アーケイン・ソサエティ・シリーズのジェイン・A・クレンツ名義の2冊目、トータルだと3冊目になる1冊、読了~。
クレンツらしい、とっても楽しい1冊でした(^^)

シリーズものは、余り書いてないクレンツだけど、書く時って関連リンクを細かいところに、しかも茶目っ気たっぷりに張ってくれるので、読んでいる方は非常に楽しいんですよね。
今回は、ソサエティの中でもエリート中のエリート、しかもジョーンズ一族でも宗家を継ぐ男ザックが主人公なものだから、組織の中枢事情に踏み込んでいる。
それが丁度、クイック名義として、シリーズとしても1冊目の『運命のオーラに包まれて』(ヴィレッジブックス刊)の組織創生期の解釈部分と見事にリンクしていて「あ、うんうん。そうなのね。そこに繋がるのね!」と、継続して読んでいる読者にはたまらんスマッシュ!!な設定リンクの細かさ(笑)。
でもって、ザックの奥さんとなるべく登場するのがコスチューム・ショップの経営者で能力者であるレインさん。
・・・典型的クレンツ・ヒロイン上等!(笑)
とにかく商売っ気満々で有能、美人なのにややオタク思考、そしてワンコやニャンコを愛する(ここは外せない。笑)。
タフそうなのに、すごくセンシティヴな面も持ち、その落差がまたかわいいんですよね。
今回のレインは二匹のネコを飼っているんだが、この二匹、名前の時点でモエキターッ!!な状態で・・・ああ、やられた・・・。
「バットマン」と「ロビン」だなんて(爆)。
出てくるソサエティ関係の登場人物の男子、必ずメロメロに落せるこの二匹・・・強力兵器か(笑)。
そんな二匹の飼い主のレイン、いやはや。期待通りの肝っ玉っぷりを発揮、前作『許される嘘』のクレアばりに、ファロンを滅多斬りしていたぶってくれました(爆)。
・・・何かファロン、立場的に偉い人の筈なんだが、巻数が進むにつれ ヘタレ度 が増してゆくわ(^^;;

敵対する組織「夜陰」の概要について、ほんのさわりだけとはいえ今回は出てきたのも面白かったな。
クレンツが書くと、こういう怪しい新興秘密組織が実に活き活きしているのがまた笑える(褒めている。笑)。
クレンツの書く悪人って、テンプレなんだけど非常に人間くさい。
そして何より、腕力や残忍性よりも頭脳でやりくりするタイプが多いので、読んでいる方もストレスは少ないと思うんだよな。
生き延びた彼女とか、その上にいる過去の妄執にとらわれている男とかの今後がこれからのシリーズ作品に反映するのも楽しみ。

壮大な超能力ワールドのシリーズなんだが、単発でも読めるレベルまで噛み砕いた上に、マッチメイカーものにしちゃってハッピーエンドにしちゃうその達者さはクレンツならでは。
とっても堪能しましたわ(^^)
気になる脇役も新しく登場したりして、やっぱり続きが早く読みたい♪
でも、まずは先に過去とのミッシングリンクを少しづつ埋めるべく、ソサエティものの次の翻訳はクイック名義でお願いしたいな。4巻目(笑)。
そんなこんなでお願いします > ヴィレッジブックス様(笑)。

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