くちづけは眠りの中で
2005年6月29日 新刊レビュー
ISBN:4576051016 文庫 加藤 洋子 二見書房 2005/06 ¥870
約一年ぶりのリンダ・ハワードの日本での新刊(^^)
さっそく読んだけど・・・そうくるか。
これ、微妙に『青い瞳の狼』のスピンオフなのね(笑)。
CIAエージェント関連の話って事しか前知識として入れず読んだら・・・これがとってもよかった(*^^*)
もっとも、最近再び新聞やニュースで取り上げられた鳥インフルエンザを題材にした話ってあたりが、タイミング的に怖いものが(^^;
CIAの契約暗殺者であるヒロイン・リリーが復讐の為にある男を殺すところから話は始まるのだが、この後の逃亡劇とリベンジ戦が頭脳戦でとてもことのさん好みでした(ラストはお馴染みのC4とか出てくる展開だったけど。笑)
壊れてしまいそうな極限まで追い詰められながらも、プロのアサシンとして地に足をつけている、その両極の描写が絶妙である。さすが強いヒロインを描かせると上手いわリンダ様。
ヒーローのスウェインが、これまた今迄のリンダの描いてきたヒーローとは一味も二味も違った男で味わい深かった!
軽妙で、でも我慢強くて、永遠の駄々っ子でありながら、デキる男で。
高島屋くんっつーか、ハグハグくんっつーか、こめかみあたりの白髪もよいのよっっ!!
ここに久し振りに近況が登場するジョン・マディーナとかまた対極の男かな?(^^)
リンダらしく、ホットな場面もありつつも今回はひたすら頭脳と言葉でのやりとりが心地よい。
ラスト寸前、リリーの、スウェインの上司への一言ですっこーんと物語のピースが全て腑に落ちるという、あの瞬間を味わいたくてきっとすぐにもう一度読むのだろうな、ことのさん。
しかし、リンダ様・・・この作品は、来年あたりお書きになられる新作への布石と見てよろしいのかしら?(^^ゞ
このままマディーナ達、再登場を期待していいのかしら?(^^ゞ
次回リンダ様の新作翻訳は、To Die For。
各所でこんなに評価の判れたリンダ本って、かつてあった?という1冊。
ここ数年は初出がハードカバーばかりの彼女が久々にPB初出で軽〜く書き下ろしたラブサスペンスだが・・・本当に評価はばっくり。
「超面白かった」という人から「新刊で買って損した。借りて読めば充分」という人まで。とにかく、イヴァノヴィッチのプラム・シリーズ?!と思った最初から、そのヒロインによる一人称作品っぷりといい異色作品である。
今回の『くちづけは眠りの中で』が良かったせいか、ちょっと今、リンダ様ブーム中になりそうだが・・・出たばっかの新刊、ハードカバーなんだよな・・・(^^ゞ
なかなか各所で評価のいいタイムスリップものなんで、どっかから軍資金降ってきたら買ってたりして(爆)
ここから下の部分は『くちづけは眠りの中で』を読み終えてから、お読み下さい
さて。お気に入りの1冊だが、どーしても最初っから「そ、それって・・・(^^A」と思った箇所が数箇所ある。
この物語で重要なポイントとなるCIA本部(ラングレー)の情報管理の杜撰さもその一つである。
リリーは「契約エージェント」である。
つまり、契約次第では、次にはこちら(CIA)と敵対する立場の人間と仕事をするかもしれない諸刃の剣ではないか。
ましてや、18歳の時からその実力はラングレーも認めるものであれば、その人物のデータ、ましてや自分達が彼女に「依頼した」仕事内容など、そのグレートの高さについては推察は難しくない。
つまり「特A機密」である筈。
なのに、今回マイホームパパのインターポール男とつながってるモグラ(あっさりラストに流された事を思うと、小物の可能性が高い)にあっさりとリリーは顔と過去の仕事を照会されてしまう・・・っておいおい!!
そんなにその二つが簡単に照会出来たのか?!
ラングレーは、一体どんな状態で契約エージェント達の情報を管理しているのだ?!(ましてやリリーみたいな特Aランクを!)
なんか、ここのラングレー職員、へそくり通帳のすぐ横にハンコを置き、キャッシュカードと同じケースに暗証番号書いたメモを保管し「さぁ、泥棒してくれぃ!!」と言わんばかりのうっかりなヤツ並みな印象ではないか。
いくら冷戦時代が終わり、諜報員全盛の時代ではないかもしれんが、ちょっと間抜けにも程がある。
リリーが再三言う、「使い捨て」として契約エージェントを見ているのなら、尚更その「使い捨て」から己達の立場が危うくなるなんて愚の骨頂。
細部までフォローバックをし、相手(敵対勢力)につけ込ませないのは基本。「攻撃は最大の防御なり」って言うが、最低限の守りもかためないで攻撃ばっかりするバカはプロにはおらんだろう(~_~;
そんな諜報部は嫌だなぁ・・・クールじゃないし、全然ドラマティックじゃないわ(~_~;
ロマンティック・サスペンスの女王と言われていらっしゃる実力派リンダ様だからこそ、辛口な感想も書いてしまいますわ(^^;
だって、読んでて面白くない作家さんに愛あるツッコミ言うなんて時間の無駄だもん(笑)。
「ロマンス小説だからいいのよね〜♪」という言い訳をするには、今回はその部分は濃く少なく描かれてサスペンス部分がかなり濃厚。
だから、リンダ様はそういうスタンツで書かれたのね、と勝手に決め込んでこういうツッコミをしてみた次第である(笑)。
大好きよん、毎回変化球でなく直球勝負してくださる、そんなリンダ様が(爆)
約一年ぶりのリンダ・ハワードの日本での新刊(^^)
さっそく読んだけど・・・そうくるか。
これ、微妙に『青い瞳の狼』のスピンオフなのね(笑)。
CIAエージェント関連の話って事しか前知識として入れず読んだら・・・これがとってもよかった(*^^*)
もっとも、最近再び新聞やニュースで取り上げられた鳥インフルエンザを題材にした話ってあたりが、タイミング的に怖いものが(^^;
CIAの契約暗殺者であるヒロイン・リリーが復讐の為にある男を殺すところから話は始まるのだが、この後の逃亡劇とリベンジ戦が頭脳戦でとてもことのさん好みでした(ラストはお馴染みのC4とか出てくる展開だったけど。笑)
壊れてしまいそうな極限まで追い詰められながらも、プロのアサシンとして地に足をつけている、その両極の描写が絶妙である。さすが強いヒロインを描かせると上手いわリンダ様。
ヒーローのスウェインが、これまた今迄のリンダの描いてきたヒーローとは一味も二味も違った男で味わい深かった!
軽妙で、でも我慢強くて、永遠の駄々っ子でありながら、デキる男で。
高島屋くんっつーか、ハグハグくんっつーか、こめかみあたりの白髪もよいのよっっ!!
ここに久し振りに近況が登場するジョン・マディーナとかまた対極の男かな?(^^)
リンダらしく、ホットな場面もありつつも今回はひたすら頭脳と言葉でのやりとりが心地よい。
ラスト寸前、リリーの、スウェインの上司への一言ですっこーんと物語のピースが全て腑に落ちるという、あの瞬間を味わいたくてきっとすぐにもう一度読むのだろうな、ことのさん。
しかし、リンダ様・・・この作品は、来年あたりお書きになられる新作への布石と見てよろしいのかしら?(^^ゞ
このままマディーナ達、再登場を期待していいのかしら?(^^ゞ
次回リンダ様の新作翻訳は、To Die For。
各所でこんなに評価の判れたリンダ本って、かつてあった?という1冊。
ここ数年は初出がハードカバーばかりの彼女が久々にPB初出で軽〜く書き下ろしたラブサスペンスだが・・・本当に評価はばっくり。
「超面白かった」という人から「新刊で買って損した。借りて読めば充分」という人まで。とにかく、イヴァノヴィッチのプラム・シリーズ?!と思った最初から、そのヒロインによる一人称作品っぷりといい異色作品である。
今回の『くちづけは眠りの中で』が良かったせいか、ちょっと今、リンダ様ブーム中になりそうだが・・・出たばっかの新刊、ハードカバーなんだよな・・・(^^ゞ
なかなか各所で評価のいいタイムスリップものなんで、どっかから軍資金降ってきたら買ってたりして(爆)
ここから下の部分は『くちづけは眠りの中で』を読み終えてから、お読み下さい
さて。お気に入りの1冊だが、どーしても最初っから「そ、それって・・・(^^A」と思った箇所が数箇所ある。
この物語で重要なポイントとなるCIA本部(ラングレー)の情報管理の杜撰さもその一つである。
リリーは「契約エージェント」である。
つまり、契約次第では、次にはこちら(CIA)と敵対する立場の人間と仕事をするかもしれない諸刃の剣ではないか。
ましてや、18歳の時からその実力はラングレーも認めるものであれば、その人物のデータ、ましてや自分達が彼女に「依頼した」仕事内容など、そのグレートの高さについては推察は難しくない。
つまり「特A機密」である筈。
なのに、今回マイホームパパのインターポール男とつながってるモグラ(あっさりラストに流された事を思うと、小物の可能性が高い)にあっさりとリリーは顔と過去の仕事を照会されてしまう・・・っておいおい!!
そんなにその二つが簡単に照会出来たのか?!
ラングレーは、一体どんな状態で契約エージェント達の情報を管理しているのだ?!(ましてやリリーみたいな特Aランクを!)
なんか、ここのラングレー職員、へそくり通帳のすぐ横にハンコを置き、キャッシュカードと同じケースに暗証番号書いたメモを保管し「さぁ、泥棒してくれぃ!!」と言わんばかりのうっかりなヤツ並みな印象ではないか。
いくら冷戦時代が終わり、諜報員全盛の時代ではないかもしれんが、ちょっと間抜けにも程がある。
リリーが再三言う、「使い捨て」として契約エージェントを見ているのなら、尚更その「使い捨て」から己達の立場が危うくなるなんて愚の骨頂。
細部までフォローバックをし、相手(敵対勢力)につけ込ませないのは基本。「攻撃は最大の防御なり」って言うが、最低限の守りもかためないで攻撃ばっかりするバカはプロにはおらんだろう(~_~;
そんな諜報部は嫌だなぁ・・・クールじゃないし、全然ドラマティックじゃないわ(~_~;
ロマンティック・サスペンスの女王と言われていらっしゃる実力派リンダ様だからこそ、辛口な感想も書いてしまいますわ(^^;
だって、読んでて面白くない作家さんに愛あるツッコミ言うなんて時間の無駄だもん(笑)。
「ロマンス小説だからいいのよね〜♪」という言い訳をするには、今回はその部分は濃く少なく描かれてサスペンス部分がかなり濃厚。
だから、リンダ様はそういうスタンツで書かれたのね、と勝手に決め込んでこういうツッコミをしてみた次第である(笑)。
大好きよん、毎回変化球でなく直球勝負してくださる、そんなリンダ様が(爆)
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