夜明けまであなたのもの(二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション マ 20-1)
2010年9月16日 新刊レビュー
テレサ・マデイラス、今度は二見書房さんから出ました!というか、出てます(笑)。
単独作品のこちら、読了(してました。笑)。
おとぎ話と、エンターテイメントの按配が核だったという印象の作品。
マデイラス作品というのは、いかんせん大団円ありき、の正統派である。
それはいい意味でも、悪い意味でも想定内になってしまう懸念があるのだが・・・この作品は、それをどう受け止めるか読者によっては賛否があると思った。
物語は、戦争で失明し、婚約者にも去られたシェフィールド伯爵ゲイブリエルが失意の隠遁生活を田舎で送っていたところに、ある一人の付添看護士がやってくるところから始まる。
彼女の名前はサマンサ。
そんな彼女は、自暴自棄になって荒れた生活をしていたゲイブリエルを、視力がなくても人として普通の生活が出来るようにと奮闘する。
そんなサマンサの真摯な態度と献身に、最初は戸惑い拒絶するゲイブリエルだが、次第に癒され、恋におちていく・・・という王道ロマンス、かと思いきや、そこが一捻りされていた(^^;
そこなんだよな。
ゲイブリエルが海軍に志願した理由が「婚約者であるセシリーに、自分は放蕩者でなく真剣に彼女に恋した一人の男だと証明する為」だったという事。
セシリーが、ゲイブリエルに対してそう仕向けた件といい、そこには何というか、恋に恋するティーンネイジャーのような熱に浮かされた感が拭えない。
その後の展開( セシリーが失明したゲイブリエルの元に、サマンサと名乗って看護士として現れる )も、その延長線の印象があって、確かに王道ロマンスなんだが、ちょっとその部分が引っかかりとなった。
何というか、証明したいというつっ走った行動に自己陶酔的なものを感じたり、贖罪を求めているのか、それ以上に自己欺瞞というか、そういう疑念を感じることのさんのような捻くれた読者もいるという事だ。
いや、はっきり言うと、失明が余りにあっさり直った後に再び、同じように証明の為に入隊しようとしたゲイブリエルに、もう呆れて苦笑した(^^ゞ
何だ、キミのその単純明快というか、短絡的思考回路は?!(笑)
使用人も、家族もそれぞれにキャラクターがしっかり描かれていてさすが。
そして、相変わらず動物を上手に使ってくれて、あのワンコが可愛いの何のって!!だし、起承転結もしっかりしている。
普通の視点に、普通のロマンス読者が読めばうるうるものの王道ロマンス作品であろう。
しかし、ことのさんは残念な黒読者だった(爆)。
甘甘なメロメロロマンスよりも、ウン千冊もロマンス本読んでいるささくれた視点には、彼らの言動に対する影響への考えなさや、暴力的な言い方だとそれらに幼稚さすら感じた分が差し引かれた。
個人の好みもあろうが、この本はその差し引かれた分ゆえに、優等生レベルの平均値本という評価となった。
一読し、どういう評価を下すかは、その時の読み手の精神状況も絶対に影響大だよな、と再認識(笑)。
つまり、ささくれ立ってるんです(爆)。
それでも、やっぱり好きな作家なんですけどね、マデイラスって > 全否定ではないのよ、そこんとこ。
単独作品のこちら、読了(してました。笑)。
おとぎ話と、エンターテイメントの按配が核だったという印象の作品。
マデイラス作品というのは、いかんせん大団円ありき、の正統派である。
それはいい意味でも、悪い意味でも想定内になってしまう懸念があるのだが・・・この作品は、それをどう受け止めるか読者によっては賛否があると思った。
物語は、戦争で失明し、婚約者にも去られたシェフィールド伯爵ゲイブリエルが失意の隠遁生活を田舎で送っていたところに、ある一人の付添看護士がやってくるところから始まる。
彼女の名前はサマンサ。
そんな彼女は、自暴自棄になって荒れた生活をしていたゲイブリエルを、視力がなくても人として普通の生活が出来るようにと奮闘する。
そんなサマンサの真摯な態度と献身に、最初は戸惑い拒絶するゲイブリエルだが、次第に癒され、恋におちていく・・・という王道ロマンス、かと思いきや、そこが一捻りされていた(^^;
そこなんだよな。
ゲイブリエルが海軍に志願した理由が「婚約者であるセシリーに、自分は放蕩者でなく真剣に彼女に恋した一人の男だと証明する為」だったという事。
セシリーが、ゲイブリエルに対してそう仕向けた件といい、そこには何というか、恋に恋するティーンネイジャーのような熱に浮かされた感が拭えない。
その後の展開( セシリーが失明したゲイブリエルの元に、サマンサと名乗って看護士として現れる )も、その延長線の印象があって、確かに王道ロマンスなんだが、ちょっとその部分が引っかかりとなった。
何というか、証明したいというつっ走った行動に自己陶酔的なものを感じたり、贖罪を求めているのか、それ以上に自己欺瞞というか、そういう疑念を感じることのさんのような捻くれた読者もいるという事だ。
いや、はっきり言うと、失明が余りにあっさり直った後に再び、同じように証明の為に入隊しようとしたゲイブリエルに、もう呆れて苦笑した(^^ゞ
何だ、キミのその単純明快というか、短絡的思考回路は?!(笑)
使用人も、家族もそれぞれにキャラクターがしっかり描かれていてさすが。
そして、相変わらず動物を上手に使ってくれて、あのワンコが可愛いの何のって!!だし、起承転結もしっかりしている。
普通の視点に、普通のロマンス読者が読めばうるうるものの王道ロマンス作品であろう。
しかし、ことのさんは残念な黒読者だった(爆)。
甘甘なメロメロロマンスよりも、ウン千冊もロマンス本読んでいるささくれた視点には、彼らの言動に対する影響への考えなさや、暴力的な言い方だとそれらに幼稚さすら感じた分が差し引かれた。
個人の好みもあろうが、この本はその差し引かれた分ゆえに、優等生レベルの平均値本という評価となった。
一読し、どういう評価を下すかは、その時の読み手の精神状況も絶対に影響大だよな、と再認識(笑)。
つまり、ささくれ立ってるんです(爆)。
それでも、やっぱり好きな作家なんですけどね、マデイラスって > 全否定ではないのよ、そこんとこ。
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