リプリント文庫化なので、今更の読書日記は書きません(笑)。
が、ローレンス読者としては販促の足しにでも…という文章が私に書けるワケがないので(爆)、つれづれとコラムっぽいものを書いてみる(笑)。


この本、あらすじだけ見たらよくある「後見人である放蕩者ヒーローと被後見人の美人ヒロインのリージェンシー」という設定なので店頭でスルーされそうなのですが(笑)。
そこで読まないのは勿体ない!
何故なら、ローレンス作品というのは皮肉なハナシなんですが、あれだけラブシーンが一旦開始されると延々続くのに、そんな時でも規律があるという点が昨今のリージェンシーロマンスと一線を隔しているからなのです。
我々ロマンス読者にとって、リージェンシーロマンスの古典といえば勿論ジェーン・オースティン。
あそこで書かれている堅苦しい、もどかしいまでの社交界のルールたるものが物語の重要な部分を担っているのは周知の事実ですが、そこをしらっと書いて尚且ついかにも現代作家が書いたなぁ、と笑わせてくれるのがローレンス作品だと私は思っています。
この話の中で、馬車の中での不埒な場面(笑)がありますが、他作家の作品でもよくあるのですが…ここ重要。
2人っきりではないのですよ、ええ!
「未婚女性がたとえ後見人であろうが男性と2人きりなど許されません」というのを見事なまでに逆手にとって、まぁ、よくもいけしゃーしゃーとああいう展開を書けるのか…はっはっは!
笑ったよマジ!!
こんな風に、ブラックユーモアともとれるぐらい、本当にちょっとしたところが基本に忠実。
後見人であるヒーローがヒロインと踊る際も、段階を踏んで主催者に許可を求めにいく場面とか、ありそうでなかなか見ないでしょ?
「分かるだろ? 行間から読んでくれよ」とかいうのは、作品数をこなした読者を前提としているところが否めません。
初心者読者が読んでも、違和感なく書いてあるから呑み込める描写ってのもある程度は必要と思います。
応用は基本が出来ていてこそ。


実際、ここでは4人姉妹全てのロマンスの始まりとオチまで書いていますが、全員が結婚の約束にこぎつけるまで相手男性との最終的な関係は結んでいません。
それじゃあ、何をこのページ数かけて書いているんだ?ということですが、まさにタイトルそのままなのです。
勝気で奔放(ここでは性的な意味でなく自由奔放な性格や気質)なヒロイン達がヒーローを誘惑するに至っての知恵比べ、放蕩者たちが奔放に誘惑を仕掛けるもヒロイン達に返り討ちにあって年貢を納めるまでの紆余曲折あれこれを(爆)。
クライマックスの騒動の場面の3人のお嬢さん達の大活躍には、もう、吹き出さずにはいられませんでした…男性諸君の受難がまた(笑)


流行のホットでエロなリージェンシーに食傷気味の方、テンポのいいコミカルでキュートなリージェンシーを読みたい方向けだな。
何より、4姉妹の相手が全員放蕩者だったにも関わらず、全部違ったパターンの恋愛模様が描かれていて、1冊で4倍美味しいです(笑)。
とりあえずは、無垢で天然ちゃんが一番タチが悪いというのが…次男、いろいろ頑張れよ!(爆)

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