クレスリー・コールのローア・シリーズ4冊目、読了。
うききっ。何てカワイイんでしょっ♪

今回の主人公は、2冊目の主人公だったセバスチャン・ロスの弟、ロス家の末っ子四男コンラッド・ロス。
既刊内で記述があった通り、300年前に死にかけていた彼と兄セバスチャンは長兄ニコライの手によってヴァンパイアへと変貌させられてしまう。
そこから行方不明になるのだが、この作品の中で少しづつコンラッド側の事情が明らかになっていくんだが・・・そうくるか。
確かに、変貌させられ右も左も分からない状態で、ローアに放り出された彼が「堕ちたヴァンパイア」になったのは仕方ないというところに、何故に彼が兄セバスチャンと違い、そこまでヴァンパイアになった事に対し憤り以上のものを感じているのかといったところが書かれている。
兄達が知らなかったコンラッド自身の信念とか、誇りとかが少しずつ知れるにつれ、ニコライやマードックも苦悩する事になるあたり、やっぱり一筋縄ではいかないコール節というか。
そして、コンラッドが出会うのが、80年前に殺され、幽霊となって古ぼけた屋敷に囚われているバレリーナのネオミなんだが、これがまたきゅんきゅんすぎる!
女性とキスすらもした事がないまま不死の身となってしまった呪われたコンラッドと、初めて胸をときめかせる男性であるコンラッドに触れる事すら出来ない幽霊のネオミ。
言葉や、念動力によるやりとりも、お互い触れ合う事が出来ない上に、不器用さが入り混じってのもどかしさの二乗!
そして、ネオミはコンラッドに、愛する彼に触れる為、運命の花嫁として彼と向き合う為にいちかばちかの賭けに出るんだが・・・ここはウルッときた。
不死の身てんこ盛りのローアの世界を描いたこのシリーズの中で、ネオミのような賭けは無謀そのもので、且つ新鮮だったせいか、二倍ウルウル。
ロマンスとしては、今までの作品の中で二人の関係は一番「読ませる」展開だったと思います、ええ。
たとえテンプレ的に、ヒロインが死にかかったというところがあったとしても、それを補って余りあるきゅんきゅんさ!
・・・でも、ほら。
清らかクン(笑)なコンラッドと比べると、ネオミはそういう意味(?)ではイニシアチブを取る立場、オネーサマっぷり全開なものだから、きゅんきゅんはむしろ、コンラッドくんのピュアっぷりなんデスガ(爆)。
ネオミちゃんラブーーっっ!!すぎて、もう何だか大型ワンコのしっぽフリフリっぷりが見えそうな錯覚すら!(爆)

このローアもの、相変わらずの脇役の天晴れさで今回は、前回活躍のライドストロムとカデオンのデーモン兄弟に、魔女っ娘マリキータと旦那さんのボウエン、大活躍(笑)。
マリキータの銭ゲバっぷりに、思わずうっとりよ?!ww
しかも、今回はロス家のお話なものだから、必然的にヴァルキリーちゃん達もざっくざく。コンラッドを匿っていたせいで、上司クリストフに軟禁の身とされてしまったロス兄弟の件なんかは吹いてしまったり(^^;
いや、確かに普通なら、軟禁の根源のコンラッドを引き渡して旦那たちを解放させるっていうだろうな・・・しかし、そこはヴァルキリーちゃん達。
ミストとケイドリンが仲間うちでボコり合いながら、「私たちってば、なんてうっかりさん。クリストフが私たちのダーリンを返してくれないんだから、ヤツの城ごと乗っ取ってやりましょ♪」「そうね。うふっ♪」という結論にたどり着くんだもん・・・サイコー!!(笑)
ニクスの相変わらずのかっとび具合に、ライドストロムのボケっぷりがガチ状態で笑いが止まらないし(カデオンの心の中のツッコミがまたとどめ。笑)、何よりあのガールズ・トーク全開っぷりが何とも今回も痛快すぎた(^^;
元来、明るく社交的でオシャレで買い物大好きなネオミが、そんなヴァルキリーちゃん達と気が合わない筈もなく、それはマリキータも同じ。
すっかり意気投合し、今やあのガールズナイトのドンチキ騒ぎメンバーが一人増えた、というオチに!(ご丁寧に、ニクスの未来読みでまで出ている。哀れコンラッド。爆)
そして、ニューオリンズゆえ、ここでもカフェ・ドュモンドのベニエが登場しちゃってニヤニヤですわww
ネオミの身に起こった「ある変化」は、シリーズをずっと読んでいてコヴンの描写を記憶している人なら「おお、そうくるか」とひどく納得だし(^^)

そんなこんなで、ロマンスとしても、シリーズものとしても大満足の1冊でした。
早く続き読みたいなぁ・・・特に、あのカデオンが主役とあっては(萌)。
既に、布石はザクザク張ってある。
あの数々の布石たちをどう回収していくのか、コールの達者っぷりを楽しみにしつつ(^^)

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