ローリ・フォスター久し振りのハーレクインからの長編シリーズ1冊目、読了。
やはりあったのか「HQコード」?!(笑)

いえ。冒頭からそう思ったのです(^^;
誘拐され、9日間も監禁され暴行を受けていたヒロイン・モリーが、同じところに誘拐監禁されていた別の女性を助ける為に派遣されたデアに救出されたところから始まっていたこの話。
ここで、モリーのトラウマになるのが確実な監禁期間の描写が・・・えーっと、何というか、実に奥歯にモノが挟まったような書き方でして(^^;
ロリさんの本は全部読んでいるので、割に厳しい設定でもあっけらかんと書く人と分かっているので・・・逆にその「書か無さ具合」の方が居心地悪かったというか(^^;
まぁ、小出しに書いているという解釈もあるんでしょうが、全部継ぎ合わせても、ちょっと足りない。きっとそこに重点を置いてないんですが、他社のシングルタイトルと比べるとやはりツメが甘い。
その設定が余りにヘヴィゆえに、その微妙な差異が目立つんでしょうね。
あそこ以外はそうでもなく、ロリさん作品によくあるネグレクト家族による精神的虐待とかは絶妙に書かれていましたが。

その点を除けば、間違いなくロリさん印ロマンスの真骨頂。
勝気で自立心旺盛なヒロインが傷つき、マッチョなイケメンヒーローが全力で彼女を癒し、甘やかし、愛する王道もの。
デアのようなおおらかで愛情あふれる地面に足がついたヒーローを書かせると上手いわ、いつもながら。
大型ワンコ二匹を「僕の娘たち」と呼んで可愛がるイケメンとなればもう鉄板(笑)。
誘拐犯は非常にバレバレなんですがね。
物質的なものよりも、更に自分のみが基準の精神的なものに重きを於く犯人の思考とか言動は実に紙一重で寒々しい印象がします。
ロマサスではよくある犯人像ですが、意外にその部分が書けていない昨今のロマサスまがいと比べるとかなり上手いですよ、やはり。
二人のロマンス部分もセクシーでよく描けているし、脇役も魅力的な人物が多かった。
私のご贔屓はご多聞に洩れず、ゲイの毒舌アシスタントのクリスくんだけど(てへぺろ☆)
が、これはこのハーレクイン・プレゼンツのページ数ではなく、シルエット・スペシャル・エディションぐらいで十分納められた内容と展開だと思います。
つまり、ちと間延び感が否めなかった。
ボリューム満点と喜ぶ読者もいらっしゃるかもしれませんが、水増しと間延びは本来のボリュームとは違うと思うの。
絞れるところは絞った方がいいと思うんです、ええ。

そんなこんなで、ロリさん節をたんまり楽しめた一冊ですが、及第点といったところかしら?
あと、元々これの前に位置するモリーの妹ナタリーの短編が、後から発売されて読む順序が逆になり、若干ネタばれしていたのも興が削がれた一因か(^^;
でも多分、ナタリーの話を先に読んでいたら、もっと犯人バレバレ度が上がっただろうけど(笑)。
という事は、発売順が入れ替わったのは吉だったのか?!(爆)
次は、今回も登場し重要な役どころでしたデアの親友で同業者トレイスのお話。
間を措かずにさっさと読めるのは嬉しいわ~。

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