隣人は二度、恋をする (ヴィレッジブックス)
2013年9月3日 新刊レビュー
ロリさんの久し振りの短編集ですね。
いやはや、前回ヴィジテーション翻訳版のあとがきで、ヴィジテーション(厳密に言うならウィンストン家か?)・シリーズとSBCシリーズがリンクしたという話題に触れていたので「いずれは翻訳を…」と思っていましたが、予想したより早かった(笑)。
そんなこんなで「従弟が何人いるんですか?!」な、ロリさん読者にはお馴染みのウィンストン家の双子のお話を中心の短編集となりました。
表題作となった「隣人は二度、恋をする」はウィンストンの双子兄デクスターくんのお話。
やんちゃな双子弟ハートくんに、期間限定のとりかえばや話を頼まれて嫌々と弟宅に住む羽目に。
ここでハートが自分の不在を知られたくない理由というのが、SBCのトレーニングキャンプに参加するから、というもの。
どうせ越してきてそんなにたってない家だから大丈夫~♪と、いろいろ兄に丸投げしてキャンプに出かけたハートくん(笑)。
まさか留守番がてら、新作執筆に勤しむ(職業・作家)だけの筈だったデクスターは、ハートの隣人クリスティンにメロリンドキュ~ンと惚れ込む事になるなんて思わず…というものですが、よくある話といえばそんな気もします。
が、そういうのは大抵、ヒーローがイケイケドンドンなんですが、この話のキモは外見だけなら全然見分けがつかない双子弟にかつてヒロインがモーションをかけてガン無視されたという設定(笑)。
そう、だから兄ちゃんが誘いかけると怪訝な顔をされる、という残念なジレンマが発生、そこが笑いをそそるという仕組みに(笑)。
いや、上手いんだわロリさん!
酔った勢いでお気に入りの小説(実はデクスターの作品)のエロい告白台詞を電話で囁く作戦を敢行したヒロイン、そのかけた電話先はヒロインは知らないが弟の方、弟の方はニヤニヤしながら兄にそれを再現朗読するという羞恥プレイを、とか笑ったわー!!
でも、双子にとって最重要項目ともいえる「ネタばらししなくても、双子の見分けがつく」を軽々とクリアするのがロマンスよねー。
兄弟の話を比べると、こっちのがきゅんきゅん系だな。
何よりヒーローであるデクスターが乙女系思考の持ち主だから(笑)。
そしてハート編「ワイルドハート」では、兄編にずっと名前だけが登場した女性リサとハートの話が展開します。
いやはや、何度も何度もハートが関係を持ったであろうリサが連絡をしてくる=もしかしておめでた?!と考えるのは読者だけでなく、ハート自身もそうだった模様(爆)。
実は全然斜め上な事情からだったのですが。
ここらへん、すっかり作者に踊らされた感が否めないあたり流石っす!(笑)
自由奔放の画家兼格闘家のハートに、しっかり者の歯医者さんであるリサという落差カップルですが、これがまた純情で不器用な…(笑)。
勿論、ここでも「双子の見分け」ネタはやってきますが、リサには鼻であしらわれる始末(笑)
しかし、これらの双子入れ替わり劇も従兄のジョー・ウィンストンにはお見通しで、しっかりちゃっかりクギを刺しに来たり、事態収拾に参上するのは流石ジョーです(笑)。
一番美味しいところを持っていったというハナシも(爆)
ジョーはこの表題作の中でデクスターに「うんと年上の従兄」と評され、ハート編「ワイルドハート」では「40代半ばぐらい」とヒロインに評されています。
ここで、ジョーが主役の『さざ波に寄せた願い』を比較対象にもってくるとします。
あの作品の時点でジョー・ウィンストンは36歳です(本編参考)。
そして、ここの短編では40代半ばと書かれていますから、ほぼ10年程がたったと推察。
今回の短編の主役であるデクスターとハートは26歳(こちらも本編参考)。
つまり、あのジョーがメインの話の時点では今回の主役くん達はまだティーンネイジャー(高校生)だったと逆算出来ます。
そりゃあ、20歳ほどもはなれていたら「うんと年上」と言うでしょうな!!
で、もう1本SBCシリーズ関連の短編が「雨の日の贈り物」なのですが…ぎゃーっ!!
きゅん死!きゅん死するよーーーーっっ!!
純愛すぎて悶えるわ!!
4本の中で、ぶっちぎり乙女系ヒーロー1位はこのゲイリーですよ!!(にぎりコブシ)
2つのシリーズに関連の全くない短編「月の夜、プールで」は、まぁ、参考程度に読むとして(いや、実際ここまで周囲を関連もので固められて一番立ち位置が気の毒とも言えるわ、この話…。汗)、シリーズを時系列順に並べるとこうなる?
ウィンストン家、ヴィジテーション・シリーズ、SBCシリーズ 時系列一覧
・黒き髪の誘惑者たち
・流浪のヴィーナス
・さざ波に寄せた願い
・愛のオークション(ハーレクイン社)
・聖者の夜は謎めいて
・夜の彼方につづく道
・野性の夜に扉をあけて
・ホームタウンに恋をして
「隣人は二度、恋をする」
「雨の日の贈り物」
「ワイルドハート」(三本全て今回の短編集)
・出会いはハーモニーにのせて
・はじまりは夜明けのキャンビンで
これでいいかな?
翻訳刊行順だと、ウィンストン家シリーズは時系列からネタばれするのでこちらでよろしく。
あと『愛のオークション』のヒロインの姉が『聖者~』のヒロインですので要チェキで!
短編の順番ですが、SBCシリーズでディーンこと「ハヴォック」がジムを開設するのは『ホームタウン~』終了後、そしてサイモンこと「サブライム」が引退しトレーナーをしていた状況から一転、現役復帰するのが『出会い~』。
つまり、短編の中でハヴォックはトレーナーに転向済み、そのジムにサイモンは来ているけど現役復帰はしていないので、上記のような逆算をした次第です。
しかし、こうやってみてもロリさんが細かいところまで自分の作品世界を構築しているのが分かるなぁ…。
スピンオフって読者にとっても楽しみなんだけど、ちょっとした設定破綻や食い違いがあると超しらけてしまうんですよ結構。
「あ、この作品は作者にとって設定とかうろ覚え程度のものなんだ。過去の遺産のおまけでちょっと美味しい小銭持ってくか」ぐらいな、とか好きだからこそ容赦ないですよ、読者は(私みたいな重箱のスミつっつく読者は特に。笑)。
つまり諸刃の剣。
ロリさんに関しては、何か、そんなガッカリ感が余りないせいか、その安定感ゆえに「どんどん書いちゃって♪」とか思います!
次の翻訳は…ヴィジテーションかな。
勿論、早く不思議なジェイミーまでたどり着いてほしいけど、その前にハーレクインの長編シリーズ4冊目の翻訳をお願いしたい!!
会社が違うから、何なら同時発売でもよろしくってよホホホ(上からことの。爆)
いやはや、前回ヴィジテーション翻訳版のあとがきで、ヴィジテーション(厳密に言うならウィンストン家か?)・シリーズとSBCシリーズがリンクしたという話題に触れていたので「いずれは翻訳を…」と思っていましたが、予想したより早かった(笑)。
そんなこんなで「従弟が何人いるんですか?!」な、ロリさん読者にはお馴染みのウィンストン家の双子のお話を中心の短編集となりました。
表題作となった「隣人は二度、恋をする」はウィンストンの双子兄デクスターくんのお話。
やんちゃな双子弟ハートくんに、期間限定のとりかえばや話を頼まれて嫌々と弟宅に住む羽目に。
ここでハートが自分の不在を知られたくない理由というのが、SBCのトレーニングキャンプに参加するから、というもの。
どうせ越してきてそんなにたってない家だから大丈夫~♪と、いろいろ兄に丸投げしてキャンプに出かけたハートくん(笑)。
まさか留守番がてら、新作執筆に勤しむ(職業・作家)だけの筈だったデクスターは、ハートの隣人クリスティンにメロリンドキュ~ンと惚れ込む事になるなんて思わず…というものですが、よくある話といえばそんな気もします。
が、そういうのは大抵、ヒーローがイケイケドンドンなんですが、この話のキモは外見だけなら全然見分けがつかない双子弟にかつてヒロインがモーションをかけてガン無視されたという設定(笑)。
そう、だから兄ちゃんが誘いかけると怪訝な顔をされる、という残念なジレンマが発生、そこが笑いをそそるという仕組みに(笑)。
いや、上手いんだわロリさん!
酔った勢いでお気に入りの小説(実はデクスターの作品)のエロい告白台詞を電話で囁く作戦を敢行したヒロイン、そのかけた電話先はヒロインは知らないが弟の方、弟の方はニヤニヤしながら兄にそれを再現朗読するという羞恥プレイを、とか笑ったわー!!
でも、双子にとって最重要項目ともいえる「ネタばらししなくても、双子の見分けがつく」を軽々とクリアするのがロマンスよねー。
兄弟の話を比べると、こっちのがきゅんきゅん系だな。
何よりヒーローであるデクスターが乙女系思考の持ち主だから(笑)。
そしてハート編「ワイルドハート」では、兄編にずっと名前だけが登場した女性リサとハートの話が展開します。
いやはや、何度も何度もハートが関係を持ったであろうリサが連絡をしてくる=もしかしておめでた?!と考えるのは読者だけでなく、ハート自身もそうだった模様(爆)。
実は全然斜め上な事情からだったのですが。
ここらへん、すっかり作者に踊らされた感が否めないあたり流石っす!(笑)
自由奔放の画家兼格闘家のハートに、しっかり者の歯医者さんであるリサという落差カップルですが、これがまた純情で不器用な…(笑)。
勿論、ここでも「双子の見分け」ネタはやってきますが、リサには鼻であしらわれる始末(笑)
しかし、これらの双子入れ替わり劇も従兄のジョー・ウィンストンにはお見通しで、しっかりちゃっかりクギを刺しに来たり、事態収拾に参上するのは流石ジョーです(笑)。
一番美味しいところを持っていったというハナシも(爆)
ジョーはこの表題作の中でデクスターに「うんと年上の従兄」と評され、ハート編「ワイルドハート」では「40代半ばぐらい」とヒロインに評されています。
ここで、ジョーが主役の『さざ波に寄せた願い』を比較対象にもってくるとします。
あの作品の時点でジョー・ウィンストンは36歳です(本編参考)。
そして、ここの短編では40代半ばと書かれていますから、ほぼ10年程がたったと推察。
今回の短編の主役であるデクスターとハートは26歳(こちらも本編参考)。
つまり、あのジョーがメインの話の時点では今回の主役くん達はまだティーンネイジャー(高校生)だったと逆算出来ます。
そりゃあ、20歳ほどもはなれていたら「うんと年上」と言うでしょうな!!
で、もう1本SBCシリーズ関連の短編が「雨の日の贈り物」なのですが…ぎゃーっ!!
きゅん死!きゅん死するよーーーーっっ!!
純愛すぎて悶えるわ!!
4本の中で、ぶっちぎり乙女系ヒーロー1位はこのゲイリーですよ!!(にぎりコブシ)
2つのシリーズに関連の全くない短編「月の夜、プールで」は、まぁ、参考程度に読むとして(いや、実際ここまで周囲を関連もので固められて一番立ち位置が気の毒とも言えるわ、この話…。汗)、シリーズを時系列順に並べるとこうなる?
ウィンストン家、ヴィジテーション・シリーズ、SBCシリーズ 時系列一覧
・黒き髪の誘惑者たち
・流浪のヴィーナス
・さざ波に寄せた願い
・愛のオークション(ハーレクイン社)
・聖者の夜は謎めいて
・夜の彼方につづく道
・野性の夜に扉をあけて
・ホームタウンに恋をして
「隣人は二度、恋をする」
「雨の日の贈り物」
「ワイルドハート」(三本全て今回の短編集)
・出会いはハーモニーにのせて
・はじまりは夜明けのキャンビンで
これでいいかな?
翻訳刊行順だと、ウィンストン家シリーズは時系列からネタばれするのでこちらでよろしく。
あと『愛のオークション』のヒロインの姉が『聖者~』のヒロインですので要チェキで!
短編の順番ですが、SBCシリーズでディーンこと「ハヴォック」がジムを開設するのは『ホームタウン~』終了後、そしてサイモンこと「サブライム」が引退しトレーナーをしていた状況から一転、現役復帰するのが『出会い~』。
つまり、短編の中でハヴォックはトレーナーに転向済み、そのジムにサイモンは来ているけど現役復帰はしていないので、上記のような逆算をした次第です。
しかし、こうやってみてもロリさんが細かいところまで自分の作品世界を構築しているのが分かるなぁ…。
スピンオフって読者にとっても楽しみなんだけど、ちょっとした設定破綻や食い違いがあると超しらけてしまうんですよ結構。
「あ、この作品は作者にとって設定とかうろ覚え程度のものなんだ。過去の遺産のおまけでちょっと美味しい小銭持ってくか」ぐらいな、とか好きだからこそ容赦ないですよ、読者は(私みたいな重箱のスミつっつく読者は特に。笑)。
つまり諸刃の剣。
ロリさんに関しては、何か、そんなガッカリ感が余りないせいか、その安定感ゆえに「どんどん書いちゃって♪」とか思います!
次の翻訳は…ヴィジテーションかな。
勿論、早く不思議なジェイミーまでたどり着いてほしいけど、その前にハーレクインの長編シリーズ4冊目の翻訳をお願いしたい!!
会社が違うから、何なら同時発売でもよろしくってよホホホ(上からことの。爆)
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