レイチェル・ギブソンの新刊でシアトル・チヌークスもの、読了~♪
もう、楽しくって楽しくって、何度も読み返してしまったわ!!

前回のチヌークスもの『大好きにならずにいられない』より数年後が舞台のこの作品。
こちらになってくると、前作よりもこなれてきているのもあって、いろんなところがとても上手い。
今回の主人公は、何の因果かアイスホッケーチームの番記者(代理)になってしまったコラムニスト兼記者のジェーン。
男の世界に小柄で地味で強気な彼女が飛び込んだものだから、セクハラもいいとこな嫌がらせを受ける羽目に(^^;
いやー。ホンマに番記者という設定だけあって、ロッカー場面が多く、必然的(?)に 下半身下ネタ なトークが炸裂しまくり(笑)。
そんな中でも、特にスター選手であるゴーリーのリュックはマスコミ嫌いで通っているだけあって、なかなか手ごわい。
が、しかし、幼い頃に母親を亡くし、いないも同然の父親の存在も手伝ってドン底から這い上がってきたジェーンは負けてません。
生い立ちや過去から愛する事に臆病な彼女が、何故かどうしてもリュックだけは気になってしまう。
そして、最初に見た時から、全然自分の好みのタイプでない筈のジェーンが気になって仕方ないリュック、という事で、同行取材の幕は開けるのだが・・・。

とにかく、ホッケー好きにはたまらんスマッシュな、そのシーズン中のホッケーチームのあれやこれや描写に、本当に上手にロマンスを搦めていて、その時間の流れすら計算したかのような展開。
しかも、シーズン中にこれだけのクライマックスを何度も盛り込めるって、ギブソンの筆力に拍手。
特に、チームが最悪のゲームをした直後にジェーンが解雇されたくだりは、どうなるのかドキドキしたわ・・・その後の展開には大ウケしたけど(笑)。
何か、SEPのシカゴ・スターズ1冊目のフィービーのオーナーの務めのくだりと同じといえば同じだけど、少なくともフィービーは「引き継いだ」だけ。
このジェーンは自分がやらかし、そして作り出したジンクスだから(爆)。

図体のデカイおバカさんヒーローであるリュックの、駄目な中にも変に常識人なところとか、地味な格好をして堅物なジェーンの「秘密の副業」とか、落差萌えポイントもしっかり押えてますなぁ。ふふふ。
いやぁ、このリュックのポジションがゴーリーって事で、今回の作品の実在のスター選手との夢(?)の共演は、パトリック・ロワでしたーっっ!(嬉)
何てこったい。リンクのど真ん中で、両ゴーリーのどつき合い!! ・・・萌えだわ。既刊ロマンス本ではありえないぐらいの力技での萌えだわ! > びったんびったんジタバタ
ロワの姿を思い浮かべながら、ニヤニヤしながら読んでしまいましたよ(^^ゞゞ
前作主人公たち、そしてサイドロマンスを展開したリュックの前任ゴーリーでもある脇役さんカップルもさりげなく再登場。
二組とも幸せな姿を拝ませてくれて、読者としてはそっちも嬉しいサービスでした(^^)

ギブソン作品らしい、個性的な脇役は今回も健在。
チヌークスのレギュラー選手は皆して個性的だし(その中でも、スウェーデンからやってきた訛り全開な新人ウィンガー・ダニエルがご贔屓。笑)、アシスタント・ゼネラルマネージャーのダービーのダサルック上等!のオタクっぷりはキタコレ!(笑)
そんなダービーを待ち受けるのが、ジェーンの親友にてファッション番長の美人キャロラインってのも大笑いしたわ・・・彼女の台詞が傑作だよ。

「それに、しょうがないわ。彼には私が必要なんだもの」

まさに割れ鍋に綴じ蓋カップリング達者のギブソンらしい言い回しだ(笑)。
そんなキャロラインのよい弟子状態となっているのが、両親の死によって異母兄のリュックと同居する事になったティーンエイジャーのマリー・・・と、まぁ、このマリーとリュックのぎこちない家族のやりとりが、何とも切なくて秀逸。
人間反省する事は多いが、何とも潔い反省っぷりだわ・・・それが恋愛面には反応鈍いのはテンプレだけど(^^ゞ

各章のタイトルのツボメガヒットな事といい(あの「反省部屋」だけで、この本を買った甲斐があった!!とすら思いました。笑)、細かくも主人公の設定によって素人にもアイスホッケーを分かりやすく書いている事といい、スピード感があって、それでいて全体的にキュートでハッピーな元気になる作品でとってもベリグッ♪♪
ラストのあのほっこりラブラブさも、きゅんきゅんしちゃって、超お気に入りだわ♪♪
RITA賞作家云々っていうより、これに関しては本当に個人の好み。
これが、アイスホッケーをキーポイントにしているっていうだけで、ほぼ当確なんだけどね(^^ゞ

こうなったら、残るギブソンのホッケーものも翻訳してもらわなくっちゃ!
幸い(?)にしてギブソン、今年のRITA賞をとって二冠となったから、箔はついたわよ、前にも増して!(笑)
ああ、引き続き翻訳バンバンお願いしますよホント(-人-) > ライムブックス様

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