ISBN:4789726096 文庫 池田 真紀子 ソニー・マガジンズ 2005/07 ¥882

ジョハンセンの新刊。買って早速読了(^^)
今回の本は、お馴染みサラ・ローガンの友人アレックスがヒロインで、ジャド・モーガンがヒーローという待っていた1冊なのでノンストップで読む。
今回の1冊で懐かしい顔、お馴染みの顔、vbでは前回の作品で主役を務めた二人のその後、とにかくジョハンセンのコンテンポラリー・サスペンスを読んできた読者には「おいしい」の一言に尽きる1冊(実は私は、かのスーパー・ヒロインであるイヴ・ダンカンが苦手なのであの人が出てきていないというだけでこの作品を贔屓にする理由がある。「嫌い」ではない。単に「苦手」なだけだ。笑)。

ヒッチコック映画をこよなく愛することのさん、「巻き込まれ型サスペンス」というものに目がないが、まさにこれは巻き込まれ型。
しかもそのスケールの大きさはジョハンセンならでは。
ましてや、あそこまでロマンス色を排除し、ホットな場面を書き込まずにいるにも関わらず、その匂いまでは消せないっていうんだから、極上である。読者に余地、という類ではない。確信犯なんだから。

強いヒロインが好きなことのさんだが、このアレックスも好きなヒロイン像である。前回のエレナほどに突き抜けてないが(笑)
ヒーローであるジャド・モーガンも、以前のジョハンセン作品ほどに出来た男ではない。それは今迄の経過が描いてきている。
だが、研ぎ澄まされた中にも稚気があって、それでいて複雑。
そういうものが、また心地よい。

まさに、ここ近年のジョハンセン自身がめざしたものを顕著に具現しているのが心憎い1冊だ。再読必死。
そして、こういう作品を、昔と変わらないペースで書き続けるジョハンセン、恐るべし。

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