スーザン・アンダーセンのマリーン・シリーズ完結編、読了~。
トリロジーものだった筈が、作者がどうしても書きたくなった脇役二人のピュアピュアなロマンス、もうきゅんきゅーん♪♪

そんなこんなで、前作『プラムローズは落せない』から15年後の世界。
主役は勿論、前作にてピュアピュアでたどたどしい初恋模様を展開してくれたPJ(プリシラ・ジェーン)とジェイリッド。
あれから15年、ジェイリッドは海兵隊所属を経て現在は、義兄ジョン(ロケット)と調査事務所を共同経営する私立探偵となっていた。
そんな彼の元に依頼がやってくる。
今やカントリー界の新星シンガーとして有名人となったPJの、ステージ監視という仕事だった。
それは、今になっても母親にないがしろにされていたPJが、母親をマネージャー職から解雇した事に端を発していた。
15年ぶりに再会する二人だったが、あのつかの間の絆は今だ絶えていなかった事を証明する事になる・・・というお話。

いやー、もう、成長してもPJもジェイリッドもピュアなまんまだったわー。いい意味で。
15年前に、ジェイリッドが自分の世界とはかけ離れた御曹司だった事に恐れをなして彼の前から消えたPJも、その事で彼女に置き去りにされたと傷ついたジェイリッドもとにかく不器用でかわいいんだわ。
逆恨みなんてしてなくって、ただ自分を守ろうとして壁を築いたり、つんけんどんな態度をしたりして本当に微笑ましい不器用さ。
美人になって、有名になってもコンプレックスだらけのPJの、己の貧乳っぷりに対する嘆きが笑えるんだ、これが。

まともなおっぱいが生える日を心待ちにしていたけど、いまだこの有り様

思わず吹いた(爆)。
変わってないわー、PJ。13歳の時と変わってなーい!!と思ったら、本当にジェイリッドじゃないけど愛おしさが募ったわ。
そして、15年たっても、あの荒くれ海兵隊生活を経てもなお、やっぱり根っからのお坊ちゃん気質なジェイリッドもねー。愛しいわ。
大きなガタイの、水もしたたる色男が、どんだけPJ相手だとピュア告白ばかりしてんのよコノヤロー!!みたいな(爆)。
お互いの心のうちも、言動も理解しているのに、それでも実の親に精神的に虐待を受けたが故に、あと一歩を踏み出せないジレンマとかが、そんなに難しくも捻りもなく、たどだどしく描かれている。
そこがまた、若き二人にリンクしていて良いのだ。
ロマンスとしてもホットできゅんきゅんだけど、何よりそれ以上に、幼い頃からの二人の絆の再確認ともいうべきところがツボすぎました。

前作ではまだ幼かったエズメが大学生になっていたり、ストリートチルドレンだったPJを慈しんだガートも健在、何より今までの主人公たち、愛すべき海兵隊トリオとその奥さん達が15年たってもステキなまんまでシリーズ全てを読んできた読者としては嬉しい限り。
何より、大団円にするかと思いきや、苦味部分もしっかりあるのはさすが。
そして、それに対しての前向きさが、PJらしくて納得するんだよな。
本当にもう、このシリーズが終わっちゃったのかなー、と寂しい気持ちもあるけど、ここまでキレイにまとめられたら読者冥利に尽きるのでいっか(^^ゞ
今度、もしスピンオフ作品を書くなら、是非ともエズメを主人公にお願いしますわ、アンダーセン女史(笑)

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