御曹子の困惑

2006年8月18日 読書
ISBN:4596822077 新書 渡辺 千穂子 ハーレクイン 2006/04 ¥609

アシュトンズの7冊目読了〜。
押し返し地点を通過、シリーズは後半戦に突入・・・って事で、主役達もこれまでの作品に割と書き込まれているキャラになってくる。
そして今回の主役は、今までロクな書き方をされていない「コイツ、悪キャラか?!」な、ろくでなしスペンサーの甥ウォーカーと、ウォーカーの実母に育てられたネイティブの女性タマラ。

妹シャーロットが実母が死んでいない事をつきとめ、その母に会いにくる事になったウォーカーだが・・・今までの書かれ具合はそう違和感に思えない描写かな。
つまり、どうも魅力的に思えないヒーロー(笑)。
それがスペンサーの影響というのもあるんだろうが、それは彼の意思もあったので一概には言えないな。
実母とのぎこちないやりとり、タマラを女性として意識している様など、シェリさんらしく上手い書き具合のだが、いかんせん「ネイティブ」という重要キーをスペンサーに絡めきれてないのがありありと分かる。
まぁ、このページ数でそれを全部やれ、というのは難しいのは理解出来るから、それならどれかを一つメインにして書き込んでほしかった気も。
実際、実母メアリーとの和解というか再スタートもなんか、母ちゃんの方ばかりの歩み寄りや言葉が目についたり。
おらおら、もっと頑張らんかいこのヒーロー!!とかいうツッコミが一番出たのはここか?(^^ゞ

というか・・・一番居心地悪かったのは、このウォーカーが伯父が愛人まみれの生活送っていた事を知っていたのに、そんなヤツを盲目に心酔していたり、あのアシュトン邸での豪勢な生活を何の違和感もなく受け入れていたり、前作でイーライとくっついたラーラの母親であるメイド頭を「裏切り者」呼ばわりして意地悪な態度とったりしているんだよね・・・やっぱ悪キャラなんか?!(笑)
いや、読者にヒーローになるべきキャラではなかった、と言われるに等しいマイナス点か?(^^;
実の妹がああいう生活(アシュトン邸の中でなく外にあるコテージで寂しくひっそり暮らしている。なんせ昔っから伯父や義理の伯母に疎ましがられていたから)をしているのも見て見ぬふりだったというあたりもなぁ・・・。
てめぇ、まず何よりも先に妹を守れよ!!とか、シャーロットの話を読んだ時も思っていたが、この巻でも同じように思った。

いやはや。
このシリーズではじめてこんなにヒーローにマイナス点を付けたかも(爆)
対するヒロインのタマラは、かつての挫折から居留地に戻り、居留地の為に仕事をしているという女性。
いやー、こんなろくでなしコピー・・・あ、いや。ウォーカーに対し、しっかり全身で立ち向かっていくんだもんな。
別に大学で勉強した事が全部役立っていなかったとしても、タマラは自分の今の仕事に誇りを持っていて、ああ、いいな、と思わせてくれる事多々。
・・・なんでウォーカーがよかったのかいな、アナタ(ぼそ)。

いやー、セクシーでホットでラブラブだけではどうもことのさんは駄目っていう見本のような本だったかも(^^ゞ
ヒーローの台詞がなんでこんなに地雷のように感じたんだか・・・みたいな(^^;;

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