クレンツの新刊、読了〜。
まぁ、新刊といってもこれは厳密に言うと22年前に書かれたステファニー・ジェイムズ名義の未訳本。
いうなれば・・・化石発掘?(笑)

で、読んでみて思ったのがクレンツという作家の作品、古い作品でさえそんなに古さを感じないというところかしら。
もっとも、あのヒーローのフリンの行動は今なら即刻セクハラで訴えられるけどさ(爆)。

離婚直後の上司フリンを、その会社に勤め始めて間もないヘザーは慰め、親身になり恋人同士になったが、彼はさっさと彼女を捨てて海外勤務へと旅立っていった。
その後、勤め先を変え、住んでいたアパートを引越し、心機一転一軒家を購入し再起を図った彼女の前に、再びフリンが現れて・・・というお話。
どうもジェイムズ名義の作品には、このテの「上司と女部下」系列が多くて苦手がのも実際のハナシ(ことのさんがつけている評価の高いジェイムズ作品は一発芸本が多いが。笑)。
カテゴリーロマンスとしてはお約束、しかもこれがシルエットだから、あのシリーズの創刊コンセプトをご丁寧にまとめきっているんだが(^^ゞ

そういう意味では、このフリンというのは口では八ヶ月前の自分はろくでなしだった等、潔く己のイケてなさっぷりを認めているが、男のズルさを体言してもいたりする。
そう、どうこう言っても結局は彼女は僕の事が好きだから許してくれちゃうし、というオーラが全面的に漂っている(笑)。
だからこそ、離婚後に引き取った子供の事を「切り札」として残しておいたりしちゃうのだ・・・よくこのテのズルさは敵役女が使うんだが、ここではヒーローが使うんだ(笑)。
確かにキミは苦しんでいたかもしれんが、そんなのヘザーの立場から言わせれば自業自得というハナシもあるんだが(^^;

それとなくクレンツヒーローらしい茶目っ気も垣間見える。
ポルシェの場面とかね。
でも、垣間見える程度ではこのご都合主義的展開は納得いかんのよね〜。
不可でもないが、可でもない1冊というところだな。

さて、この1冊が翻訳された事によりジェイムズ名義のディザイア未訳はなくなった(あとジェイムズ名義は一作、プロモーション用に作られた短編があるがそれは考慮に入れないでおきます)。
残るハーレクイン社のカテゴリーロマンス権利範囲内はクレンツ名義のテンプテーション未訳。
まだRITA賞作品も残っている事だし、ぼちぼちとでいいから未訳をなくしてほしいもんですな。
ちなみに7月にアフロディーテからクレンツ作品が出るんですが、それは未訳分なのか改題新訳なのかが気になるところです・・・てか、新訳はもういい。
しても『ロマンシング・ドリーム』だけでいいです(笑)

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