クリステイーナ・ドットのガヴァネス・プライドシリーズ3冊目、読了~♪
学院創設者3人のロマンス最終話はハナが主人公。
そのハナの手によって、学院が売却されるところからこの巻は始まりますが・・・そうきたか!

いや、過去持ちなのは3人の共通項だが、これはラストのハナにもってくるに相応しい爆弾でしたな。
逃亡中の人妻とは(笑)。
彼女が、10年前以来会っていない夫と再会したところから話が動くのだが・・・読めば読む程にこの旦那、レイバーン伯爵ドゥガルド・・・ヤバくね?(笑)
12歳のハナを未来の妻にと庇護する様は、何というか『源氏物語』の源氏と若紫のようで、つまりはロ○コンか!(ミもフタもない。爆)
18歳でうまく言いくるめて結婚したはいいが、しっかり家出されてしまうんだが、それに至るまでの言動が素晴らしいまでの痛快お馬鹿くんで(褒めている。爆)。
つーか、要するにそのドゥガルドが典型的蜘蛛ヒーローでうだうだうだうだ自分を置き去りにしたハナに対して復讐だ何だといたぶり大作戦を展開する・・・んだが、どうも若干のヘタレさを感じずにはいられない(^^ゞ
いや、それよりもメロメロ自覚が全くなくって、空回りも多少?!(笑)
全然復讐どころか、メロメロドッキュ~ンに、我慢も出来ずにふらふらと夜な夜な彼女のところにお通いしていて駄目だコリャ(^^ゞ
年の離れた幼妻が、すっかり自立した女性になっててどうも勝手が違うのも手伝って、若干頓珍漢な言動が(笑)。
・・・そんなところが、放っておけないというか、オッサンなんだが母性本能直撃というか(爆)。

・・・だって、蜘蛛ドゥガルドに呼び寄せられて罠にはめられた筈のハナの方が、何と言うか余裕というか落ち着きを感じてしまいます(^^ゞ
謎の襲撃犯に対峙した後の反応とか特に。
旦那の年上の貫禄はいずこ?!(爆)

クリスティーナ・ドットの作品って、キャラクターアンサンブルの抜群さは感じてたけど、今回も秀逸でした。
犯人に隠された過去とか、一捻りしてあって、やっぱり上手かったわ~。
ドゥガルドがハナを雇う(妻なので無給確定でおびき寄せるエサだったのだが)理由となったスプリング伯母さんとその仲間たちが良い味が出てました~♪
そして、こんな方をレギュラー脇役にしてしまっているとんでもないシリーズなんだが、ヴィクトリア女王様・・・相変わらずイカす!(笑)
前作2冊の主人公たちも登場していて、大団円に相応しいフィナーレでした。
ハナの身内に関しては、あくまでスパイスいうスタンツで受け止めていたのかしら作者自身は。
あの祖父母との体面は淡々と静かに書かれていてそんなイメージ。
彼女の出自に関するトラウマがハナの出奔の根底の一因にあった事を考えると、まだもう少し書き込んでもよかったかな、とも思ったんだけど。

3冊全部を通して、ロマンスとしてもフィクションとしてもかなり楽しませてもらえたシリーズでしたな(^^)
さて、売却された学院の後の姿とその関連人物たちのロマンス、翻訳されるのかしら・・・読めれば嬉しいんだけど。

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