ISBN:4596512132 新書 高瀬 まさ江 ハーレクイン 2008/02 ¥700

アンナ・デパローのホイッテカー家シリーズ最終話、次男マットのお話、読了♪
うふ♪良かった〜っ。良かったよ〜っっ♪♪

全てが上手に配置してあって「あ、そうなんだ」と唸りながら読みました。
寡黙でデキるビジネスマン、そして兄弟の恋愛に対しシニカルだったマットの秘めた想いというか何ちゅーか!
不器用なんだか、器用なんだか、というところでホイッテカー家の悪魔の策士(笑)である妹アリスンの魔の手(爆)にかかり、過去に因縁ある結婚相談所を営むローレンのところに送り込まれる羽目に。
確かに切実だ。
弟でイケメンな元カー・レーサーのプレイボーイであるノアが年貢を納めて結婚して以来、有難くもなく「ボストンで最も夫にしたい独身男性」の座を2年連続いただくという目に(笑)。
あのマットが、独身女性の餌となって取り合いされている・・・滑稽だ。滑稽だから切実さがアリアリだ(笑)。

しかーし、デパローのうまいところがここに出る。
最初の相談所にやってきての個人書類作成時の、何ともキュンキュンな事!
目の前のローレンを前提に、萌え萌えで好みの女性についてのあれこれを返答しているマットがヒジョーにツボなワケだ(笑)。
かつて、結婚式当日に婚約者に捨てられ、その時にマットと対しているローレンは居心地悪さと、そしてクライアントに感じてはいけない筈のときめきを感じている身としては、そんな事には気付きはしない(^^ゞ
あんなにあからさまなのに!(笑)
ここからの、ローレンが探してくるデート相手を斬っては棄て、ちぎっては棄て、投げては棄て、鼻であしらっては棄て、のマットの男気全開にはもう、拍手しかない(爆)。

過去の清算とか、そういう二人のすれ違いですら、優しいタッチで書いていて、頑なな別れとかそういうものではなく、自分の胸に聞いてみて、そしてお互い歩み寄る。
ステキじゃない?
変な事件とかあったり、ヒロインが死に掛けずせずしても(爆)仲直り出来るって(笑)。
初歩なんだけどねぇ、これって。
昔はこういうのが当たり前だったんだけど・・・という意味では、ホットなラブシーンとは裏腹に、この手堅くほっこりするストーリー展開は古き良きイマージュや、シルエット・スペシャルエディションを彷彿させてくれる。
デキるビジネスマンなんだけど、好きな女性に対しては不安になっちゃったりするけど、決して鬼畜行動に走ったりせんし(笑)。
大家族の揃った、幸せなラストはやはりディザィア、って感じなんだけど。

いい作家だ、アンナ・デパロー。
こういう作家こそ大事にしてほしいもんだわホント。
あ、でも・・・あんまり作品数多くないの。残念だわね。
ただ、多作になったり、作家競作にばかり出るようになってクオリティが落ちるぐらいならこのペースでいいや(^^ゞ

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