既に昨年の本になっちゃったけど、これ、まだ発売されて三ヶ月ほどの本なんだよね…。
なのにっ、全く評判を聞かない!
何故だっ。

こんなに面白いのに! 久々にRITA賞受賞作家を見直したのに!(爆)

というワケで、時期ははずしたがこの作家の他の作品翻訳につなげるべく、日記に足跡を残すとしたワケです(笑)

もうね、こんな本ってなかなかないよ…ここまで ワンコが全てを超越する作品 って(爆)。
翻訳タイトルを見た時は「何だコリャ」と思いましたが、本編を読むとまさにそのまんま(笑)。
田舎の大地主の娘ソニアさんが、兄の結婚と父の再婚を機に、しぶしぶ祖母の住むロンドンにやってくることに。
そのお供となったのが、彼女の愛犬フィッツくん(オス)。
このフィッツくんの奮闘と、ソニアさんの天真爛漫ながらブレない気質を縦軸に、フィッツくんが引っ掛けてくる(?)ウェアボーン伯爵ダリウスのこんがらがってしまった私生活を横軸にしてのロマンス話なんですが…ひゃーっはっはっは!
この話の凝ったところは、必ず各章の最後はフィッツのモノローグ一行があって、次の章の冒頭はそれからつながるエピソードから始まっているというものでした(笑)。
まるで人間のように人生ならぬ犬生を送るフィッツが、最愛の飼い主ソニアさんにイケてる婿を!!と奮闘する様と、犬はやっぱり犬といったところのギャップが傑作で、ワンコスキーなら確実にこれはハマる(笑)。
犬が哲学や芸術を語るのも滑稽なんだが、動物たちとの横のつながりや知恵の交換具合など、がんじがらめの社交界で足掻く人間たちより彼らの方がよっぽど生産的且つ合理的だったりするのがブラックウィットで素晴らしいよ(笑)。

あ、でもワンコのフィッツばかりを褒めていますが、これってばロマンスとしてもとってもきゅんきゅんなのよ!
兄の急死により残された3人の姪の面倒を見ることになった陸軍少佐のダリウスと、窮屈な都会にやってきたソニアとの不器用で一途でピュアピュアなロマンスっぷりったら!
破廉恥ものばかり読んでる人は、この話でダリウスが初めてソニアにあげた贈り物とかで涙ぐみつつ心を洗うといいよ!(笑)
特にダリウスが社交界から嫌われる理由となった事件、その後も続く不審事件とかは読者には黒幕バレバレなんだけど、それでもその執拗さと、そんな事情に巻き込みたくないからって泣く泣くソニアにつれなくしちゃったりするところとかっ!
もうもうもうっっ!!(バシバシバシッ > 机を叩かずにはいられない)

そんなこんなで、ワンコ充で、きゅんきゅんで、ハートウォーミングで、悪役は典型的悪役で因果応報、最後には微笑ましいエンディングで(子犬の件は吹いたけど。ソニアさん天然すぎ。笑)。
この300ページ程度に、ほっこりしたり、大笑いしたり、ドキドキしたりと全てが詰められていて、そして何より無理がない!
このボリュームで尻切れトンボでもなくって、いろんな要素を詰め込んで、とってもいいカンジに読者に最後まで読ませてくれたのは凄いことですよ?!
というワケでお気に入り決定です。
ああ、ワンコ最高!! > 結局はそこなのね(笑)

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