ISBN:4596306079 新書 片桐 ゆか ハーレクイン 2008/02 ¥710

ラブレース「熱く危険な任務」シリーズ最終話、読了〜。
いやー、最後まで最新鋭機ペガサスを中心に、そのプロジェクト・チームのあれやこれやを楽しく読ませてもらえたナイスなシリーズでした♪

今回の主役は沿岸警備隊員のキャリーと、海兵隊員マックのお話。
いやー、絶対マックってツンデレだと思ったがビンゴ(笑)。
過去2冊の、あれやこれやのキャリーに対するツン具合が非常に今回効きました(笑)。
でもって、この二人、ロマンスもさる事ながら、そのプロ姿勢というか腹の座り具合がいいのよ。
キャリーがイマイチな男と付き合っていて、そいつからプロポーズされたのに対し、嫉妬で腹をたてると同時に、彼女の素晴らしい仕事ぶりを認めてそれを一挙に棒に振らせるという事にも腹をたてているというのが・・・何というか、いいのよね。
女性だから当然家庭に入る、みたいなそんな風には考えず、一人の人間としてキャリーの事を認め、そして虜になっているマックがかなりいいカンジなのだ。
キャリーも、またその期待を裏切らない。
自分の軍での仕事に誇りを持ち、かといって結婚や子供を諦めるわけではなく、どうにかして両立させようと努力し考える。
頑な、とは違うんだよね。
本当に自分の努力によって培われた、周囲の誰もが認める実力を伴ったプライドなの。
あー、どっかの大御所作家の腰掛けヒロインに爪のアカ煎じて飲ませたいわホント(毒舌)。

ある意味、そんな誇りとか仕事に対する姿勢とかからも、この二人は割れ鍋に綴じ蓋なのかもしれないなぁ・・・と思って読んでいたら、ラストにその通りの展開となった。
任務中に負傷し、海兵隊員として致命傷を負ってしまったマックの選択である。
よくある、負傷軍人の、その後のかつての自分とのギャップとの苦悩・・・な展開かと思って読んだら・・・やっぱりマックは腹が据わっていた。
この単語を、軍人カップルで、しかも骨の髄まで海兵隊なヒーローから聞けるとは。
専業主夫
彼女を思い、彼女のキャリアと未来を閉ざす事なく、そして同時に自分の未来を模索する為とはいえ思い切ったなぁ、と感心しきり。
特にこういう負傷ヒーロー、すぐに軍関連の仕事に就いたりするけど、そういう安直な展開でなく本当にラストの時点で彼の未来は白紙で、これからキャリーと築いてゆくものとなっていた。
こういうのもいいよね。
今までのキャリアを用いて何かするのか、それともここから新たに自分の才能を探求するか・・・このテのカテゴリーロマンスでは余り見ない懐深いキャラの扱いともいえるかな。
でも嫌いじゃない。むしろ嬉しい扱いだ。

しかし、最新鋭のハイテクマシンであるペガサスが、まさかまさか・・・地元民の張った、単なる魚獲りの網に引っかかるとは・・・さすがラブレース(爆)。
一瞬、何が起こったのかそりゃー分からないわよ(^^ゞ
そんな茶目っ気もあり、今回はホロリと泣かせる孤児パウロとマックのやりとりもあったりして本当に堪能致しました。
ウエストフォール海軍大佐の、ビビビッな一目ぼれ状態という嬉しいオマケもありましたし(^m^)
3冊とも、随所にラブレースらしい軽妙なやりとり、ホットなラブシーン、そしてキャラクター造詣の上手さが楽しめましたね。

次のラブレースは・・・オメガ新作?
いや、他にもまだ未訳あるから(タイムトラベルものとかヒストリカルとか)よろしくお願いしたいわ(^人^)

コメント