真夜中の太陽-ウルフ (ラズベリーブックス)
2010年8月13日 新刊レビュー
シェリリン・ケニヨンのダーク・ハンター・シリーズ5冊目、読了~。
時系列の隙間、向こう側を巧みに使った1冊。
何がって?
この本を読むに至って、うっかりそのまま読むと「??」となりますんですわ。
DHシリーズのヘヴィ・リーダーなら「ああ、そっか」とすぐに気付いてもらえそうだから、いいんですが(笑)。
つまりあの本でのあの場面は、この本ではこの場面って感じで、今までの翻訳分を復習がてらお読み下さると良いって事ね。
そんなこんなで、今回の主人公は元ヴァイキング戦士であるダークハンターのウルフ。
一度死んで、女神アルテミスに誓いをたてたのでなく、かつていた女性ダークハンターに騙されて魂を奪われダークハンターになった上、その女に忘却の呪いをかけられた不運な男。
そんなウルフに同情したアケロンにより、不死身の体とパワーを与えられた彼は、ある日助けた女性カサンドラに心を奪われる。
彼女もウルフを一目見た途端に惹かれるのだが、彼女は人間ではない上に、悲壮な運命をその肩に背負わされていた。
まぁ、何と上手いのかケニヨンってば。
今までダークハンターと神々側をメインに書いてきたが、今回はアルテミスの弟アポロンが生み出した全ての元凶アポライトという存在をメインにした。
それが巧みな事ったら・・・アポライトの起源、アポライトとダイモンとの差異、アトランティスとの関係、デストロイヤーことアポリミとギリシアの神々との確執、それにまつわるダークハンターの位置づけ。
それを、アポロン直系の最後の子孫で、人間とアポライトの混血であるカサンドラを中心に描いてゆく。
更に驚くのが、彼女がそれを今までさりげなく書いてきているのを、読者がここで再確認させられる事だ。
特にダイモンに襲われたカサンドラを助けたウルフのその後は秀逸。
分かりました?
あれが『夜を抱く戦士-タロン』の第一章と同じ時間軸、同じ場面のウルフ側だと気付いた方は、ヘヴィリーダーかと(笑)。
あの後、電話を切ったタロンが恨めしげにベニエを残して出陣した後、山車に当て逃げされる場面を思い出して噴いたりしてはいけません(爆)。
そうなのよー。
見事な時間軸なのよ、これ!
アポリミ直属の部下であるスパティのストライカー一味が、天敵アケロンがいないうちに活動するんだが、そこはアッシュがあのいけすかないアルテミスに軟禁されている期間だし、タロンが行方不明だといわれている期間は、彼がサンシャインとワニ館(笑)でラブラブ引き篭り期間、つまりはザレクがニューオリンズに出張(?)中だったり、と並行。
ウルフとカサンドラの間に赤ん坊が出来、アポライトの妊娠期間を鑑みてのタイムラインだが実に違和感なく細かく詰められている。拍手!!
基本的にメロメロ甘甘なダークハンターくん達だが、まぁ、その中でもウルフは泣き虫くんで過保護で、とっても可愛いんだよなー。
もう、最後の身内であるクリスへの極度の過保護っぷりでも微笑まずにはいられないし、それがカサンドラ相手でも変わりなしww
とにかく、27歳の誕生日に苦しみながら死ぬという運命のアポライトゆえに、カサンドラは余命八ヶ月。
その上、彼女はアポロンの直系ゆえに、彼女の消滅はアポロンの、太陽の死を意味し世界の滅亡を招くからとギリシアの女神にちょっかい出されるし、同時にその直系の消滅が幽閉されたアトランティスの女神アポリミの解放に繋がるので、スパテイ達に命を狙われ続けるわと大変な状態。
とどめが、自分たちアポライトの親戚筋であるダイモンを抹殺する為の存在であるダークハンターとの恋愛ときては・・・いやおうがなく追いつめられ盛り上がらずにはいられません。
ここらへんは惜しみなくキャラクター達をつぎ込み、見せ場を展開し、話をスピーディに進めるケニヨン節が遺憾なく発揮されている。
特に対比として、カサンドラの姉でダイモンになったフィービとスパティのユリアンとの関係とを持ってきたのは核心犯だなー、と。
あと、カタガリアのダンテ(ヒョウ)を出してきたのも。
ダンテはカタガリアの中でも、比較的ケニヨンが最初の方から設定してきただけあって、今後のウェアハンターものをどんどん絡めていく上で、指針ともいえるから。
しかし、アルテミスといい、アポリミといい、どっち向いても女運はないな、アッシュよ(泣き笑)。
そんなこんなで、今回はオールスター状態でございましたな。
面倒見のいい(?)アッシュはガチとはいえ、今回もシュミが出てきてくれるしーっvv
久し振りに実戦参加となったキリアンとジュリアン、タロンも参加の上、うっかり(?)神様になってしまったザレクも友達100人作ろうキャンペーン中(大嘘。爆)まで!
カタガリアンのお店も二軒目、アトランティス側の事情も満載、アポライトのダークハンターであるスポーンまで登場してくれてロマンスも満喫、泣けたし笑ったしで大満足の1冊でした。
最後のあの、3年後の3馬鹿っぷりとか、あの按配がたまらんですってば・・・本当に満足すぎて、また最初から全部再読しちゃったし!!
次の翻訳分は、前出の『夜を抱く戦士-タロン』の中でしっかり伏線が出てきましたオオカミのカタガリアであるヴェインと、サンシャインの知人でもあるブライドのお話。
ヴェインの話って事は、必然的にあのわふわふな弟ファングも付いてきます、みたいな(笑)。
あのヴェインの一目惚れっぷりは、たった数行ながらディープ・インパクトもんでしたもの。楽しみにしてもらって結構ですわよオホホ > 誰だよアンタww
そうこう考えると、あのタロンの1冊ってすごい伏線だらけな事を再認識するな。デストロイヤーの件といい。
・・・また読みたくなったよ。ひき逃げ本(爆)
時系列の隙間、向こう側を巧みに使った1冊。
何がって?
この本を読むに至って、うっかりそのまま読むと「??」となりますんですわ。
DHシリーズのヘヴィ・リーダーなら「ああ、そっか」とすぐに気付いてもらえそうだから、いいんですが(笑)。
つまりあの本でのあの場面は、この本ではこの場面って感じで、今までの翻訳分を復習がてらお読み下さると良いって事ね。
そんなこんなで、今回の主人公は元ヴァイキング戦士であるダークハンターのウルフ。
一度死んで、女神アルテミスに誓いをたてたのでなく、かつていた女性ダークハンターに騙されて魂を奪われダークハンターになった上、その女に忘却の呪いをかけられた不運な男。
そんなウルフに同情したアケロンにより、不死身の体とパワーを与えられた彼は、ある日助けた女性カサンドラに心を奪われる。
彼女もウルフを一目見た途端に惹かれるのだが、彼女は人間ではない上に、悲壮な運命をその肩に背負わされていた。
まぁ、何と上手いのかケニヨンってば。
今までダークハンターと神々側をメインに書いてきたが、今回はアルテミスの弟アポロンが生み出した全ての元凶アポライトという存在をメインにした。
それが巧みな事ったら・・・アポライトの起源、アポライトとダイモンとの差異、アトランティスとの関係、デストロイヤーことアポリミとギリシアの神々との確執、それにまつわるダークハンターの位置づけ。
それを、アポロン直系の最後の子孫で、人間とアポライトの混血であるカサンドラを中心に描いてゆく。
更に驚くのが、彼女がそれを今までさりげなく書いてきているのを、読者がここで再確認させられる事だ。
特にダイモンに襲われたカサンドラを助けたウルフのその後は秀逸。
分かりました?
あれが『夜を抱く戦士-タロン』の第一章と同じ時間軸、同じ場面のウルフ側だと気付いた方は、ヘヴィリーダーかと(笑)。
あの後、電話を切ったタロンが恨めしげにベニエを残して出陣した後、山車に当て逃げされる場面を思い出して噴いたりしてはいけません(爆)。
そうなのよー。
見事な時間軸なのよ、これ!
アポリミ直属の部下であるスパティのストライカー一味が、天敵アケロンがいないうちに活動するんだが、そこはアッシュがあのいけすかないアルテミスに軟禁されている期間だし、タロンが行方不明だといわれている期間は、彼がサンシャインとワニ館(笑)でラブラブ引き篭り期間、つまりはザレクがニューオリンズに出張(?)中だったり、と並行。
ウルフとカサンドラの間に赤ん坊が出来、アポライトの妊娠期間を鑑みてのタイムラインだが実に違和感なく細かく詰められている。拍手!!
基本的にメロメロ甘甘なダークハンターくん達だが、まぁ、その中でもウルフは泣き虫くんで過保護で、とっても可愛いんだよなー。
もう、最後の身内であるクリスへの極度の過保護っぷりでも微笑まずにはいられないし、それがカサンドラ相手でも変わりなしww
とにかく、27歳の誕生日に苦しみながら死ぬという運命のアポライトゆえに、カサンドラは余命八ヶ月。
その上、彼女はアポロンの直系ゆえに、彼女の消滅はアポロンの、太陽の死を意味し世界の滅亡を招くからとギリシアの女神にちょっかい出されるし、同時にその直系の消滅が幽閉されたアトランティスの女神アポリミの解放に繋がるので、スパテイ達に命を狙われ続けるわと大変な状態。
とどめが、自分たちアポライトの親戚筋であるダイモンを抹殺する為の存在であるダークハンターとの恋愛ときては・・・いやおうがなく追いつめられ盛り上がらずにはいられません。
ここらへんは惜しみなくキャラクター達をつぎ込み、見せ場を展開し、話をスピーディに進めるケニヨン節が遺憾なく発揮されている。
特に対比として、カサンドラの姉でダイモンになったフィービとスパティのユリアンとの関係とを持ってきたのは核心犯だなー、と。
あと、カタガリアのダンテ(ヒョウ)を出してきたのも。
ダンテはカタガリアの中でも、比較的ケニヨンが最初の方から設定してきただけあって、今後のウェアハンターものをどんどん絡めていく上で、指針ともいえるから。
しかし、アルテミスといい、アポリミといい、どっち向いても女運はないな、アッシュよ(泣き笑)。
そんなこんなで、今回はオールスター状態でございましたな。
面倒見のいい(?)アッシュはガチとはいえ、今回もシュミが出てきてくれるしーっvv
久し振りに実戦参加となったキリアンとジュリアン、タロンも参加の上、うっかり(?)神様になってしまったザレクも友達100人作ろうキャンペーン中(大嘘。爆)まで!
カタガリアンのお店も二軒目、アトランティス側の事情も満載、アポライトのダークハンターであるスポーンまで登場してくれてロマンスも満喫、泣けたし笑ったしで大満足の1冊でした。
最後のあの、3年後の3馬鹿っぷりとか、あの按配がたまらんですってば・・・本当に満足すぎて、また最初から全部再読しちゃったし!!
次の翻訳分は、前出の『夜を抱く戦士-タロン』の中でしっかり伏線が出てきましたオオカミのカタガリアであるヴェインと、サンシャインの知人でもあるブライドのお話。
ヴェインの話って事は、必然的にあのわふわふな弟ファングも付いてきます、みたいな(笑)。
あのヴェインの一目惚れっぷりは、たった数行ながらディープ・インパクトもんでしたもの。楽しみにしてもらって結構ですわよオホホ > 誰だよアンタww
そうこう考えると、あのタロンの1冊ってすごい伏線だらけな事を再認識するな。デストロイヤーの件といい。
・・・また読みたくなったよ。ひき逃げ本(爆)
コメント