シャーナ・ガレンの結婚騒動シリーズ3巻、読了~。
ふはは。これは新たな主役像か(笑)

独身同盟を結んだ筈の親友たちが一人、また一人と恋に落ち結婚して脱落するのがロマンス小説のお約束だが、今回の主役マデリンの場合はちと事情が違った模様。
かねてより慈善活動に精力を注いでいた彼女、その活動に難を示す父親の庇護の元からはなれようと、人畜無害で退屈な子持ち男と駆け落ちを試みる。
自分の志を邪魔せず、放っておいてくれるからと人選したあたりが、何ともはや。
しかし、その駆け落ち計画は、独身同盟の最後の砦の片割れであり親友のアシュレーに察知される。
挙句、強行突破しようとしたところ、騒動に巻き込まれたブラックソーン侯爵ジョンとその弟ニコラスに馬車を乗っ取られる。
マデリンの駆け落ちの行方はいかに?!というお話なのだが・・・。

いやはや。
今まで色んな慈善活動をしているヒロインにお目にかかってきたが、このマデリンのつっ走り具合はもはや基地外レベル(笑)。
天然ボケの伯爵令嬢のお嬢さんとはいえ、あの活動っぷりはもはやデンジャラス。
ジョン(ブラックソーン侯爵)の亡くなった母親も慈善活動家だったが、そのジョンをもってして、マデリンの活動具合はもはや格が違う・・・と戦慄を覚えるってんだからスゴイ。
もっとも、読めば読む程に、慈善活動とマデリンの災難体質(従妹や親友に関連したもの含む)とのコンプっぶりが危険すぎ(^^;
ただ、親友たちや親御さんの戒めを余りに聞いていないのはどうかと思うわ。
心優しいし、全ての弱者を助けたいのも分かるけど、もはやあそこまでくると頑なさが目立ってきていて悲しいかなマデリンの魅力を下げる要因となっていた。
スコットランド、駆け落ちのメッカであるグレトナ・グリーンまでの珍道中を面白おかしく書いてはいるものの、そもそもの駆け落ちの動機とかがロマンス読みには残念無念としか思えなくって、盛り上がりを削いだ。

しかーし。
となると、何が良くってこの作品を最後まできゅんきゅん読んでいたかというと・・・ヒーローです。
ええ、ヒーローのジャック(ジョン)です。
もうね、涙ぐましいまでのオカン体質な放蕩者 でしたわ・・・(爆)。
一目惚れしたマデリンにどんだけ弱いんだコイツ?!ってレベルで、それでなくても幼い頃からのトラブルメーカーである弟ニックの面倒みつつ騒動に巻き込まれまくりなのに、更に災難体質のマデリンまで抱え込んでは、悩み多き日々(笑)。
吹いたのは、やっぱりあの熊のブラックジャックの件か・・・可愛いマデリンがたらし込むのは、弱者である女、子供、老人、怪我人だけかと思いきや、大型熊までかーい!!みたいな(^^;
しかも「絶対に熊なんて飼わないっ」とか言ってるのに、マデリンにうるうる目で悲しげに見られると、気付けば高価な専用檻を特注、田舎の屋敷にも熊ゾーンを作成する始末(^^;;
あと、ドレスの襟ぐりが深いというネタはよくいろんな本で見かけるが、どうもジャックの反応はオカンなんだよな・・・破廉恥なっ。ショール羽織って!!みたいな(笑)。
そんな自分にげんなりしているのもまた笑えるんですが・・・どうして自分はレースひらひらりんのドレスの事ばかり考えているんだコノヤロー、と(笑)。
慈善活動の集まりも、自宅でやれば目が届くから、と結局マデリンに負けて許可しては後悔、そしてソワソワ心配したり・・・オカンすぎ(笑)。
カテゴライズすればマメ男ヒーローなんだけど、どうもオカンにしか思えない。やっぱりオカンにしか思えない(大事な事なので二度言います。笑)。
かつての独身同盟たちが、ずーっと入りびたりしている時の反応の「なぜあの子たちは夫のもとに帰らないんだ?」という言い方が、そもそもオカンwww

ジャックが愛する事に臆病になった事件を絡め、グレトナ・グリーンへの駆け落ち、当時の慈善活動のあれやこれやを書いているが、何か気付けば最初から最後まで放蕩者という触れ込みのジャックが一番ブレがなくって、物語の軸となってしまっていたというか(^^ゞ
おいおい。放蕩者というわりに、どんだけしっかりクンだったんだ(実際、エッチ場面に関しては「なるほど・・」とは思ったが、それ以外はマメで適応力抜群でしっかりした実務家でした)。
ラブラブくんが読みたいという方には、このジャックはお手頃ヒーローかと思います(評価はヒロイン次第だとは思いますが。笑)。

でも、このシリーズ・・・最後の一人となったアシュレー編、まだ出てないんですね。
しかも原書はあるのに翻訳されてない、というよりもう少し事情は込み入っていて、出版社契約が変更になっていて、書きたいし構想もあるのに契約に絡んでまだ書けないという・・・そ、それは!
あのクリフハンガーっぷりで、アシュレーとニコラスの話をおあずけにされるのは・・・くーっ。
早く出てほしいわ。
ほら、なんつーても、この本で逃亡中に敵の目を釘付けにする際に 文字通り 真っ裸 になって敵の視線を奪った勇者アシュレー の主役とあっては、普通じゃない展開を期待出来そうじゃないですか!(爆)

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