ダーク・プリンスの永遠 イヴ&ローク番外編
2015年3月31日 新刊レビュー
この前のブロックマン新刊のレビューを書いた時に、ノーラ・ロバーツを引き合いに出してきましたが、その際にこれを読了していながら読書日記に反映していなかったことを思い出しました(笑)。
今年も既に三か月経過したのに、こんなカンジばかりです(^_^;)
今回は、三本の短編からなる短編集なのですが元々は別々のアンソロジー本に書き下ろされたものが、一冊にまとまって発行されて今回の翻訳版となりました。
ここ近年はアンソロジー収録の原書短編を電子書籍でバラ売りする事も珍しくなくなった分、こうやって翻訳版が出やすくなる短編集として再編集販売という機会が減っています。
ちょっと残念です。アンソロジー好き短編集好きとしては、ね。
ちなみに、このJ・D・ロブの三本のうち一本目は元となった原書を持っていたというオチが(笑)。
まだ今年に入ってから出たものなので、まずは読んでみてもらうべく、あらすじ等は華麗にスルー(おいコラ。笑)。
とにかく、作家に与えられたオムニバステーマがバラバラにもかかわらず、見事なまでにイヴ&ロークの世界観を使ってあっさりと読者に読ませているのが流石と言うか何というか。
今回の一本目なんて「え? ノーラのパラノーマル?!」と逃げ腰になった読者もいるであろうに(それは私か。爆)、それがイヴ&ロークの世界観を使っていい意味で斜め上に攻めてきた(笑)。
シルエットシリーズが作家デビューという彼女のキャリアはマイナスどころか全然プラスだと私は思うのです。
私の印象ですが、ハーレクインシリーズよりも、シルエットって実にテーマくくりのものが多かったんですよね。
特集を組んで、いろんな作家がいろんな切り口で中編を書き競っていました。
母親ヒロイン、父親ヒーロー、シークもの、牧場もの、お仕事もの、兄弟、姉妹あれやこれや。
よく、親しみを込めつつ「ノーラの長編は読んでいて既視感に囚われる。それはシルエット時代の作品をルーツに持つものが多いから」と言いますが、つまりはそこ。
与えられたテーマを自分なりに上手に書いただけでなく、そこから自分なりのテンプレートを作って作ってストックして…そして現在、それらを使って、新しい作品を次々に書き上げてしまう。
懐かしいような、でもとっても「今」に合った作品達を。
(実際、読んでもらえば分かりますがシルエット時代のノーラの短編って、同時収録されている他作家と比べるとコンパクトなのに「読ませる」作品が殆どだったんですよ。ちなみに私は「ノーラが書くとギリシア人金持ちヒーロー作品すらこうなるのか!」と驚愕したサマーシズラー91のギリシアものが大好き( *´艸`)←誰もそこまで聞いてない(爆)
ハーレクインやシルエット出身の作家って、他社に移って長編書き出すとやたらと小難しいテーマを選んだり、ハーレ時代を消したいが如くせっせこせっせこ 芸風 作風を変えようと模索しては自滅している作家が多い中、ノーラは上手にやりくりしているいいお手本のように思います。
流行り廃れがあるカテゴリーものすら、自分流に取り込んで武器にしているから。
で、今回の短編集ですが、個人的には最初の二本はイヤミス系のもやっと読後なのもあってか、三本目が群を抜いて「ああ、これは日本語で読めて良かった!」と何度も拝まずにはいられなかった。
イヴ&ロークの世界観を構築する主軸「近未来設定」を思う存分に使い、なおかつイヴの過酷な生い立ち、そして疑似家族をがっつり絡めた一本。
長編でも十分に書けるであろうこのプロットを、惜しみなく凝縮してオムニバスに書き下ろしたその男前さにうっとりですよ!
あのラストの余韻とか、全然短編レベルじゃない。マジ。
そういう意味で、息抜きのつもりで読んだら、最後の一本がとんでも素晴らしいクオリティで「ノーラにまんまとしてやられる一冊」ですよ、これ。
短編集だからいつでもいいか、とかまだ読んでない方はさっさと読むがいいですよ!!
まったく。今年も恒例のごとく、RITA賞にもノミネートされているし、ノーラって本当に高アベレージヒッターの化け物だわ…(えっと、ノーラのRITA賞ノミネートも、いい加減にメリル・ストリープのアカデミー賞ノミネートに近いものがあるのでそろそろお役御免にしていいと思うんですが…それでもノミネートされちゃう。やっぱり化け物←全力で褒めてます。爆)。
シリーズ長編の方も次巻の翻訳も楽しみにしております♪
今年も既に三か月経過したのに、こんなカンジばかりです(^_^;)
今回は、三本の短編からなる短編集なのですが元々は別々のアンソロジー本に書き下ろされたものが、一冊にまとまって発行されて今回の翻訳版となりました。
ここ近年はアンソロジー収録の原書短編を電子書籍でバラ売りする事も珍しくなくなった分、こうやって翻訳版が出やすくなる短編集として再編集販売という機会が減っています。
ちょっと残念です。アンソロジー好き短編集好きとしては、ね。
ちなみに、このJ・D・ロブの三本のうち一本目は元となった原書を持っていたというオチが(笑)。
まだ今年に入ってから出たものなので、まずは読んでみてもらうべく、あらすじ等は華麗にスルー(おいコラ。笑)。
とにかく、作家に与えられたオムニバステーマがバラバラにもかかわらず、見事なまでにイヴ&ロークの世界観を使ってあっさりと読者に読ませているのが流石と言うか何というか。
今回の一本目なんて「え? ノーラのパラノーマル?!」と逃げ腰になった読者もいるであろうに(それは私か。爆)、それがイヴ&ロークの世界観を使っていい意味で斜め上に攻めてきた(笑)。
シルエットシリーズが作家デビューという彼女のキャリアはマイナスどころか全然プラスだと私は思うのです。
私の印象ですが、ハーレクインシリーズよりも、シルエットって実にテーマくくりのものが多かったんですよね。
特集を組んで、いろんな作家がいろんな切り口で中編を書き競っていました。
母親ヒロイン、父親ヒーロー、シークもの、牧場もの、お仕事もの、兄弟、姉妹あれやこれや。
よく、親しみを込めつつ「ノーラの長編は読んでいて既視感に囚われる。それはシルエット時代の作品をルーツに持つものが多いから」と言いますが、つまりはそこ。
与えられたテーマを自分なりに上手に書いただけでなく、そこから自分なりのテンプレートを作って作ってストックして…そして現在、それらを使って、新しい作品を次々に書き上げてしまう。
懐かしいような、でもとっても「今」に合った作品達を。
(実際、読んでもらえば分かりますがシルエット時代のノーラの短編って、同時収録されている他作家と比べるとコンパクトなのに「読ませる」作品が殆どだったんですよ。ちなみに私は「ノーラが書くとギリシア人金持ちヒーロー作品すらこうなるのか!」と驚愕したサマーシズラー91のギリシアものが大好き( *´艸`)←誰もそこまで聞いてない(爆)
ハーレクインやシルエット出身の作家って、他社に移って長編書き出すとやたらと小難しいテーマを選んだり、ハーレ時代を消したいが如くせっせこせっせこ
流行り廃れがあるカテゴリーものすら、自分流に取り込んで武器にしているから。
で、今回の短編集ですが、個人的には最初の二本はイヤミス系のもやっと読後なのもあってか、三本目が群を抜いて「ああ、これは日本語で読めて良かった!」と何度も拝まずにはいられなかった。
イヴ&ロークの世界観を構築する主軸「近未来設定」を思う存分に使い、なおかつイヴの過酷な生い立ち、そして疑似家族をがっつり絡めた一本。
長編でも十分に書けるであろうこのプロットを、惜しみなく凝縮してオムニバスに書き下ろしたその男前さにうっとりですよ!
あのラストの余韻とか、全然短編レベルじゃない。マジ。
そういう意味で、息抜きのつもりで読んだら、最後の一本がとんでも素晴らしいクオリティで「ノーラにまんまとしてやられる一冊」ですよ、これ。
短編集だからいつでもいいか、とかまだ読んでない方はさっさと読むがいいですよ!!
まったく。今年も恒例のごとく、RITA賞にもノミネートされているし、ノーラって本当に高アベレージヒッターの化け物だわ…(えっと、ノーラのRITA賞ノミネートも、いい加減にメリル・ストリープのアカデミー賞ノミネートに近いものがあるのでそろそろお役御免にしていいと思うんですが…それでもノミネートされちゃう。やっぱり化け物←全力で褒めてます。爆)。
シリーズ長編の方も次巻の翻訳も楽しみにしております♪
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