ノーラ・ロバーツのイン・ブーンズボロ・シリーズ最終話。
ツンデレは最後までブレず!(爆)

主役は既にこの2人、出来上がっている感が否めないモンゴメリー兄弟の長男ライダーと、イン・ブーンズボロ支配人のホープ。
ノーラのトリロジーものというのは、最終巻に謎解きとか、シリーズを通してサブテーマとなってきたものの回収とかもあるせいか、ロマンス的には割にあっさりしたものが多い事がある。
この話も、そういう意味では幽霊のリジーの「待ち人」探しに決着をつけるのにページ数を割く事はあらかじめ分かっているし、既刊2冊でツンツンツンツンと、本当に好きな女の子に対し素直になれない男の子丸出しの言動をホープに対ししつくしたライダーの時点で「あとは年貢を納めるところか」と読者も思ってしまったフシが(笑)。
いや、そこはノーラなので、単にそこに持っていかずにイケ好かないホープの元カレを登場させたりして、やり方が上手いんですがね。
しかし…久し振りに見たな。
あんなコテコテのステレオタイプ悪役男とその妻っての(逆に感動した。爆)
でもって、それをやりこめるライダーがスマートすぎて、ちょっと萌えたわ…ガテン系ヒーローのその頭の回転の早さを描かせるのはノーラにお任せよ?!
恋に徐々に落ちる、というよりは、一目惚れをツンデレヒーローがどのタイミングで観念して認めるか、といった趣のこの作品とも。
ホープのあの完璧さは…一歩間違えば可愛げないヒロインになりかねないギリギリのところです。
ノーラ作品の、お嬢様キャラの典型的ともいえるのですがね。
ライダーの相棒でもあるワンコへの対応とか「出来すぎ」とも取られかねないギリギリのところまで描いたな、と。
ま、だからこそあのライダーの相手が務まったとも言えるんですがね。
だって、あのラストのプロポーズの場面の、ライダーのブレないツンさに動じないだけで拍手だわ(笑)。
もっとも、ライダーに言わせるとホープもツンデレだった事が判明 > え?そうだったの?!(爆)

でもって、やはりノーラ作品は、脇役やら家族の皆さんのあれこれを楽しむというお約束は鉄板なワケで、今回は最終巻だけあって最高でしたな。
私が一番ツボだったのは、2巻主役の2人がワンコを飼うっていうので2匹引き取ってきたのに、そのうちブサイクなおちびさんの方が、2巻ヒロインの父ちゃんと恋に落ちた場面(笑)。
お父ちゃん、メロメロですぜちびワンコに(笑)。
1巻主役の2人の間に赤ちゃんが出来ました~!という展開が、何と双子だった事が判明したあとのあれこれもウヒヒでしたが、赤ん坊のベッドにレースとリボン、と聞かされた時の三兄弟の反応が秀逸すぎて大ウケしました(^^ゞ
このトリロジーの男の子祭りっぷりは半端なくって、そこだけでも楽しめるクオリティですよ!!
モンゴメリー三兄弟たちに、末っ子ベックの奥さんクレアの連れ子三兄弟たち、そこにワンコ達が絡んでわきゃきゃきゃ状態(そして、それを放水攻撃で鎮圧するママン・ジャスティンったらマジ最強。爆)

そんなこんなで、幽霊のリジーの待ち人探しすら、自分のお得意フィールドである「家族もの」に引き込んで展開させてシリーズに幕を引いた時点でノーラの勝ちとも言えました。
いや、不覚にもうるっときましたよ。
まぁ、アンティータムの戦いとか、幽霊とか、宿とかいうのが昔のハーレ時代の某シリーズとのクロッシング感は否定出来ませんが、ノーラの凄いところはその既読ものの更に上をいくものに仕上げてくる事だと思います。
このシリーズでの、ことのさんの好み的には…こうかな。

2 > 1 > 3 とか。

あ、でも、1と3は差が殆どないかも。それぐらい完成度高い3冊でしたから。
お気に入りとなっちゃったわー。男の子祭りをダイレクトに楽しめたシリーズでしたから(^^)

次のノーラは、ロブ名義が8月に、長編上下巻が9月。
本当にここにきて、まだ新刊をこのペースで読ませてもらえるノーラに脱帽ですよ…(^^;

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