シンディ・ジェラードのボディガード・シリーズ3冊目、読了。
はい、サヨナラっ!!

・・・いきなり、それは駄目?(^^ゞ
でもアツク語れない本だという事は確かなのだ。

いや、よく出来てますよ。
元妻を今だ愛するギャレット家の長男(チェリー・フレーバーのライフセイバーズ・ジャンキーの。笑)イーサン兄ちゃんが、フィリピンでテロリストに誘拐された元妻ダーシーを救いに決死の覚悟でジャングルを駆け巡る!
・・・ほらね。よく出来てるでしょ。話としては。
で、何で語れないのかというと、何でこんなにキャラ全てが魅力イマイチで人間的にも薄いんだろ、このシリーズという、シリーズものを読み続ける上での致命的欠点としての真理をまざまざと目の当たりにしたからだ(笑)。
話の展開が、どっかで読んだ事あるようなよくある傭兵ものロマサスのテンプレだとした場合、それ以上の吸引力が必要なのに・・・薄くてペラいキャラだとねぇ、たるいのだ。読んでて。
別れた理由も、再びくっつくにしても、淡々と読んで「あ、そう」と思ったワケ。
そんな主人公カップルのキャラの薄さに反比例して、ラブシーンだけはやたらファーストブレイクよろしく最初の出会いから攻めて攻めて、なカンジで浮いてるの何のって(笑)。
とにかく、現在と過去の交錯が無秩序のように感じるぐらい、説明補足のつもりでの切り替えが足を引っ張っているように感じたりした。
そう、めまぐるしすぎて感情の機微とかを描ききれないというか。
そうだな。こう言えばいいのか。
ダーシーとイーサンのロマンスのかなりの部分がこじんまりしたスケールなのに、無意味に勢いよく上滑りしまくりなんで、気付いたら目の前通過してて終わってた、みたいな(笑)。
大きなストーリーの隠し玉も変化球もないなら、むしろ丹念にしっとり書くのに専念した方が絶対よかったと思うんだけどなぁ・・・ましてや、元夫婦のやりなおしものなのに、感情の機微表現に欠けるってどうなんだか。

その上、元々、一番気になっていたキャラである次男ダラスが、今回は微妙に美味しいところをもっていった感も。
ダーシーと共にテロリストの人質になっていた女性エイミーとのあれやこれやである。
途中、忽然と消えたエイミーと、魂の片割れを無自覚のまま失ったようなダラスとの話がシリーズ最終話を飾るというあたり、もう他のキャラや話やエピソードはふっ飛ぶのは必然。
そうだな。
TSSでいうサムリスだな、この二人のポジションは。
「他はどうでもいいから、そこだけさっさと読ませてくれ」みたいな主役食いのサイドロマンス(笑)。
特に危ない目に合いそうな時に、ご都合主義の見本のように助けられたりしたダーシーの設定の白々しさ(あのテロリストの中に味方がいて守ってもらえましたー、ってとこ)と比べるとエイミーの悲惨な体験やバックボーンの不気味さは骨太だから読者の興味心を掴むしね。

そんなこんなで、つまりは・・・あんまり趣味じゃなかった1冊という事ね。
キャラ萌え度も低い・・・っていうか、イーサンは脇役の時の方が妄想の余地があってよかったという気が(笑)。
・・・ダラスも主役になったらそうだったりして(笑)。
主役になったらつまんなくなる、ってそれってまるでダイ○ナ・パー○ーのヒーローみたいじゃん(爆)。
このシリーズの新刊買いはこれでなくなったかな・・・あ。ダラスとエイミーの巻だけは、新刊で買うかも、ってぐらい。

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