あなたにさらわれて (〔ランダムハウス講談社文庫〕 (フ5-2))
2008年1月15日 新刊レビュー
ISBN:4270101490 文庫 北沢あかね ランダムハウス講談社 2008/01/07 ¥966
エイミー・J・フェッツァーの新刊読了。
今回は前作のシリーズものと違っての単発なので、さくさくさくーっと・・・流した(爆)。
つうか、流さずにはいられない穴あきまくりっぷりさなんだもんよ(笑)
科学者であるシドニーは、国家機密の研究所で働く身だが、ある日、その研究所が謎のテロリストに襲撃される。
現場での生存者は、偶然が重なり彼女一人。
機密漏洩を恐れる政府、生存者を抹殺しようとするテロリストからも追われるシドニーが、これまた偶然その場に居合わせてしまい、仲間を皆殺しにされた海兵隊大尉ジャックにも追われる羽目に・・・。
ヒロインのシドニーは仕事の出来る、そして機知に富んだ設定となっていてこれは及第点。
ヒーローのジャックも、まぁ、これまた仕事が出来る、同じく機知に富んだタフなイケメンで及第点。
イケ好かないまでの描写で、二人を追っかけてくる国家安全保障局捜査官のシスコはなかなか秀逸。
あの執念じみた追跡劇は、『逃亡者』を彷彿させますな、ええ。
そのシスコと、彼の部下ウィッカムのやりとりも○。
で、ジャックを助けるオタク青年二人組は、モロことのニーズ♪
・・・じゃあ、なにが、この本を流しの1冊にまで評価を貶めたのか。
それは作者の設定手腕の無さからくる読者への丸投げっぷりが顕著に現れた、悪役のアンポンタンさである。
ジャックに延々と研究所襲撃の黒幕の一人と対峙した際の、殺された仲間の事をつらつら語らせる行数の半分でもあったら書けたかもしれん、いや、書かねばならんかった絶対必要な事を書いてないからだ!
それが顕著に現れた場面がこれ。
ラスト、全ての元凶となった企業に潜入した二人の前に立ちふさがるテロリストの男と、皆殺しにされた筈の研究所員の中で、シドニー以外に生き残った・・・裏切り者。
その裏切り者がこう言います。
「(私のことを)何も知らないくせに」
ああ、知らねぇな。だって、作者が何でアンタが研究所を、仲間を裏切ったのか、その明確な動機の欠片を一行すらも書いてねぇからな!!(失笑)
いや、本当に一行も書いてない(笑)。
ジャックやシドニーは、そいつが裏切り者だった事に驚いているが、読者のこっちは余りの伏線と動機の無さの割にやらかした事のスケールがデカすぎる方に驚きを隠せない(爆)
で、何でソイツが皆殺しの場所から生き残ったのか、そのトリックも・・・しょぼーっ!
じゃあ、あの死体の指切断は、本当に単なる狂ったテロリストの記念の切断だったワケ?!
何も、アイツの正体隠す為の伏線じゃなかったワケ?!
・・・極上に頭脳プレイな事を伏線にしたんじゃないか、もしかして島田御大の『占星術殺人事件』じみた、それでいて横溝の『本陣殺人事件』トリックかもしれんぞー!!とか、ひゃっほー!トリッキー!!とか脳内推理して、わざわざ切断した指の内訳や内容とかメモってワクワク読んでたことのさん、まるきりバカをみた(爆)。
ことのさんの脳内妄想の方が、ボケた犯人一味より冴えてイケてたんではないか、って気さえしたわ(爆)。
そして、そんなボケた犯人に加担した、やっぱりこっちもよく分からないもう一人の裏切り者も動機の分からないまま、かつてのアメリカ人気ドラマ『ツイン・ピークス』のローラ・パーマーばりの死体でコンバンハ!(笑)
死体は何も語らないが、その腐りかけた死体を揺すってでもウィッカムさんには聞いてほしかった。
「動機は何だ?!エリートのオレでも分からねーっ!!」と(爆)。
あのねぇ、動機を書かず、明確な伏線も書かずにその場の雰囲気と何となく流れだけで「はい。この人が裏切り者だったのよ」って言われてハイハイ頷く読者がいるか。いや、いないよ(反語)。
それとも何?
読者にそこは行間読み取れよ、というここは丸投げゾーンなの?
いや。幾ら器用な読者でも最初から全くないものは読み取れませんから(爆)
でもって、主人公とその裏切り者が○○だった、とかなってるけど・・・その設定に関しても、全然その欠片も感じられなかったんデスガ?!(失笑)
主人公が○○だと、一方的に思い込んでいた(爆)としか思えないわ・・・だって作品中、ぽつりぽつり出てくる少ない描写にしても、○○っていうより、その、単なる知人って気がします(直球勝負。笑)。
そりゃー、そんなハムよりも薄い関係(古っ。爆)なら、裏切っても仕方ない。うん、仕方ないね、とか途中からキレ笑いしてたわ(笑)。
でもって、黒幕も・・・頭はいいかもしれんが、回転にぶいバカばっか(笑)。
大それた事をした割には、行き当たりバッタリ三昧で・・・それでいて、蛇足に近い犯人サイドの描写の羅列がその彼らのちゃらんぽらん度に拍車を掛ける・・・かなりトホホ度高し(~_~;
いくら主人公や、メインの脇役がよかろうが、二人のロマンスもホットでクスッと笑える箇所も多かろうが、話の発端となった部分がこんなアンポンタン揃いで設定破綻していたら、そりゃー物語はアイスバーンの道をノーマルタイヤで走るが如く、つるっつるに滑って滑って最終評価はクラッシュだね・・・は、はは。
再読は多分ないだろう1冊だな(笑)
エイミー・J・フェッツァーの新刊読了。
今回は前作のシリーズものと違っての単発なので、さくさくさくーっと・・・流した(爆)。
つうか、流さずにはいられない穴あきまくりっぷりさなんだもんよ(笑)
科学者であるシドニーは、国家機密の研究所で働く身だが、ある日、その研究所が謎のテロリストに襲撃される。
現場での生存者は、偶然が重なり彼女一人。
機密漏洩を恐れる政府、生存者を抹殺しようとするテロリストからも追われるシドニーが、これまた偶然その場に居合わせてしまい、仲間を皆殺しにされた海兵隊大尉ジャックにも追われる羽目に・・・。
ヒロインのシドニーは仕事の出来る、そして機知に富んだ設定となっていてこれは及第点。
ヒーローのジャックも、まぁ、これまた仕事が出来る、同じく機知に富んだタフなイケメンで及第点。
イケ好かないまでの描写で、二人を追っかけてくる国家安全保障局捜査官のシスコはなかなか秀逸。
あの執念じみた追跡劇は、『逃亡者』を彷彿させますな、ええ。
そのシスコと、彼の部下ウィッカムのやりとりも○。
で、ジャックを助けるオタク青年二人組は、モロことのニーズ♪
・・・じゃあ、なにが、この本を流しの1冊にまで評価を貶めたのか。
それは作者の設定手腕の無さからくる読者への丸投げっぷりが顕著に現れた、悪役のアンポンタンさである。
ジャックに延々と研究所襲撃の黒幕の一人と対峙した際の、殺された仲間の事をつらつら語らせる行数の半分でもあったら書けたかもしれん、いや、書かねばならんかった絶対必要な事を書いてないからだ!
それが顕著に現れた場面がこれ。
ラスト、全ての元凶となった企業に潜入した二人の前に立ちふさがるテロリストの男と、皆殺しにされた筈の研究所員の中で、シドニー以外に生き残った・・・裏切り者。
その裏切り者がこう言います。
「(私のことを)何も知らないくせに」
ああ、知らねぇな。だって、作者が何でアンタが研究所を、仲間を裏切ったのか、その明確な動機の欠片を一行すらも書いてねぇからな!!(失笑)
いや、本当に一行も書いてない(笑)。
ジャックやシドニーは、そいつが裏切り者だった事に驚いているが、読者のこっちは余りの伏線と動機の無さの割にやらかした事のスケールがデカすぎる方に驚きを隠せない(爆)
で、何でソイツが皆殺しの場所から生き残ったのか、そのトリックも・・・しょぼーっ!
じゃあ、あの死体の指切断は、本当に単なる狂ったテロリストの記念の切断だったワケ?!
何も、アイツの正体隠す為の伏線じゃなかったワケ?!
・・・極上に頭脳プレイな事を伏線にしたんじゃないか、もしかして島田御大の『占星術殺人事件』じみた、それでいて横溝の『本陣殺人事件』トリックかもしれんぞー!!とか、ひゃっほー!トリッキー!!とか脳内推理して、わざわざ切断した指の内訳や内容とかメモってワクワク読んでたことのさん、まるきりバカをみた(爆)。
ことのさんの脳内妄想の方が、ボケた犯人一味より冴えてイケてたんではないか、って気さえしたわ(爆)。
そして、そんなボケた犯人に加担した、やっぱりこっちもよく分からないもう一人の裏切り者も動機の分からないまま、かつてのアメリカ人気ドラマ『ツイン・ピークス』のローラ・パーマーばりの死体でコンバンハ!(笑)
死体は何も語らないが、その腐りかけた死体を揺すってでもウィッカムさんには聞いてほしかった。
「動機は何だ?!エリートのオレでも分からねーっ!!」と(爆)。
あのねぇ、動機を書かず、明確な伏線も書かずにその場の雰囲気と何となく流れだけで「はい。この人が裏切り者だったのよ」って言われてハイハイ頷く読者がいるか。いや、いないよ(反語)。
それとも何?
読者にそこは行間読み取れよ、というここは丸投げゾーンなの?
いや。幾ら器用な読者でも最初から全くないものは読み取れませんから(爆)
でもって、主人公とその裏切り者が○○だった、とかなってるけど・・・その設定に関しても、全然その欠片も感じられなかったんデスガ?!(失笑)
主人公が○○だと、一方的に思い込んでいた(爆)としか思えないわ・・・だって作品中、ぽつりぽつり出てくる少ない描写にしても、○○っていうより、その、単なる知人って気がします(直球勝負。笑)。
そりゃー、そんなハムよりも薄い関係(古っ。爆)なら、裏切っても仕方ない。うん、仕方ないね、とか途中からキレ笑いしてたわ(笑)。
でもって、黒幕も・・・頭はいいかもしれんが、回転にぶいバカばっか(笑)。
大それた事をした割には、行き当たりバッタリ三昧で・・・それでいて、蛇足に近い犯人サイドの描写の羅列がその彼らのちゃらんぽらん度に拍車を掛ける・・・かなりトホホ度高し(~_~;
いくら主人公や、メインの脇役がよかろうが、二人のロマンスもホットでクスッと笑える箇所も多かろうが、話の発端となった部分がこんなアンポンタン揃いで設定破綻していたら、そりゃー物語はアイスバーンの道をノーマルタイヤで走るが如く、つるっつるに滑って滑って最終評価はクラッシュだね・・・は、はは。
再読は多分ないだろう1冊だな(笑)
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