電子書籍のみの配信となっておりますティファニー・ライスの新刊、読了。
読めない環境の方もいらっしゃるかと思いますが、これは書かずにはいられませんでした。

何だよ、このステキ寸止めエロティカは!!(握りコブシ)

いや、ねぇ、ホントにエロティカだというだけでこれをスルーってのは残念よ?!
いつも、とんでもない劇薬且つ中毒性高い作品を我々読者に届けてくれるティファニー・ライスだが、今回も予想斜め上すぎて、配信日当日深夜に感涙に咽んだわ私!!
しかもね、この作品のキーマンとなるのがあの(あの、よ)キングズリー・エッジなのよ!
そんでもって、私の愛する「あの人」が名前も姿も出てこないのに、そこに、重要なところにいるんだわ(読んでもらえば分かります)。

妙齢の親友同士の男性3人が、酒の場での戯言といった会話をきっかけにして話は展開します。
主人公は、デレクというバツイチ男性。
離婚のいきさつとか、現在の彼女との行き詰った関係とか詳細はないのに実に上手い書き方で、彼の人と成りを描き出すのは流石です。
デレクが出会った、「マーメイド」の話を語りだしてからのあの独特の雰囲気と物語全体を覆う、人間の業のようなものが相まって…実にいい意味で息苦しい。
早く続きを読まないと溺れるよ!ってぐらいに。

デレクとジーニアの、なんとも不器用でピュアなのに、ひりつくほどにエロティックなムードに溢れたやりとりにすっかり夢中になりました。
いや、エロティカとかいう皮を被ってて、こんだけきゅんきゅんさせるんだもんっ!
ラストがどうなるのか、童話『人魚姫』のラストのように悲恋で終わるのか、エッジが構築したエロスとファンタジーの世界と現実の世界は折り合えるのか、とかあのボリュームでこんなにドキドキ出来たのは驚くべきことです。

ここからは読んでみて下さい。
これだけ話題のライスの作品、しかもスピンオフ短編ともなれば、文庫版オムニバスにいずれ収録もされるかもしれません。
電子書籍ユーザーでない方で、その時にもし、私のこの日記のことを覚えていて下さったら手にとってみて下さい。
決して期待を裏切らない、大人のおとぎ話がそこにありますから。

とりあえず、あのデレクの寸止め祭りだけで、ご飯三杯はいけますよ私!!!! > 落ち着け(爆)

コメント