ISBN:4270100591 文庫 香野 純 ランダムハウス講談社 ?819

ダイアナ・パーマーの新刊文庫、読了〜。
・・・ふっ、脱力の1冊よ。のっけから(笑)。

いや、別にことのさんが関西人だからツッコミし甲斐があるってワケではないのだと思うんだけどね、この本(^^;
薄いながらに、なかなかやりますな(意味不明)。

喘息が持病な若きバーナデットと、その隣人でスペイン貴族で牧場主のエドワルドのくりひろげる、ダイアナお得意のおバカ男とM属性ヒロインのお約束なお話でした・・・って、これじゃ説明にならんか(笑)。

今回のヒロインであるバーナデットさん、喘息持ちで病弱なのだが、なかなかに優秀。
財政管理から縫い物、あらゆる面に優秀なのだが・・・やはり、何かうわっすべりな印象なんだよね。
父親にあれだけ疎んじられているのに健気な、という感じで書きたかったのだろうけど、彼女のユーモアセンスには、ちょっと空廻り的なものを感じた(^^;
若くて純真無垢で、それでいて優秀な妻であり母親候補であり恋人であり・・・って、やっぱり古き良きアメリカ女性、万歳!!的なものを考えるあたり、ひねくれた読者なのよね、ことのさん(笑)。
いや、でもそそらないもん、こんな都合よく素晴らしいヒロインって(笑)。
父親に冷遇されていたとはいえ、それ以外は使用人にも愛されて温室で純粋培養されたような育ちの彼女の美点をあげられ続けるにつれ、余計に言葉だけが薄っぺらく浮遊している読書感を噛み締めることに(^^;;

そんな彼女の夫になるのが、隣人のスペイン伯爵のエドワルドだが・・・読めば読むほど、頭の中にクエスチョン・マークが踊るヒーローでした(笑)。
なんでこの人、アメリカくんだりまできて、何故に「伯爵」なんて爵位を名乗っているんでしょーか?!(^^;
実際、作品中、自ら「スペインに帰らないと意味はない」と言ってるのに・・・(^^;;
でもって、この人の台詞のあらゆるところに・・・その・・・これを書いていいのかしら(^^;;
国の歴史が浅い上、貴族や王族のいないアメリカに住むそこの作家が書きそうな夢みる夢子ちゃんなご都合な羅列が踊っておりました(爆)。
あれ、普通聞いて「なんだ、この男。つまりはどれだけ自分の父方の家系がスペインの重要な歴史に携わってきた由緒ある家柄なんだと延々と自慢してるのか?!」とツッコミしない人、いないのかしら・・・(爆)
んな、イザベラ女王の系譜の男が破産寸前って言われても、なんとも・・・どうすればいいんだかなぁ(笑)。

ってか、もう、彼に関してはおかしいだろっ!お前!って箇所は、誰も感想等で述べていらっしゃらない。何故に?!(笑)
だって、このヒーロー、いきなり第一章で喘息持ちのヒロインを気遣いながら、その直後にその病人の前で、本人に問いもせずに平気で葉巻を吸うバカ男ですよ?!
おまえーっ、言ってる事とやってる事が違うぞ、このアホ!!とかはじまって早速「エセ気遣い男」の称号ゲット(爆)。
この後も「言ってる事とやってる事が違う男」、「悪キャラの言葉にホイホイ騙される男」、「とりあえず下半身攻撃でヒロイン篭絡男」など・・・ははは。ここまで予想通りの展開、これがRPGならお宝箱ならぬ称号箱は満タン?(笑)
今まで2冊のヒーローと比べると、最初っからヒロインに大甘なのは○なんだろうけど・・・どうもなぁ。
ようするに自分のプライド大事で契約結婚を考えちゃうんでしょ?
あえてエドワルドを破産させてもらった方が、物語はドラマティックになったかも(爆)。
まぁ、かなり余り経営者としては有能でないエドワルド、かしこい嫁さんもらって破産はなかろうが(^^;;

ヒストリカル・ロマンス的には・・・うーん。好みかと言われると「No」かな。
何か物足りないんだよねぇ・・・だって、これ、別に「ヒストリカル」である必要性なんて全然ない話じゃないですか(笑)。
個人的には、悪役が拍子抜けだったのが惜しいです。特にばあさんにはもっと、タカビーに攻めてほしかった(爆)