ISBN:4596322686 新書 古沢 絵里 ハーレクイン 2006/09 ¥903

ジュエル・シリーズ完結編読了〜。
あらあら、とうとう出ちゃった、みたいな1冊(爆)。
ハーレクイン社の編集さん曰く「この本の翻訳に関する熱意、クラブ会員とその他の読者との温度差がすごいんです」。
確かにな。クラブ会員、各会場で何年も一致団結翻訳祈願運動してたんだから、さぞかしすごい温度差だろうて(笑)。
そうだな・・・サハラ砂漠でラクダ旅行とベーリング海でサケ漁ツアーってぐらいな温度差よな(爆)
でも、一度も再版された事ないってことで余計温度差になったんでないのかしら・・・マンガ化されてはいても、やはり違うのよね、カットがない活字版の魅力には。
これを機に、ハーレクイン文庫あたりで再版してあげたら、最初の4冊、もしくは2冊を入手出来なかった読者も喜ぶし、新しい読者も増えるんではないのかしら?

まぁ、そんなおせっかいな話はいいか(^^ゞ
さすがに前作からもかなりの時差があるので、先日ささっと斜め読みで復習して記憶を掘り起こし、この本に備えておきました(笑)。

主役は、最後に残っていた、オニキス・ジュエルの息子マラカイト。
若かりし日のオニキスが愛したコマンチ族の女性との間に出来た唯一の息子なんだけど・・・ここまで広げてきた風呂敷を畳む為とはいえ、うまいなー、ルース・ランガン。
上手にたたんでくその様を楽しんだ1冊だった。
オニキスの生まれ変わりのようなマラカイト、実の父に怒りの心を持ってテキサスまでやってきたら・・・既にその怒りをぶつける対象は亡くなっていて、奇妙な異母妹四人がお出迎え(笑)。

実は過去の4冊を読んでいて、このオニキスさんというのがどうもよく分からなかったんですが、このマラカイトとその母親というピースを入れると、何だか哀しいながらの解答らしき道が見えたような気になったり。
マラカイトの母親を求めても求めても手に入らなかったが故に、残った人生に現れた全く異なるタイプの四人の女性に慰めを見出したのかどうかは、はっきりとは書いていなくて。
残された届かなかった手紙、とかのキーのみでマラカイトと読者に委ねたというか、そこらはうまいよね。
否定でも肯定でもなく。

しかし、このマラカイト・・・ロマンス小説のヒーローってこういう風なのをいうんだろうなー、ってぐらいよく出来てた(笑)。
混血ゆえに、自分のしっかりした居場所も持てず、愛した女性と子供には死なれ、挙句世を儚んで隠遁したら、本人は望んでもいなかったのにあれよあれよの億万長者に(笑)。
確かにヒロインの人生も若いのになかなか大変なのだが、それ以上に劇的なマラカイトの半生(^^A
そんな劇的な男マラカイト(笑)に対するヒロインは、過去の既刊分でもお馴染みの下宿屋の女主人で3人の子持ちの未亡人ミリーさん。
思えば、ここもうまいよね。
本人が気付いてないが、オニキスにあらゆる面で生き写しのマラカイトが、小さくおしゃまな女の子達とするやりとりの数々、あれはオニキスが愛娘達に対する姿のシンクロニティよね。
首飾り、馬、きれいなドレス・・・あらゆるところに、亡くなったオニキスとのシンクロニティを感じさせる。
そして仕上げは、ミリーが自分の家を売ってでもマラカイトと一緒に行こうとするところだな。
いいわー、ミリー。こういう肝っ玉なヒロイン、大好きよん。
あれって、マラカイトの母親がやりたくても出来なかった事、オニキスが望んでいたのに叶わなかった事だからねぇ。
まさにマラカイトでなくても陥落しちゃうね(^^)

たまには、こういう全てがおさまるところに納まった話を読むのもいいな、と思わせてくれた1冊。
ディアブロのエピソードもよかったし(犯人のオチは少ししょぼかったが。笑)
個人的には、ギルが思った以上に好みに育ってて嬉しかったわん♪(骨の髄まで青田買い女なのよ、所詮。爆)
ISBN:4596335052 新書 青木 れいな ハーレクイン ?700

6年もかかってやっと発売される事になったミッシング・リングの1冊。読了。
もうご存知だと思うがこの1冊、2000年に三部作として発売されたミニ・シリーズ「サザン・スキャンダル」の最後の1冊。
無残にも、この後日談シリーズ「マクブライド兄弟」二部作が先に翻訳されてしまい、見事なネタばれ三昧となってしまい、今更・・・とトホホな気分で読んだのはことのさんだけではあるまいて(^^A

まぁ、お話そのものは、三部作と二部作の隙間を埋めていくようなもんなのだが、そこはジーナ愛読者なので、読んでるうちに憤りよりも、名前ばかりが伝説化していたルーカス兄ちゃんの人と為りを確認しながら嬉しく読み耽ってしまった(^^ゞ
単純なもんである。
しかし・・・いやー。すっきりした。
あのブレスレット、『エミリーに夢中』であれだけキーワードとなったものなのに、トレバーが主役となった『再会はスキャンダラス』では一言も触れてなくって、何か喉に小骨がひっかかってる気分だったのよね。
まぁ、トレバーの話の中で、既に今回の主役二人の間には子供も出来てたけどさ(失笑)。

不良少年、故郷に帰る、というパターンの王道らしく、ヒーローのルーカスはすっかり成功した実業家になっていたり(笑)。
こういう清々しい王道っぷりに、敵対する一家の娘であるヒロインというおまけがつくのだが・・・何で誰もあのおっさんが犯人だと疑わなかったんだろうか?
というか、事件調査の際に故人の持ち物等の調査を怠っていた辺り、マクブライド家の悪評の責任の一端は、あのウエイドの前任のイケ好かない署長の職務怠慢だよな・・・。
第一、何で乗用車みたいなデカイものを見落とすんだ?!(驚愕)
サスペンスという意味では、あの明白な証拠品の数々を何年も放置しておき、気付きもしなかった事が一番のサスペンスだよ、ありゃ・・・。

余談であるが、この作品の中でルーカスが、ウエイドの息子で、自分の妹エミリーの継子になるクレイに、クリスマス・プレゼントとして自分の会社の製品である携帯ゲーム機を送る場面がある。
子供にそれは高価なんじゃないか、というレイチェルに「これならプログラムがアップグレイド出来るから、数年は使えるから」と言うルーカス。
実際、この話から二年後の話となったトレバーの話の中で、クレイはまだそのゲーム機を使っていた。
こういう細かいスピンオフ具合が、ジーナさんらしくて、再読していたも楽しかった。

・・・ただ、6年前に読みたかった、って気持ちは今だあるが(^^;;
ISBN:4596511470 新書 速水 えり ハーレクイン ?641

もうすぐ10月5日刊が出るな〜、と考えていて、ふと今月5日刊の感想を書いていない事を思い出した(笑)。

そんなこんなで、買った本その1 エイミーさんの新刊(^^;
久々にエイミーさんの本読んで「ツボだったな〜」と思った1冊でもある。
いや、今だ不動の一番本が『やさしい闇』なので、傷ついたヒーローの解凍系ロマンスに弱いのよぉぉ〜。
まぁ、あの作品と比べるとそのトラウマというか引きこもりの原因が今回のヒーローであるケインは少し弱い気もしないでもないが、そこはさておき、なのだ。

勝気なヒロインのフィービーであるが、本当に年上のケインが臆病になるたびに、がしっと掴んで離さず愛情で包み込む。
自分もある事件に巻き込まれ、夜毎うなされているというのに、何とまぁ・・・アニキな(爆)。
その上、天真爛漫なもんだから、ケインの家族からケインの家の使用人、挙句ペットの犬から馬まで虜にしちゃうんだよね・・・これじゃヒーローでなくても解凍される運命だったのね・・・ヒロインにかかったら犬みたいなもんだもん。ワン(爆)。

二人を引き合わせるヒロインの親友でヒーローの妹、脇役としては登場少な目。
ヒロインの巻き込まれた事件の発端である男も回想場面のみに抑えられ、ひたすら二人のやりとり。
たまにスパイスとして、味ある執事さんが二人の間を上手にやりとりすべく、少なめの台詞を携えてやってくる(笑)。
ラブシーンはホットで、そこはあくまでディザィアなのだが。
ここ近年、特にシルエットシリーズのセールスポイントの一つがマイナスポイントにもなっていると感じていた「脇役の多さ」「メイン話からの逸れ過ぎ」をクリアした良作。
確かにシリーズものも楽しい。が、あくまで「1冊読みきり」がハーレクインの基本だという事を久々に思い出させてくれた。
これって今更、なのだが(^^;;
ISBN:4596822123 新書 小池 桂 ハーレクイン 2006/09 ¥609

シルエット・アシュトンズの最終話、読了〜。
わ〜、ぱちぱちぱちぱち・・・と、白々しい拍手をしてしまいそうです(爆)。
だって、ことのさんにとってアシュトンズは先月刊で終わっていたようなもんなんで(爆)

今回の主役は、ひとでなしスペンサーと三番目の妻ライラの間に出来た長男トレースと、彼の元婚約者レベッカ。
二人の再会ものである。
5年前、彼の父親であるスペンサーから身分違いと責められ、手切れ金をつきつけられて脅されたレベッカ。
そのまま彼の前から消えるが、彼を思う気持ちまでは捨てていなかった。
一方トレースは、かつて彼女に捨てられた事を苦々しく思ってはいるものの、再会して以来、胸のざわめきはおさまらない。
一度、思いをつげれば今度こそ忘れられるだろう・・・と思い、彼女を誘惑する。

まぁ、お約束な展開という事で(笑)。

トレースの母親ライラの二度目の春とか、メガンの出産とか、まぁ、そんな動きはありりつつもどうも読んでて盛り上がらない。
いや、分かってるのよ。
だって、トレースが魅力的でないもんね(ぶった斬り。爆)。
昔のあの手切れ金は、彼女が受け取ったものではない、彼女の事を全く信じていなかったという事実が判明するあたり、既に金を使ってでも彼女を自分の元にどうしても残そうとしていてマイナスだったのに、弱り目に祟り目(爆)。
その上にまだ、スペンサーの遺言や遺産についての問題もあったりしてぐーるぐる(^^;;

しかし・・・そんなどん詰まり状態を、幼児一人の肩に負わせるんですね、アナタ達・・・ってぐらい、何故こんなに三番目の妻サイドのアシュトン家の皆さんは、あの忘れ形見ジャックくんに期待するんでしょーか(^^;
困った時の幼児頼みもいいとこ・・・しぶしぶ重い腰をあげてジャックに会いに行ったらあら不思議。
あんなに犬猿の仲だったイーライと仲良くなれちゃうし、その後は再びレベッカと向かい合い、プロポーズも出来ちゃった!!みたいな。その上、仲違いしていた母親とレベッカも許しあい、レベッカの母とライラは無二の親友のように仲良くなっちゃって、もうここまでくると滑稽なコントとしか・・・(^^A

いや、滑稽なのはラストシーンです。
ルーレット・ワインとアシュトンズ・ワインの合併にて大団円っていうのは、このシリーズを読み出してから何となく予想ついてたけど、何故この合併を祝う席の乾杯の音頭をトレースが、再び婚約者となったレベッカととるワケ?
普通、こういうのって年長者のイーライか、もしくは平等な意味での合併ならお互いの代表であるイーライとトレースが二人でやればいいのに何で?(^^;
何でヒヨッコのアンタが(特にグラント兄ちゃんから見るとどうみてもヒヨッコ。笑)、そんなエラそうなの?(爆)

別にことのさんがトレースをどうでもいいと思っているからなだけでなく、これは素朴な疑問でした(笑)。
だからですかね・・・思わず「この1冊、蛇足かも」と呟いてしまったよ(汗)
ISBN:4789729540 文庫 阿尾 正子 ソニー・マガジンズ 2006/09 ¥1,040

ブロックマンのトラブルシューター・シリーズ新刊読了〜♪♪
愛しいワイルドカードの為なら文庫で700ページ越えなんてへっちゃらよ!オーッホッホッホ!!(既に麻痺しています、ことのさん。爆)
そんなこんなで、もう隅から隅まで舐めるように読みましたで〜、ってぐらい(自爆)・・・あ。なんかもうこの時点で感想書かない方がいいんじゃないのか、って気がしてきた(笑)。
だって、読んでる最中もこんなテンションだったもんよ(末期)。

まぁ、そんなワイルドカード好き好きジャンキーな主張はさておき(笑)。

分かるなぁ〜。いやいや、分かる分かる〜、って1冊なのよホント。
変な話なんだけど、すごい状況の中の逃亡劇の1冊の筈なのに・・・こんな厚みをテンポよく読みながら、とにかくクスクス笑って、しんみりきて、元気になれる1冊ってちょっとどうよ?!なの。
RWAの「読者投票1位」っていうのがよく分かる、全てを愛さずにはいられない1冊なのよね。
前作『氷の女王〜』が胸をえぐられるような切なさ、やるせなさを押し出した1冊なら、この『緑の迷宮〜』はある意味、テーマは真逆。
まさにポジティブ・エンターテイメントを得意とするブロックマンの真骨頂がこの作品だと、ことのさんは思う。
いや、そこはやはりシニカルさを軽妙な文章というオブラートでくるんで作品内にちりばめる彼女らしく、相変わらずカテゴリーロマンスへのアンチテーゼ部分もあり、なのだが(笑)。

この作品をそんな愛すべき1冊にした最大のキーパーソンは勿論、主役の「ワイルドカード」ことケン・カーモディ上等兵曹なのだが(笑)。
きっと正統派ロマンスのヒーローじゃないかもしれない。
すっごいコンプレックス持ちだし、アクが強すぎるし、オタクだし(爆)。
でも、そんなところが愛いって思うんだよな。
以前、このTSSシリーズとかTDDシリーズの、ブロックマンが書くSEALのエリート達の魅力について書いた事があるが、読者の手の届く範囲にまで噛み砕いて書いてくれるっていう点をあげたが、まさにケンはその典型(笑)。
女なんていうものは、所詮、無茶苦茶縁遠そうなハイソサィティな男前を思うよりも、親近感がもてる男前ってのにまず走るんですよ(爆)。
実際のところ、あのジャングル逃亡劇の相手がケンじゃなかったら・・・もっと違った作風になってたに違いない。うん(笑)。
何より・・・あれがスゴイね。
ロマンスヒーローありがちの「自分を騙した相手(ヒロイン)を憎んで頑なになる」ってのが・・・余りに愛いヤツすぎるぞ、ワイルドカード。
自分が騙された事よりも、彼女を愛しいと思う気持ちの方が強くって、命をかけて守りにやってくる。
憎まれ口を叩きながらも、一生懸命に自分を盾にしてでも彼女を救おうとする。
これで胸きゅん(古っ)にならん読者がいるかってーぐらい、ブロックマンの確信犯的なものを感じたぞ(笑)。

そんなケンのお相手となるのが・・・まさにセレブ一族のお姫様サヴァンナ。
これがまぁ・・・ケンの運命の相手というか何というか・・・割れ鍋に綴じ蓋。ぐはっ(爆)。
アバウトなケンと、恐ろしく几帳面なサヴァンナの頓珍漢なやりとりは緊迫した場面の数々に、ほっこりしたムードを与えるんだよね。
というかクスクスってなるのが、ケンの妄想癖に負けてないサヴァンナの妄想(笑)。
よかったね〜、ケン!あんなひどい昔の女でも付き合ってなかったら、お姫様との出会いはなかったぞ!!と、こういうとこまでポジティブに思わせてくれる配置具合なのがまたイカす(笑)。

いつもの並行するロマンスの第二次世界大戦時編は、今回はサヴァンナの祖母のお話。
自伝の朗読という形をとっているが、これがまたすごいナチスドイツだオーストリア皇太子が登場するものとなっていた。
おばあちゃん、恐ろしくパワフルだし(笑)。
おじいちゃんでなくともメロメロになっちゃうな〜、あんなのが相手だと(笑)。
その中に出てきたキャラの息子が登場したり、とかそういう風にいろんな箇所をリンクさせ、展開させていくのはさすが。

もう一つの物語がインドネシアにいる宣教師モリーと、闇商人ジョーンズの大人のロマンス。
ケンとサヴァンナの話だけだと、ちょっと軽妙すぎるなんて事になりかねないところを、実にこの二人の部分が上手にバランスをとってくれている。
本当に、あんな脆いジョーンズのいいところ、悪いところ、過去の傷全てを包み込んで愛すると言ったモリーの手紙にホロホロ泣いてしまったよ・・・。
傷ついた哀しい二人の物語は、この1冊では納まらなかったのは読まれた方にはお分かりかと。
ええ、9巻です。モリーとジョーンズの話に決着がつくのは『Brake Point』です(^^ゞ

勿論、これまでのロマンスの経緯もこの巻では知る事が出来る。
実にその部分は・・・本編主役の二人のロマンスと比べると暗礁に乗り上げた感を醸し出し、アクセントとされていたりするんだが。
前出の二人の話が決着つく巻の主役・・・が、マックス・バガッド。
自嘲気味に、自分のジーナへの思いをアリッサに語る辺りはさすがブロックマン。秀逸である(もっともことのさん、アリッサの「なんで汗かかないのよ!汗腺手術してるんじゃないのアナタ!!」とかツッコミしているところに大ウケしてたが。笑)。
そんなアリッサは、結ばれないと分かっていながらもサム・スタレットへの愛を諦められない。
そしてサムも、愛のない結婚をしながらもアリッサへの思いは止められない。彼の崩壊しつつある家庭の描写、それを見る事になるアリッサの言動は恐ろしく踏み込んだところまで書かれている。
アリッサのとった「ある行動」が、今後の物語の展開に影響を及ぼす事は確かだが・・・次回は箸休め(爆)のマルドゥーンくんのお話。
もう今から言っておきます。
主役はマルドゥーンだが、翻訳された際に読者はサムとアリッサの事しか口にしないでしょう、ってな事を(爆)。
相手が悪かったよ、マルドゥーンくん・・・あのリンダ・ハワード御大ですら、サムリスは他のキャラとは別格扱いしているヘヴィファンなんだからさ(^^ゞ

ま、いっか。
ことのさん一番ご贔屓のワイルドカードは、何とか主役を食われずに済んだから(鬼〜。爆)。

+おまけ+
とりあえず、トラブルシューター・シリーズ一覧はこちら

http://mystery-pro.jugem.jp/?eid=12

あ。抜けてるわ、いろいろ(^^;;
ISBN:4596911916 文庫 岡 聖子 ハーレクイン 2006/09 ¥890

キャット・マーティンの新刊読了〜。
前作がちょっとイマイチに感じたのでどうかな〜、と思っていたが読んでみたら断然前作より面白かった。
というか、古典ハーレクイン読んだ、って気分ですな。読後が(笑)。
だって「復讐」だ「敵の愛人と思い込んでた」「処○だと知らなかった」「妊娠しちゃったから結婚」等、まぁ、よくもここまで並べてくれました!と褒めてあげたいです(爆)

主人公は前作のヒロインの親友グレース、それと前作のヒーローの従弟イーサン・シャープ。
何とも因縁で、グレースの実の父親が売ったとされる国家機密のせいで、フランスに囚われて一年近くの牢獄生活を送り、自分の船や仲間を失ったイーサン、という関係。
物語最初から、その実の父の脱獄を手助けするグレース、という場面からはじまったりして、ちょっと意味深。

とにかく、テーマを捻っていなくて明確単純な分、非常にするする読めました。
復讐のみの為に生きるイーサンが、グレースに心惹かれながらも頑なになるところとか、彼女の話を聞かないところとか、いや。
昔よく読んだコテコテのロマンス本のようでした(笑)。
男前で金持ちだが、元来無頼者な海の男であるイーサンの書き方がうまいね、作者が。
そう、彼の登場の仕方が・・・なんというか。歌舞伎のようで(笑)、それがいい意味で「海賊っぽさ」を端的に表していて、ことのさんは好きでした。
あー、やれ復讐だ何だといってるわりには結局はグレースに一目惚れしているので(笑)、無碍には出来ないし、手はあげられないし、無理には抱けないし・・・悶々ですわ。悶々(笑)。

対するグレースは・・・前作ヒロインのトーリと比べると、断然グレースの方がよかった。
まず、度胸がある。
養父にいじめられて育っているのだが、捻くれて育ったワケじゃないので、とにかく前向きだな。
芯が強くって、とにかくひたむき。これを前作ヒロインで表すと「頑な」ってのになるんだが、グレースの場合は違うね。
心を閉ざすイーサンに対しても正面きって向かってくるのもよかった。
そういう人柄は、自然に周囲の人間にも伝るもの。何より、嘘がつけない純真なグレースは誰からも好かれ愛される。
普通なら、急逝したイーサンの兄の奥さんであるハリエットとの関係なんて微妙になる筈が、あらまぁ。ハリエットもグレースと同じようないい人なんで、あっという間に双子のリリーズ(古っ)のような親友として、二人仲良くイーサンのいない郊外の屋敷で「亭主元気で留守がいい」状態で暮らす事に(笑)。
思わず「イーサン、キミ、いらないんでは?(^^;」とか心配したよ(爆)。
まぁ、そこはやっぱり頑張り屋のグレースなので、身重の体でロンドンのイーサンのところまで押しかけて、彼の気持ちを変えようとあの手この手を使ってくるんだが(^^ゞ

復讐心に囚われ自分を見失ったイーサンを見て、兄同様に育った親友二人・・・コードとラファエルが何度も諭すが、こういうところはいいよなぁ。
彼らは決してイーサンの肩ばかりを持たないし、彼の言動に幻滅し残念だと思っている事を隠しもせずに口にする。

とにかく二人のラブラブや波乱万丈さを描いて描いて怒涛のラストへ。
まさに怒涛だわ・・・絞首刑寸前のグレースの実父を、愛の為なら復讐心なんて、となったイーサンとその友人達が救うところまで。
ホットなラブシーンあり、冒険あり、陰謀あり(ショボイけど。笑)、と前作と比べると本当に一気にラストまで読みきれました。
この話、実はあのトラファルガーの海戦前後を描いているんですが、恐ろしい程にあっさり何行かで終わってましたねー、海戦(^^;
これをキャット・マーティンが書いた時って、ちょうどイギリスはシー・ブリテンの年だったのよね。
ネルソンの名前を出したり、イングランドの海の覇権争いの事とか書いたりして・・・まさに狙ってたのかしら?(笑)

次回作品は残る一人の伊達男ラファエル。
この作品ラストで、つまんない婚約なんてしちゃってる彼だが、是非主役になってメロメロに崩れてほしいわ〜(笑)
ISBN:4596813590 新書 山田 沙羅 ハーレクイン 2006/09 ¥700

36HR新刊、まさか今になって拝めるとは思わなかった1冊、読了!
そう、何年もリサ・ガードナーのアリシア・スコット名義の未訳本を翻訳して下さい〜、と嘆願し続けて「予定は一切ありません」とHQ社につっはねられる事、○年・・・。
いや、分かっているんだけどさ。
どうせ36HRに最近、北米HQ社のカテゴリーロマンスで新刊書く事が激減したシャロン・サラとスーザン・マレリーの未訳があったからついでに翻訳されたって理由なんだけどさ(その割に、しっかり著者紹介でリサ名義の事は書いてあって笑えるんだが)。

リサが担当した9話目、主役は殺された市長の部下でグランド・スプリングの収入役ジョージーと刑事のジャック。
彼女が市長の死に関わっているのではないかと疑いの目を向けるて、ジャックがつきまとう。
お互いを気になる存在と認識しつつ、仕事や環境が邪魔をし、そして自分を規制する事になるんだが・・・まぁ、そこはロマンス。ある日、そんな二人は抑え切れずに夜を共にする(笑)。
そして、これまたお約束に、濡れ衣を着せられたヒロインがヒーローに逮捕されるんだよね(^^;;

よくある展開になる筈が・・・なんてこったい!!
ここからは近年、ロマサス路線を確立しようとやっきになっているLSも驚く一大スペクタクルアドベンチャースリラーになってたよ(爆)。
リサさん、リサさん・・・手加減してあげないと、そこまでぶっちぎったら他の作家の作品が生ぬるく思えますって(爆)。
殺し屋から逃亡する場面、そしてあの洞窟にある穴を通り抜ける場面は余りの描写の細かさスゴさに読んでいてこっちまで息苦しくなってしまった(~_~;;
思わずジャックじゃないが、すーはーすーはーすーはー何度も深呼吸してみたり。
謎の一つだった「くちなしの花の香り」は、殺し屋ジョアナのバックボーンに絡めたものとされていて、きれいに黒幕までたどり着かないカラクリにしていたり、そこらへんはうまい切り口である。
これで他の作家に丸投げするような事項はないまま1冊を書きあげているし。
というか、グランド・スプリングの悩み事とか後半戦は頭の中から吹っ飛び、この本が36HRだという事忘れますが(爆)。

今までの巻よりも顕著に感じたのは、あのページ数でリサは主人公達のバックボーンに圧巻の厚みをつけていた事かな。
過去に捉われる二人というものだが、ヒーローであるジャックの家庭環境や育ちは静かに穏やかで・・・それでいてイタかった。
愛に包まれていたヒロインのジョージーの家庭環境や育ちは・・・哀しかった。
なんかクッキーの場面、ホロリときちゃったよ。

あと、このスゴい展開の後、黒幕がショボかったらどうしよう・・・とか心配が(爆) 。
ちなみにこれ書いた時ってリサ、まだ20代だったんですよ。
本当、上手な人ってのは分かっていたがこうくるとねぇ・・・いやはや(^^ゞ
ISBN:4562043121 文庫 数佐 尚美 原書房 2006/09 ¥960

コニー・ブロックウェイのローズ・ハンター・トリロジー2冊目読了〜。
1冊目はどうもヒロインに躓きまくってたせいかイマイチに思ったけど、この2冊目は意外にことのさんのツボをついてきた1冊だった(笑)。

主役は、薔薇の狩人のひとりラムゼー・マンローと、彼らを救った故ナッシュ大佐の長女ヘレナ。
まぁ、この二人・・・面白い程にシンメトリーというか。
どちらもが、冷たい表情の裏に熱いパッションを隠し、今の境遇にありながら背中をピンと伸ばしているんだよね。
それでいて・・・お互いにメロメロ。なのにお互いだけが気付かな〜い(^^ゞ
思わず、親ロマの主役バカップルが周囲から「ピンクのオーラが・・・(^^; 何故、本人達だけが気付いてない?!」って内心ツッコミされてる描写に匹敵です(笑)。

とにかく、剣術家のマンローにちなみ、物語全体を剣術に絡め、オチまでそこに持ってきていてううん、と唸った。いい意味でね。
直接的にヘレナを保護する事は、自分の置かれている危険に巻き込む事だから・・・と、ひっそり影から見守ろうとしているマンローだが、そんなマンローの気も知らずにヘレナはそれ以上に災難に巻き込まれている状態で(^^;
前には、何をやらかすか分からない頭の弱い突拍子なきオズワルドくん(反則技キャラ。あの叫びは笑うしかない。爆)と秘密の妻フローラ、後ろには不気味なストーカーのデマーク子爵(^^;;
どうにか自分の身を守ろうと、マンローに剣術を習う事になるのだが・・・ここらへんクスクス笑ってしまったわ。
マンローがジタバタしていてかわいいの何のって。
「そこは俺の場所じゃないか」
「剣術を教えるよりも、駆け落ちしてしまった方がいいかな」
・・・五月蝿い萌え萌えな妄想連打です(爆)
自分も名だたる美形なのに、ヘレナの美しさを愛でては悶えるのに忙しいマンローくん、天晴れです(笑)。
すっかり身の危険や、復讐の事が頭から欠落しています(笑)。
もっとも、ヘレナも内心でマンローの男前さを崇め謳うのに忙しいので、ホンマに似た者カップル(^^;

そうなのだ。
この二人、境遇違えど、機軸が同じなので言動が、まるきり右手のやっている事を左手が見えてないってぐらい似てた。
自尊心を捨てる事が、未来への道だとやっと気付いた時・・・ラスト近くの逆プロポーズ、ヘレナがその皮肉さを今までの自分に重ねて言った場面、好きだな。
これぞロマンス、ってぐらいの展開で。
外見はクールな二人、しかし二人っきりだと萌えてメロメロ・・・って・・・つ、ツンデレカップル?(爆)

ラストの結婚式は、前作に絡めながら、次回への予告編とばかりに末妹シャーロットにスポットを当てる。
次回ヒーローのアンドルー・ロス・・・どんなキャラだっけ?(^^;
あんまり記憶ないから1冊目、また読み返さないと(^^;;
わはは。
来月は少ないが、その少ない中に過去何度か痛い目にあっている作家の新刊が!(爆)
・・・さて。来月のタダで捕獲本候補は、っと・・・(笑)

ハーレクイン社 MIRA文庫
黒の微笑 アン・スチュアート
冷たい雨のあとに エリザベス・ローウェル


ローウェル、これって改題新訳?(^^;
アン・スチュワートはどうせ10日ぐらいで古本屋に落ちてくるから落ち待ち。

ランダムハウス講談社 ランダムハウス講談社文庫
伯爵と一輪の花 ダイアナ・パーマー


・・・とりあえず新刊買いするが、全額自腹切りは確実にない1冊(爆)。
過去2冊である意味、痛い目にあいすぎました(爆)。
それでも買うのは、もはやパブロフ?!

原書房 ライムブックス
あなたのとりこ ローリー・フォスター


ロリさんの短編集がここに登場〜♪
いろんな隙間を上手に埋めてくれるなぁ、ホント(笑)

二見書房 二見ミステリ文庫
真夜中の戦士 アイリス・ジョハンセン
レディー ルーシー・モンロー


ジョハンセンはディレイニーの続きか。
しかし、まさかここでルーシー・モンローの名前を拝もうとは・・・(^^ゞ
ある意味、来月、一番結果が怖い1冊。
彼女の書くカテゴリーロマンスとおんなじパターンだったらどうしよう、みたいな(笑)。

ソニー・マガジンズ villegebooks
イヴ&ローク13 薔薇の花びらの上で J・D・ロブ
運命のフォトグラフ ジュード・デブロー
ピーチコブラー・パイは嘘をつく ジョアン・フルーク


ロブは既に聞いてたから驚きはないとして。
フルークも予定通りって事で←でも、もう飽きてきたけど。いいかげんくっついてくれよマジ。
しかーし、ジュード・デブローとは・・・ああ、前作、読んで余りの怒りに翌日には抹殺した1冊だった事を思い出したわ!!!
どうも相性悪い作家なので、これはどっかで割引券か何か使って買おう・・・定価で買う程にマ○ではないわさ、ことのさん(^^;;

+追記+

原書データを一部貼り付けて覚え書き作成(笑)

http://cool-book-new.seesaa.net/article/23601488.html

毎度の調べものついでに(笑)
ISBN:4594052134 文庫 石原 まどか 扶桑社 2006/08 ¥580

ノーラの新刊読了〜。
ああ、とうとうこんな手段にまで・・・っていう、ことのさんにとってどう反応していいのか分からない組み合わせの1冊でした(^^;
いや、それはアリなのか?!な組み合わせなのだよ。

何がかって・・・ノーラの手によるFTとちょいSFの組み合わせ(笑)。

しかし、何か基本軸が違うものをここまでして組み合わせなくてもいいと思うんだが。
全く違う異世界に飛ばされた女剣士カドラと、現在のニューヨークに住む私立探偵ハーパーの話なんだが。
カドラの住むアダールの街というのは、架空のファンタジーの世界で剣士や魔法使い、癒しの術や悪魔が存在している。
かたやハーパーの住むニューヨークは、私たちのよく知っているあのニューヨークなのだ。

単なるタイムスリップものなら、それの方がよかったかもしれない。
それなら、カドラが飛んできた先・ニューヨークでいろんなものに接しては驚く様を「時代相違によるギャップ」とだけ解釈してればいいのだから。
ただし、そうではなくおとぎ話を具現するような「異世界」から飛んできたのだから・・・何とも居心地悪い(^^;
確かにノーラは、現代の、その時の流行や文化を軽妙に取り入れてコンテンポラリーものを書くが、ここではそれは必要だったのかどうか・・・むしろ逆の方がよかった。
つまり、現実の世界からファンタジーの世界に飛ぶ方が、ファンタジーとしての世界は広がったように読めたとは思うのだ。
皆さんがよーく知る実在の世界に飛んでこられて、女剣士がわきわきとピストルを持つなんて・・・夢がないというか、どん詰まりというか。
ファンタジーが苦手なことのさんが言うのも何だがね(笑)。
だから、単なる「タイムスリップもの」なら、そんな夢だおとぎ話だなんだというファンタジーに必要不可欠な要因の欠落を気にせず、単純に時代の流れによる武器の進化と受け止められるし。

まぁ、そこらへんは、ノーラらしく料理の仕方はうまいのだが、いかんせんこの捻った設定を、大半を読者にお任せ!!な、あの枚数でぶった斬り状態で書くのはどうなんか、とか真剣に悩んでしまいそうになった(笑)。
そんなに難しく生真面目にロマンス本読むなよ、って話もあるが(爆)。
作中、二人には未来はない、私はアダールに帰らなければならないと連呼していたのに、あっさりその自分の世界を捨てるカドラに肩透かしを食らった気もしつつ、なんだが(笑)。

で、面白くなかったのか、と聞かれたら・・・これはファンタジーと考えずに、異世界ではなく極度の人外魔境な田舎から出てきたツンデレヒロインと、萌えヒーローのラブラブ話と読めば、それはそれで楽しく読めたと判明(爆)。
・・・設定を頭っから否定しているよ、読者としてそれでいいのか?! > ことのさん(^^;
いや、ピザとテレビに懐くカドラを見ていると、『クロコダイル・ダンディー』等の、いわゆるカルチャーギャップ・コメディものを思い出したりしたのよ、ついつい(^^ゞ
ISBN:4594052126 文庫 中川 梨江 扶桑社 2006/08 ¥880

上京の供として持参し、自爆した1冊(爆)。
こんな本を、公共交通機関内で読もうとしたことのさんってば・・・武勇伝?(爆)
いやはや。先日のシャノン・マッケナと肩を並べる刺激的な・・・はーっはっはっは!(とりあえず笑っとけ。殴)

こういうHQ社以外の、しかもシングルタイトルでヒストリカルなのに・・・ここのシークも何故か混血くんでした(^^;
モロッコに住むアラブのシークと、イギリス人の貴婦人との間に生まれたという設定。
珍しい事というと、ヒロインであるザラが遊牧民族の姫・・・しかもベルベル人だった事かしら。
もっとも、金髪緑瞳ってあたりに分かりやすさを感じたりもしたが(笑)。
気の強いヒロインと、一目惚れで足元掬われてしまうヒーローの物語・・・と言えば、これまたよくあるロマンス本。
しかし・・・読んでて、余りの濃ゆいエッチ場面の連打に、食傷気味を通り越して途中で麻痺してしまいまして・・・そうですね。さっぱりお茶漬け食べたい時に、いきなり大盛りステーキ丼出されたような気分ですかね(爆)。
HQ社のなまぬるいヒストリカルにはない、一夫多妻制のイスラム教を信仰し、3人の内妻を抱えているシーク・ジャマールの描写にはふむふむ頷くこともあったりしたが。
個人的には内妻3人のそのお約束っぷりとか、デキるようでヌケてる副官とか、エンターテイメントとして割に楽しく読みましたよ、ええ(笑)。
ヒーロー、かなりの絶○駄々っ子だし(笑)。

ただ、まぁ、そんなエッチな場面連打も味付けとしてはいいんだが(いいのか。笑)。
この作品・・・余りの都合よさ優先に基本設定、破綻してない?(^^;
なんでシークがイギリス貴族なわけさ?(^^;
ジャマールは、母方がイギリス貴族っていうのは分かるのだが・・・どうなっているのだ?(^^;
よしんば描写通りに、亡くなった母方の祖父から継いだ地位が「ランフォード伯爵」として、んじゃあ何故、じいさんが死ぬ前は何で「侯爵」だったのかアナタ?!
というか、相続して地位、思いっきり下がってるじゃん!(爆)
(公爵→侯爵→伯爵→子爵→男爵でしょうに。地位順としては)
父親はアラブ人なんだから、父方からの相続で「侯爵」だったワケはないし。
祖父の子供の代の継承者はジャマールの母親になるんだろうが・・・そこらへんが余りに曖昧に丸投げされてて、何か妙〜っ。
いっそ、架空の国の出来事でした!!と言われたなら納得もするんだけど、どっちも実在の国の設定なんで時代考証などで自滅気味です・・・。
二つの世界を行き来し、どちらの世界の美味しい箇所だけをつまみ食いしているヒーロー、と言われても否定出来ないなぁ、ジャマールくんよ(笑)。
降って沸いたヒーロー母との和解に比べればまだマシ、とかいう声も聞こえてきそうですが・・・そういえば彼女は「ランフォード侯爵夫人」なんですね。
んで、「先代ランフォード侯爵」って誰?(笑)
じいさんは「先代ランフォード伯爵」なんでしょ?
多分、侯爵も幾つも持ってるじいさん経由の爵位の一つなんだろうけど、それなら持ってる土地の名前とかそういうところから名前も違ってくる筈では?(ランフォードは、地所である「ランフォード荘園」からきている筈だし)
あかん。書いてて混乱してきたわ(笑)。

・・・そう。こんな感じで、エッチな場面と分からないことばかりの1冊でした、って事で(爆)。
ISBN:4576061291 文庫 中西 和美 二見書房 2006/08 ¥1,000

シャノン・マッケナ新刊、読了〜(^^)
今回は、マクラウド兄弟の長男デイビーのお話。
1冊目からのお馴染みキャラがここぞと出演というおいしいお話でしたわ(笑)。
なんせ、前作でくっついたマクラウド家の次男コナーと、エリーの結婚式がこの作品内であるんだからねぇ・・・しーかし!
エリン、怖い者知らずか?!
あのタマラを自分の結婚式の、しかもブライズメイドにするとは!(爆)
しかし、惜しい・・・。
あんなにブライズメイドちゃん達をつまみ食い三昧だったマクラウド家末弟のショーン。
前作からのヤバイ妄想としてタマラ姐さんに食われるショーン(爆)というのをこっそり希望中だったことのさん的には、やはりがっくし?(爆)
まぁ、それは冗談として(爆)。

話は、殺人の濡れ衣を着せられ、逃亡の末、別人になりすまして生活をするマーゴット(メグ)に迫り寄るストーカーの影。
そんな彼女が、切羽詰って相談するのが私立探偵のデイビー・マクラウド。
この二人、お互い気になった存在だったのだが・・・。

・・・いや、ホンマ、どうするよ?!
このデイビー兄ちゃんの妄想大暴走っぷりはよ!!(爆)
この妄想具合に、お互いの独演ショー(殴殺)が絡まって「・・・観念しました。もう、思う存分にやって下さい。マッケナさん(^^;」と最初の数章でシャッポを脱ぎました(爆)。
もう、こうなったら最初から最後まで灼熱系でどぞ!!みたいな(笑)

はた迷惑に、殺人鬼に惚れられたマーゴット。
いやはや。このストーカー殺人鬼「スネイキー」の描写は天晴れでした。
スネイキーの陰湿で残虐な描写、これがまた彼の夢と妄想が満載なので・・・妙にデイビー兄ちゃんの妄想とのハーモニー具合が笑えるというか。いや、笑っちゃイカンのだが(爆)。
黒幕があっけないというか拍子抜けだった分、このスネイキーの飛び道具っぽさが目立つ事になったり。

悲惨な過去のせいで心を閉ざしているデイビーに対しては、常に攻めの姿勢のマーゴット、なかなかよいですな。
体の関係だけでしか物事を語れない不器用なデイビー、なんとなくクレンツの書くヒーローのような独自な脳内配線を持つイケメンでしたが・・・いやー。マメ男だった(笑)。
逃亡中でさえ、ご飯の用意に手抜きをしない、お裁縫もこなすデイビー兄ちゃんであります(笑)。

しかし、確かに話そのものも面白いし、テンポもいいし、満足なのだが・・・いやはや。
やはり、彼が出てくると、誰がヒーローでも霞むのよね。
そう、1冊目のヒーローであるセス・マッケイ(笑)。
今回もオタク度は高く、その上に野獣くんっぷり健在で、奥さんになったレインのみが飼いならせるというのがありありと(笑)。
あんなにワキワキと嬉しげに、自分が作った追跡マシンや武器を語っているあたり、変わってないよねー(笑)。
ショーンとの追跡アーンド突入劇では、今からピクニックに行く子供の如く(笑)。
そういう意味では、タマラ様もおいしいとこをがっつり持ってくよなー。
大好きだわ、タマラ様♪♪
シリーズものの楽しみとしての「今までのメインキャラの脇役としての登場」ってのが、ちょっとマイナスにもなってるかな・・・いや。あまりにセスが衝撃的だったというとそれまでなんだけど。
そんな派手なキャラてんこ盛りの中、地味好きことのさんの愛を独り占めしそうなマイルズくんに今後幸多き事を願いつつ(^^ゞ
以前、問い合わせしていたMIRA文庫のマリーン・ラブレースのクレオ・ノース・シリーズの残り2冊、来年のうちにどっちも日本上陸が決定した模様。

ラブレース、どんどん翻訳されているんだが、これってやっぱりロマサス流行のご時勢だからかねぇ・・・。
MIRAってシリーズもの翻訳で定着しつつあるが、まぁ、再版よりマシか。
ところで10月に出るエリザベス・ローウェルは・・・あれ、改題新訳?(^^ゞ

余談だが、ことのさんが苦手のエレイン・コフマンのスコットランドものの続編も翻訳されるらしい。
フレイザー・グレアムの話だと。やっぱりスコッツものチェックすべく買うんだろうな・・・あ。自腹は切らずってのはお約束ですかね(爆)。
ISBN:4596335036 新書 高山 恵 ハーレクイン 2006/08 ¥700

ローリーさんの新刊、読了〜♪
ってか・・・やっと読めたよ少年ミックの本!!(主役は誰?笑)
いやはや。
原書読みのお友達から「原書が北米テンプの記念号でクレンツとの合本だったんだけど、ミック少年とってもいいのよ〜♪さすがロリさん本人もお気に入りなだけあるのよ、ミック♪」と以前聞かされて以来、ず〜っと読みたくてHQ社さんに嘆願し続けて○年!!
待てば海路の日和あり(笑)。
まぁ、そんな合本じゃ大人の事情(笑)も多かったろうが・・・。

内容は、一連のシリーズの1冊目ということで探偵事務所経営者のデインと、ミックにとって姉のような存在であるエンジェルのなれそめ編。
ここでスピンオフ2冊目の主人公であるデインの妹シーリア、デインの部下アレックも既に登場。
いわゆる双子の入れ替わりロマンスなんだが、まぁデイン・・・昔からメロメロ系マメ男だったのね(笑)。
読んでて、一歩メロディとの関係を進めると何かに躓くのに、それに負けずせっせこせっせこ頑張るデインに、少年ミックでなくても笑いが起こりますな(ぷっ)。

しかし、ミック少年・・・成長してチョイ悪なイケメン(爆)となった彼は・・・やはり老成した少年だったのかビバ♪
いや、老成した少年キャラって超萌えツボなんで♪←アホーっ。
こういう将来有望な青年キャラや少年キャラを書かせると、本当にロリさんってばサイコーなのよね(^^)
やはり3人の息子さんを持つママさんだからだな。ノーラの書く少年キャラがやはりそうだし。

思わず、過去の一連作品を全部読み返したくなった1冊。
このハーレクイン・スポットライトが今後もこういう「忘れられたスピン頭路線」を攻めてくれるという保障はないが、今後の為に来月も2冊共新刊買いをしておきたい。
いずれはダラス・シュルツェの抜けまくったスピンオフの数々とか、クレンツの未訳テンプとかが日の目をみるといいなぁ・・・。
ISBN:4596813582 新書 津田 藤子 ハーレクイン 2006/08 ¥700

36HRの8冊目読了〜(^^)
今回のエピソードは、1冊目であの嵐の夜にバンダービルト記念病院で出産した17歳の女の子、その生まれた未熟児ベビーに関連するもの。
主役は、その子をとりあげた産科医トニーと、そのサポートをした看護士ベスの話。

・・・最後、3章ぐらいずっと泣いてたかも(^^;
なんで作家競作の1冊、たったシリーズの一篇の、しかもほんの欠片なのにこんなに涙が出るんだか・・・ってぐらいにうまかったよ、このサンドラ・ステファン。
侮る事なかれ作家競作シリーズ。このページでこの内容の濃さ。
いい本、読ませてもらったよマジ。

子供を出産し、病院から消えた未成年の母親アニーの設定がまたヘヴィなんだが。
1冊目で子供の父親に、おなかの子ごと殺されそうになったところだけだと、おろかな若い女の子という印象しかないが、この1冊で捻って複雑な設定となり、物語に深みを与えていた。
勿論、その未熟児をひきとるベスも一筋縄ではいかない設定になっていた。
不妊症の彼女は、かつてそれを理由に離婚されたという女性。
対するトニーは、大家族に囲まれ育ったイタリア系の伊達男医師だったり。
未熟児クリストファーを養子にするには結婚していた方がいいベス、昇進の為には結婚していた方がいいとさりげなく言われたトニーがお互いの利害の為に結婚・・・という便宜結婚もの、というカテゴライズになるのだが・・・それだけでは言い切れないな。
アニー同様、ベスとトニーが育った家庭環境とかのボックボーンがプラスにも働くが、マイナスにも働いたりして絶妙。
ブルーカラーの大家族に育ち、自分の血をひく沢山の子供がほしいと漠然に思っていたトニーに、結婚直前にベスは自分の不妊症を告白するのだが、ここに、産科医として彼女に理解を示す自分、ベスを愛していながら自分の子を持てないという事実に戸惑いを隠せない自分、というものをありありと書いているんですよね。
おためごかしはなし。重い。
だから、ちょっとした言動で、ベスを傷つけるトニーという描写を躊躇なしに書くんだよ、この作者。

一進一退しながら、二人のお互いへの深い愛情を確認するところも○。
血のつながらない赤ん坊への、ぎこちないながらも無償の愛情・・・父性に目覚めるトニーとか本当にいいのよね。
そんな中、ラスト近くに・・・ああいう展開をもってくるんだよ。
アニーに赤ん坊を返さなければいけないっていう事に!
もう、ここからずーっと泣いてた。
アニーも悪い子じゃなくって、本当に自分がかつて守れなかった妹の分も、と自分の息子を愛していて、それが切ないの何のって。
虐待されていたのに、自分を守ってくれなかった法律。
それが、今度は自分の安全を保障する18歳になるまでは、とひたすら働いて息子の為だけに生きていて、そんなアニーにだからベスは赤ん坊を渡すしかなくって。
もう、コートのくだりになるとダーッと。
ここで、やっとトニーが赤ん坊だけでなくベスをも手放す事になるかも、という事になり踏ん張るんだけど・・・。
からっぽの子供部屋を見て、自分の中では「血のつながり」とかそんなものはとっくの昔に超越していて、ただ無償にクリストファーを愛していた、という事実だけが残っている事に気付くんだよねぇ・・・。

ラストも、全員が幸せになれる、とかいうものではなく。
そこがまた余韻に浸れて、本当に素晴らしかった。
ことのさん、このシリーズではキャラクター的には3冊目のトラビスとペギーの話がイチ押しなのだが、話ではこれが今のところイチ押し。
いや〜、朝っぱらから泣いたせいで目が赤くなってしまったよ(^^;;

次回はことのさんの本命、アリシア・スコット担当の9話。
ここでバッタリ力尽きてたりして、ことのさん(^^ゞ
ISBN:4596822115 新書 滝川 紫乃 ハーレクイン 2006/08 ¥609

おいついたぞ!!な、アシュトンズ11冊目。
大本命のローラ・ライト担当分〜♪しかも、主役はこれまたご贔屓のひとりグラント伯父さん(^^)

ってことで、今回の主役はひとでなしスペンサーと最初の妻との間に出来た双子の兄ちゃんの方であるグラントと、ひとでなしスペンサーの愛人だったアリサ・シェリダンの(この本に関しての書き方はこっちだった。呆)で、スペンサーの隠し子ジャックの叔母にあたるアンナ。

途中からこの二人の交わす優しい視線とか、やりとりとか、そういうものがちょいちょい出てきてて・・・そして、あのグラントが逮捕された後に・・・彼女と一夜を共にしていたという事実がアンナ自身の口から証言される等、非常に気をもたせた展開となっていたり。
しかし・・・大胆というか、やってくれたというか・・・。
全12冊のこのシリーズ、この11冊目でスペンサー殺人事件に全部決着つきました!!(笑)
もう、次の12冊目が蛇足ものならどうしよう・・・とかいういらん心配が浮上してくるプレ大団円っぷりです(注意・ヴァインスのアシュトンズ家に限っての大団円。爆)。

若くして甥姪を育てる為、農場の為だけに生きてきたグラントが、ナパの、半分血のつながった家族達の元にやってきて・・・そこでアンナと運命の出会いをするんだよね。
お互い好きなんだけど、アンナは甥ジャックのことを第一に考えなければいけない立場で、そこらへんがグラントとシンクロしていて、お互い切ないんだよね。
もの静かそうな感じだと思っていたグラント、実はすっごい積極的なメロメロくんだったんだねぇ・・・と、これ読んでちょっとツボに入った(笑)。
アンナに囁く言葉の数々が、恐ろしくメロウでスイートな43歳なのよぉぉ。
それでいて、過去の影に苦しむ姿とかもあってまたよろし(萌)。

対するアンナだが、グラントの言動に戸惑いつつも彼をまるごと包み込むような温かさを感じるんだよね。
それでいて、彼自身の意思を表に出すように促すところなんかしっかりしていて、苦労人ヒロインらしきよさが○。
姉の事を否定もしないが肯定もせず、過去よりもまず現在と未来ありき、という前向きな姿勢は、過去に捉われているグラントにいい影響を与える事になるのだが。

殺人事件に隠された過去の因縁は、グラントを直撃しちゃうんだけど・・・家族の為にだけ生きてきたグラントにそんな事!!とか思うだろうが(もっとも犯人はバレバレだったが)、あれはグラント自身が前に進む為には必要だったのかも。
あそこらへん、事件そのものは穴だらけであっけなかったんだが、ローラ・ライトはあの5ページ程度でグラントの人柄を描きつつ、スペンサーが絡めてしまったアシュトンズのもつれた糸をほどく事にとりかかった。
いや、うまい。
それと対になるべき、グラントと甥フォードとの会話にはうるうるきてしまったわ・・・。
ああ、やっと心から幸せに生きる事が出来るのね〜、グラントが、と本当に嬉しくなってしまった。
また、ヴァインスのアシュトンズ家の皆さんが優しいんだ、こりゃ。苦労人にはやはり深みがありますな〜。
こういうお約束ながら、優しい三文芝居やりとりに、またうるっときたり。

・・・だから、ことのさん的には、この11冊目でアシュトンズが終わりのような気がしてます(爆)。
次巻の主役はトレース?!・・・どっちでもいいや(爆)。
ただ、財産の行方と遺言書問題がどういうオチがつくのかは気になるから読むけど(笑)
ISBN:4596632987 新書 鈴木 いっこ ハーレクイン 2006/08 ¥704

華麗なる逃走三部作、ラスト読了〜。
いやはや、表紙リニュアルのあおりをくらった直後にディ○ラのキャンペーン本に選ばれたおかげで、3冊共表紙も背表紙も違う三部作になってしまったわ(^^;;

と、まぁ、それはおいておいて。

今回ラストを飾るのは、生き別れになった兄妹の末っ子メリンダの話。
その彼女を守る事になるのが、亡き実母の残した日記に隠された暗号を解く為にCIAから派遣された暗号解読の天才であるクレイ。
ここでまぁ、この本の笑えるというかあっけらかんとしたはじまり方というか。
だってプロローグでどう見ても黒幕の正体バラしてるし(笑)
こういうの、好きなのよ。
だって、犯人探しはここでもうある意味捨てられるんだから、それに関してページや行数を割く事はないじゃない?
その分、ロマンスや別の面を書き込めるから。
この作品では、いつクレイが黒幕の正体と、自分が解くべき暗号をつなげられるか、というポイントが重要となってきた。
何てお手軽な、と言われそうだがメリンダの頭部打撲による記憶喪失は決してダメではなかったと思うし。
だって、そもそも全く知らない相手であるクレイと一緒にいるんだから記憶がなくても困らずコミュニケーションはできるだろ(笑)。

実際、このメリンダ、記憶喪失でありながら元来の自立心旺盛な元気でやんちゃ娘なせいか、ポンポンとクレイに本音を突きつけ、非常にポジティブ。
記憶喪失なのに、それでいてあのポジティブさと茶目っ気は読んでるこっちもクスクス笑ってしまいます。
それでいて、小柄でかわいい外見にちらりと見せる不安げな姿との落差が、仕事第一の語学&マシンオタクのクレイのハートをメガヒットしちゃうんだよな〜。
もう、クレイのそのメロメロっぷりといったら(笑)。
読んでて「あら。メリンダってツンデレちゃんだわよね〜。さすがクレイ。オタク道爆進中か(笑)」とか思ってしまったわ(^^ゞ
そして、なにげに笑える言動をする彼の描写がことごとくツボメガヒットなことのさん・・・(^^ゞ
稚気あるデキるヒーローぐらい読んでてワクワクするものはありませんわよ。
このクレイ、なんせ自分の愛用パソコンにロリータと名付け、バイクとチェリーガムをこよなく愛する茶目っ気くんなんだもんね(爆)

過去二作と比べると、このカップルが一番ベストカップルでした。
逃亡中のやり取りも、譲れないところ譲るところはしっかりあるし、お互いを思いやって辛気くさくなるところもちょっとしたジョークを言ったりして、読んでいる方もイライラしないし(前作2冊はヒロインにかなりイライラしたので説得力あり。笑)、くすっと笑ってしまったり。
メリンダの顧客や隣人との会話もプッと吹き出すような茶目っ気もあったりして○。
それでいて、またラブシーンはホットでスイートだし(*^^*)
ラストはあっけなかったともいえるが、笑いのペーソスを含んだ逃亡劇のスピード感と二人のやりとりだけでことのさんは満足です。

ああ、よかった。3冊目が一番好みの話で(爆)。
おかげで、終わりよければ全てヨシ!!ってカンジで満足となりましたとさー(笑)
ISBN:459612129X 新書 田村 たつ子 ハーレクイン 2006/08 ¥672

ペニーさん久々の新刊、読了〜♪
しかもこれまた久々のシークもの・・・って、出たぁ〜!閉店ガラガラっ(byますだおかだ。爆)

王道の混血シークヒーローです!!(笑)

何故かHQの過去の代表的シーク本、皆さんヨーロッパ人を片親に持つ混血児だったりするのよね。
このヒーローであるザンダーくん、皇太子のイギリス人家庭教師だった母と国王だった父の熱愛の結果生まれた次男坊。
その生まれゆえに、二つの世界を股にかけて外交面で活躍しながらも、どちらにも定住の地を見出せずにいる迷子のようなヒーローってのは乙女心にメガヒットの要因なんでしょうかね(^^ゞ

読んでみて思ったのが、かなり穴ある設定とはいえ(トゥアレグ族に関する歴史を軽くみていたヒーローが、あっさり研究者であるヒロインにトゥアレグ族じゃないのを見破られる着こなしをしていた等。笑)、読んでてこれまた久々に「ああ、R読んでるなぁ〜」って気になった。
天涯孤独な学者である若いヒロインが、同僚の男に騙され襲われそうになって砂漠を逃げる。
それを馬上から抱えて助けるヒーロー・・・いやー。ビジュアル的にもHQよね(笑)。
野蛮な盗賊から彼女を守る為、結婚してでも守ろうとか古典的ぃ〜ながらグイグイ読まされてしまったわ(笑)。
そうなのよ!
古典的とか言いつつ、結局はこれこそがHQなんだわよ(笑)。
「知らなかったゴメン」とか、ヒロインが凶弾に倒れ死にかけるとか、君の心が手に入れられないなら・・・と絶望的になりながらエッチしたりとか(爆)。

なんかね、お互いラブラブメロメロなのに、なんでお前ら二人だけ気付かないんじゃ〜、とかいう呆れたツッコミも途中からやめたよ(笑)。
だって、古典的で王道な系譜の本(あくまで「系譜」ね。全盛期の頃と比べるとやはり・・・ね。汗)をペニーさんで読むのは久々だから何でも許せるのよ。
決死の潜入活動しているワリにヒーローであるザンダーが多少ヌケててツメ甘かろうが(笑)。

・・・ホメてる?!それってホメてるのか?! >これ読んでる人のツッコミ(爆)
ISBN:4167705303 文庫 見次 郁子 文藝春秋 2006/08 ¥980

ハーレクイン時代はモーガン・ヘイズ名義で執筆していたイローナ・ハウスのスリラー長編デビュー作がこちら。
低空飛行の体調でこの本を読んでいると、その昔、インフルエンザにやられている最中に『暗闇坂の人喰いの木』を読んで熱にうかされた頭の中に死体描写がぐるぐるまわったのを思い出しました(笑)。
昔っから学習能力のない読書方式なのね(^^ゞ

この本、現物を買って、帯を見て「ああ、この本だったのか」とやっとこさ思い出したんですよね。リサ・ガードナーが以前NewsLetterか何かでこの本、面白かったよ、と言ってたのを(^^;
この物語の舞台がまた、ここかぁ、って場所で。

ボルチモア。

ローラ・リップマンのテス・モナハン・シリーズでお馴染み(笑)。
ハウスのHPにはこの物語に出てきた実在の場所の写真がスライドショーで見れるのだが、その名前に「あ、こんなとこなのか」と、リップマン読者のことのさんには二倍楽しめました。
更に、中の謝辞を見てうくくっ(^m^)となったのが、イローナがまだハーレクイン・スーパーロマンスに書いてた頃からの友人であるパトリシア・ルーウィンの名前がある事(その頃はルーウィンもペンネームでスーパーロマンスに書いてたけど)。

内容としては、一年以上前に相棒の刑事を殺され、自分も瀕死の重傷を負った女刑事ケイが、再び同じ手口の猟奇殺人を追うという話で、ここに元恋人で同僚の刑事フィンが絡んでくる。
犯人そのものは分かりやすいのだが、とにかく女性作家では久々にハイピッチな殺人の山と、その凄惨な描写を読んだな(笑)。
いや、ミステリ読者としては、慣れているとはいえこの暑い季節に、ハエが飛び交う腐乱死体描写はさすがのことのさんも笑いが乾きまっせ(爆)
最初からヒロインがボッコボコにされる場面から始まっているので、あそこで甘め好きのロマンティック・サスペンス読者に脱落者が出そうな気もせんでも(^^;
ただし、それを骨太スリラーの醍醐味の一環とあっさり考え、続けて読んでもらえれば、そこから進めるかと(笑)

ことのさんはあのケイの、何ともいえない危うさとタフさのアンバランスさの描写がすごいなぁ、と思ってページをめくる手が止まらなかった。
そんな彼女をずっと愛してきたフィンにも悲しい過去とかあったりして、不器用な大人二人のロマンスも並行進行。
もっともフィンって、ロングヘアのラテン系ビジュアルながら、実はアイルランド系イケメンという設定なんだが、すっかりケイと事件そのものにしてやられて影薄めだ(笑)。
しかし、あれだけそっけなくされてもフィンって健気よな〜。尽くす男前くんでありまする(笑)。
もっとも、ロマサスによくあるベッドシーンだけ活躍する添え物ヒーロー(爆)ではなく、きちんと仕事しているし、デキる男だからいいんだが(笑)
次回以降の更なる活躍を期待してますわ〜(^^)

今回の話は、一度どん底に落ちたケイが、再びスタートラインに戻ってくるというスタンスで書かれているのがよく分かる作りで、シリーズ化を作者が見越していたと思えるぐらいの脇役のキャラクター配置だったり。
実際、既に2冊目も刊行されていて、3冊目も執筆中とのこと。
・・・続けて翻訳してもらえるの?(^^;
お願いしまっせ、文春さん(^^;
ISBN:4562043113 文庫 落合 佳子 原書房 2006/08 ¥950

ジュディス・アイボリーの初邦訳本、読了〜。
いやはや、こんな無邪気でハッピーになれたヒストリカル長編を読ませてくれてありがとう、と言いたい1冊でした。
今、本当に体調がよくなくって、こういう癒しと笑いとロマンスのペーソス本を求めてたんだなぁ、と思った。
本って、読書って自分にとってそういうポジションのものだったと再認識させてくれたかも。

物語そのものは、男女逆転版『マイ・フェア・レディ』というものだが、そこはアイボリーらしくなかなか笑えるものに。
なんといっても、ヒーローのミックが職業・ねずみとりときました・・・イライザの花売りよりもキョーレツ(爆)。
このミック、いやはや・・・ここ近年の作品でこんなにセクシーでチャーミングな男前、見たことない!
脚フェチで動物好きなところも、もうキュートなことったら!(握りコブシ。笑)
対するヒロインのエドウィーナは、元侯爵令嬢で言語学者。
身長が6フィートののっぽなお嬢さん(ブリィと同じぐらいっつーことですな。そりゃデカイ。のっぽのことのさんが言うのもナニだが。笑)。
強欲な親戚に生まれ育った屋敷を追い出され、それでも自分で仕事をして自立した彼女が、ミックのコーンウォール語+コックニーなまりという超レアな喋りを聞いてしまったのが運命のいたずらか(その前にミックの運命の彼女の○への一目ぼれってのがあるが。爆)。
この二人が魅力的で、じょじょにお互いがお互いを変えてゆく。その成り行きが何ともよかった。
スノッブだと思われていた彼女は、パブで踊れるほどに自由に振舞えるようになり、粗野で野蛮だった彼は、秩序ある考えや身のこなしを持つようになる。
これは、二人がお互いを理解してゆく過程とか本当に読んでいてわくわくした。

ほろっときたのが、エドウィーナが花と夜に向かって心配事をリズムにして歌っていた場面。
ミックはからかうわけでもなく、彼女に自分に向かって歌ってほしくて自分も歌いだしたり。
最後には、幸せになった二人が抱き合う場面で、ミックが同じように歌う場面は本当に・・・うまいわ。
社会的立場の違いを越えて、二人は自分達の気持ちに向き合っていてこれもよかったところの一つ。
最後には、ご都合主義とも思える逆転劇があるが、それはあくまでおまけであって、エドウィーナが愛したのはねずみとりのミックだったワケで。
強欲な老人にも、実は悲しい事があったりして、ラストのイタチとの旅立ちとかにもほろっときたり、ちょっと涙腺弱いかも、今のことのさん(^^ゞ

おとぎ話と言われたらそれまでだけど、ロマンス本の原点ってそうじゃないのかしら。
楽しく騙され、そして踊らされる1冊だった事は確か。
凝ってなくっても、ぶ厚く長い話でなくても、しっかり起承転結がついていて、それでいて大満足のお話でした。

< 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 >