弔いのポートレート (ヴィレッジブックス F ロ 3-16 イヴ&ローク 16)
2007年10月23日 新刊レビュー
ISBN:4789731804 文庫 香野 純 ヴィレッジブックス 2007/10 ¥903
イヴ&ローク最新刊、読了〜(^^)
今回の巻は各レビュー関連でも高い評価を得ていた1冊だったので、楽しみにしていたけど・・・やられた。
シリーズ16冊も続いていて、まだこんなにギュッと胸を掴まれたり、ホロッとさせられたり新鮮な驚きを感じたりする。
何て怪物なんだい、ノーラさんよ。
今回、メインとなるのはロークの生い立ちに関する新たな事実。
今までロークの側から読者に提示されていたメグ・ロークというふしだらな女が彼の母親、という話が見事に覆される。
何と、彼の実の母親は別にいた、という事実が彼にもたらされるのである。
今まで信じていた事、自分のアイデンティティが崩され、そして実の母親を死においやってしまったのが己の存在だったと思い、自分の殻に閉じこもってしまうんですが・・・。
ちょっと、その知った経緯が嫌な気分になったりもしたんですがね。
その亡くなったロークの実の母親の知人の女性によって知らされるんですが、何故そんな偉そうに構えて言うんだ、この女。
要するにアンタは胸の中にあった過去の事を吐き出して楽になるかもしれんが、そんな爆弾をいきなり突きつけられたロークの立場を考えろよ、お前ホントに虐待された女性や子供を守るシェルターに雇われた優秀な職員なのか?!とか思ったのはことのさんだけでしょうかね。
確かに黙っている事より、話す事の方が勇気はいるとは思うが。
軽率とまではいかなくても、もう少し思いやりとか気配りが欲しかったわ・・・あの人がこれっきりの登場かどうかは知らないけど、今後出てきてもこのマイナスな印象は拭えないと思う。
さて、そんな殻にこもってしまったロークに対し、彼を大事に思う二人が今回タッグを組む事になったり。
そう、あの天敵同士のイヴとサマーセット(^^;
ここはもう、絶妙ね。
二人して、自分の事はさておいてまずはローク、というその言動全てがこれまでの二人の経緯あれやこれやと相まって、読者にググッとしたものをもたらすんですよね。
しかも、どん底から前進する為に、過去の自分を記憶に封印したイヴと、過去を顧みず捨て去ったロークにいずれは訪れるであろう、過去との対峙という意味で、14巻のイヴのルーツであるシカゴの街への遠征と対を成す、ロークのアイルランドへの帰郷もあったり。
ここがまた、家族の絆を描かせるとピカイチのノーラの腕の見せ所。
今までの辛かったロークの人生の道程は、イヴと出会った事で一つのピークを迎え、そしてここで新たに家族を得る事になった。
このくだりが、非常にこのシリーズ全体の持ち味であるスピーディなテンポと全く逆の、ゆったりした時間の流れをかもし出していてきゅんときたな。
そして、そんなアイルランドまでイヴがロークに会いにやってきた、あの再会の瞬間の詩的で、そして何と泣けた事か。
あの場面だけでもう、この巻の全てをもっていった、と言っても過言ではなかった。
この場面を書いてくれてありがとう、ノーラ、と真剣に心の中で礼を言ったよマジ。
そんな二人の葛藤以外にも、今回は見所満載。
いや、最初のサマーセットがバカンスで2週間留守です、っていう日のイヴのあの浮かれ壊れ具合は傑作だったら!
ホンマ、あの勢いで裸踊りしかねん状態でしたな(^^;;
そのサマーセット、ギャラハットのせいで骨折してしまいバカンスはお流れ・・・しかもベッドに軟禁状態。
なんとまぁ、イヴの毎度の駄々っ子っぷりにそっくりな事よ(笑)。
とうとう同棲寸前か、なマクナヴとピーボディもナイスですなぁ。今回も食い倒れピーボディは健在で、あのチョコバーをひとりこっそり食べていたイヴへの態度は笑えました(^^ゞ
そして今回見ていて楽しかったのが、バクスターとトゥルーハートくんの師弟コンビかな。
イヴの擬似家族は大きくなってきましたねぇ(しみじみ)。
それ以外にも、いつも印象的に登場するクラックが今回は・・・悲しい登場の仕方をするのですが、ここの部分もまた孤独だったあのイヴが不器用ながらにこのニューヨークの街に根を下ろし、そして縁を結んでいっている一つの形を見たような気がしました。
多分、システムの側についたイヴ以上に、システムの向こう側を選んだロークなら、あのクラックの言葉の重みに納得してくれるんではないかしら。
犯人すらも物悲しいものを少し感じる、何ともいえない1冊でした。
次回も楽しみです。
余談ですが、今回から翻訳者さん変更・・・あのダイアナのランダムハウスのヒストリカルを担当した方というので、ちょっとビビっていましたが(^^;;
今後はどうなるのかしら・・・個人的には中谷さんがいいんだけどなぁ(^^;;;
イヴ&ローク最新刊、読了〜(^^)
今回の巻は各レビュー関連でも高い評価を得ていた1冊だったので、楽しみにしていたけど・・・やられた。
シリーズ16冊も続いていて、まだこんなにギュッと胸を掴まれたり、ホロッとさせられたり新鮮な驚きを感じたりする。
何て怪物なんだい、ノーラさんよ。
今回、メインとなるのはロークの生い立ちに関する新たな事実。
今までロークの側から読者に提示されていたメグ・ロークというふしだらな女が彼の母親、という話が見事に覆される。
何と、彼の実の母親は別にいた、という事実が彼にもたらされるのである。
今まで信じていた事、自分のアイデンティティが崩され、そして実の母親を死においやってしまったのが己の存在だったと思い、自分の殻に閉じこもってしまうんですが・・・。
ちょっと、その知った経緯が嫌な気分になったりもしたんですがね。
その亡くなったロークの実の母親の知人の女性によって知らされるんですが、何故そんな偉そうに構えて言うんだ、この女。
要するにアンタは胸の中にあった過去の事を吐き出して楽になるかもしれんが、そんな爆弾をいきなり突きつけられたロークの立場を考えろよ、お前ホントに虐待された女性や子供を守るシェルターに雇われた優秀な職員なのか?!とか思ったのはことのさんだけでしょうかね。
確かに黙っている事より、話す事の方が勇気はいるとは思うが。
軽率とまではいかなくても、もう少し思いやりとか気配りが欲しかったわ・・・あの人がこれっきりの登場かどうかは知らないけど、今後出てきてもこのマイナスな印象は拭えないと思う。
さて、そんな殻にこもってしまったロークに対し、彼を大事に思う二人が今回タッグを組む事になったり。
そう、あの天敵同士のイヴとサマーセット(^^;
ここはもう、絶妙ね。
二人して、自分の事はさておいてまずはローク、というその言動全てがこれまでの二人の経緯あれやこれやと相まって、読者にググッとしたものをもたらすんですよね。
しかも、どん底から前進する為に、過去の自分を記憶に封印したイヴと、過去を顧みず捨て去ったロークにいずれは訪れるであろう、過去との対峙という意味で、14巻のイヴのルーツであるシカゴの街への遠征と対を成す、ロークのアイルランドへの帰郷もあったり。
ここがまた、家族の絆を描かせるとピカイチのノーラの腕の見せ所。
今までの辛かったロークの人生の道程は、イヴと出会った事で一つのピークを迎え、そしてここで新たに家族を得る事になった。
このくだりが、非常にこのシリーズ全体の持ち味であるスピーディなテンポと全く逆の、ゆったりした時間の流れをかもし出していてきゅんときたな。
そして、そんなアイルランドまでイヴがロークに会いにやってきた、あの再会の瞬間の詩的で、そして何と泣けた事か。
あの場面だけでもう、この巻の全てをもっていった、と言っても過言ではなかった。
この場面を書いてくれてありがとう、ノーラ、と真剣に心の中で礼を言ったよマジ。
そんな二人の葛藤以外にも、今回は見所満載。
いや、最初のサマーセットがバカンスで2週間留守です、っていう日のイヴのあの浮かれ壊れ具合は傑作だったら!
ホンマ、あの勢いで裸踊りしかねん状態でしたな(^^;;
そのサマーセット、ギャラハットのせいで骨折してしまいバカンスはお流れ・・・しかもベッドに軟禁状態。
なんとまぁ、イヴの毎度の駄々っ子っぷりにそっくりな事よ(笑)。
とうとう同棲寸前か、なマクナヴとピーボディもナイスですなぁ。今回も食い倒れピーボディは健在で、あのチョコバーをひとりこっそり食べていたイヴへの態度は笑えました(^^ゞ
そして今回見ていて楽しかったのが、バクスターとトゥルーハートくんの師弟コンビかな。
イヴの擬似家族は大きくなってきましたねぇ(しみじみ)。
それ以外にも、いつも印象的に登場するクラックが今回は・・・悲しい登場の仕方をするのですが、ここの部分もまた孤独だったあのイヴが不器用ながらにこのニューヨークの街に根を下ろし、そして縁を結んでいっている一つの形を見たような気がしました。
多分、システムの側についたイヴ以上に、システムの向こう側を選んだロークなら、あのクラックの言葉の重みに納得してくれるんではないかしら。
犯人すらも物悲しいものを少し感じる、何ともいえない1冊でした。
次回も楽しみです。
余談ですが、今回から翻訳者さん変更・・・あのダイアナのランダムハウスのヒストリカルを担当した方というので、ちょっとビビっていましたが(^^;;
今後はどうなるのかしら・・・個人的には中谷さんがいいんだけどなぁ(^^;;;
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