リサ・クレイパスの新刊、読了~。
順番入れ替わり本だけど、ま、この程度ならスルーしていいや、ってカンジで読んだ。

・・・は。
何だ、この読後のモヤモヤ感は(笑)。
どっかで、どっかで読んだような 芸風 この設定っぷり・・・どこだ・・・誰だ・・・この、無垢という大旗振って男の心無い仕打ちに耐えるドアマット女テンプレ ・・・あ!
ダイ●ナ・パー●ー じゃん!(爆)
何か今、スッとした(爆)。

何かね、ダイア●作品のヒロインにもよくあるけど、たまに「無垢」とか「世間知らず」ではごまかせないぐらいドン引きで常識から逸脱していないか、って言動がありますよね。
今回のこの本のヒロインである子爵令嬢マデリン、傲慢老人貴族との結婚を嫌がって起死回生作戦とばかりに身持ちの悪い女評判を手にすべく家出するんだが。
その際に、そのイケ好かない婚約者ジジイからもらった婚約指輪を嬉々と 質入するんですよ!
ええ、しかもそれ、先祖代々の家宝!!
ドン引き以外の何者でもありません・・・身銭切れ!
自分のヘソクリ使うとか、せめて現金ないなら自分のものを売れ!!
この時点で、既にこの作品の感想から豪快なマイナスポイントです(笑)。

で、要するにその「身持ちの悪い女評判」の相手として選んだのが、人気俳優にして劇場経営者のローガン。
悶えまくって寸止めなのは非常に好みなんだが(笑)・・・一目見た時からマデリンが気になってしょうがないのに、ツンツンツンとイジめまくり・・・あ、やっぱ似てる(^^ゞ
そうなのだ。
もしかせんでも、古の白Rばり展開コテコテではないのか、これ(笑)。
もう、この作品の脇役たちの機能不全キャラっぷりといい。
マデリンの両親と姉の俗物具合といい、ローガンの養父母、実父といい。
で、ローガンの幼馴染アンドルーの話になるんだが、よくあるクレイパス作品の稚気ある男友達キャラのように読んでいて・・・あ。イタイ、って途中で思ったんですよ(笑)。
クライマックスのあたりで、マデリンに向かってローガンに対する心境を吐露する場面があるのだが、そこでイタさの理由が分かった。
かつて、ことのさんが スカ作品 と斬ったクレイパス作品『とまどい』のヒロインと同じなのだ、このアンドルー。
人の不幸を見て、自分の幸運を噛み締めている、地位や財産をやりくりも出来ないのに気位は妙にある偽善者だった。
しかもその人というのが、自分の幼馴染で仲良しで、自分が困った時にいつも助けてくれるありがたい友人だというのに。
そんな偽善っぷりが厚顔と重なり、居直り強盗よろしく金ヅルのように借金の申し入ればかりしている。
ああ、コイツも立派な機能不全キャラのお仲間だ(拍手。笑)。

そんな居心地悪いキャラ満載の中、最初の駄目駄目加減をリカバリするが如く、母性と知性を兼ねたスーパーウーマン(?)のように描かれるマデリンに違和感を覚え(笑)、いろんな意味で迷走するローガンを恐々と読んでいたらラストになっていました、とかいう話でした・・・って、どんなオチやねん!(爆)

とりあえず思ったのは、何となくオチも展開も分かったけど、クレイパスにこのテンプレは求めるのは私には無理だ、という事か(笑)。
再読は・・・そうね。
ジュリアの本が出た時に気が向いて、暇だったらするかも程度。
新刊帯にあった「リサ・クレイパスの記念碑的傑作」という謳い文句が、シラけるぐらい大袈裟な誇張にしか思えなかった想定内的作品でした(それはボウ・ストリートとかに使うべきだわ)。

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