キャロライン・リンデンのデビュー作にて日本初上陸作、読了。

お金のない貧乏貴族のヒーローが、お金目当てに若い令嬢との結婚にこぎつけようとしたら、その令嬢の後見者にて妙齢の未亡人叔母であるヒロインに妨害される、という・・・何だかよくある物語の始まりというか。
でもって、その丁々発止のバトルの末に恋に落ちる、というベタな展開もお約束・・・なんだが・・・。

えー、えーっと、この作品、どこが魅力なの?(^^;;

真剣に分からない。
自分が若い頃に駆け落ちの末に転落人生となったヒロインも・・・アタタ。
覗き見シュミの死にかけた恩人ジジイ夫の為に、と、いくら自分がそれなりに気に入った相手を選んでいるとはいえ、何人も男を渡り歩いて見せエッチしているような彼女に、もらい泣き状態のヒーローもどうかと思うんだが(^^;
まず、この短絡的なヒロインにまずどうしても馴染めず(笑)。
そして、なんとなく善人のように書かれていようが、愛なき育ちなゆえに自分の基盤である土地を持とうと奮闘するも、結局はその元手を仲違いしている父親からの仕送りで賄い、その仕送りが止められたら、金持ち女を引っ掛けて穴埋めしようとするヒーローも似たりよったり(笑)。
「同情するなら金をくれ」的な設定にしたつもりだろうが、同情心・・・薄いね。かなり(^^;;

そんな二人、そもそもの出会いのきっかけとなったヒロイン姪が駆け落ちして行方不明になった~!!とか切羽詰っている筈なのに、気付けばエッチに真剣に勤しむのにいっぱいいっぱいだし(^^;;
人の話を聞かないまま思い込みのみで暴走するヒロイン、一丁前の事を述べつつもどう見ても偽善者にしか見えない甘え満々ヒーロー・・・どうしても萎えるってば(笑)。
そんな主役キャラクターの魅力の無さからエッチ場面のホットさが、何というか浮いてて笑いも乾きます・・・。

でもって、ヒーローの家庭環境の裏事情、ヒロインの亡き夫の残した遺産に絡んだオチといい・・・かなりとってつけた感が否めない(^^;
ヒーローの生い立ち(想像ついたけど)、彼の人格形成に影響しているのは分かるんだが、だからといって金持ち女を引っ掛けりゃいい的な考えを見逃していいのかと・・・「いや、結婚したら相手を大切にするし」・・・居直り?(^^;;

まぁ、そんな二人がめでたしめでたし、となって拍手喝采するのも白々しいので割愛しときます(爆)。
脇役も、ヒス全開で人の話を聞かないところは叔母そっくりな姪をはじめ、イケてないのばかり(笑)。
オペラ歌手とヒーロー友人のあれこれなんて、とってつけたもいいトコだし(^^;
かろうじて、ウェア公爵が及第点?(笑)

・・・というか、早くも2冊目翻訳決まってるんだ、この作家さん(^^;
この作品だけで評価するのは気の毒なので、作家評価は次回まで保留・・・でも作品としては、そうね。
超悪くもないけど、お世辞にも優等生的凡打とも言えないかも。
再読は絶対ないわね(笑)←これが一番キツイ(笑)

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