小説といい、映画といい、ドラマといい昨今のおとぎ話をモチーフにした作品の多さに驚くばかりです。
というか、昔からあったんだよね。
20年以上前になるけど、ハーレクイン社のシルエットロマンスでデビー・マッコーマーのおとぎ話三部作があってですね。
1冊目が「美女と野獣」、2冊目が「白雪姫」、3冊目が「シンデレラ」だったんですよ。
当時はそうは思わなかったのですが、ここんとこのフェアリーテイルものモチーフの多さに考えずにはいられなくなりました。
何故にここまで重宝されるのか?!と。

何といっていいのか、あれかな。
最大公約数、か。
そういう風に思いはじめたのは「みなさんご存知のあの『(作品名)』を~」と判を押したような解説文が目立ったせいかもしれない(爆)。
そう、うっすらとはいえ知ってる人が多い=最大公約数。
前ふりなくっていいよね?!的な?!(笑)
そんな最大公約数の皆さんを相手に、いかに違いを、その作者らしさを見せるか、っていうのが腕の見せ所。

そんなこんなで以前からおとぎ話モチーフをあっさりライトにキュートに料理されている事に首を傾げていたワタクシ。
何せ、昔から私の中でのおとぎ話モチーフの至高作品はアン・ライスの眠り姫三部作というド変態読者キタコレ!!なのでな(ドヤァ
そういった意味では、このリラ・ディパスカの作品はよい!よいぞ!!
なんつーても、舞台をフランスに設定しているのが素晴らしい!!
あれだけ歴史上で有名なフランスでありながら、ヒストリカルロマンスとなると全くもって絶対数が少ない。
あっても中世フランスの騎士さまもの。
そういえばフロンドの乱のあたりだなんて、翻訳ものでは初めてでない?!
(ルイ14世うんぬんと言われて、最初に『ブルボンの封印』を思い出すクラスタです。笑)
リージェンシーや中世イングランドもの、飽きた。多すぎて飽きた、そんな読者にとってまずその設定だけでいい。
食傷気味な読者にとって、目先を変えてもらうだけでも十分なのに、フランス人がエロっていうだけで更に価値があがるね!
作者がカナダ在住なら、フランス語があれだけ多い設定をも何なく書いてきてもおかしくないし、違和感もない。

ま、そんなこんなで最近のモチーフもの流行の中では異色の1冊かと。
新人作家の荒削りなところすらも魅力だし、キャラクターは天晴れ。
ヒロインの漢っぷりと、ヒーローのいい意味でおバカで阿呆な人の話を聞かない王道イケメンなところがこれまたいい(褒めてます。爆)
いや、本当にこれだけ痛快に●●●連発された作品って…ちょww > 伏字の中は聞くな。大人の事情だ(違)
ラストに全てを終えて2人で西インド諸島に移住するけど、大陸でなく西インド諸島!
フランス人ってところからそうくるのがまたいいね > このラストの設定に対する自分なりの所見話を始めると長いOutlanderオタク(爆)
えーっと、続編2冊あります?
それは是非とも翻訳希望ですな!

コメント