ジュリア・ロンドンの初邦訳本、読了〜。
「不運なデビュタント」シリーズの1冊目ですね。

彼女の作品は、いつもRT誌でも評価が高くて、このシリーズも、発売当時に一面広告で見ていたので「ああ、あれか」とは思ったんですが。
日本語で読めるとはいやはや(笑)。
何故か我が家の原書墓場にもかなり前から他のシリーズですが数冊あったりして、縁を感じます(勝手に。爆)。

で、シリーズ1冊目の今回、主役はデビュタント3人の最年長にてフォアチャイルド姉妹の姉エヴァと、ミドルトン侯爵ジェイリッド。
母親の急死で、財産を継父に奪われてしまった3人。
財産のない貧乏娘など、求婚者ドン退きって事で・・・何とかせねば!という状態に。
とりあえず先頭バッターは私から!というエヴァ。
かたや、放蕩者の侯爵様、結婚なんてどうでもいいや〜と、美人な未亡人の愛人とよろしくやる日々。
しかし昔から確執だらけの父親の公爵ジジイから、イケてない馬面の高貴な女性との結婚を強要され、進退窮まった状態。
とりあえず、てっとり早くまだマシな女を見つけて結婚せんとな!というジェイリッド。

これがまた、二人して初めて会った時からきゅん、としておきながら「この結婚はお互いの利害が一致したもの」と言い張って、あれやこれやのすれ違い。
これで・・・また、久々にお目にかかった。
よく古典ハーレクインである、ヒロインを憎からず思っているのに自分の主張を押し通すべく、愛しい彼女を遠ざけては鬱々しているこのバカチンがぁぁぁ〜!というヒーロー(爆)。
本当に、これはスゴ鬼畜とまではいかんでも、その屈折し損ねた言動の阿呆さと切なさの按配は、古き良き時代の濃ゆいロマンス本のテイストで(笑)。
きっとR読者、嫌いじゃないわ、このパターン(笑)。

キャラが際立っているワケでもないけど、とにかく二人の細かい心理描写の積み重ねによって構築された物語というか。
その分、設定時点でかなりの箇所がおざなりになっているのも否めないけどね。
たとえば継父が、社交界からの鼻つまみ者のように書かれているが具体的なところもなく、とか(笑)。
主人公達にしても、特にジェイリッドの○○○のところ・・・すごい取ってつけた説明じみた台詞に「おいおい(^^;」とはなったけど(^^ゞ

それでも、やっぱりラストの、あの元愛人交えてのすれ違い連打に、ホロリときちゃったんだよなー。
エヴァの壊れた気持ちと、そんなエヴァを見て自分自身も傷ついている事に気付かないジェイリッドとか。
「好き」っていう気持ちが肯定出来ず、自分も相手も傷つけるって何てアナログなっ、とか言いながらホント嫌いじゃないのよね・・・(^^ゞ
だって、最後に○○中のヒロインと、ベタベタのヒーローなんて典型的じゃないのっ!(萌)

負けん気の強いエヴァが、初心者なのに元娼婦で現侍女のサリーに頓珍漢な高度テク満載の男性誘惑手管を伝授されたり(爆)とか、元宝石店店員の現執事の頓珍漢な言動(笑)とかコミカルな部分もあるけど、全体的にホットでメロウ系かな。
不完全機能じみた家族関係も話に影響を及ぼすけど、何だかんだと乗り越えた二人の話、ともとれる。

次回は、今回、生き別れの親戚を訪ねるべくウェールズに旅立ったデビュタントの真ん中、エヴァとフィービーの従姉にあたるグリアのお話。
いや、この話を読んだ人は本当にエヴァとフィービーと同じツッコミをしながらグリアの話を早く読みたいと思うんですよね。

「ミステー・パーシーって、一体ダレ?!」(爆)

早めに読ませてもらいたいですね、ええ(笑)

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