ジェイン・アン・クレンツのアマンダ・クイック名義新刊、クレンツ名義とのクロスオーバー・シリーズとしても人気の「アーケイン・ソサエティ」シリーズ1冊目、読了~。

既にクレンツ名義のコンテンポラリー編の1冊目、シリーズとしては2冊目は翻訳されていますが(二見書房『許されざる嘘』)、前後したのも半年足らずなので事無きを得た?(笑)
どっちにしろ、コンテンポラリーにしろヒストリカルにしろ、クレンツはクレンツ、と再認識の1冊だったが(笑)。

胡散臭い超能力研究組織アーケイン・ソサエティ、組織の創設者で錬金術師のシルヴェスター・ジョーンズのミイラとその遺物を取り扱う事になったジョーンズ一族で会員のゲイブリエルがヒーローくん。
収集した遺物の写真撮影の為に雇われたのが、女性写真家のヴェネシア。
会った瞬間から、お互いを意識しあうラブラブっぷり・・・運命の夜を共に過ごすが、謎の襲撃者の為に離れ離れに。
そこで彼が、ひっそり自らの死を偽装したのがややこしい事態を招く事に。
その偽装死亡記事を見てショックを受け悲しむヴェネシアだが、ソサエティからの豊富な報酬前金を元に、写真家として商売拠点を作る為にゲイブリエルの未亡人と偽る天晴れさ(^^ゞ
「ほら、商売する未婚女性なんて言語道断だけど、未亡人ならある程度の自由はきくんだし」
叔母と妹弟の生活を担っている一家の大黒柱だし、クヨクヨしてなんていられないわ!!と。

・・・そんなとこにひょっこりゲイブリエルが帰ってきちゃって、という展開なんだが、そこはクレンツです。
シャレっ気満々で、飄々していて、ププッと笑えるんだもの。
新婚旅行先で、崖から落下したとかいうヴェネシア側のでっちあげヨタ話を全面肯定するインタビュー記事を新聞に載せてみちゃったり(笑)。
落ち着いたら、どうせ愛しい彼女の元に戻るつもりだったし、ここは話に乗っちゃおう♪と、警護も兼ねて押し掛け旦那状態で同居にこぎつけたり(笑)。
また、そのでっちあげ話には、幾つかの候補があったんだが、それがどれもこれも笑わずにはいられないアホさなんですが(個人的には「夫は野性馬に踏みつけられ死亡」がウケた。爆)、事あるごとにそれを持ち出してはネタにするお茶目なゲイブリエルにキタモエーッ!!
お金持ちのお坊ちゃんなんだが、クレンツ独特のマイペース男で、ラブラブっぷり発揮もマイペースなのが◎。
対するヴェネシアも、これまたクレンツお得意の頭の回転の早い仕事の出来る、ヒーローにとって割れ鍋綴じ蓋ヒロイン、というワケで、そうなのだ。
やっぱりどこまでもクレンツ作品なワケ(笑)。
そんな鉄板具合やらテンプレ具合を楽しめる、シャレっ気のある読者にこそクレンツ作品は向いていると常々思うが、これだけの情報量、伏線、サスペンス部分を入れてなお、その鉄板具合がブレないのはもはや「ナンバーワンよりオンリーワン」の世界である(笑)。

シリーズとしても、魅力的な脇役を適所に配置し、そしてクレンツ節が炸裂しているのもグッジョブ♪
今回は、ヴェネシアの弟エドワードとゲイブリエル、非常に定番ネタ「師匠と弟子」ちっくでよろしかったわ~(^^)
ゲイブリエルの両親の頓珍漢さもお約束だし(笑)。
最初っから最後まで、クレンツファンとして、大きなネタ小さなネタ全てに満足した1冊でした♪
やっぱりクレンツ作品、好きだわ~。この時代劇的ユルさが(^^)

さて、これで1巻、2巻とつながった。
ソサエティ・シリーズ3巻(クレンツ名義のコンテンポラリー編)の翻訳は決定しているので、このまま4巻(クイック名義のヒストリカル編)も翻訳して頂きたいもんですな(-人-)
6巻がゲイブリエルの従弟ケイレブくんの話なので、とりあえず続いてほしいです。マジ。

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