ISBN:478972624X 文庫 藤田 佳澄 ソニー・マガジンズ 2005/08 ¥935

一作目が大好きで早速買ったアンドレア・ケインの新刊(^^)
時差ボケで不眠気味なので、週末のお楽しみにじっくり読む気があっさり一気読みしちゃった・・・(^^ゞ

まず言うなら「1冊目のが好き」ですかね。
とりあえず、物語の運び方や展開、キャラの作り方は上手な作家ケインらしくサクサク読めるんですが・・・そう。それが今回はアダ。
「特徴のない優等生作品」とでも言うべきか?
二度目の再読が「すぐ」というのはないであろう、平均点以上だが「突出したものがない作品」ですな。

そういう優等生な作品で、あの「時刻割りチャプター形式」は、かなり無理がある。
あの形式は、焦燥感とか圧迫感やスピード感を出す為にミステリーやサスペンスではよく用いられるが、この作品では浮いて読めた。
つまり、物語自体は確かに短期間で進んでいるのだが、実際はそんなに切迫したものには思えないんだよね。
いや、キレイだったりステキだったりよく出来てたりするんだけど、サスペンスにしては悠長な場面、たくさんあり過ぎなのよね。
何だか三倍速で再生しているビデオのような違和感がそこには生まれているのが読んでいて分かるんだもの。
ああいう時間刻みなら、ゆったりした場面とか、微笑ましい場面は吟味してもう少し数を絞るべきではなかったのか?
「緩急」という意味では、そっちのがよかったなぁ・・・。

キャラ的にも、今回は「この人がイチ押しお気に入り♪」と即決なキャラもいなかったし。
ヒーローはかっこよかったけど・・・歯切れが悪いというか。
どうも彼の設定と、兄に対する態度や処遇が食い違いとまではいかないまでも、若干のズレを感じたのは私だけか?
ヒロインもよかったけど・・・今の理想主義者に至るまでの設定が弱い、というかこじつけのにおいがせんでもない、というか。
重要な物語のキーとなる少年との絆とか、もっとなれそめ(?)に行を割いてもよかったのでは?(^^ゞ

前作ほどに好き好きオーラはでなかったかも(^^ゞ
ううむ、ヒーロー側の脆い家族の絆とかあれだけ書いて、ヒロイン側の家族側はいきなり問答無用にスーパーマンとスーパーレディ二人がで〜ん!!と鎮座だもんな(笑)

余談だが、市長が賭けて大損したNHLのトーナメント、一瞬脳内変換出来なかったんだよね。
「スタンレイ・カップ」といつも言ってるから(笑)。
あきまへんで。あんな予測不可能な氷上の格闘技にそんな大金を賭けちゃ〜、とか思ったり(爆)。

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