ISBN:4270100036 文庫 香野 純 ランダムハウス講談社 2005/09/15 ¥819

くっ、くっくっくっくっく・・・。
笑いが止まりません・・・この本、某ネット書店のポイントがたまっていたのでそれを還元して注文取り寄せに使った1冊だけど(^^ゞ
いやー、自腹切ってなくてよかった(爆)

最初から最後まで、とりあえずこの言葉が口から出るのが止まりませんでした。
このヒーロー、何?!己を悲劇のヒロインヒーローと勘違いして酔ってる○鹿なのか?!
他にもいろいろ、書き出すと止まらないので、箇条書きにしてこの本の「あいた口が塞がらないツッコミポイント」を幾つかあげてゆくとしましょう・・・。
あ、これはアクマでことのさんの意見ですから、深く考えないで下さい(爆)。
なんせことのさん、財布と時間に余裕なき心が狭い読者なので、新刊買いして時間かけて読んだ本が○カ本だったとすると「金と時間を返せ」と声を大にして言いますタチなんで(爆)。
イケてない本をフォローする程、出来た読者じゃないんですよ(爆)

-------ここから先は未読の方は読まないで下さい(爆)---------

☆ヒーローは元婚約者に呼び出されてホイホイ出かけ、彼女の旦那のいない家でうっとり夕飯を食ったせいで街の噂になる・・・って、当たり前だ。社会的地位のある大人の男が、田舎町でやる事か?しかも己の上司の妻だ。つうか、彼は自分が「捨てられた事」に二年たっても気付いていないとしか思えない。驚愕である。

☆たった一人の身内を亡くしたヒロインとその悪い噂を消す為にも結婚する事に。自分でしつこく結婚してキミを助けてあげるが、自分の心は元婚約者にあると宣言しておきながらヒロインに常に逆ギレ。精神的二股を声高々とモノローグで語る居直り強盗じみた様は絶対に壊れている。彼には是非、ヒロインの代わりにかつての名映画『恋におちて』のデ・ニーロの妻役のセリフをささげたい。「(精神的なんて肉体関係こっきりよりも)余計ひどいわよ

☆ヒロインが若い男と話しているだけで激怒し、やたらと潔癖を求めて正論をかますが、このヒーローにそれを言う資格があるのであろうかという話になる。ちなみに彼は、パーティー会場で自分は一緒に来た妻を放置プレイの刑にしておき、己は旦那と一緒にきた元婚約者と片隅で親密に話し込んでいる・・・勿論、他人の目には穏やかでない関係に写るワケで、それを「ええっ、こんなに見られてたのか?!噂になってるぞ?!」とか慌てている・・・このヒーローの辞書には学習能力という言葉はない。自分がなぜ結婚する事になったのか、という物語の最初をすっぱり脳内削除している模様・・・。

☆ちょっと作者のやりすぎ、と思ったのが、お友達も言ってたが馬車に轢かれた犬をヒーローが助ける場面。轢いた相手はライバル銀行のヤツ、犬の飼い主は実力者の未亡人。そのミエミエの善悪対比表現を読んだ時に「花咲かじいさん」とかの、分かりやすい子供向け昔ばなしを思い出したのは私だけでしょうか?(^^;

☆大きな謎のひとつとして、なぜヒーローはわざわざ自分を捨てた女とその夫の下で働く事にしたのか?常々「金で苦労していない」とヒロインに言うなら、あれだけ資格とか持ってるなら別にライバル銀行でも別の都市の銀行でも勤め先はよかったワケでしょ?・・・ただのマ○か?!と、ことのさんがツッコミしたのはいうまでもない。もし、元婚約者が手を口笛吹いたらすぐ参上する為に傍で働いていたというなら、本当にキミにはヒロインに対して逆ギレする資格はないのでは?(^^;

・・・まぁ、他にもいっぱいあるが、それはもういい。
ようするに、ダイアナ・パーマーの「いつものパターン」と言えばそれまで。
だが、しかし我々が今回読んだのはハーレクイン社でない他社からわざわざシングルタイトルで出した長編だという事が重要だ。
どうしてHQと同じパターンを、なぜ他社で、普通のDとかの二倍もある厚い本でまで書く必要があるのか?!という疑問にぶち当たる。
別に凝縮して半分近くにして、ハーレクイン・ヒストリカル辺りで出してもよかったのでは?(^^ゞ
現状のHQ社では、自分の書きたい事がページ数や「暗黙のHQコード」に阻まれて書けずに他社にキャリアを移した色んなロマンス作家と彼女が大きく違うところは「今でもHQで書くのが大好きで、そのカテゴリーに守られた秘密の花園(爆)で大満足して執筆し続けている」という点である。
10年前と違い、現在の日本は二見書房、ソニーマガジンズ、扶桑社等から続々と毎月ロマンティック・ミステリ長編が翻訳され発行されている翻訳ロマンス飽食時代である。
だからこそ、HQ社の本だけに異国情緒ロマンス話を求めた時代なら通用したワンパタにもはや無理が生じる。読者の目が肥えてきているのだから当たり前だ。
・・・まぁ、そういう事です(これ以上は省略。笑)
しかし、あれだけベストセラーもののロマンス原書の未訳ストックを持っているランダムと提携して、なぜこのレベルの本を創刊1冊目に・・・ダイアナ・パーマーというネーム・バリューに「石橋を叩いて渡った」という印象もしないでもない(^^ゞ
賛否両論のこの1冊、よくも悪くも売れてるようなので、これなら2冊目のアデアは出るよね?(^^ゞ←アデアへの踏み台と割り切ったか?(爆)