数年ぶりのソフィア・ナッシュの翻訳新刊に喜んでしまいましたよ。
勿論、推し!でヨロシク(笑)

今回は、おとぎ話のような、それでいてクセのあるソフィア・ナッシュらしいキャラクター造詣のおもちゃ箱のようなお話でした。
巨額の財産と公爵位を相続する事になったのが牧師の娘ソフィというのも荒唐無稽を通り越してファンタジー(笑)。
でもって、あとがきを読んで「え?あのドラマがモデルなの?!」と二度、ナッシュのクセ者っぷりに感心。
ソフィが良縁を求めて社交界に、ロンドンに出てくるのも当然だが、彼女がその縁に辿り着けなかったくだりが何ともな按配。
よくある結婚はしたくない女、ってワケでもないんだが、膨大な遺産と、それに伴う爵位に加え、生粋の田舎育ちハイミスなせいか、どうも間が悪いというか(^^;
中味も外見も企画外な彼女は、完全アウェイに迷い込んだ珍獣扱いで醜聞に巻き込まれ、どうしようもない状況に。
結局は、田舎に戻ってくる事になるのだが、そんな彼女の元に現れたのが、奇抜なファッションの伊達男ウィリアム。
侯爵家の次男にて、名うての問題児の彼は、厄介事に巻き込まれてこの田舎に住む友人のところに逃げ込んできたところ。
そんな彼が、他の女性とは全く違ったある意味天然なソフィと出会った事により、二人の間に誤解を絡めた妙なレッスン契約が結ばれて・・・といった話。

とにかく、ちょっと毒があって、それでいてキュート。
ただ、ソフィの頑なさは想定内とはいえ、ちょっとウィルの真意を測りかねての場面は首を傾げたかも。
いや、気持ちは分かるんだが、あれだけおしゃべりスズメな侍女の話に感化それすぎの感が否めない。
実際、そこまで普段から侍女カレンの意見やら何やらを重宝していたかと聞かれるとNOな分、そこがね(^^;
いかにも、心情揺れる中、渡りに船とばかりに侍女の意見に乗ったというのを書きたかったんでしょうが、あそこは好き嫌い別れるかと。
でも、それを補ってなおこの本を読ませたのは、やっぱりあのウィルのキャラクターだろうな。
何だ、あのきゅんきゅん乙女心わし掴みクンは!!
器用そうで、実は不器用、放蕩者そうで、実はきゅんきゅんクンだなんてっ!
運命の相手だソフィだわーいわーい♪と、幸せ妄想に浸りまくる場面の何とかわいい事(^^ゞ
まぁ、その後のしっぺ返しと、涙ぐましいまでの友人近侍巻き込んでのソフィの気持ちを取り戻せ作戦はラブラブアイウォンチューな分、すごいんですけどね・・・というか、主要男性キャラの女装での潜入 という、かつて例を見ないヒストリカルの禁じ手を拝んだ気が(爆)。

脇役も一癖者が多い中、やはり突出しているのはソフィの侍女カレンと・・・いや。この人がナンバーワンだろうな。
ウィルの近侍ジャック・ファーカー!
もう、久し振りに斜め上なファッション番長キャラで痛快でした。ペットのパグ犬も込みで最高です(爆)。
あの色キ●ガイっぷりは、なんつーか、マクナブ(J・D・ロブのin Deathシリーズ)に通じるものが(爆爆)。
あと、最後近くに出てきた間の悪いウィルの兄ちゃんも気になるんですけどー(いろんな意味で。笑)。

まぁ、ページ数も手伝って、クセの強いキャラクターが多く、ホットであるにも関わらずあっさりサックリ読める。
きっとこれがもっとぶ厚い本なら、エッチ度合いはあんなもんじゃないんでしょうし(あのソフィのボンキュッボンッなカンジからするに。笑)、クセ者キャラも鼻につくのかもしれない(笑)。
だからこそ、あのボリュームでまとめあげたのも、面白く読めた一因かな。
ま、何より30代半ばで、悲惨な恋愛過去を背負っていながら、妙に全てがかわいかったウィルで全て押し切れるんですが( ̄▽ ̄) > そうくるか(笑)

というワケで、またナッシュの作品が翻訳されたらいいな、とかひっそり思うことのさんです(オリンピック並みでも彼女の場合は、刊行数もべらぼうではないのでいいです。笑)

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