なるべく新刊書店(ネット書店)で新刊購入して作者、及び出版社に還元してこれからの翻訳ロマンス本継続に、という姿勢でいるんだが、いかんせん飽和状態。
そう、現在の翻訳ロマンス文庫。
月10冊以上は新刊で買っているが、厳選の末にそれでもそこからまだ新刊がだだ洩れしているのは10年前だと考えられない状況(^^;
で、古本屋事情に恐ろしく恵まれた環境なのをいい事に、こうやって近刊拾いも余念なし(笑)。
この本も、本当は新刊で買うつもりだったが、手持ちの新刊本読み終えるより先に落ちてきた(笑)。
そういう時って、ふと考えるよね。
「この本は、そんなにつまらないから早く古本屋送りになったのか、はたまた読み捨て内容なのか」などなど。

で、先日拾ってたこの本を読み終えたことのさんの感想。
「すいませんっ!!この本こそ、新刊定価で購入すべき 超良作 でした!!」

何というか、最近の翻訳ロマンスの極左、極右状況には驚くばかり。
ヒストリカルか、パラノーマルか。
この二つを除くと、殆ど新刊文庫残らないんでないのか?(^^;;という気すらする・・・私の気のせいではないと思うんだがね。
そんな中に、この本である。
もう、何というか、SEPの厳密な意味での新刊に今年中お目にかかれそうにない、良質のコンテンポラリーに飢えていたところにしっかりハマったわ。
メインの外見と中味といろんな本質の落差がキュートな図書館長ヒロインと、泥棒一族のはみだし者大学准教授ヒーローのロマンスもホットでコミカルでグッジョブさることながら、脇を固めた図書館長従妹ちゃんと幼馴染の警察官クンのロマンスが・・・キターッ!!
モエキターッッ!!
ああ、何ていい男の純愛を読ませてもらえたんでしょーか。
本当に、あの藤の木登りシーンだけでもこの本を読んで良かった、と何度もリピってしまったぐらい。
「のぉぉぼぉってぇぇるぅのぉさぁぁぁ」
「しぃんぱぁぁいすぅるなぁああ」
「そぉぉれぇすぅぅ」と三連発して爆笑させておいて、あの「十二年かかったけど」「ついにやったよ」は完全に反則ワザよ。
まっさかさまに恋に落ちるのは、従妹ちゃんだけでなく、読者もです!! > びったんびったんジタバタ

ナンシー・ウォレンって、小道具の使い方と、会話のやりとりの妙、あとモノローグのウィットさ加減はハーレクインの中篇作品や短編集でも随所に光ってたけど、この作品ではズバ抜けていた。
いやー、長編でこれだけ書ける作家なんだ!! > 目からウロコ
何より、パラやヒストリカルのような大きな風呂敷的設定でなく、どこにでもある田舎町を舞台にした、しっかりした共感出来るキャラクター造詣によって読ませてくれた事が二倍嬉しい。
「美術界のインディ・ジョーンズ」と呼ばれている型やぶりな准教授のこの物思いに、この作品の本質が垣間見える。

彼女が母親になって、「お母さんをがっかりさせないでね」と言い聞かせて育てたら、太平洋岸北西部で一番お行儀のいい子が出来るだろう。
その子の父親になりたい、と心の底から思った。

ホットなのに、こんなときめく描写の数々にきゅんきゅんして、どん底の中から這い上がっての人生やり直しなんかもあって、そして最後にはハッピー気分になれる。
ああ、ロマンス読みで良かった、と久々に初心に返らせてくれた1冊。
お気に入り確定!

+余談+
でもね、読んだ時期が若干悪かったかも・・・ヤク中の夫婦 設定っていうのが(^^;;
あわわ(^^;;

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