本物のキスは罪深く甘く (ラズベリーブックス)
2014年11月18日 新刊レビュー
めっきり寒くなりましたね。
そろそろ、いろんな意味でお尻に火がついている今日この頃です。ことのです(笑えないぞ)。
絶賛開催中の12周年イベントにて、皆様に「今年の翻訳ロマンスどれが良かった?」とか聞いておきながら、聞いた当人が「これ、今年の本だったのか…( ゚Д゚)」と、本棚前でいろいろ途方に暮れています(猛省しろ)。
すっかり時間の流れが分からなくてさー |:3ミ
そんなこんなで、全部は諦めているが幾つか今年発売で既読、しかし日記に反映していなかった本を取り上げるべく。
本日は、既に日本ではライムブックス、扶桑社ロマンス等から翻訳されているキャロライン・リンデンのラズベリーブックスでの初の一冊であるこちら。
お気に入りで、何回も読んでいるのになぜかここに登場しなかった(笑)。
とにかく、久々に新刊帯できゅんきゅん萌え死ぬかと思った一冊でもあります。
「ぼくは無礼な女の子が好きなんだ」
正直、RITA賞ファイナリスト作品とかいかにもー、な宣伝文書かれるよりも、よっぽどこのヒーローであるトリスタンの台詞のが破壊力がありました(当社比。笑)
そして、その帯文句が実に的を得ていて、読みながらきゅんきゅんニヤニヤし続けましたよ!
ヒロインである准男爵令嬢ジョーンは世間からはいきおくれと言われてしまう年齢となってしまっていた。
本人は、最新流行のドレスをまとっても、背が高すぎるし、美しくもないとやや諦めムードで日々を過ごしている。
ひょんなことから、彼女は結婚適齢期の兄ダグラスにどうにか縁談を、と目論む母から舞踏会に出席するという約束を取り付けるよう頼まれる。一向に結婚しそうにない兄をせっつけというのだ。
普段ならそんな事は面倒極まりないが、その帰り道に、密かに話題になっている『罪深い五十の道』という本を頼み事のどさくさに紛れて(笑)買うのが目的で、兄の家に出かける事に。
ところが、そこで彼女を出迎えたのは兄の親友であるバーク子爵トリスタンだった。久しぶりに再会した彼は前よりもたくましくハンサムに見えたが、その後の舞踏会で彼は流行のひだの多いドレス姿のジョーンをけなしたのだった。
腹を立てながらも、ダンスを踊ったふたりはなぜかキスをしてしまうのだが…というお話。
とにかく、この話はヒロインのジョーンありき。
竹を割ったようなちゃきちゃき娘な彼女の、トリスタンとの、そして兄ダグラスとの丁々発止が楽しくて冒頭から笑いまくりでした。
そんな彼女を、厄介の元だ、災難だ、と口で言いながらもメロメロになっていくヒーローのトリスタンがですね…また一捻り二捻りのキャラクター造形で、ちょっと何これいいじゃない?!と。
問題児や放蕩者になるまでの過程というものに「愛を知らない生い立ち」とか「女にひどい目にあわされた」とかいう原因は掃いて捨てる程あるが、このトリスタンの場合は原因よりも、その後の彼の言動の理屈が何とも目から鱗。
これは読んでもらうのがいいかと思うので、ここでは書きませんが「ああ、そうなのか。そこから今のキミになったのか」と切なくなりながら読みました。
そして、それを聞いて読んでる私と同じ反応をし、同じように包み込むような優しさと変わらなさで対応するのがジョーンでした。
年下の彼女が、自分より年上のトリスタンの少年時代を思い、彼のその破天荒な行いに隠された繊細さに切なくなって、母性あふれる対応をするのです。
そのギャップに、それはトリスタンでなくてもどっきゅーん!!ですよ。
しかし、伊達男で放蕩者という設定にも関わらず、トリスタンの失言っぷりも実は笑えるんですけど(笑)。
まぁ、それだけジョーンに対しては自分をさらけ出しているとはいえ、若き未婚の女性に向かって「開きかけの傘みたいだ」だの「こめかみにぶら下がっているブドウ」だの…どんだけフリーダムなんだ(笑)。
相手がジョーンだから、まぁ、倍返しされてもおかしくないというものなので作者もノリノリで書いているのがありありと(笑)。
コミカルな部分が目立つかもしれませんが、この話、古き良き時代の幼馴染もの的なところもロマンスとしてしっかり押さえていて実に良く出来ています。
何よりも、特に大きな事件などもないにも関わらず、全然ラストまで読者を飽きさせない。これは重要。
このキャロライン・リンデン、昔、他社から出ていた時には大して刺さるものもなく、するーっと読んだ記憶がおぼろげにある作家でした。
それが、久しぶりに、しかも初めての出版社から翻訳されるというので何気なく買ったら大当たり。
思えばあの頃は、沢山の翻訳ロマンス文庫がバブル期さながらに毎月発売されていて「早く沢山読む事」に忙殺されて読み込めていなかった部分もあったのではなかろうか?
そんな風にちょっと考えさせられました。
脱落した他の作家や他の既刊も、またゆるゆると読むべきかもしれないなぁ…と(^_^;)
可愛くて、そして楽しくて、何より真っ向勝負のイチャラブっぷり、超お気に入り♪
勿論、蔵書確定の一冊!
あとね、「 今年の的を得ていた新刊帯で賞 」(勝手に作成。笑)を是非とも差し上げたいですよ、出版社さん!!(爆)
で、これってシリーズなんですね?
ワタクシ、ひっそり続編翻訳をお待ちしたい所存なので、皆さんよろしく > え?(笑)
そろそろ、いろんな意味でお尻に火がついている今日この頃です。ことのです(笑えないぞ)。
絶賛開催中の12周年イベントにて、皆様に「今年の翻訳ロマンスどれが良かった?」とか聞いておきながら、聞いた当人が「これ、今年の本だったのか…( ゚Д゚)」と、本棚前でいろいろ途方に暮れています(猛省しろ)。
すっかり時間の流れが分からなくてさー |:3ミ
そんなこんなで、全部は諦めているが幾つか今年発売で既読、しかし日記に反映していなかった本を取り上げるべく。
本日は、既に日本ではライムブックス、扶桑社ロマンス等から翻訳されているキャロライン・リンデンのラズベリーブックスでの初の一冊であるこちら。
お気に入りで、何回も読んでいるのになぜかここに登場しなかった(笑)。
とにかく、久々に新刊帯できゅんきゅん萌え死ぬかと思った一冊でもあります。
「ぼくは無礼な女の子が好きなんだ」
正直、RITA賞ファイナリスト作品とかいかにもー、な宣伝文書かれるよりも、よっぽどこのヒーローであるトリスタンの台詞のが破壊力がありました(当社比。笑)
そして、その帯文句が実に的を得ていて、読みながらきゅんきゅんニヤニヤし続けましたよ!
ヒロインである准男爵令嬢ジョーンは世間からはいきおくれと言われてしまう年齢となってしまっていた。
本人は、最新流行のドレスをまとっても、背が高すぎるし、美しくもないとやや諦めムードで日々を過ごしている。
ひょんなことから、彼女は結婚適齢期の兄ダグラスにどうにか縁談を、と目論む母から舞踏会に出席するという約束を取り付けるよう頼まれる。一向に結婚しそうにない兄をせっつけというのだ。
普段ならそんな事は面倒極まりないが、その帰り道に、密かに話題になっている『罪深い五十の道』という本を頼み事のどさくさに紛れて(笑)買うのが目的で、兄の家に出かける事に。
ところが、そこで彼女を出迎えたのは兄の親友であるバーク子爵トリスタンだった。久しぶりに再会した彼は前よりもたくましくハンサムに見えたが、その後の舞踏会で彼は流行のひだの多いドレス姿のジョーンをけなしたのだった。
腹を立てながらも、ダンスを踊ったふたりはなぜかキスをしてしまうのだが…というお話。
とにかく、この話はヒロインのジョーンありき。
竹を割ったようなちゃきちゃき娘な彼女の、トリスタンとの、そして兄ダグラスとの丁々発止が楽しくて冒頭から笑いまくりでした。
そんな彼女を、厄介の元だ、災難だ、と口で言いながらもメロメロになっていくヒーローのトリスタンがですね…また一捻り二捻りのキャラクター造形で、ちょっと何これいいじゃない?!と。
問題児や放蕩者になるまでの過程というものに「愛を知らない生い立ち」とか「女にひどい目にあわされた」とかいう原因は掃いて捨てる程あるが、このトリスタンの場合は原因よりも、その後の彼の言動の理屈が何とも目から鱗。
これは読んでもらうのがいいかと思うので、ここでは書きませんが「ああ、そうなのか。そこから今のキミになったのか」と切なくなりながら読みました。
そして、それを聞いて読んでる私と同じ反応をし、同じように包み込むような優しさと変わらなさで対応するのがジョーンでした。
年下の彼女が、自分より年上のトリスタンの少年時代を思い、彼のその破天荒な行いに隠された繊細さに切なくなって、母性あふれる対応をするのです。
そのギャップに、それはトリスタンでなくてもどっきゅーん!!ですよ。
しかし、伊達男で放蕩者という設定にも関わらず、トリスタンの失言っぷりも実は笑えるんですけど(笑)。
まぁ、それだけジョーンに対しては自分をさらけ出しているとはいえ、若き未婚の女性に向かって「開きかけの傘みたいだ」だの「こめかみにぶら下がっているブドウ」だの…どんだけフリーダムなんだ(笑)。
相手がジョーンだから、まぁ、倍返しされてもおかしくないというものなので作者もノリノリで書いているのがありありと(笑)。
コミカルな部分が目立つかもしれませんが、この話、古き良き時代の幼馴染もの的なところもロマンスとしてしっかり押さえていて実に良く出来ています。
何よりも、特に大きな事件などもないにも関わらず、全然ラストまで読者を飽きさせない。これは重要。
このキャロライン・リンデン、昔、他社から出ていた時には大して刺さるものもなく、するーっと読んだ記憶がおぼろげにある作家でした。
それが、久しぶりに、しかも初めての出版社から翻訳されるというので何気なく買ったら大当たり。
思えばあの頃は、沢山の翻訳ロマンス文庫がバブル期さながらに毎月発売されていて「早く沢山読む事」に忙殺されて読み込めていなかった部分もあったのではなかろうか?
そんな風にちょっと考えさせられました。
脱落した他の作家や他の既刊も、またゆるゆると読むべきかもしれないなぁ…と(^_^;)
可愛くて、そして楽しくて、何より真っ向勝負のイチャラブっぷり、超お気に入り♪
勿論、蔵書確定の一冊!
あとね、「 今年の的を得ていた新刊帯で賞 」(勝手に作成。笑)を是非とも差し上げたいですよ、出版社さん!!(爆)
で、これってシリーズなんですね?
ワタクシ、ひっそり続編翻訳をお待ちしたい所存なので、皆さんよろしく > え?(笑)
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