メリッサ・メイヒューのハイランド・シリーズ2冊目、読了。
今回もほんわか微笑ましいパラノーマルでございました。

時系列で並べると、今回は前作ラストから八年後、エピローグから数える事、約三年後。
単なる妖精の子孫つながりの単発のように思わせておいて、その実、しっかり前作主人公たちもカメオ出演なんかもあったりする、ミッシングリンクな1冊。
というワケで、前作のキャラ達のその後が気になるだけだし、この1冊はスルーでいいや、というのはお待ち下され。

そんなこんなで、今回の主人公はアメリカからやってきたバツイチ38歳のロマンス小説家サラ。
若い頃の結婚の失敗、その上、人には理解してもらえない「特殊な体質」のせいで、人との関わりを避けて生活する日々。
仕事も煮詰まり、燃え尽き症候群目前のある日、ぼんやり見ていたパソコンの画面にあったハイランドのコテージ。
運命に手招きされるように、彼女はそのコテージに宿泊予約を入れ一路スコットランドへ。
悪天候の中、たどり着いたコテージにいたのは、ハンサムで魅力的な若い伯爵イアン。
お互い、一目会った時から惹かれあうのだが、イアンにも人には言えない事情があって・・・というお話。

早い段階で、サラが妖精の子孫で特殊能力を持つ女性だというのをオープンにして、妖精門の守護者であるイアンがどのように彼女に対処するのか、とか、ヌアディアンとの対決をどう展開させるのかなどを、すらすらサラッと書き進めていく過程で、脇役を少しづつ重ねていくので違和感もなかった。
前作でも思ったけど、これだけキャラクター数を物語の中に組み込んでいるのに、上手なんだよね。その出し方とか、割合が。
あくまで主人公たちありき、なところも。
サラの特殊能力が、サイコメトリー(ここでは「感受者」と表現されている)なので、読者が読み込む前に「いい人」「悪い人」とさっさと分かるんだけど(笑)。
時間短縮技としては、反則技というハナシも(爆)。
もっとも、イアンの能力はマイナスに作用しちゃって、泣く泣く彼女を助ける為に身を引くという、古典少女マンガのようになっちゃったりするが(^^ゞ
そのタイミングとほぼ並行して、ヌアディアンの血を引く青年ラモスが登場し、都合のいい男キャラっぷりを発揮しつつ、実の父親に足蹴にされるという脇役なのにすっかりイアンを食ってしまう展開には拍手?!(おいおい)
いや、本当に、イアンの挫折的描写がなくっていきなり守護者です!みたいな、ある意味、ヒーロー然!なカンジだった分、このラモスの不器用でいい人だけど、どうも微妙にヘタレなところの方が母性本能をくすぐります(^^ゞ
もっとも、このシリーズの共通項なのか、女子のが強いせいかそんな部分もノープロブレムなんでしょうが(笑)。
そういえば、戸籍では28歳のイアンの若さにビビっていた10歳年上のサラだが、後に、イアンの年齢は別次元のお話だったというあたり、キャシー・ラヴのヴィットーリオを思い出したwww

妖精たちが暗躍し、妖精の血をひく子孫たちがてんやわんやな中、前作ラストですやすやとゆりかごの中で寝ていた赤ん坊のローズは五歳になって、おしゃまになっていたりして(^^)
というか、またおめでたなんだケイティ・・・みたいな(笑)。
いや、それよりもイアンの親友ダニエルの息子ウィルくんが可愛いの何のって!!
青田買い上等!のことのさん、すっかりメロメロでございますわ・・・まだ六歳だけど!(爆) とかいうのはさておき > おくな!!
あの含みあるラストのウィルくんのあれこれ、これからもこのシリーズを読もう!という気力に繋がりまっせwww
気の毒なラモスくんに今後、幸は来るのか?!とか、気になることいっぱいだけど、やはりポール王子様のヒーリング部隊大作戦っていうのを縦糸に、そしてこれまで登場した脇役たちの存在を横糸にしてシリーズが進んでいくんですね~。
どんどんこのシリーズの世界観に違和感なく馴染んでいるわ、読者としても。
よくスコットランド描写も描けているのが、また◎だし。
既に、次の3冊目の主人公たちは、この既刊2冊で登場済み(^^)
8月の翻訳版発売が楽しみですな♪

+余談+
今回の本で「ぷっ」とウケたのは、物語後半にて、サラとラモスがドライブ旅行に行くところ。
ええ、二人が飲んだ、あのソフトドリンクです(笑)。
実物を飲んだ事ある人間だからこそ、言い得て妙なたとえだとウケたの何のって(爆)。
ライトバージョンもあるんだけど、やっぱりオリジナルでいっといて下さい!www
ことのさんはどっちも飲んだけどねー(^^ゞゞ
あれは、イングランドじゃ飲めないの。
スコットランドでなきゃ飲めない地域限定品からこそ、よくこれを出してきたな、と感心しきり(笑)。
あ、ラモスくん、その味のキャンディはスコットランドで売ってるのよ。ソフトキャンディ版で(実話。笑)。

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