リサ・マリー・ライスの新刊、読了~。
良くも悪くもリサ・マリー・ライス節は健在、と言ったところか(笑)。

この作品は本名のエリザベス・ジェニングス名義の作品なんだが、ライス名義と比べるとホットを通り越した感がしないでもないエロ場面がかなり抑え気味。
ついでに、サスペンス部分のウエイトを増やした、ロマサスらしい作品となっていた。
ま、でも、彼女の書くサスペンス具合なので、黒幕のヘタレっぷりは想定内(爆)。
そういう意味では、マッケナ作品により類似点を見出せるのか?(^^ゞ

財閥令嬢のヒロインが、その財産を狙う男によって父親を殺され、更に殺人犯の汚名を着せられての逃亡劇。
その逃亡先で、傷を負って軍隊から身を引かざるを得なくなったヒーローと出会い、恋に落ちる。
しかし、彼女の命を狙う真犯人の雇った非情な殺し屋によって、その生活も崩れようとしていた・・・という話。

お嬢様ヒロインを「俺の守護天使」と崇め奉っているあたり、ガチなライス作品ヒーロー!!ってカンジで微笑ましい(笑)。
しかもお約束に大型ワンコ属性だ(笑)。
ただ、今までのライス作品と俄然違っているのは、ヒロインの負けん気の強さというか、温室栽培の純正お嬢様にあるまじき サバイバリストっぷり である。
近年のロマサスの中でも出色の逃げっぷり、耐えっぷりである。
銃で撃たれた傷に、人間用だと処方箋からアシがつくからという理由で ホームセンターで購入のペット用抗生物質をぶっかける雄々しさ に、思わず「アニキーッ!!」って感じでありますよ(^^;;
守られている天使ちゃん、お姫様というこれまでの公式からすると・・・かなり現実的。
しかし、サバイバルの先生であるヒーローの教えが良かったのか、生徒であるヒロインが素晴らしい生徒すぎたのか・・・クライマックスでの殺し屋との一騎打ち後、殺し屋の死体を足蹴にする という、もともとの浮世離れした芸術家はいずこ、すごい変身っぷりである(笑)。
まぁ、そんな強い女なところすらにも腰砕けにメロメロなんだから、いっか > ヒーロー(^^ゞ

黒幕が前出の通り、ヘタレな俗物だった分、雇われた殺し屋がなかなか良い味でしたな。
かなりヘヴィな殺しのシーンの描写は、それすらもリズム感、こだわりがあって◎ですよ。
とっさにゲイキャラにまでなりきってしまう、その変化っぷりにもやられた(笑)。
ありとあらゆる「仮の姿」を、本人曰くやりすぎるぐらいにまでモノにした変化具合、頭の回転の早さ、本当に良い味でした・・・しかし、それを阻んだのが大型ワンコ(笑)。
しかも、彼はただ大好きな天使ちゃんの横で幸せ幸せ~♪にしていただけで、その存在だけで殺し屋避けになっていた、という(爆)。
脇役も、主役カップル至上主義のライスらしく、程度にゆるく良く、みたいな。
ほら、先日の二見から出た作品のようなスカ友達もいねーし(爆)。

そんなこんなで、やっぱりラブラブでそれでいてワンコなテンプレ。
そこが好きだから、楽しめました。ことのさんは。
テンプレマンネリ気味も、時代劇のようにツッコミしながら楽しめる方には勧めておきましょうかね(笑)。

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