精霊が愛したプリンセス
2006年12月22日 新刊レビュー
ISBN:4789730255 文庫 鈴木 美朋 ヴィレッジブックス ¥924
ジュリー・ガーウッドの新刊読了〜。
今回は日本初上陸のヒストリカル作品となります。
元々彼女はヒストリカルでロマンス作家としての地位を確立し、コンテンポラリーに展開を広げた方なので、その人気の基盤となったジャンルを読むのは楽しみでした(^^)
一話完結のスピンオフ・シリーズとしては、この話はLionシリーズの1冊目となるようですね。
で、感想はというと・・・原書読みのお友達に、こうメールしていたことのさん。
「そうね。アベレージヒッターのセンター前ヒットというか」
・・・会話の相手が筋金入りの野球オンチなのを忘れてました(爆)。
つまり、うまいし展開次第じゃあ得点にも結びつくが、アナタの実力なら打てて当たり前と思っちゃうし、その程度はやって当然というのがこっちの意見。
その上、ホームランと違い・・・印象が薄い(笑)。
まだ三遊間抜いて走者返したヒット!のがスピード感も感じるが、これだとポーン、とボールが当たって浮いてセンターの前に落ちた、って感じ(^^ゞ
そう、この本、面白いしテンポもいいのだが、非常に印象が薄いのだ!!
う〜ん、つまりは決定打に欠けた優等生作品だな(笑)。
幼くして母と死に別れ、アメリカの地でネイティブ・アメリカンのダコタ族に娘として育てられたクリスティーナがヒロイン。
実の父に復讐する為、成長した彼女はイギリスへとやってくるのだが・・・。
どうもこの設定にしてはちょっとおとぎ話然としすぎている気がしました。
確かに幼少期の彼女のダコタ族の家族や部族民とのやりとりは微笑ましく、思わずつられてクスクス笑ってしまいましたね。
美しい貴族そのものの外見とは裏腹に、ダコタの女として肝っ玉な女性として描かれていて、その破天荒で頓珍漢な言動は、なかなか傑作。
ただ、実父への復讐への気持ちというか、接点が弱くて曖昧な印象を受けるせいか、前出で書いた魅力的な彼女のキャラクターに「深み」を与えるまでに至っていないんですよね。
とってつけたような理由、というかこじつけじみているように感じました。
復讐を誓ってるには、えらい呑気というかなんつーか(^^ゞ
そのクリスティーナの相手となるのが、ライアンウッド伯爵(ライアン)。
元イギリス政府の諜報員(工作員)として裏の世界で暗躍していた事のツケのように、今だ夜毎悪夢に苦しむ日々を送る厭世家のヒーロー。
しかも妻が自分の実の兄と姦通までしていりゃ、そりゃ世を儚むわな。たとえ二人があの世にいっても。
過去に苦しみ、人とのコミュニケーションもないも同然、吠えて威嚇するばかり。そんな彼が、クリスティーナと会って以来、テンポを狂わされ、喜怒哀楽が出てきて・・・と、まぁ、これ遠いところの解凍系くん?(笑)
まぁ、あの有様じゃそんな風には思わないが、強面よろしかったライアンがクリスティーナに調子を狂わされっぱなしで砕けた言動になって身近に感じるキャラになっていく様は非常によろしかったです。
堕とされるヒーローを見るのはいつも楽しいです(笑)。
シリアス部分を担当するクリスティーナの母ジェシカの日記も、ちょっと筆力足らずで(おいおい)、そのせいかやはりシリアスとコミカルの緩急が効いてなかったりするんですよね。
そのせいか、どうもこの話を形にすると「起承 結」となる気がします。
転、つまりクライマックス的盛り上がりに欠けているような・・・クライマックスがあの父親との対決なのか、はたまたライアンの靴が一斉に館に並べられて離婚を突きつけられた場面のか(爆)、それとも男前だがヌケているローン伯爵が窓から落下したドタバタだったのか・・・(^^;;
面白くてサクサク読めたのに、どうも印象薄いわホント・・・。
まぁ、お友達が「このシリーズは2冊目からが面白いのよ!」と言ってるので、それの翻訳実現の為、この本には売れて頂きたいのですが・・・この感想じゃ、駄目かしらん(笑)。
いや、明るく楽しくあ〜、面白かった♪とさっぱり読後気分を味わいたい方にはお勧めです >お前がとってつけたようだ、とツッコミされそうだな、オイ(爆)
こうなったら、やはり他のシリーズも読んでみたいな、ガーウッドのヒストリカル。
せっかくノア・クレイボーンが出るんなら、クレイボーン・シリーズとか、やはりことのさんらしくハイランド・シリーズとか(・・・そういえば、この本を一番最初に推薦されたんだわ昔。笑)、ブライド・シリーズも(^^)
これからもガーウッドが日本語で読めるようなので、次はどれが登場するか想像するのも楽しみですな(^^)
ジュリー・ガーウッドの新刊読了〜。
今回は日本初上陸のヒストリカル作品となります。
元々彼女はヒストリカルでロマンス作家としての地位を確立し、コンテンポラリーに展開を広げた方なので、その人気の基盤となったジャンルを読むのは楽しみでした(^^)
一話完結のスピンオフ・シリーズとしては、この話はLionシリーズの1冊目となるようですね。
で、感想はというと・・・原書読みのお友達に、こうメールしていたことのさん。
「そうね。アベレージヒッターのセンター前ヒットというか」
・・・会話の相手が筋金入りの野球オンチなのを忘れてました(爆)。
つまり、うまいし展開次第じゃあ得点にも結びつくが、アナタの実力なら打てて当たり前と思っちゃうし、その程度はやって当然というのがこっちの意見。
その上、ホームランと違い・・・印象が薄い(笑)。
まだ三遊間抜いて走者返したヒット!のがスピード感も感じるが、これだとポーン、とボールが当たって浮いてセンターの前に落ちた、って感じ(^^ゞ
そう、この本、面白いしテンポもいいのだが、非常に印象が薄いのだ!!
う〜ん、つまりは決定打に欠けた優等生作品だな(笑)。
幼くして母と死に別れ、アメリカの地でネイティブ・アメリカンのダコタ族に娘として育てられたクリスティーナがヒロイン。
実の父に復讐する為、成長した彼女はイギリスへとやってくるのだが・・・。
どうもこの設定にしてはちょっとおとぎ話然としすぎている気がしました。
確かに幼少期の彼女のダコタ族の家族や部族民とのやりとりは微笑ましく、思わずつられてクスクス笑ってしまいましたね。
美しい貴族そのものの外見とは裏腹に、ダコタの女として肝っ玉な女性として描かれていて、その破天荒で頓珍漢な言動は、なかなか傑作。
ただ、実父への復讐への気持ちというか、接点が弱くて曖昧な印象を受けるせいか、前出で書いた魅力的な彼女のキャラクターに「深み」を与えるまでに至っていないんですよね。
とってつけたような理由、というかこじつけじみているように感じました。
復讐を誓ってるには、えらい呑気というかなんつーか(^^ゞ
そのクリスティーナの相手となるのが、ライアンウッド伯爵(ライアン)。
元イギリス政府の諜報員(工作員)として裏の世界で暗躍していた事のツケのように、今だ夜毎悪夢に苦しむ日々を送る厭世家のヒーロー。
しかも妻が自分の実の兄と姦通までしていりゃ、そりゃ世を儚むわな。たとえ二人があの世にいっても。
過去に苦しみ、人とのコミュニケーションもないも同然、吠えて威嚇するばかり。そんな彼が、クリスティーナと会って以来、テンポを狂わされ、喜怒哀楽が出てきて・・・と、まぁ、これ遠いところの解凍系くん?(笑)
まぁ、あの有様じゃそんな風には思わないが、強面よろしかったライアンがクリスティーナに調子を狂わされっぱなしで砕けた言動になって身近に感じるキャラになっていく様は非常によろしかったです。
堕とされるヒーローを見るのはいつも楽しいです(笑)。
シリアス部分を担当するクリスティーナの母ジェシカの日記も、ちょっと筆力足らずで(おいおい)、そのせいかやはりシリアスとコミカルの緩急が効いてなかったりするんですよね。
そのせいか、どうもこの話を形にすると「起承 結」となる気がします。
転、つまりクライマックス的盛り上がりに欠けているような・・・クライマックスがあの父親との対決なのか、はたまたライアンの靴が一斉に館に並べられて離婚を突きつけられた場面のか(爆)、それとも男前だがヌケているローン伯爵が窓から落下したドタバタだったのか・・・(^^;;
面白くてサクサク読めたのに、どうも印象薄いわホント・・・。
まぁ、お友達が「このシリーズは2冊目からが面白いのよ!」と言ってるので、それの翻訳実現の為、この本には売れて頂きたいのですが・・・この感想じゃ、駄目かしらん(笑)。
いや、明るく楽しくあ〜、面白かった♪とさっぱり読後気分を味わいたい方にはお勧めです >お前がとってつけたようだ、とツッコミされそうだな、オイ(爆)
こうなったら、やはり他のシリーズも読んでみたいな、ガーウッドのヒストリカル。
せっかくノア・クレイボーンが出るんなら、クレイボーン・シリーズとか、やはりことのさんらしくハイランド・シリーズとか(・・・そういえば、この本を一番最初に推薦されたんだわ昔。笑)、ブライド・シリーズも(^^)
これからもガーウッドが日本語で読めるようなので、次はどれが登場するか想像するのも楽しみですな(^^)
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