美しき罪びと (扶桑社ロマンス)
2010年8月9日 新刊レビュー
バーバラ・ピアスの一連のスピンオフ・シリーズ3冊目、読了♪
今回もとっても楽しめた(^m^)
まぁ、元来この作家の作品って、王道ロマンスが好きな読者向けではないと思うのよね。
何しろヒロイン側の事情が、生真面目なロマンス読みの方なら「自業自得じゃないの、このヒロイン」とさっさと相手にされなさそうなところである。
だが、ことのさんはその妙に人間くさいところと、変な方向にポジティブだったり、ここぞというところで己の才気と機転で乗り切ろうとするところとかが決して嫌いではなく、むしろ好きなの。
よろめき系運命に流されまくりなお姫様よりも、こういう泥臭い女性の一面をうまく絡めつつ、やんちゃな放蕩者くんとガチ恋愛させるっていうところが、好きどころか大好きなのさ。
そんなこんなで、今回の主人公は、前作『汚れなき悪女』でうっかり年貢を納めてしまったフェイン兄ちゃんこと、ソリティア公爵が属する(?)悪がき放蕩者カルテット、「高貴な野蛮人」の中の一人、ラムスカー伯爵ことファウラー・ノーデン。
もっとも本名なんざすっかり失念するぐらい、彼は通称の「ラム」っていうのが定着しているんだが(^^ゞ
そんなラムくん、悩みあり。
彼が若くして爵位を継ぐ理由となった父親の急死、それにまつわる母親の狂気と一家を襲った悲劇の結果、生き残ったのが彼と妹のメレディス。
悲劇から助かったものの、顔をはじめ火傷の痕がある彼女は、田舎の住まいにひっそり隠居同然、決して他人と関わろうとはしなかった。
さすがに妹が24歳目前になってはたと気付く。
ここでいつまでも悲しみに暮れているよりも人並みの幸せを与えてやりたい、いや、与えてやらんとイカンのだ!と。
今までもそれとなく社交界デビューをほのめかしてはみたものの、拒絶され続け、あえて強要はすまい、と引き下がってはいたがこれでは駄目だ。
断固拒否する妹に、機転の利く付添役を雇ってロンドンに送り込むぞ、という話に。
白羽の矢が立ったのは、偶然知り合った旅芸人一座の女優ペイシャンヌ。
若き女神の如き美貌、度胸があり機転の利く才気ある彼女に、初めて会った時から惹かれてゆくのだが、ペイシャンヌ、ちょっとどころかかなりの事情持ちだったワケで・・・(^^;;
いやはや。
何だい、あのラムくんの 痛快なまでの萌え萌え悶え苦しみっぷり!! (爆)
「高貴な野蛮人」のメンバー、フェイン兄ちゃんにも言えるんだが、悪がき放蕩者でプレイボーイなくせして、そりゃあ、もう、運命の相手ともいえるヒロインに出会った途端に、まるで大型ワンコがきゅんきゅんぐるぐるしている様は・・・いやはや。「改心した放蕩者はいい夫になる」というのをぶっちぎり状態で具現していますがなww
あの四人の中では一番の常識人と言われていたラムくんだが、よくよく考えたら 比較対象そのものに問題があったよな、うん というのが今回よく分かりました(爆)。
あのお風呂場面、笑い転げてしまったわ(^^ゞ
・・・ここのお屋敷執事のスクリムさんの気苦労が窺えます・・・旦那様、えーっと、場所とか状況とかをお考え下さいませ、みたいな(核爆)。
対するペイシャンヌだが・・・ラムが26歳っていうのも若いんだが、それよりも若く18歳のヒロイン!
だが、このペイシャンヌ・・・凄い過去持ちでした。
思わず「これって、マルキ・ド・サドの『美徳の不幸』のオマージュ?」とか考えたのはことのさんだけでしょうか? > いや、ロマンス読みの方にサド翻訳読んでる人を求めるな!ww
いえ、特にペイシャンヌの考える純潔とか無垢とかいうのがあの中のジュスティーヌに通じるものがありまして。精神的というか。
しかし、14歳で家を出奔してからの流転の四年間、こんな雄雄しい少女もなかなかお目にかかれないかと(^^;
多分、いや絶対このペイシャンヌに対してはロマンス読者としては賛否両論だと思うのですが、いかんせん私はリアルな分に軍杯をあげたくなるのですよ。
あの状況で、何もなくって本当に汚れなきまま乙女でした、とか言われたら逆に嘘くさすぎてご都合過ぎて引く(^^;
何より、虐げられたままじゃないでしょ、ペイシャンヌ。
そこが良いのです。
だからこそ、過去に囚われたメレディスに対しても本気、ラムに対しても本気となる・・・しっかり者っぷりに、たまに実年齢忘れるぐらい(笑)。
だけど、そこはかとない知識(?)の欠落、肝心なところでの頓珍漢さが・・・くっ。ダイナマイトなボディと女神の如きエロき美貌とのギャップ萌え確実だろーっ?!みたいな > びったんびったん!!
これじゃあ、ミイラとりがミイラになって当然だわ、ラムくんww
脇役の皆さんも、今回もお元気なようで一安心(笑)。
1冊目の主人公であるフェイアーもですが、何といっても公爵未亡人のお変わりの無さ(?)と、相変わらずの世話焼きっぷりも健在(笑)。
すっかりペイシャンヌを気に入った模様で、せっせこせっせこラムをせっつきつつマイペース(笑)。
前作の主人公であるソリティア公爵フェインと、奥さんとなったキルビーもしっかり出てきてくれて、赤ん坊までいるじゃありませんか!ww
何より、「高貴な野蛮人」の悪がき残り二人であるエヴァロット子爵とバークモア侯爵が今回も悪い意味でも活躍してくれたり・・・何やら伏線らしきものまでしっかりと。もっともうっかりムードなのも否めないけど(爆)。
推薦はあえてしないけど、ひっそり自分だけでも愛読しているこのシリーズ、今回もラブラブ堪能させていただきましたww
これからも、年1冊ペースでもいいから、続き翻訳してほしいなり > 出版社さま(-人-)
今回もとっても楽しめた(^m^)
まぁ、元来この作家の作品って、王道ロマンスが好きな読者向けではないと思うのよね。
何しろヒロイン側の事情が、生真面目なロマンス読みの方なら「自業自得じゃないの、このヒロイン」とさっさと相手にされなさそうなところである。
だが、ことのさんはその妙に人間くさいところと、変な方向にポジティブだったり、ここぞというところで己の才気と機転で乗り切ろうとするところとかが決して嫌いではなく、むしろ好きなの。
よろめき系運命に流されまくりなお姫様よりも、こういう泥臭い女性の一面をうまく絡めつつ、やんちゃな放蕩者くんとガチ恋愛させるっていうところが、好きどころか大好きなのさ。
そんなこんなで、今回の主人公は、前作『汚れなき悪女』でうっかり年貢を納めてしまったフェイン兄ちゃんこと、ソリティア公爵が属する(?)悪がき放蕩者カルテット、「高貴な野蛮人」の中の一人、ラムスカー伯爵ことファウラー・ノーデン。
もっとも本名なんざすっかり失念するぐらい、彼は通称の「ラム」っていうのが定着しているんだが(^^ゞ
そんなラムくん、悩みあり。
彼が若くして爵位を継ぐ理由となった父親の急死、それにまつわる母親の狂気と一家を襲った悲劇の結果、生き残ったのが彼と妹のメレディス。
悲劇から助かったものの、顔をはじめ火傷の痕がある彼女は、田舎の住まいにひっそり隠居同然、決して他人と関わろうとはしなかった。
さすがに妹が24歳目前になってはたと気付く。
ここでいつまでも悲しみに暮れているよりも人並みの幸せを与えてやりたい、いや、与えてやらんとイカンのだ!と。
今までもそれとなく社交界デビューをほのめかしてはみたものの、拒絶され続け、あえて強要はすまい、と引き下がってはいたがこれでは駄目だ。
断固拒否する妹に、機転の利く付添役を雇ってロンドンに送り込むぞ、という話に。
白羽の矢が立ったのは、偶然知り合った旅芸人一座の女優ペイシャンヌ。
若き女神の如き美貌、度胸があり機転の利く才気ある彼女に、初めて会った時から惹かれてゆくのだが、ペイシャンヌ、ちょっとどころかかなりの事情持ちだったワケで・・・(^^;;
いやはや。
何だい、あのラムくんの 痛快なまでの萌え萌え悶え苦しみっぷり!! (爆)
「高貴な野蛮人」のメンバー、フェイン兄ちゃんにも言えるんだが、悪がき放蕩者でプレイボーイなくせして、そりゃあ、もう、運命の相手ともいえるヒロインに出会った途端に、まるで大型ワンコがきゅんきゅんぐるぐるしている様は・・・いやはや。「改心した放蕩者はいい夫になる」というのをぶっちぎり状態で具現していますがなww
あの四人の中では一番の常識人と言われていたラムくんだが、よくよく考えたら 比較対象そのものに問題があったよな、うん というのが今回よく分かりました(爆)。
あのお風呂場面、笑い転げてしまったわ(^^ゞ
・・・ここのお屋敷執事のスクリムさんの気苦労が窺えます・・・旦那様、えーっと、場所とか状況とかをお考え下さいませ、みたいな(核爆)。
対するペイシャンヌだが・・・ラムが26歳っていうのも若いんだが、それよりも若く18歳のヒロイン!
だが、このペイシャンヌ・・・凄い過去持ちでした。
思わず「これって、マルキ・ド・サドの『美徳の不幸』のオマージュ?」とか考えたのはことのさんだけでしょうか? > いや、ロマンス読みの方にサド翻訳読んでる人を求めるな!ww
いえ、特にペイシャンヌの考える純潔とか無垢とかいうのがあの中のジュスティーヌに通じるものがありまして。精神的というか。
しかし、14歳で家を出奔してからの流転の四年間、こんな雄雄しい少女もなかなかお目にかかれないかと(^^;
多分、いや絶対このペイシャンヌに対してはロマンス読者としては賛否両論だと思うのですが、いかんせん私はリアルな分に軍杯をあげたくなるのですよ。
あの状況で、何もなくって本当に汚れなきまま乙女でした、とか言われたら逆に嘘くさすぎてご都合過ぎて引く(^^;
何より、虐げられたままじゃないでしょ、ペイシャンヌ。
そこが良いのです。
だからこそ、過去に囚われたメレディスに対しても本気、ラムに対しても本気となる・・・しっかり者っぷりに、たまに実年齢忘れるぐらい(笑)。
だけど、そこはかとない知識(?)の欠落、肝心なところでの頓珍漢さが・・・くっ。ダイナマイトなボディと女神の如きエロき美貌とのギャップ萌え確実だろーっ?!みたいな > びったんびったん!!
これじゃあ、ミイラとりがミイラになって当然だわ、ラムくんww
脇役の皆さんも、今回もお元気なようで一安心(笑)。
1冊目の主人公であるフェイアーもですが、何といっても公爵未亡人のお変わりの無さ(?)と、相変わらずの世話焼きっぷりも健在(笑)。
すっかりペイシャンヌを気に入った模様で、せっせこせっせこラムをせっつきつつマイペース(笑)。
前作の主人公であるソリティア公爵フェインと、奥さんとなったキルビーもしっかり出てきてくれて、赤ん坊までいるじゃありませんか!ww
何より、「高貴な野蛮人」の悪がき残り二人であるエヴァロット子爵とバークモア侯爵が今回も悪い意味でも活躍してくれたり・・・何やら伏線らしきものまでしっかりと。もっともうっかりムードなのも否めないけど(爆)。
推薦はあえてしないけど、ひっそり自分だけでも愛読しているこのシリーズ、今回もラブラブ堪能させていただきましたww
これからも、年1冊ペースでもいいから、続き翻訳してほしいなり > 出版社さま(-人-)
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