クレスリー・コールのローアもの2冊目、読了~。
読み終えるのが勿体なくて、ついついいつもより時間をかけてそれこそ舐めるように読んでしまった(笑)。

今回の主役は、「凍てついた心のケイドリン」の異名を持つヴァルキリーのケイドリン。
かつての古の大戦時に、ふとした自分の仏心的行為が、二人の妹を殺される原因となり、その悲しみと天恵から心を閉ざしたヴァルキリー。
コヴンの他のヴァルキリーとも一線を引き、ヴァンパイアを殺す事と、「タリスマンズ・ハイ」というローア版宝探し大会を勝ち抜く事のみに全てを費やしている。
そんな彼女に転機が訪れるというお話なんだが・・・うまい!本当にうまい展開だわ。

彼女が、とあるロシアのお城に住むという引き篭りヴァンパイアを退治しに出かけるんだが、皮肉にもそこに運命の相手がいたりするんだもんな。
その相手とは、引き篭りヴァンパイア当人・・・元エストニア貴族で名高い軍人だったセバスチャン・ロスさん(引き篭り歴300年)。
このシリーズでのヴァンパイアというのが、運命の相手(花嫁)を見つけるまでは、心肺停止状態という設定なのだが、セバスチャンの場合もご多聞にもれず。
いやぁ、すごかったわ・・・この二人の出会いシーン。
まさに ギガントモエキターーーーーーーーーッッッ って衝撃状態。
デフォルメしたフォーリン・ラヴ場面なんでしょうが、ウケまくり。核心犯だもん。解凍系なケイドリンだからこそ、余計そう思う。
花嫁ケイドリンを求めるセバスチャン、デキて尽す男前でなければ 単なるストーカー ですよ、ってぐらいつっ走ってます(^^ゞゞ
で、このセバスチャンが恐ろしくことのさん好みで・・・参謀タイプなんで、生前(?)は著名な軍人なんですが、ヴァンパイアになって「どこでもドア」的にトレースする前でさえ、一休さんよろしくシンキング・タイムがあるんだわ(笑)。
しかも、なにげに前作登場(詳しく言うなら未訳短編)のミストの夫となったヴァンパイアの将校ニコライの弟で、ニコライによって弟コンラッドと共にヴァンパイアにさせられたというヘヴィな背景持ちなんですよね、このセバスチャン。
シャイな彼のたどたどしさも手伝い、ヴァンパイアになってしまった自分自身への嫌悪や葛藤なんかを、ハイに参加しているケイドリンをサポートしていない時間を埋めるように積み重ねていくのがまたニクイ。
ああいう、単発的場面の切り取り展開となった場合、飽きがくるもんだがそういう意味では手法的にも◎だと思う。

いや、そんな堅苦しい話以上に、読んでもらえば分かりますが、ハイを使ってお宝獲得大騒動をベースにした、ガチンコロマンスです。
この二人、なにせ千年近く感情を無くしていた女性と、三百年近く感情的にも心肺停止状態だった男性なものだから、ロマンスは限界まっしぐらだだ流しホットで、それでいて胸キュン。
ああ、どっちもかわいいんだよ、本当に!!
個人的にはマニアックだろうが、感情的に脆くなっているケイドリンがヴァルキリー本来の弱点(宝石や光ものが大好き)を、ライキーのボウエンにつかれて、ダイヤモンドと共に洞窟に閉じ込められる場面がきゅきゅーんときた。
呆然としちゃって、でもダイヤはしっかり手にして撫ぜ撫ぜしてます、みたいな。
ああ、セバスチャンでなくてもキューンとなっちゃうな(^^ゞ
かと思ったら、300年寝太郎状態になる前から、既に経験値皆無に近い夢見る萌え青年ヴァンパイアのセバスチャンを、いい意味でがっつりオラオラ姐御状態に引き込むし、ギャップ萌え上等!(爆)

そうなんですよね。
他のパラノーマルものと違い、ことのさんはこのシリーズの何が一番お気に入りかっていうと、あのキュートでゴージャスで、買い物番長揃いのサブカル・ジャンキーなヴァルキリーちゃん達なんですよね。
ヒロインが大好き♪ そして女性キャラが元気で嬉しい♪♪っていうのは、やっぱり読む方としてもベクトルが強い。
読んでてワクワクしちゃうんですよね、あのサブカル奴隷っぷり(笑)。
今回は、脇キャラのヴァルキリーの中でもレギンとニクスがチョイスされているから、また凄かった(笑)。
ニクスの今回のTシャツも素晴らしゅうございました(爆)。
でも、今回のテーマとなっている宝探し大会の主催者の「不可能の女神様」のリオラが・・・どうしよう。ツボすぎ。
あの 人の話を聞かない配線違いっぷり も、あそこまでいくともはや芸風!(笑)
カバン持ち お付きのスクライブもいい味だ(笑)。
さすが、あんな怪物勢ぞろい大運動会のようなもんを主催するだけある(^^;
(ビジュアル的に、タリスマンズ・ハイってちょっと想像しただけで吹き出すぐらい妙だと思うよな。笑)
オチがね、リオラ様のオチがまた素晴らしいわ~。
あの手紙の署名「 世界のサッカー応援歌の女神 リオラ 」の意味がすぐに分かるロマンス読者がそんなに多いとは思えないが(笑)。
あそこが一番好きなんだよね、それを口にしているリオラ様のあれこれを想像しただけでウケた(爆)。

さて、次回の翻訳も決まっていて、今回、とんでもない目にあわされた方が再登場となる。
前作ヒーローでライキー(人狼)の王ラクレインの従兄弟ボウエンである。
かなりの伏線がこの2巻で登場している。
あの災難体質なボウエンがどうなるのか・・・というか、あの横穴からどうなったのやら(^^ゞゞ
吠えて吠えてフェイドアウトしたもんな・・・(笑)。
来年日本上陸という事らしいので、楽しみに待っています(^^)

+余談+
ロス兄弟の出身地が「エストニア」っていうので、『ヘタリア』のあの眼鏡優等生が妙にセバスチャンにリンクしてしまった・・・(笑)

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