟の面倒を見るべく奔走し、そして胡散臭い組織に首を突っ込む羽目に(^^;
組織調査をしながら、就職活動しなきゃなんないし、運命の相手とおもった女性は、最悪な事に従弟の婚約者だし、妊婦の妹は五月蝿いし・・・ああ、大変(^^;;
頑張れローム!!
おしんヒーローというまではいかないが、そりゃあもう、気の毒なぐらい恵まれていない運命の下にいるんだな、この人。
でも、くさらずにせっせこ頑張るんだわ、地味に(笑)。
さすがに、アナが好き過ぎて、彼女の気持ちを何となく分かっていても金持ちの伯爵である従弟との結婚を頭ごなしに妨害せずに「まずは従弟と彼女に確認して」って草食系炸裂な弱腰っぷりはトホホだけど(^^; 
しかも玉砕して海より深く嘆いてるし!(嘆くなら、周囲に気遣うよりも強引にいけよ!とかツッコミしたのはことのさんだけかね。笑)
そんなロームのお相手となるアナだが、これがまた芯の強い知的な美人で・・・というか、これだけ同性から見ても「かっちょいい女性じゃん!」な姐御なんだが、何故か行き遅れ・・・この時点で、婚約者である伯爵側にも何か問題あるんじゃね?!と、何で周囲は思わないんだろうかね?(^^;
ま、いいんだけど(いいのか。笑)。
そんなアナが、とにかくいじらしく死んだ弟の恨みを晴らしてやるわ!!と奔走するんだが、周囲にどれだけ言われても頑張るんだわ。
そのあたり、ベクトルが似てるのか、この二人・・・片意地になるっていうのより、悲しいかな相手の話を理解しちゃうのも、身を引くのも似てるし。
だからかな、もうハッピーエンドなのが嬉しくって嬉しくって!
頑張ったご褒美というか、微笑ましではありませんか。

一番の悪人の描写の核心部分が欠落していたせいか、何だか脇役みんながいい人揃いのように思えてならなかったけど(笑)。
いや、その中でもロームの妹ラヴィニアは、ちょっと(かなり)鼻についたけどね(^^;
作品の中で、ロームが言う通り、この妹の言ってる事はいちいち正しいんだが、たまにイラッとくるワケです、それゆえに(^^;
人生の勝ち組的上から視点で頑張って耐えてるロームやアナに対してモノ申すからか・・・それゆえに、ラストはろくでなし読者確定の意見を述べます。
「妹、ザマーミロww」 > ひでぇ!(爆)
・・・そんな妹を、またローム兄ちゃんはかばって守って頑張るんだろうなぁ(^^ゞゞ

そんなこんなで、上手い設定と手堅いストーリーに、芯のしっかりした主人公カップルがこの1冊を支えていました。
昨今のぶ厚い本が多い中では、少し控えめなボリュームなんだけど、十分な読み応え。
黒幕探しの混迷っぷりとかの巧妙さも◎でした・・・これで、黒幕そのものにもっと行数割いてたらもっと評価は格段アップしたんだけどね(小声)。
既にW杯ボケ前哨戦状態の中、とりあえず来月の新刊買い物用の覚え書きなんぞしておきます(^^ゞ

ハーレクイン社 MIRA文庫
金色のヴィーナス キャンディス・キャンプ

ヴィレッジブックス villagebooks
DAWN ENCOUNTER(原題) ジェニファー ・ブレイク
TETHERED(原題) アミー・マッキノン
MIDNIGHT BRIDE(原題) スーザン・キャロル

オークラ出版 マグノリアロマンス
プロミス-約束- ドナ・ボイド
嫌いだけど大好きなあなた ジュリー・ジェームズ

ソフトバンククリエイティブ ソフトバンク文庫NV
偽りのくちづけは伯爵と テッサ・デア

竹書房 ラズベリーブックス
夢の乙女に永遠の誓いを ジュリア・クイン
壁の花の舞踏会 オリヴィア・パーカー

武田ランダムハウスジャパン RHブックス・プラス
勝利の騎士 シャノン・ドレイク
伯爵令嬢の冒険 ヴィクトリア・アレクサンダー

早川書房 ハヤカワ・イソラ文庫
貴婦人と謎の黒騎士 ルーシー・ブルー

原書房 ライムブックス
愛の旋律を聴かせて ガーレン・フォリー
恋の続きはマンハッタンで メグ・キャボット

扶桑社 扶桑社海外文庫
ノーティ・バイ・ネーチャー(仮) バーバラ・ピアス
ロード・オブ・ザ・ナイト(仮) コニー・メイスン

二見書房 二見文庫ザ・ミステリ・コレクション
バーン(原題) リンダ・ハワード
グリッター・ベイビー(原題) スーザン・エリザベス・フィリップス
パッショネイト(原題) アンシア・ローソン

ぶんか社 フローラブックス
聖杯と牙の誘惑 キャスリン・スミス
激情のパレット シェリル・ホルト


実はすごーく嬉しいのが、極少数意見でしょうが、発売そのものは8月頭になりますが、扶桑社から出るバーバラ・ピアスなんです(笑)。
シリーズ翻訳お蔵入りになったか?!と思ってたんで、本当に(爆)。
「高貴な野蛮人」の残り三人、フェイン兄ちゃんが年貢を納めたので順調(?)に納めてね。うふふww
でもって、イチ押しはオリヴィア・パーカー・・・地味っっ!(笑)
スーザン・キャロルも既刊2冊買っているのでガチ。
SEPは、まぁ、加筆改定だから、それなりに。
アンシア・ローソンは楽しみなんですがね・・・リンダ新刊は、その一部書評のクソミソっぷりから逆に興味はあるけど、きっと新刊買いはない(爆)。

でも、すごいなぁ、と感心するのがヴィレッジブックス。
確かにここ、シリーズものの刊行がすごく遅いかもしれないけど、採算度外視で、きちんと続編を出してくれる。
ジェニファー・ブレイクのシリーズ1冊目、そもそも何年前?
全く話題にもならなかったし、売れた形跡もなさげ。そもそも前巻は会社組織が変わる前の作品なのに、しっかり続編を今回出してくれる。
ガバルドンのロード・ジョン・グレイものもそうだったし、実にファンに優しいではないか。
ええ、見習って欲しいよ。早川書房さんに ←伏せません。事実だから(爆)。
早く続きを出してほしい!というのもあるが、これだけ毎月多くの翻訳ロマンスが出版されているんだから、読むものには困らない。
他の作品を読みながら、大好きな作品の続編が出るのを待つのも楽しみではないか。
少なくともここなら、続編を出してくれるんだろう、と思わせてくれるだけでも拍手です・・・「ああ、ここからじゃ、切捨てゴメンだな」と最初からマイナスに思われるより。
1~2年程度で、荒稼ぎで地位を確立しようなんて思わずに、5年計画ぐらいで良質の文庫レーベルを確立してもらう方が読者としてはありがたい。

たまに、こんな真面目な話も書いてみたりするが、何てことはない。
このテの話を始めると、恨み節でウザ長くなるから、ここで切り上げているだけである(爆)。
翻訳ロマンス読み歴も20年もたてば、いろんな黒歴史があるんだよ、つまり(^^;;

+余談+

いつものお馴染み、穴埋めのアレ(笑)

http://cool-book-new.seesaa.net/article/148660429.html

先月よりは埋まった感がありますな。
W杯の合間に残りも埋めたいと思います > 希望形なのが既に駄目か?!www
J・D・ロブのイブ&ロークシリーズ23冊目、読了~。
毎度毎度の事ながら、上手いんですよ!

もう、何というか、毎回それしかコメントがないのか?!っていうぐらい、上手いんです。
全てにおいて!
しかも、今回は翻訳がノーラ作品翻訳ではこの人が至高!と仰る愛読者、ノーラ・ホリッカーも多いであろう中谷さん。
翻訳の細かいところが引っかからずに読めるものだから、いつものにもまして読むスピードが加速する。
そして、実にこの作品が10日ほどの出来事を描いているという事にまた驚くのだ。
クリスマス前に浮かれる街から始まり、クリスマスを終えて新年はすぐそこ、という具合に。
何と濃密で、そして喜怒哀楽をすごいバランスをもってして配するのか。

今回は、かつてのイヴの里親である女性が、彼女の元を訪れた事からはじまる。
この女の目的は、有名になり宇宙一の富豪の妻となったイヴから金を無心する事だったのだが、過去の忌まわしい記憶を急に呼び起こされたイヴは、邪険に彼女をたたき出す。
動揺の激しいイヴを、ロークが敬い、そして真摯に対峙しつつ包み込む姿は、かつて同じように過去からやってきた人物によって忌まわしい記憶を呼び起こされた際にイヴが彼に対した姿とシンクロニティで、何とも胸をうつ。
そして・・・その女が、怒らせてはいかん相手を怒らせたというか・・・(^^;
飛んで火にいる夏のムシ、とばかりに、再度、今度はロークに対して金の無心にやってきた女に対するロークの、そりゃあ、もう突き抜けた激怒っぷりったら・・・笑ってはイカンのだが、あそこは笑うところだろ?!
今までロークの愛するイヴを痛めつけてきた相手は残念ながらあの世。
いくら、手持ちの有り余るまでの金を使っても、あの世の人間に対して復讐する事は叶わない・・・イタコを雇っても無理!ww
そんなところに、のこのこと「生きた」標的がやってきた!
ピロリロリーン!!
ロークノ復讐レベルガ100ptアガッタ!! > ゲーム風(爆)

・・・怖いです。
真剣に怖いですよ。静かにうっとり復讐演説を述べるローク、マジヤバし!!
というか、ピーボディじゃないけど、イヴから以上に、あのロークから金をせしめようなんてアホ以外の何者でもなく、この時点でこの女の末路は決まったも同然。
そんなところ、うっかり(?)この女が殺されてしまい、イヴとロークに嫌疑がかかったりする展開に。

話が進むにつれ、この里親女の醜い過去が暴かれていく。
引き取った里子に対して、心身共の虐待を繰り返し、福祉や法律を逆手にとって傷ついた子供たちを食い物にして己の欲望を満たしてゆく。
読んでいて、現在の社会の写し絵のように思えてなりませんでした。
子供に対する福祉という名の元に、大人たちに支給される手当金を、本当に子供に対して使っているのか?という疑問に対する、一つの例がここにありました。
虐待の連鎖、母性の欠落、福祉制度の限界など、相変わらずノーラは達者に読者に読ませてゆく。
実に重く、そしてデリケートなテーマを扱いながら、そこはやっぱりノーラであって、よくある日常の一コマにそれらを絡めてゆく。
特にイヴの、里子時代の隣の少年の件を語る場面は、何というか、ありありと情景が浮かんでしまい、ロークではないがイヴを抱きしめてあげたくなった。
犯人は、余りに分かりやすいところに書かれていて、大して頭を使わずにいられるんだが、それでもやっぱり、そのアリバイを崩す為までの過程は面白い。
特に、バクスターではないが、「ちょっと引っかかる」ところの按配がこれまた絶妙なんだわ。

で、これの一年前のクリスマスとなると、いろいろ事件もあったりしたんだけど(いつもだが。笑)、やっぱりイヴの擬似家族は大きくなったなぁ、としみじみ。
メイヴィスの出産も近くなって、イヴとロークは出産付添教室から逃げまくっているし(爆)。
マクナヴと同棲中のピーボディは、彼の実家のあるスコットランドに行く事になってパニックなう、だし(^^ゞ
しかし、この件で再認識なんだが、この二人はたんなる安月給公務員なんだなぁ、と・・・スコットランドまで帰省する旅費が高くてバイトしなきゃ!!ってなるし。
もっとも、イヴとロークからのクリスマス・プレゼントがエライ事になっていて、そのバイト話もなくなったけど(持つべきは、金持ちの友達・・・というにはケタ違いすぎるが。爆)。
そうなのよー。
クリスマス話だから、クリスマス・プレゼントがサブテーマになっていて、成長したイヴが、皆にどんなプレゼントをするのか、っていうのも楽しめたのだ。
フィーニー宛のは、プレゼントの中味よりもそれの隠し場所アイデアにウケたけど・・・イヴのキャンディ・バー隠しに匹敵だな(笑)。
バクスターとトゥルーハートくんコンビも、寒い中コキ使われつつ(笑)。
ナディーンさんの出世話と共に、彼女の義理固さを再認識出来て、また惚れ直したり。
前作の事件絡みで、ギクシャクしてしまったマイラ先生との仲直りも、クリスマス・プレゼントと共にちょっとうるっとなるエピソードでした。
ですが、やっぱり、あれには叶わないなー。
ロークのおねだりで、イヴが彼にあげたクリスマス・プレゼント!
それを見ているロークのあの感激っぷりは、微笑ましいの何のって・・・新婚さん同然だな、今だ(^^ゞゞ
もっとも、もう一個のプレゼントの特製ヴァーチャルゲームに関しては、ロークの駄目っぷりが炸裂していたが・・・SM的コスプレさせたイヴでプレイするなって!しかも着替えに一時間かける駄目駄目っぷり(爆)
どうも、ロークに関してはここらの落差萌えがたまらんスマッシュ!!な今日この頃でございますwww
そんな駄目ローク(笑)を影で支えるサマーセット、今回はクッキーいっぱい作ったりして、縁の下の力持ちでステキでした(笑)。

そんなこんなで、今回も大満足の1冊でございましたよ。
早く続きが読みたいわ~、と思いつつ、次回のIn Death翻訳は中休みで短編集が刊行とのこと。
これに収録されている作品の1本が、ちょうど今回の話の一年前の設定のか?
わ~、それはそれで楽しみだわ♪
ローラ・リーの翻訳2冊目、二見さんからの1冊を読了。
おなかいっぱいすぎて、途中まで気付きませんでしたよ、私としたことが!(^^;

何が、って?
いえね、この本ですよ。
別に帯やあとがきなんかにも何も書いてなかったけど・・・これ、マグノリアロマンスから出た『禁じられた情熱』の前日談じゃないですか! ってハナシ。
もう、それに気付いたら、死んだと言われてた主人公のSEAL同僚のその裏事情も、同僚の一人のその後もオチも分かってしまって、ああネタバレ祭り(^^;;
いっそ気付かないで、思い出さないでいればよかったかも(苦笑)。
まぁ、余りのエロてんこ盛りメガ盛り状態に、元来小食のワタクシが胃酸過多で苦しむぐらい満腹でなければ(爆)もっと早く気付いたんでしょうがね。

そんなこんなで、SEAL隊員のヒーローと、その親友の妹で幼馴染のヒロインとの、すれ違いと葛藤、ぶつかり合いをエロ500%(当社比。笑)で描いたこの作品。
どうも、2冊共にヒーローの頭でっかちでおバカな大型ワンコっぷりが共通項。
お姫様よろしくかわいく扱われているヒロインが、実は芯の強い高島屋系肝っ玉お嬢さんでワンコを躾けるんだ(笑)。
すごいよ、このヒロインのモーガナちゃん。
よちよち歩きの赤ん坊の時に、10歳年上のヒーロー・クリント少年をロックオン、哺乳瓶でボコって躾を開始する んだから!(爆)
よくよく見てみりゃ、トラブルメーカーなフシを感じさせつつ、そのワンコに対するブリーダーっぷりが随所に!(笑)
余りに根深いトラウマを抱えて、彼女を愛し過ぎていて、あえて突き放す事を選んでいるんだが、それですら上手に出来てないところをズバズバ指摘されるシーンは、何というか、年上の貫禄ナッシング(^^;
そんなおバカさんでも、愛さずにはいられない、それこそ空よりも高く、海よりも深く彼を理解し、包み込むモーガナの天晴れさか。

しかし、今回は何といっても舞台が SMクラブ なんで、エロカッ飛び度合いがパねぇっす!!
出てくる脇役たちも、何かもう、好きにして下さい状態?!(^^ゞゞ
肉食系な皆さんの狂乱の宴状態なんで(ぼそ)。

そんなこんなで、死人もかなり出て、壮大な展開だった筈が、よくよく読んでみりゃ小競り合いでの底上げってカンジ?
裏切り者が、余りにあからさますぎるし、何より・・・えーっと、スケール小さいところで因縁ありすぎ!(笑)
だって、つまりはクリントがさっさと母親に会ってりゃここまで二人の間がもつれる事もなかったろうし(まぁ、その場合、モーガナのDEA入りはなかったろうから、一概に否定は出来ないけど)。
何より、これからあの脇役たちがどうなるのか半分ぐらいネタバレしちゃったしなー・・・みたいな諦め気分も若干あり(^^ゞ

というわけで、引き続きローラ・リー作品は日本でも読めそうな環境のよう。
賛否両論はあるだろうけど、過激ながらこの作品もそうだけど、ローラ・リー作品の根底にあるものって、LMR作品にあるような傷ついた不器用な大型ワンコが自分だけのお姫様を守るっていう古典的テンプレだから。
つまりはたいした裏切りもなくさくさく楽しく読めるんだよね。
起死回生の一発、っていうのではなく、過激な看板に惹かれて入った店が、意外に手堅いメニューでした、的な(笑)。
他の個性的脇役キャラ達のその後を拝めそうなんで、のんびりそのうち読めるのを期待しております。

+独り言+
・・・ところで、これは翻訳違いなだけであって、同一人物なんでしょうか?

『青の炎に焦がされて』のヒロイン兄 リーノ・チャベス

『禁じられた情熱』のヒーローの所属するエリート作戦部隊長 レノ・チャベス

スペル、これなら同じ気がしてならん。
そのうち調べるか > ヒマで気が向いたら、ねwww
ジェイン・アン・クレンツのアーケイン・ソサエティ・シリーズ、コンテンポラリー部門だと3冊目、アマンダ・クイック名義とのトータルでだと5冊目、読了~。
だんだんとシリーズそのものがこなれてきているところに、ここぞとばかりのクレンツらしい小道具が炸裂したナイスな1冊(^^)

今回の主人公は、アーケイン・ソサエティの参考司書のグレイス。
オーラ能力者の彼女は、殺人事件の容疑者を調査する為にハワイに派遣される。
現地で、ボディガードとしてJ&Jの調査員であるルーサーに迎えられる。
簡単な調査だった筈が、妖艶な歌声を操る殺人鬼も絡んで、ソサエティと対立する組織「夜陰」に関する重要な事実も明らかになり・・・というお話。

とにかく、まぁ、何と早い時点で夜陰のリーダーの正体をあっけらかんとバラしたんですか?!ってぐらい潔かった(笑)。
つまりは、クレンツの中ではリーダーの正体そのものは重要ではなく、その組織そのものにウエイトが置かれている、って事。
でも、何故、組織そのものを作ったのかというきっかけに関してはきちんと書かれていて、それも変に堅くなくって上手い。
毎回、夜陰からやってくる刺客やハンターの、個別能力も色々あるが、今回はロマサス+パラノーマルっていう枠を最大限に活用した設定になっていました!
素晴らしすぎて、途中で何度も唸ってしまったよ!!
思わず、思い出したのは松本清張『砂の器』か?!ってぐらい。
悪役の最後の最後までもが、まるで美しいオペラのようで、思わず拍手喝采必死!

とにかく、悪役を語るだけでこれぐらい熱くなってしまうぐらい、円熟度合いがハンパない今回のアーケイン・ソサエティ。
ほら、ロマンス小説のボーイ・ミーツ・ガールもののテンプレ設定のひとつがバカンス先で、ってものだけど、この作品は舞台がハワイでこれがまたいい味なんだ。
主人公のグレイスも、ルーサーも心と体に傷を負っていて、お互いを慈しみながら先に進もうとするポジティヴさが、クレンツ独特のテンポでロマンスも展開するから心地よい。
なにげにマメ男なルーサーだし、しっかり者グレイスは鉄板ヒロイン像ながら、いつもにも増して海千山千っぷりがイカすww
ラブラブ変カップルなんだけど、オーラ能力者同士なので、そこんとこの縄張り意識というか、せめぎあいすら微笑ましいんだわ、これが(笑)。

今回は犬猫はいなかったが(爆)、それでもやっぱりクレンツ節全開!
特に脇役は、今回やっとクセ者っぷりで前作までのやられキャラっぷりを払拭した感があったファロンをはじめ粒揃い(笑)。
グレイスの大家さん、ルーサーがバイトするダイニング・バーの経営者夫婦、そして行きつけの うどん屋 のおかみさん・・・皆、サイコー!
っていうか、うどんだよ、うどんっ!!(爆)
東洋オタクなクレンツ作品なら、うどん屋ぐらい出てきてもおかしくないんだけど、さすがにどんぶり持って、主要登場人物たちが集団でズルズル夜中にうどん食ってる場面はナイスであり、ましてや 主人公カップルの結婚式の二次会がうどん屋で、皆でずーるずるうどんなう!! ってのは、もはや感涙ものだ(爆)。
変テコで凸凹で、世間様とはズレている超能力者たちが、たどり着いた楽園がハワイの、うらぶれたお店だった。
その能力やら生い立ちやらで、家族に恵まれなかった彼らが擬似家族のように、お互いを慈しみ、いたわりあう様は何だか優しい読後感を誘う。
ロマンスとしても、クレンツらしいスタイリッシュなのに、微笑ましいところはしっかりある。
そしてコージー系ロマンティックサスペンスとしても、やっぱり手堅い。
トータルバランスの凄さに、再度彼女の作品のクオリティレベルを噛み締めつつ、かなりお気に入りになった1冊。
もう一回読もうかな・・・っていうより、うどん食べたいです! ってカンジか?!(笑)

コンテンポラリーの方は次もしっかり翻訳が決まっているし、ファロンが相変わらず振り回されているようなので楽しみです(^m^)
さ、これで次はクイック名義の方を頑張って翻訳してもらいたいなぁ > ヴィレッジブックス様
テレサ・マデイラスの新刊読了~。
『月の光に魅せられて』続編にて、カボット家姉妹もの完結編。大団円なう(^^)

今回の主人公は満を持しての、カボット家の末っ子ポーシャ。
お相手は勿論、前作ヒーローであるトレヴェリアン子爵エイドリアンの弟にて吸血鬼ジュリアン。
前作クライマックスにて、初めて人間の血を吸った相手がポーシャという、因縁めいた絆を結んでしまったジュリアン。
彼女に惹かれる想いを断ち切る為、そして吸血鬼にされて奪われた魂を求めて放浪の旅に出る。
そんな彼が五年後、再びロンドンの街に現れる。
戦で武勲を立て、爵位を王室から賜り、そして家族の元には帰らず放蕩の日々を送る。
彼の帰郷と時期とほぼ同じ頃、街では吸血鬼に殺されたと想われる女性の遺体が次々と見つかって・・・という話。

とにかく、ポーシャの何と一途な事か。
夢見る少女が、みるみる麗しい大人の女性となり、求婚者をちぎっては投げ、ちぎっては投げ、義兄であるエイドリアンの裏稼業である吸血鬼ハンターの後継者ばりに精進の日々。
いや、ウケた(^^ゞ
刺繍や語学勉強の時間に、こっそり石弓打ちや杭攻撃修行に勤しむヒロイン(笑)。
ここで前作でもいい味を出していたケイン家の執事ウィルベリーさんが活躍もいいとこで、彼とポーシャの「ジュリアン同盟」の強固な事(笑)。
行動あるのみ!な彼女に、タジタジのジュリアンがまた、乙女系で・・・ポーシャの事が好き過ぎて、こんな自分では彼女を不幸にするだけだから、とあえて身をひいて家族の元に戻らなかったり(^^;
まぁ、もっとも自分の事を追いかけてきた諸悪の根源である女吸血鬼ヴァレンタインがポーシャの事まで狙い出したものだから、悠長な事も言ってられずに、ここ一番の勝負をかけるという展開。

しかし、まぁ、何というかテレサ・マデイラス作品って主人公たちがラブラブだけど、それが人間と吸血鬼でも変わらず。
とってもきゅんきゅんで、それでいて少女マンガのようで。
どんな絶望的な場面でも、微笑ましいまでに二人らしいのだよ。ジュリアンなんて、ここぞとばかりに「僕のきらきらお目々さん」と二人だけにしか分からないやりとりでポーシャの事を呼びかける。
実際、五年前、枯渇状態に晒されたジュリアンが、一緒に閉じ込められたポーシャにした事は、普通に読めば「ええっ?!」な出来事なんだが、それでさえ、回顧部分でサラリとだけ書かれていて、その書かれ具合と同じぐらい、重要なキーポイントなのにその重さを感じさせずに読者に消化させている。上手い。
二人のラブシーンもエッチな筈なんだが、どうもウフフアハハきゃっきゃっって言いたくなる可愛さ炸裂で(笑)。
本当に、いいカップルだわ~。あれだけ修羅場を見ても、根本がお坊ちゃんなジュリアンだから余計に微笑ましいのかしら(^^ゞ

前作の主人公たちのその後を拝めるのがスピンオフの醍醐味。
いや~、二人の娘エロイザが可愛いの何のって!
キャロライン姉ちゃんは、相変わらずマイペースだし・・・そして気付けば、前作以上に気苦労大魔王と化しているエイドリアン(笑)。
そして、ヴィヴィアン姉ちゃんのところには何と双子の男の子が出来てるし!(笑)
クールな姉ちゃんらしく「まぁ、びっくりだわ!」で終わりって!(爆)
ベタな展開だが、夫のアラステア義兄ちゃんは産婆に二人目見せられて気絶して延びたあたり、前作同様ヘタレは不動か?(爆)
しかし、それ以上に今回、初登場したジュリアンの友人カスバートは凄かったかも・・・て、天然?!(笑)
カスバートくん、すっかりお気に入りですよwww

そんなこんなの大団円。
ここまでキレイにまとめられて、続編も出来そうにないぐらい(笑)。
最初から最後まできゅんきゅんな、乙女系な1冊でした(^^)
ドナ・マックミーンズの初翻訳、ゴールデン・ハート賞受賞作品読了~。
いやんいやん、すっかりお気に入りざます♪

強欲な実のおじに、借金のカタに無理やり結婚させられそうになったヒロインのエマ。
逃げ込んだ先はヨークシャーの花嫁学校。
学校の教師募集要項にあてはめる為、推薦状をでっちあげて未亡人のふりをして採用されたまではいいが、ここで問題が勃発。
学校を経営するオールドミスの姉妹が、募集要項にあった文学の他に、自分たちでは教えられない「寝室の作法」を教えろって話に!(笑)
未亡人のふりをしていても、そんな知識も実地体験も全くないエマは藁をもすがる勢いで、学院の近所に住む放蕩者との噂高い、公爵家の次男で画家であるニコラス・チェンバース卿をアポなし襲撃。
「画家なら、参考資料になりそうな人体に詳しい本ぐらい持ってるだろ」的な(笑)。
しかし、彼女を一目見たニコラスが条件を提示。
何と、エマにヌードモデルになってほしい、という・・・背に腹は変えられん!と、ストリップポーカーならぬ、質問一件回答につき一枚脱いでいくという展開になってしまうのだが、というお話。

最初、あらすじを見て「ああ、ハウツーものか」とか思って読んだら・・・上手い!
ニコラスがエッチな事を教えるたび、それに対するエマの反応が何と喜怒哀楽あらゆるものが出てくることか。
笑ってはいかんのだろうが、エマが真面目になればなる程に、悶々悶えまくりのニコラスとの落差がおかしくて(^^ゞ
放蕩者とかいう噂の割に、ニコラス自身も芸術家肌のナイーヴさが全面的に出ていてかわいいんだよね。
もう、途中からはエマにメロメロすぎて、ヘタレなかわいさが炸裂して胸きゅんにも程があります!www
そして、この話が普通のハウツーものと違うのは、ニコラスから得た知識を、今度はエマが学校の生徒たちに教えるという二倍楽しめる設定なこと。
爆笑だったのが、ニコラスとのセクシーなキスを経験した後か。
生徒たちにキスの上等技術を伝授する為に キャンディ買ってきて延々と舐めさせてみたり(爆)
あと、服の脱ぎ方のセクシーさを聞いた後には 手袋を指1本1本を咥えて脱ぐレッスンを生徒たちに課して学院中の手袋を穴だらけにしたり(爆)と奇天烈さが突き抜けていて傑作すぎる!!
そもそも、ニコラスからエロい話を聞いた時のエマの反応が、メロメロになっているのかと思ったら、しっかり珍レッスンを編み出してたりするんだから、そんなところがたまりません(笑)。
初体験の後に、学院のオールドミス姉妹をとっ捕まえて 「ナニを絵で見るだけではなく、実際にどれぐらいの大きさか生徒たちに教える為に、裁縫の得意な貴女にレプリカを作ってもらいましょう!」 と言った日には・・・しかも、花柄(予定)!(爆)
ニコラスでなくても苦笑するしかないわ(^^ゞ

すごく世慣れした芸術家なのかと思ったら、ニコラス自身もとある事故のせいで脚が不自由で、家族ともうまくいってなくって、すごく寂しがりやで。
絵の具とキャンバスさえあれば生きていけるや、と思っていたところにスランプに陥っていたが、運命がエマという女性を遣わせてくれたワケで。
しかも、最後にはあきらかになるのだが、巧妙な運命の糸というか、出会うして出会ったというべきか(^^ゞ
「僕の女神だ!!」と神のお告げの如く、エマを見る度に萌え萌えと描きたい気持ちと、一緒にいるだけで幸せな気持ちと、エッチな事をしたい気持ちがあらあら大変状態で(笑)。
いやぁ、脱がせるに至っても、ピンクのコルセット見た瞬間にキターーッ!!モエキターーーッッ!!!と陥落なう、だし(爆)。
ああ、カワユス(萌) > びったんびったん

とにかく、脇役もいい味なんだけど、とにかく主人公二人が不器用ながらにメロメロラブラブでかわいいのーっ!
それでもって、エッチ上等!!な昨今のロマンスの中で、よく感情の機微も描かれていてホロリとさせてくれるのだよ、これが。
いい作品だったな~。お気に入り決定(^^)
この作品の中では、弟であるニコラスを心配するが余りに行き過ぎた行動をしてしまう公爵家の長男であるイーノン侯爵ウィリアムだが、既に彼が主人公のスピンオフもあるようなので、これは是非とも翻訳して頂きたいわ~ > 出版社さま
エマとニコラスのその後も知りたいし、何よりあのウィリアム兄ちゃんがどんな女性と恋に落ちるのかが気になりますので(^^)
シドニー・クロフトのACROシリーズ2冊目、読了~。
登場人物が自ら「 イバラ道 」と豪語する、ある意味、潔い1冊か?!(爆)

今回の主人公は元デルタフォースの戦士エンダーことトム・ナイト。
このエクセド・サピエンのエンダーに与えられた新たな任務というのが、アニマル・ウィスパラー(動物との会話能力者)の女性キラを組織へスカウトする事。
その任務の裏には、もし相手がスカウトに応じなかった場合は、抹殺するという意味もあったのだが。
しかし、問題はその彼女が、春先の発情期には強烈な発作に見舞われ、ある一定時間ごとに性交渉を持たなくてはいけないという事だった・・・という、とんでも話(^^ゞ

いや、1冊目もとんでも設定だったが、2冊目は更にそれの五割増し アホ設定 で思わず拍手喝采(爆)。
エッチ行為の過多を肯定すべくもってきた設定が「発情期」じゃあ、そりゃあ仕方ない、となる・・・ならないか?!(笑)
まぁ、これを普通の人間と捉えて読むと腹も立つが、所詮ACROは ウキウキ変人大集合組織 なので、とすらり読める几帳面でない一発芸読者なワタクシwww
そうだよ。これを人間云々と読まず、途中から エロ満載なんちゃってムツゴロウ王国 と楽しく読んだ(爆)。
動物だもん、仕方ないじゃん、と(爆)。
そうですよねー、特にラスト近くになって エンダーが肉を食わないと死ぬ というガチ設定にしては、斜め上かっとび過ぎて、真面目に死にそうに病院にかつぎ込まれているエンダーには悪いがウケた!
アニカとクリードにしても、すごくはすっぱにお互いのやりとり書いたかと思ったら、いきなり直球ど真ん中なロマンス台詞をクリードに言わせたりと、サイドロマンスが変幻自在なバケモノじみたグリットなので、これもまたスゴイ。
普通、そこまで書かないだろ、と。
ことのさんは、あえてあんな書き方をするのが逆に面白いとワクワクしましたが(^^ゞ

あ、でも、本編の二人が駄目だという話にはならず、ってのがなかなか。
お互い、事情持ちで人との絆を結べないエンダーとキラが、出会った途端に動物たちに囲まれて牧歌的雰囲気の中、何故か肉弾戦ラブウォーズなところなんだが、これが18禁ばりのクセして精神的には小さな恋のメロディ?!www
最後には、何だかマイホームコメディのようなオチでハッピーエンドになるあたりもそう?(笑)
しかし、唖然としたのが敵対する組織ITORがキラ捕獲に送り込んだ諜報部員デリックか?
エンダーの元同僚、同じエクセド・サピエンと因縁てんこ盛りの期待を煽る設定でのっけから出しておいて 一服盛られて転覆、のちにあっさり天誅でフェイドアウト って・・・出オチか?!(爆)
余りのあっけなさに本当にこれは唖然、です(^^ゞ

そんなこんなで、ロマンスは正統派や王道、しいては切ないメロウさを求めていらっしゃる方には薦めません。
今回は特に、回顧シーンでなく実際にオズが出てきて、デーヴとヨリ戻すかの如くの展開なので(笑)。
いやぁ、気になるわ・・・デーヴとオズの今後が > 地道に応援なうwww
ACROのサムリス度が益々高まったクリードとアニカの、何ともやるせない不器用なロマンスっぷりの展開も気になるし。

・・・2冊目、つまりこの巻までの版権獲得は知っていたんだけど、ここから先が不透明なんだよねぇ(^^ゞ
やっぱり、バイセクシャルキャラが中心にいるのってハンデなのかしら・・・ゲイキャラが他のロマンスでも定着してきたから大丈夫かしら、とは思っていたが、いかんせんガチだからなぁ、いろんな意味でwww
うう、次の3巻は元SEALのワイアットの巻なんだけどなぁ・・・お気に入りキャラなんで、地味に翻訳を続けて頂きたいんだけど。
というか、やっぱり1冊目から読んでると、クリードとアニカの顛末まではしっかり読みたいと思うワケなのだ(-人-)
メリッサ・メイヒューのハイランド・シリーズ2冊目、読了。
今回もほんわか微笑ましいパラノーマルでございました。

時系列で並べると、今回は前作ラストから八年後、エピローグから数える事、約三年後。
単なる妖精の子孫つながりの単発のように思わせておいて、その実、しっかり前作主人公たちもカメオ出演なんかもあったりする、ミッシングリンクな1冊。
というワケで、前作のキャラ達のその後が気になるだけだし、この1冊はスルーでいいや、というのはお待ち下され。

そんなこんなで、今回の主人公はアメリカからやってきたバツイチ38歳のロマンス小説家サラ。
若い頃の結婚の失敗、その上、人には理解してもらえない「特殊な体質」のせいで、人との関わりを避けて生活する日々。
仕事も煮詰まり、燃え尽き症候群目前のある日、ぼんやり見ていたパソコンの画面にあったハイランドのコテージ。
運命に手招きされるように、彼女はそのコテージに宿泊予約を入れ一路スコットランドへ。
悪天候の中、たどり着いたコテージにいたのは、ハンサムで魅力的な若い伯爵イアン。
お互い、一目会った時から惹かれあうのだが、イアンにも人には言えない事情があって・・・というお話。

早い段階で、サラが妖精の子孫で特殊能力を持つ女性だというのをオープンにして、妖精門の守護者であるイアンがどのように彼女に対処するのか、とか、ヌアディアンとの対決をどう展開させるのかなどを、すらすらサラッと書き進めていく過程で、脇役を少しづつ重ねていくので違和感もなかった。
前作でも思ったけど、これだけキャラクター数を物語の中に組み込んでいるのに、上手なんだよね。その出し方とか、割合が。
あくまで主人公たちありき、なところも。
サラの特殊能力が、サイコメトリー(ここでは「感受者」と表現されている)なので、読者が読み込む前に「いい人」「悪い人」とさっさと分かるんだけど(笑)。
時間短縮技としては、反則技というハナシも(爆)。
もっとも、イアンの能力はマイナスに作用しちゃって、泣く泣く彼女を助ける為に身を引くという、古典少女マンガのようになっちゃったりするが(^^ゞ
そのタイミングとほぼ並行して、ヌアディアンの血を引く青年ラモスが登場し、都合のいい男キャラっぷりを発揮しつつ、実の父親に足蹴にされるという脇役なのにすっかりイアンを食ってしまう展開には拍手?!(おいおい)
いや、本当に、イアンの挫折的描写がなくっていきなり守護者です!みたいな、ある意味、ヒーロー然!なカンジだった分、このラモスの不器用でいい人だけど、どうも微妙にヘタレなところの方が母性本能をくすぐります(^^ゞ
もっとも、このシリーズの共通項なのか、女子のが強いせいかそんな部分もノープロブレムなんでしょうが(笑)。
そういえば、戸籍では28歳のイアンの若さにビビっていた10歳年上のサラだが、後に、イアンの年齢は別次元のお話だったというあたり、キャシー・ラヴのヴィットーリオを思い出したwww

妖精たちが暗躍し、妖精の血をひく子孫たちがてんやわんやな中、前作ラストですやすやとゆりかごの中で寝ていた赤ん坊のローズは五歳になって、おしゃまになっていたりして(^^)
というか、またおめでたなんだケイティ・・・みたいな(笑)。
いや、それよりもイアンの親友ダニエルの息子ウィルくんが可愛いの何のって!!
青田買い上等!のことのさん、すっかりメロメロでございますわ・・・まだ六歳だけど!(爆) とかいうのはさておき > おくな!!
あの含みあるラストのウィルくんのあれこれ、これからもこのシリーズを読もう!という気力に繋がりまっせwww
気の毒なラモスくんに今後、幸は来るのか?!とか、気になることいっぱいだけど、やはりポール王子様のヒーリング部隊大作戦っていうのを縦糸に、そしてこれまで登場した脇役たちの存在を横糸にしてシリーズが進んでいくんですね~。
どんどんこのシリーズの世界観に違和感なく馴染んでいるわ、読者としても。
よくスコットランド描写も描けているのが、また◎だし。
既に、次の3冊目の主人公たちは、この既刊2冊で登場済み(^^)
8月の翻訳版発売が楽しみですな♪

+余談+
今回の本で「ぷっ」とウケたのは、物語後半にて、サラとラモスがドライブ旅行に行くところ。
ええ、二人が飲んだ、あのソフトドリンクです(笑)。
実物を飲んだ事ある人間だからこそ、言い得て妙なたとえだとウケたの何のって(爆)。
ライトバージョンもあるんだけど、やっぱりオリジナルでいっといて下さい!www
ことのさんはどっちも飲んだけどねー(^^ゞゞ
あれは、イングランドじゃ飲めないの。
スコットランドでなきゃ飲めない地域限定品からこそ、よくこれを出してきたな、と感心しきり(笑)。
あ、ラモスくん、その味のキャンディはスコットランドで売ってるのよ。ソフトキャンディ版で(実話。笑)。
ラリッサ・イオーネのデモニカ・シリーズ3冊目、読了~!
この作者の斜め上っぷりが遺憾なく発揮された、愛すべき狂った乙女系本!(爆)

・・・褒めているんですよ。
ええ、こんなに毎回毎回「ええっ!!」と驚かされるシリーズも珍しいです。
どんだけ細かい設定を組みながらも、ハンパない己のやむをえないまでのオタク魂への叫びを抑え切れなさ!
オタクとして、潔すぎるぞ!!(爆)
しかも、どうしてあんなにエロいくせして、ヒーローが 乙女系 なんだ?!www
どこまでも己に正直なんですね(笑)。

そんなこんなで、3冊目の主人公はインキュバス三兄弟の末っ子でヴァンパイアを母に持つトレジャー・ハンターのレイス。
前作ラスト近くにて、第二の創生を早めて自己破滅への道を邁進する事にした暴れん坊レイスくん。
そんな彼が、これまた前作ラストにて、とんでも騒動の黒幕だったがおしおき(?)を受けた異母兄ローグの執念の置き土産復讐の餌食となってしまう。
メチャクチャな死へと一直線の生活をしているとはいえ、いきなり「アナタの余命は一ヶ月ちょいです」となったら話は別!!
神に守られたお守りの持ち主であるトレジャー・ハンターのセリーナから、そのお守り守護に付随する能力を頂けば問題解決!という話になり、そそくさと出かけようとするが、ここで問題が。
その力を頂くには、清らかな彼女のお初を頂くという事なんだが、人間との営みにトラウマがあり、ましてやそんな清らかちゃんはご勘弁アレルギーなレイスは大弱り。
しかし、背に腹は変えられない・・・と、その女性・セリーナの元に正体を偽って現れるのだった、というお話。

いやー、まさかあのイー兄ちゃんの頓珍漢コレクションから、ローグによって盗まれた奇妙奇天烈なアイテムがこんな風に二転三転して登場するとは!
というか、あれだけイカれていたローグ兄ちゃん、意外にセコムばりに保険かけまくり堅実気質だったのか?!とか!(笑)
単なる脇役だと思っていた、堕天使のリーヴァーさんがこんなに重要な役だったとは!
何より、モブ同然に書かれていたと認識していた既刊2冊のいろんな場面に、これだけ緻密に膨大な伏線が張られていた事に驚愕。
ドキドキしながら読んで、既刊2冊を手にして再読して確認しちゃったよ(^^ゞ

そして、あれだけ既刊2冊で斜に構えた自殺願望でもあるのかと思わずにはいられないレイスの、恐ろしくピュアなところが全面的にフューチャーされているこの展開そのものが想定外!
何だ、このレイスの 寸止め王子っぷりは!! > びったんびったん
何より、思考回路が三人兄弟の中で一番乙女系で、かわいくって、百戦錬磨かと思ったら不器用くんで、兄ちゃん達二人でなくても面倒見たくなるってもんですよ!(笑)
何というか、乙女系なピュアさと、アンデットヒーロー特有の退廃的なエロさと、少年の不器用さと暴れん坊っぷりが複雑に絡み合っているのが凄い。
母方のヴァンパイア一族による長期の虐待によってのトラウマに苦しみ、半身が憎むべきヴァンパイアである自分を持て余しながらも、奮闘する様が応援せずにはいられないです。
初めて愛したセリーナの為に、全てを諦めようとするし。
しかも、ここで「じゃあ、俺が死んだら彼女は少なくとも助かるし」と、死を選ぼうとしたら、今度は自分の死が兄二人の命運をも巻き添えにする事実が判明し、またも苦悩。

・・・上手いよ。上手すぎる。
設定がいちいちごもっともで、それでいて破天候。
続きが気になって読まずにはいられない、絶妙の絡み具合です。
死に至るのはレイスになるのか、セリーナになるのか、それとも二人ともなのか、とか、二人が無事にハッピーエンドになるなら、どんなオチをつけるのかというのは読んでのお楽しみ。
実際、あのラストは予想以上に微笑ましかったよ、あの展開でありながら。
まさにセリーナのモノローグそのまんま。


大量に登場する脇役の中でも、レイスの兄夫婦でもある既刊2冊の主人公たちのその後が読めるのも嬉しいお約束。
前作ラストで三つ子ちゃんと判明したシェイド兄ちゃん家の赤ん坊の描写の「コロコロ」にウケつつ、イー兄ちゃんの奥さんであるテイと、その姉ジェムのヤケ酒ならぬヤケ柑橘系には更にウケ(笑)。
笑う場面ではないんだが、ルークにペロリと食われた暗殺者ってのも爆笑してしもーた(^^;
そんな笑いばかりでなく、シリアスなところも押えてくれるのが天晴れなんだが。
何より、既刊2冊でどうしようもなくすれ違いを続けたカイナンとジェムの二人に、あの展開は・・・もう、想定外とかいう次元を超えてしまっているよ!
それでいて、何故か微笑ましいのが嬉しい。
二人のジレンマとか、異種種族間との恋愛の苦悩とか深遠をあまつところなく書いておいて、とぼけておとぎ話ちっくに進めてくるんだから策士もいいところ。踊らされまくりです。
・・・ま、とぼけたっていうのは、今回初登場の暗殺者の片割れで、うっかり三兄弟の異母弟と判明したローアくんへ捧げる称号なんだろうが。
いや、とぼけたっていうより、あれは 真性ドMヘタレ だな(爆)。
台詞、モノローグ全てがヘタレ臭むんむんすぎて、真面目な場面でも彼が登場するだけで、たとえ何もしていなくても笑えます(爆)。
ヘタレ災難体質ヒーロー候補、キターーーーッ!!という ある意味間違った 読者の期待を一身に背負いつつ、今後のローアくんの活躍が期待されます(爆)。

そんな、ロマンスとしては少年のような不器用なレイスくんと、愛らしいセリーナのラブいちゃっぷりが堪能でき、且つカイナンとジェムのドタバタの末の凄い展開も味わえる。
パラものとしても、今回は既刊の中で一番この作品の世界観が広く見れた展開だったし、何より二重生活をしていたキャラクター達が岐路に立ち、そこから進展があるのがまた良かった。
今後の活躍やら、ロマンスも期待出来る伏線もしっかりあって、益々デモニカ・ワールドにドップリですよ♪
巻末に、デーモン辞典やら、レイスと兄ちゃん達との初対面短編も収録された文句なしの大満足の1冊でした!
早く続きが翻訳されないかな~♪♪
デボラ・シモンズの長編新刊、しかしその実態は彼女の「作家デビュー作品」発掘だった!というオチで(笑)。
いや~、絶対いつかはやってくるとは思ったがこのタイミングですか(笑)。
ハーレクイン社以外の出版社から原書が出ていたものは全て、初翻訳がこのハーレクイン文庫になりましたな。
そんなこんなで、大人の事情満載な1冊、読了。

資産ある貴族の令嬢キャサリン(キャット)は、義理の父親を殺めて爵位を奪った義従兄から命を狙われ逃亡。
母方の伯母のいる西インド諸島バルバドスに向かう為に少年に身をやつし、私拿捕船船長ランサムの船室係としてその船に乗り込む。
身内を事故で亡くし、孤独な育ちをしていたランサムは不思議な少年キャットに心を開きかけそうになるたびに戸惑い、キャットもまたランサムに惹かれるが正体を偽っているので自分の気持ちを言い出せず・・・というお話。

まぁ、言ってはナニだが、ランサムをつけ狙う悪人も、キャットを追ってくる義従兄も悪役としては間抜けもいいところで、取ってつけた感がありあり(笑)。
ご都合主義のゆるゆる感もいいカンジ(褒めている。笑)、死人らしい死人も出ないし、間一髪の場面すらも何だか呑気(^^ゞ
何より、ランサムが敵対する人間の甘言を信じて、ヒロインのキャットを悪女と誤解して責め、彼女がそのせいで死にそうになった件は・・・笑ってはイカンのだが、余りにハーレクイン的古典芸能なので笑ってしまった(爆)。
エ●ボンのシングルタイトルよりもハーレクインのシリーズロマンスに適していたと判断し、デボラさんがこの次の作品からハーレクイン社に拠点を移したのは正解だよ、本当に(笑)。

そんな、まぁ、端的に言うならハーレクイン・ヒストリカルの出来のいい作品を呼んだ時の満足感に似てます。
優等生な出来で、きちんと起承転結ついてて(結の部分はページ数足りない、って気もしたけど。笑)、ヒーローのランサムは男前で金持ちで、且つお馬鹿さんで(爆)。
いや、デボラ作品全部読んでるから分かるけど、この人の書くヒロインの環境適応能力って尋常じゃないけど、このデビュー作はズバ抜けています(笑)。
子供の頃から、古船乗りのじいさんと仲良しだったキャットさん、机上の知識で船乗り知識はあったとはいえ・・・いや、実際はもっと凄い。
客室係としても優秀、船乗りとしても優秀、挙句ランサムの補佐としても優秀・・・わっはっは。こういう立身出世描写は、ウソくさくても何かワクワクするね~。
お転婆ヒロインはお手の物だし、そのくせして、清らかちゃんなのでキラキラしているし(笑)。
何より、ランサムに誤解された後に誘拐されても、気付けば自力で逃げてるし!ビバ!!(爆)

西インド諸島バルバドスなんていう珍しく魅力的な場所設定なんですが、移住貴族の未亡人であるキャットの伯母の屋敷程度にしか描写がないのが残念でした。
せっかくの設定を全然活かしきれてないのが、まぁ、デビュー作ゆえとみるか。
もっとも、場所が船の中だろうが、浜辺だろうが、バルバドスのプランテーション領地だろうが、この主人公カップルはお構いなしのラブラブ垂れ流しでしたがね(爆)。
脇役も魅力的なキャラクターが多かったんだが、これも活かしきれてなかった人のが多かったかも。
策士なのか天然なのかがイマイチよく分からないアメリア伯母さんと、ランサムの船の一等航海士ボースンはまだよく書いてもらっていた方だけど・・・うっ。ランサムの友人ルネなんて勿体ない!もっと書いてほしかった!!

と、気付けば辛口なコメントばかりを綴ってしまいましたが、よく出来てるんで最初から最後まで楽しく読めたんですよ、これ(笑)。
それにちょっとさっきも書きましたが、ハーレクイン的古典芸能を楽しめるタチなんで > ことのさん(笑)。
デビュー作だと思うと評価もゆる甘くなるし、かといってデボラには高いクオリティを求めてしまうので辛口にもなるし、とファンは複雑なのよん(^^ゞ
でもね、やっぱりこのコメントでしょうかね。

デボラらしい、ラブラブエッチで可愛い微笑ましい1冊でした って事で(笑)。

さ、次の翻訳は・・・アレ、ですよね?
ディ・バラ家の六男レイノルド!! > ちゅうか、デボラの未訳ストックそれしかないし!!www
早く読みたいんでよろしくお願いします~!
積読了本を崩す、という、何だか奇妙な状態のこの読書日記(笑)。
そんなこんなで、エリザベス・ホイトのプリンス三部作ラストの1冊、読了。
泣いた・・・不器用なヒーローに泣きまくりの切ない1冊。

既刊2冊にて活躍、洒落っ気があって厭世家で放蕩者のイズリー子爵サイモン。
ただし、やはりそんな中にも、彼の影ある部分が垣間見えていたが、まさかまさかのこの展開。
いきなり、瀕死の状態で真っ裸でロンドンから遠く離れた田舎町に打ち捨てられたサイモンが地元娘に拾われるショッキングな場面で始まるんですから!

ここが、一筋縄ではいかないエリザベス・ホイトなんだよなぁ。
死体になり損ねたサイモンを拾ったのは、地元に住む元海軍大佐の娘エリザベス(リジー)だが、よくある田舎生活に閉塞感を感じているオールドミス娘ではないのがミソ。
自分自身に対して客観的な部分、周囲に振り回されながらも自身を失わないバランス感覚、芸術才能に溢れた知的な部分と、無垢で恋愛に関して一途なところが同居していてなんとも魅力的でいいんだが、こんな彼女に百戦練磨のサイモンをあてがうとどうなるかとは思ったが・・・。
そうなのか。
天使フラグなのね!(萌)
これが、まさかあそこまでガチ展開に結びつくとは予想以上でした。

とにかく、殺された兄の仇討ちの為に、自分の身も心も削って復讐の決闘をする事に全てを費やしているサイモンが、何とも不器用でねぇ。
周囲も傷つける以上に、自身も傷つき、そしてどうしていいのか分からない。
復讐の果てに何処にたどり着くかも分からない、オールのない舟のような生活の中、心の底から救いを求めるかのようにリジーに惹かれる自分に戸惑い、もがく様がもう、たまらんぐらいにイイのだ!
リジーの事を自分から守らなくては!とかいいながら、彼女のことが好きでもう駄目すぎ(^^ゞ
財産も地位もあるけど、彼女の気持ちにも薄々気付いているけど、それでもやっぱり自分の存在は天使のような彼女の為にはならない、って一度は別れを選んだり・・・えーっと、駄目エリートですか?(^^ゞってカンジすら。

そんなサイモンの事を、負の面すら全て包み込もうとするリジー、これが秀逸。
出会いからのやりとり、結婚してからの生活でずらも彼の負の部分に心を痛めつつ自分自身の芯は変わらず。
いや、勿論、経験値不足から悩みしつつ逃げ出したりもしたけど(その時のサイモンの絶望っぷりがもう、憐れで憐れで。涙)、お利口さんだからしっかり成長して戻ってくるんだが(笑)。
そこは、まぁ、クセ者ホイトなので、エッチでホットな関係、アンニュイな憂い、刹那的なところと、微笑ましいラブラブなところがいい按配で「上手いっ」と何度も唸ってしまった。
何より、サイモンの復讐が、兄への愛情だけでなく、憤りが同じぐらいあるなど複雑極まりないところが、話に奥行きを与えている。
そうなのよ。
あれだけいい意味でも悪い意味でも完璧な人間、むしろ腹が立つっていうのは、弟のサイモンだけでなく未亡人となった兄嫁ロザリンドも同じ。
フィクションだけど、ロマンスだけど、何より美しく気高くない、そういうもやもやした生々しいものをしっかり書けるって、既刊もそうだけどこの巻でも遺憾なく発揮されている。
そんなところがたまらなく好きだな、と。

捨て置かれた(笑)田舎町と、結婚してからのロンドンの描写の落差、脇役も既刊に登場した主人公たちを極力抑えてってのがまた良かったかも。
でも、少ししか登場しなくても、エドワードのコーヒーハウスの場面は大ウケだったけどwww
何より、復讐なんていう暗く悲しい設定を軸に、ここまで王道ともいうべきロマンスを読ませてもらえたというのは、嬉しい驚き。

何度読んでも、余りの上手さと、余りの切なさと、そして直球のロマンスにうっとりため息をついてしまう秀作。
昨今流行のドラマティックな振り幅大きいエンターテイメント色強い作品と比べると、断然おとなしいんだけど、やっぱり大好きだわ、エリザベス・ホイト作品。
また彼女の他の作品が読みたいですわ~。
連休明けたばかりなのに、早くも次の散財予定が出たり(^^ゞ
とりあえず、覚え書きして仕分けなう?!www

ハーレクイン社 MIRA文庫
愛を想う王女 クリスティーナ・ドット

早川書房 ハヤカワ・イソラ文庫
再会は熱く切なく ベラ・アンドル

ヴィレッジブックス villagebooks
HOT TARGET(上下) スーザン・ブロックマン
THE SMOKE THIEF シャナ・エイブ

オークラ出版 マグノリアロマンス
ヴァンパイア・ダイアリーズ(3) L・J・スミス
気高き獅子におぼれて ジャスティン・デイビス

集英社 集英社文庫
海賊と刺繍女 ジェイン・ジョンソン
放火コクウィットラム連邦警察署ファイル サンドラ・ラタン

ソフトバンククリエイティブ ソフトバンク文庫NV
トゥルーブラッド(5)暗闇の狙撃者 シャーレイン・ハリス
川面に揺れる花びら(上下) キャスリーン・E・ウッディウィス

竹書房 ラズベリーブックス
淑女にささげるキスの作法 ローラ・リー・ガーク
私を見つけるのはあなただけ セレステ・ブラッドリー

武田ランダムハウスジャパン RHブックス・プラス
華麗なる最後の賭け ジョー・ベヴァリー

原書房 ライムブックス
偽れない愛 リサ・クレイパス
原書房 ライムブックスLuxury Romance
永遠の恋人に誓って シェリリン・ケニヨン

扶桑社 扶桑社ロマンス
ア・デューク・オブ・ハー・オウン(仮) ロレイン・ヒース
ネヴァー・セデュース・ザ・スカウンドレル(仮) サブリナ・ジェフリーズ

二見書房 二見ミステリ文庫
シングル・ホワイト・ヴァンパイア(原題) リンゼイ・サンズ
ヒズ・フェイバリット・ミストレス(原題) トレイシー・アン・ウォレン
ポイント・ブランク(原題) キャサリン・コールター

ぶんか社 フローラブックス
情熱のさざめき アレクサンドラ・ベネディクト
ラブレッスン 誘惑の覗き穴 シェリル・ホルト


扶桑社の分は、7月1日予定だろうから、ここ以外では7月予定に放り込んでみる。
勿論、一番の楽しみはブロックマン(^^)
サブロマンスがジュールズなんだもんっ♪ルンルンッ♪♪
二番目の楽しみは、RT誌でレビュー読んで以来気になっていたシャナ・エイブ。
えっと、これシリーズだけど・・・まぁ、他の出版社よりは時間はかかるけどシリーズものに対して真摯な姿勢はヴィレッジさんには感じるので、呑気に待つか。
リンゼイ・サンズとジャスティン・デイビスは、既刊が大好きなので、これは新刊買い。ロレイン・ヒースもか。
シェリリン・ケニヨンは既に原書でも持ってるし既読だけど、買う(笑)。
ジョー・ベヴァリーとクリスティーナ・ドットはシリーズ読んでるので、これも確定。

しかし、驚いたのは、もしかしなくてもキャスリーン・E・ウッディウィスかもしれんな・・・(^^ゞゞ
わぁ。この勢いで、未訳が全部 うっかり 日本上陸しかねないな(笑)。

さ、来月分も頑張って本代確保しなきゃね~(^^ゞゞ

+余談+
毎度お馴染みの別の部屋での穴埋め(笑)。

http://cool-book-new.seesaa.net/article/144628211.html

連休ボケのリハビリが済んだら、ボチボチ空欄を埋める・・・かも?!
どっちにしろ、初稿信ずるべからず、な参考資料程度に。
読んでた本が積まれている状態なので、地道に記録なう(^^ゞ
って事で、ローリ・フォスターの別名義であるL・L・フォスター名義の一連のアーバン・ファンタジー・シリーズ1冊目、読了。
読者を選んでも、自分の書きたい欲求を優先しているようだが、根底と基本は変わらず。そこが天晴れ!

多分、一読ではドン引きとまではいかないが、眉をひそめる読者もかなりいると思う。
昨今のパラノーマルロマンス三昧の中、あきらかにこれは「異色」だから。
とにかく曖昧な設定、とにかく過剰なまでの描写、とにかく言動が怖いまでにあからさまなヒロイン。
暴力シーンがかなりの割合をしめ、そして1冊読みきりでない。
だが、ローリ・フォスター名義での、ハーレクイン社での、他社での作品からHQコードを取り去り、砂糖衣を無くしたら、これと同じ核を持っている作品、いくつも思い当たる。
つまり、ロリさんは基本は何も変わっていないのだ。
変わっていないくせして、我侭に自分の好みの新しいパーツをつけてくるんだもん。面白すぎる。
特に、この話での、悪徳医師の魔の実験ともいうべき変種の悪性腫瘍と、その実験台に使われた人達の吐き気すら感じるなれの果ての描写は、実生活でホラー映画や小説が大好きなロリさんの本領発揮ともいうべし。
「ここまで書くのか?!」
そこで拍手をするか、ドン引きするかがこのシリーズを継続して読むかの分かれ目って気がする。
ちなみにことのさんは前者だった(笑)。
だって、実際はその後のヒロインであるギャビィの処理の仕方なんて、まだまだ控えめだと思うんだけどなぁ・・・(麻痺しているというか。笑)。

で、じゃあ、傷つき苦悩する孤高の復讐天使ヒロインの自己啓発ラインものなのか、と聞かれたら、そこもやっぱり腐ってもロリさんなんだよ。
しっかり真逆のオーラを持ち、フェロモン全開のヒーローである刑事ルーサーを配置するんだもん。
がっちり王道ロマンスよ?!
孤高で野蛮なギャビィが無垢なハリネズミちゃんなんで、百戦錬磨のルーサーは振り回されっぱなし(笑)。
ハリネズミちゃん、どんだけ無知にも程があるんだーーーっ!(爆)
ルーサーくん、どんだけ寸止めなんだーーーーっっ!!(爆爆)

とにかく、この作品に関しては細かいとこにツッコミするとか、そんなのはナシ。
「考えるな、感じろ」ってトコです(笑)。
ラストの、消えてしばらくたってから目撃されたギャビィの描写といい、クライマックスで出色の変換術に演出されたギャビィの大家さんモーティといい、ギャビィの恩師でありながら温度を全く感じさせない亡き神父といい、全てにおいてローリ・フォスター名義の今までのテンプレートをいい意味で裏切る出来の1冊。
それに、そもそも書いてるのがあのロリさんなんだもん。
ツンデレなどの読者萌えポイント(笑)も絶妙な押さえっぷりだし、何より適度なボリュームで達者に物語を展開させて納めてくるんだ。
ことのさん的には、絶対オッケーですよwww

そんなこんなで、早くシリーズ続きが読みたいですね。
巷のニーズはあんまり無さそうだけど(笑)。
とにかく、大きなワンコのルーサーくんが報われる日が来ますように(-人-)
これの記録を書いてない事に、連休の本棚整頓で気付きました(^^ゞ
って事で、サリー・マッケンジーの華麗なる貴族シリーズ3冊目、読了!
うっ、ちょっと泣いてしまったよ(うるうる)。

今回の主役は、既刊2冊でカップル同然だったウェストブルック伯爵ロバート(ロビー)と、彼の幼馴染で、親友アルヴォード公爵ジェームズの妹エリザベス(リジー)。
あっさりくっつくかと思いきや、まさかそんな事情(!!!!)があったなんて・・・予想外!
お互いがお互いを好き過ぎて、大事に思いすぎてのもどかしいまでのすれ違いがくり返される羽目に!!
・・・つうか、この作家の真骨頂だよな。
センシティヴなヒーローの内面とか、悩みとかをペーソスあふれる軽妙洒脱な筆力で描くのは。
今までのロマンス小説で、この問題(!)を抱えたヒーローの苦悩を、笑ってはいけないんだろうけどコミカルに、そしてメロウに書けるってすごくないですか?ホント。
でもって、彼のプロポーズを待ち続けるリジーの、これまた悩みもコミカルに、そしてやっぱりメロウに。
もっとも、貧乳に悩む冒頭の描写は、超リアルなんですけどーーー(爆)。

そのまま頓珍漢に、凸凹にすれ違いから話が進んでいくのかと思ったら、そこは脇役もハンパない達者っぷりを毎度発揮するマッケンジーらしく、あっちで問題勃発、こっちで問題勃発状態(笑)。
まさかシリーズ1冊目の冒頭で、あれだけ今回の主人公のロビーと前作主人公のチャールズにこき下ろされていたシャーロット嬢が、敵対する立場の公爵夫人となって再登場し、重要なキャラクターとなるとは想定外!
よくよく読んでみると、今回、ティンウェイス男爵の屋敷に招待されたメンツ、既刊で名前だけとはいえチラ登場しているのがあれやこれや(笑)。
それぞれが、事情を抱えて四苦八苦している様が、まるでタペストリーのように織り上げていってるんだが、そんな周囲に振り回されつつロビーとリジーも悩み、そして前進しようとする様は微笑ましい。
仕方ないわ、人間だもの > 相田みつをかよ!!www
あんな騒動満載の中、やはり出色なのはミセス・ラーソンとリジーのやりとりの場面だな。
もう、あそこはポロッと泣いてしまったよ。
ミセス・ラーソンの話から、皆が気付かない、ロビーの孤独に気付いた瞬間のリジーの胸をつくまでの衝撃が余りに切なかった。
だから、あの場面の対ともいうべき、本当の意味でロビーとリジーが結ばれた瞬間のロビーの純粋なまでの涙が相乗効果満点で、もらい泣きしてしまった。
何というか、一目惚れとか再会してからの恋愛とかでなく、長い間、まるで空気のようにお互いが無くてはならない存在の二人だったからこそ、そこが重かった。
そしてより深かった。
とにかくロマンス部分が思いやりとか、甘酸っぱい初恋のような感情の揺れ動きとか、微笑ましいと同時にもどかしく、エッチなところはコミカルでクスクス笑ってしまう作りですっかり作者にやられっぱなし。
勿論、いい意味でだよ?!


既刊2冊の主人公カップル達はしっかり子供が出来てて、ラブラブ垂れ流し状態な中、ちょっと気になっていた脇役のその後を惜しみなくサイドストーリーとして、上手に組み込んでいたり。
まさか、あのレディ・ベアトリスのアラカン(還暦越えているんだよな、そうだよな・・・)ロマンスを拝めるのか!!とかいう衝撃とか(しかも主人公たちよりもエッチで凄い。爆)、憎めない悪役だったハートフォード公爵夫人シャーロットの意外なロマンスとか、前作ヒロインの妹メグの、運命の相手出現?!とか、何というかサービス満点すぎて何回読んでも飽きがこない。
悪役も、言ってはナニだが、そこいらのリージェンシーものと比べると毛色が変わっているのもグッジョブよ。勿論、そっちの描写も抜かりないし(笑)。
それでいて、何よりきっちり主人公たちのロマンスを正面からガチに書いてくれているから大満足(^^)
もうね、ロビーがかわいくってかわいくって!!
サリー・マッケンジーの書くヒーローって皆かわいいんだけど、ロビーは群を抜いてたかも(^^ゞ

一応、一区切りついちゃったけど、まだまだこのNakedシリーズは原書では続いているし、是非とも今後も翻訳続けて頂きたいわ > フローラブックス様
すっかりお気に入りなんだもん、サリー・マッケンジー♪♪
アマンダ・クイックの新刊、読了。
久々の単発ながら、ワンコはいないが、やはり健在クレンツ節(笑)。

とある脅迫事件の調査の為、社交界で名を馳せたマスターズ伯爵マーカスの愛人を装っての行動を起こす女性実業家イフィジナイア。
せっせこ社交界に波紋を投げかけつつ、調査なう!!な筈が、死んだと思ってた伯爵本人が生きてたもんだから、ややこしい事態に(^^ゞ
そもそも、何で伯爵が死んだとかいう話になったのか、というところと、伯爵が追う脅迫事件が、彼女の調査といみじくもリンクしちゃっているものだから、二人三脚状態で調査する羽目に(笑)。

一目見た時から、憎からず思っているマーカスとイフィジナイアが凸凹コンビよろしく脅迫事件を調査する、という手法はコージーの鉄板。
いや、そこはやっぱりクレンツよ?!
上手いのよ、その入り組みっぷりとか、伏線とかが。
決して複雑ではないけど、職人よろしく巧妙。
そんでもって、古代文明やら芸術に造詣深い文系脳のイフィジナイアと、天体好きで発明オタクな理系脳のマーカスと頓珍漢な会話を重ねつつ、ラブラブな展開というのもムフフ(^m^)
クレンツお得意の知性派ヒロインの、研究オタクなところを逆手にとってのコミカルなムードの中にラブシーンを絡めるというのも勿論あり。
いやー、あのエッチな彫像コレクションに囲まれた場面が・・・うひゃひゃ。
何でああいう変な小道具を出してくると、クレンツ作品って盛り上がるんだろうね(笑)。

そんなこんなで、若いながらに弟を育て、過去に恋愛で失敗したヒーローと、女手一つで妹を育て、従妹を守り、叔母の心配をしてきたヒロインの似た者そうで、微妙に違う二人の物語・・・というより、そこはやっぱり典型的大家族もの?(^^ゞ
脇役の恋愛やら、事情も少しづつ絡めて全部上手く納める。
リージェンシーだけど、商売人で実業家で自立していてかわいくってツンデレだなんて・・・男にとってのドリー夢か?!ってぐらいの勢いだわ > ヒロイン
そんでもって、過去の失敗に囚われたままのヒーローは解凍系となると、萌え確定ねwww

最初の突拍子なき始まり方、テンプレ重ねつつ上手い展開、キャラクターの大半がハッピーエンド、ラストの不器用なマーカスらしい愛の告白まで、微笑ましく一気読みしましたよ。
やっぱり、手堅く幸せ読後感に浸れるクレンツは、ことのさんにとっての鉄板作家であります(^^)
次のクイック名義の翻訳はアーケイン・ソサエティものかしら?
単発ものかしら? どっちにしろ楽しみなので、早めにご登場願いたいわ(-人-)
シェリー・ローレンソンのプライド・シリーズ1冊目、読了~♪
笑い死に寸前状態で悶絶しまくり・・・キターッ!キタモエテラモエキターーーーーッ!!(びったんびったん)

いや、もうこの本に関しては、すごく真面目なパラノーマルロマンスを愛読されてらっしゃるとか、胸をかきむしられるようなドラマティックさを求めていらっしゃる方には決して薦めません!(爆)
そうですね、多分、ナリーニ・シンのサイ・シリーズやJ・R・ウォードの一連シリーズを愛読し、日々深遠な設定の未来予想に試行錯誤されている真面目なパラノーマルロマンス読者より、キャシー・ラヴの「恋するヴァンパイア」シリーズやシェリリン・ケニヨンのダークハンターを読みながらツッコミしつつ爆笑しているのが心地よい読者に断然推薦なう!(爆)
だって、こんな愛すべきエロアホっぷり は、生真面目な方なら最初数ページで脱落の可能性が高い(^^ゞ
一発芸どころか、芸が多すぎて爆笑レッドカーペットもいいところだ(笑)。

そんなこんなで、シェイプシフターてんこ盛りなんだが、笑えるくせしてよく出来ている。
特にライオン・シフターの男性に関しては、確かにディスカバリーチャンネルやナショナル・ジオグラフィックの世界だな。
シフターとはいえ、そもそもは獣だという事で、シビアなまで。
群れを渡り歩くライオンの雄の習性を逆手に取り、「トレード」という仕組みを踏まえて世界観を構築し、百獣の王ライオン=セレブという独自の解釈が何とも痛快。
狼の群れに関しても同様で、大勢の中央に君臨するのはアルファなところも上手くアレンジ。
もっとも、この本の中ではライオンとは呼ばれてないよな・・・そうだよな。
とばかり呼ばれて・・・いや、それをいうなら狼も 犬 としか呼ばれてないかも(爆)。
犬猫好きなら、別の意味で笑えることうけあい(^^ゞ
特にナチュラルハイになった時のライオン雄(ヒーロー)のアホさ、あ、いや。制御出来なさはもはや全てを超越しているとしか・・・特にブレンダンの「遊んで!」と、お尻フリフリは、今年の一発芸枠金字塔なう!!(核爆)

中篇二本収録なんだが、どちらもヒロインはクセがあってエキセントリック系統なので、その点は読者を選ぶと思う。
特に30歳にもなって、無職でフラフラしている二本目ヒロイン・ロニーは(^^ゞ
さすがのことのさんも、ロニーとシシーのかっとび具合は、ちょっとついてけないところもあったかも(読んでる分には面白いが、共感とかいうのはないな。遠くから眺めてるだけにとどめておきたい。笑)。
そうね、他にも女性キャラには容赦ないわね、このシリーズ。
かわいげのないメイスの姉ちゃんミッシーのタカビーっぷりとか・・・あ、でも、ミッシーって素晴らしいまでの駄目エリートでそこがことのさんは面白いんだが。
天晴れな負け犬っぷりなんだもん・・・あ。ライオンだから負け猫か(笑)
ただ、もう余りにライオンくん二匹がラブラブエッチッチでカワイイんで、それだけでもう満足なの、ことのさん的に(爆)。

何度読み返しても、あー、腹が痛い(爆)。
ドラマティックでセンシティヴなロマンスとか、シフターの苦悩とか、異種間の確執とか、そんなものはこのシリーズに求めてもナッシング(爆)。
メス同士のいがみあい場面なんて、残念なまでにリアルだし(ちゅどーんっ)。
どっちかというと、シフターものでありながら昔ながらのボーイ・ミーツ・ガールもの > 全員三十代なのがいろんな意味でナイス(爆)。
しかも、ことのさんニーズのきゅんきゅんものなのさー!!
というワケで、アホできゅんきゅんエッチッチで残念な作品ですが、間口の広い方はお読み下さい・・・え?投げやりだって?!
いや、別に酷評されようが何だろうが、ことのさんは好きなんだもん。
それでいいのだ > バカボンのパパかよ?!ww

で、これ、続編翻訳はあるんでしょうかね。
久々に原書で読みたいまでの痛快なアホ本でしたんで期待なう♪
ジャッキー・ダレサンドロのヒストリカル新刊、読了~。
ヤギさんたら、暗号文食べた~♪♪ > 思わず歌うなう!!
やっぱり、どうよこの不動の乙女ちっく路線は!!ww

そんなこんなで、鉄板作家となりつつあるダレサンドロの作品。
英国王室お抱えスパイだったラトレッジ伯爵家の次男ネイサン、最後の任務と思って引き受けた王家の宝物奪還の仕事が、謎の情報漏えいとスパイ仲間でもあった実の兄コリンと、幼馴染のゴードンの負傷により失敗に終わる。
しかも王家の宝物を奪う為に裏切ったのではないか、という疑念に満ちた身内や友人の無言の責めに傷つき、領地を跡に隠遁。
細々と田舎医者として、一筋縄ではいかない動物たちと牧歌的生活を営む毎日なう。
そんな彼の元に、我が身の無実を証明する機会がやってくる。
諜報員としての上司である伯爵、ウェックスホール卿が宝石のありかを示す情報を入手。
その手掛かりを、彼の娘である伯爵令嬢ヴィクトリアの荷物に隠してネイサンの元へと届ける事に。
娘の身を案じた父親が、彼女をネイサンに守ってもらう為もあったのだが、この二人、最後の任務前に出会っていて、お互い憎からず想いあっていた・・・とかいうお話。

いや~、ヴィクトリアが「私の初キッスを奪っておいて、消息不明になるなんてっ。べ、別にネイサンに会えるのが嬉しいんじゃないんだからねっ。これは復讐なの、分かる?!私に夢中にさせておいてバイバイしてやるんだからっ」とかいう、しょっぱなから ツン全開 で萌えた!(笑)
くどくど言いつつ、もう、どんだけネイサンに惚れてるんだこの娘!!みたいな(笑)。
ネイサンはネイサンで、貧乏医者の次男坊だから、伯爵令嬢のヴィクトリアは高嶺の花なんだけど、それでも昔、会った時から忘れられずの相手なものだから悶々しまくりだし(^^ゞ
動物をキーポイントに使うのが大好きなダレサンドロだが、今回もそれは健在で、会えばぎくしゃくしているこの二人の仲を、ネイサンが飼っている(?)個性的な動物たちが取り持つんだが、これが笑えるったら。

もっとも 肝心の暗号文の手紙現物をうっかりヤギに食われる なんていうすごいメルヘンな想定外さ!(爆)

ここで、ヤギに食われたのはヴィクトリアがさっさと現物を自分に渡さないからだ、と主張するネイサンと、「あなたのヤギが食べたのよ!!」と主張するヴィクトリア・・・何というか、きゅんきゅんキラキラでウフフ(爆)。
素晴らしい記憶力の持ち主のヴィクトリアが、覚えている内容を再現し二人して宝石探しをして・・・いるんだよな?そうなんだよな?!
・・・いや、毎日楽しいラブラブピクニックをしているようにしか思えないのは、事情を知らない他の登場人物以上に、事情を知っている読者も同様(爆)。
そして、クセ者ネイサンは、しっかりお茶目な偽暗号文作って犯人翻弄していたりして、何というか、コージー的で肩がこらないのも良か良か(笑)。

でもね、サスペンス部分のゆるさ(犯人、分かりやすすぎ。笑)とか、脇役のソツ無ささとか、そういうのよりもやっぱりこの二人のロマンス部分のリリカルさに尽きるわ。
エッチでホットな筈なのに、二人の愛読するおとぎ話が物語るように、微笑ましくて胸がきゅんきゅんくる。
同じ伯爵家の子供でありながら、女性ゆえに結婚を制限され、次男ゆえに身分の高い愛する女性に対して結婚を切り出せず。
それでも、やっぱりどうしてもお互いしかいなくて、最初からお互いしかいなくて。
ラストの大団円は、まぁ、おとぎ話お約束なんで、そこはご愛嬌って事で(^^ゞ

読後のほっこり感も、もはやデフォルトとなってきた。
それぐらい、優等生といったところか・・・このなまぬるさを「リリカル」と称せる読者レベルなら、ね。
そういう意味では、ことのさんはゆるい読者だwww
だから、この本もお気に入りだ。
ブタから猫から、あのヤギまで愛おしいと思えるぐらい(笑)。
そういえば、伯爵家長男で爵位継承者でありながらスリの名人であるコリン兄ちゃんの話も読めるのかしら、あの様子では・・・これは楽しみ!
弟と違って、かなりのタラシ系というニュアンスのキャラなので(笑)
ジャッキー・ダレサンドロの短編本、読了~。
ヒストリカルでも、コンテンポラリーでもダレサンドロ作品はほんわか(^^)

この本の税込み600円を高いと思うかどうかってハナシになった際には、ハーレクイン社のディザィアやイマージュと比較してみるのが良い(笑)。
カバーがあって、紙質も良くって保存向きで・・・と、物質的なところもあるが、何より 読みたい作家の新訳作品 なら、それはやっぱり新刊で買うわけだったりする。
そういう意味で、この薄い中篇~短編にターゲットを絞ったシリーズに、自社の色んな新刊再版既刊を並べて少し現状を考えて頂きたいもんです > ハーレクイン社

まぁ、そんなハナシはさておき。
お話そのものは、犬猿の仲であるコンサルタントのヒロインと、CFOのヒーローが会社の週末を利用したオリエンテーリングでコンビを組まされる羽目になり、今まで見えなかったお互いの本当の姿を知り、恋に落ちる・・・というテンプレで鉄板な展開。
キャラクターもダレサンドロらしく、キュートで憎めない二人で好感度アゲアゲだし、何よりあの短さでも満足の読後感。
エッチにひたすら耽り、仕事や義務をうっちゃる主人公がどうも苦手なことのさんだが、ダレサンドロ作品のキャラクターって、地味で不器用ながら凛としたスジを感じるのよね。
ここでも、主人公たちは自分の仕事への誇りと信念を最初から最後まで捨てないし、潔い。良いではないか、本当に。

いやはや、こういうボリュームの、こういう作品こそハーレクイン社がシリーズロマンスで出すべきなのに、と感心以上に呆れた(笑)。
ダレサンドロの未訳コンテンポラリー中篇作品を一番、翻訳する権利の最短距離ルートを持っているのがハーレクイン社だというのが失笑の上塗り。
疲れた時、長編を読む時間が、体力が、気力がない時、ちょっとほっこりしたい時にこのボリュームのロマンスが読みたい読者は沢山いるのだ。
そんな読者にとって、ダレサンドロのハーレクイン社作品が今だ眠ったままなのが何ともはや、と再認識しきり。

ああ、カッコかわいいヒーロー書かせると抜群だなぁ、ダレサンドロ。
このきゅんきゅんなテンプレさもたまらん(笑)。
昔懐かしい、少女マンガのようで胸きゅんきゅん♪♪

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