クリスティーナ・ドットのロスト・プリンセス・トリロジー2冊目、読了。
やっぱりこの時代に逆行しているとも言えるほのぼのさがたまらなく好きだよ、ドット作品。

今回は、前作にて行商(笑)の片割れで、途中で自らの道を探すべく旅立った末っ子王女エイミー。
デボンにある小島に流れつき、そこでつましく暮らす事になった彼女が、領主に搾取され貧しく生活する島民の為に立ち上がった。
領主であるノースクリフ侯爵を誘拐して身代金を要求し、そのお金で島を救うのだ!!と。
そうです。それが前作ラストの、あの新聞告知でございます。

・・・しょっぱなからウケた。
ノースクリフ侯爵ジャーミンくん、ヒーローが登場早々、ヒロインに一服盛られて誘拐なう!(爆)
でも、搾取していたのはジャーミンの叔父だったので、妙な方向に話が進むのがコミカルに、ところどころおセンチに展開するのがとってもナイス。
身代金ディスカウントして再挑戦!とか(笑)、誘拐されている筈が呑気にビーズ編みしているジャーミンくんとか、ネコをかぶった恩人の老婦人とか、クスクス笑っちゃうんだよね。
でも、基本的にドット作品のペーソスってそうなんだよね。
誘拐された事により、自分がどれだけ領民に向かい合っていなかったか、自分が守るべき領民をないがしろにしていたか、という現実を突きつけられて改心するジャーミンのくだりは秀逸。
きゅん、としちゃったもん。
誘拐現場からしめしめ、と逃亡したのに、昔は優しかった島民たちの口から発せられた自分への評価に言葉もなく、しゅんとして元の現場に戻るところ。

しかし、そこはやっぱり軽くセクシーなドット作品ヒーローらしく、胸ときめく相手へのメロメロっぷりやら、アプローチやらは鉄板(笑)。
でもね、あの謎の箱とその中味に関してはツッコミだわ(爆)。
怒涛のなだれ込み結婚(笑)から、ヒーローがヒロインにひどい事言って出てけ展開とか、いやー。ここらへんは古典ちっく(笑)。

元気印で、若干変な方向に真っ直ぐなエイミーに、何というか当て逃げされたような風体の末に人生が停滞していたものが新たなものになったジャーミン、というものだが、ここでレインジャー皇太子がどう絡んでくるのか・・・ってなると、まぁ、今回は笑える程に出番が少なかったわ~(^^;
このネコ以下の出番率は次回の為に余力を残したと邪推しそうです(笑)。

そんなこんなで、次回完結編、長女ソーチャのお話。
余りに既刊で語られなかったガチガチの王女様ですが、所詮は尿瓶をキックして敵を撃退し、誘拐を平気で企てるボーモンターニュ王家の女(笑)。
女難の相が出ていそうなレインジャーに勝ち目はあるのか?!(爆)
・・・そして皆して、すっかり忘れてそうだが、レインジャーの国はどうなるのか?!(^^ゞ
早く読みたいわ~。

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